ツノダシの舞
最近のパラオは、天気が悪い。
雨がずっと降ってるわけではないのですが、曇ったり降ったり晴れたりの繰り返しで、何て言うかこう、パリッと晴れない日が続いています。
もう乾季のはずなのですが、やはりパラオのシーズナリティーは、少しずれてきているのでしょうか。
あちこちの長期予報を見ていると、3年続いたラニーニャ現象は、いよいよ今年の春ごろ、普通の状態に戻るようです。
普通の状態に戻るなら、パラオのシーズナリティも戻るのかな?と期待をしたいところですが、難しいかな・・・。
と、そんなことを書きたかった訳ではありません。
今年もまた、冬の風物詩であるツノダシの群れの季節がやってきました。
毎年1月から2月の満月に向かう月齢で見られます。
普段は単体、もしくは2〜3尾で行動するツノダシですが、この時期のこのタイミングだけ群れを作ります。
おそらく、繁殖のためだろうと考えられているのですが、未だ誰もその繁殖のシーンを見た人はおらず、謎のベールに包まれたままです。
意外と知られていないのですが、群れは毎日、集合と解散を繰り返します。
なので、朝に行ってもツノダシは居るのですが、皆場所が散在していて、群れにはなっていません。
もし、午前中からツノダシの群れを狙おうっていうガイドがいたら、そいつはモグリなので、気を付けましょう。
午後になると群れが大きくなって、動きもアグレッシブになります。
ブルーコーナーでは、先端あたりの水深20mくらいのところに集まるのですが、ツノダシが集まってくると、必ずサメも集まってきます。
多い時には50尾ものサメが、群れから少し離れた沖をグルグルと泳ぎ回ります。
サメはツノダシが大好き。美味しいのでしょうね。
ツノダシ達は、アグレッシブに泳ぎ回りサメから逃げ回ります。まるでマスゲームのように、全員で踵を返しながら逃げる様子すら、まるで集団でダンスを踊っているようにも見えてしまいます。
繁殖のために、子孫を残すために、自分たちのリスクは承知の上で、群れを作る。
その華やかで美しいツノダシ達の刹那的な舞を是非見に来てください。
秋野 大
1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身
ガイド会所属
パラオ在住25年。パラオ現役ガイドで最古参。「データ」が大好物で、なんでもかんでもすぐに分析したがる「分析フェチ」。
だいたいの魚は好きなのだが、やっぱりブダイのことだけは苦手。とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。
洋酒より焼酎。肉より魚。果物と酸っぱいものは見て見ぬふりをする。最近甘党。人生ビール党。
ミクロネシア・パラオ エリア情報
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