南国通信 - パラオの海からThe Diving Junky Magazine

人が来ない事での変化

12月は師走であるが、何が師走かと突っかかりたくなるほどの2020年。

今年はいかがでしたか?なんて聞きたくもないし、聞いてほしくもない。そんなこんなで今年が終わってしまう。今年は一体なんだったのだろう?

と、自分の目線でものを考えると冒頭の通りである。まったく腹立たしい。

しかしパラオの海として今年を見てみると、こんなに人が来なかった年は過去30年間を振り返っても、おそらく無かったであろう。

これは海に対するインパクトが少なかったとも言い換えることができる。そもそもパラオの夏はオフシーズンだから、当然この時期は人が少ない。

しかし、このまま鎖国が続けば、冬のトップシーズンもインパクトが無い状況が続く。これは僕にとっては大問題だが、反面、環境にとってはなかなか良いのではないかとポジティブに考えている。

事実、最近デクスターウォールというポイントでは、ソフトコーラルが急速に復活してきている。ここはもともとソフトコーラルが豊富で、そのおかげで亀たちの休憩場所となり、特に初心者には人気のポイントだった。

初心者に人気ってことは、流れないし、亀が多いだけなので、個人的には「ぬるい」ポイントだと思っている。だからあまり積極的に潜る場所でもなかった(もちろん初心者のお客様を案内しているときは潜りますが)。

しかし、今年の頭に潜って驚いたのが、このソフトコーラルが相当なダメージを受けていて岩肌があちこち出ているような状況になっていた。

おそらくダイバーのフィンが原因ではないかと思う。中世浮力が取れないまま水底まで降りてそこでバタバタフィンを動かし、それがナイフのように根元から削いでしまっていたのだろう。

それが先日潜ってみたら、痛んでいた場所に新しいソフトコーラルが復活し始めていた。

ソフトコーラルの成長の速さにはちょっと驚いた。3割くらいは戻っている印象。スキンヘッドだったのが、スポーツ刈りくらいにまで生えてきたような感じ、と言ったらわかりやすいか。

このペースなら、もう少し時間が経てば、以前のようなカーリーヘアのようなフサフサの草原のようなポイントに戻るのではないだろうか、と期待が持てる。あまり好きではなかったデクスターウォールだが、潜りたくなる理由が出来た。

そんな、人が来なくなったパラオの水中では少しずつではあるが、変化が出始めてきたように思う。

せっかくこの場所に残っているのだから、ダイバーとしてしっかりその変化を見つめ、それを発信することが、ここに残る人間の責任のように思える。

そんなことを考えながら今日もボートは、デクスターウォールへ向かう航路、ビーチ脇を滑走していくのであった。

デクスターウォールへ向かう航路

秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身
ガイド会所属

パラオ在住23年。気がつけば現地在住の現役ガイドでは最古参。「データ」が大好物で、なんでもかんでもすぐに分析したがる「分析フェチ」。

だいたいの魚は好きなのだが、未だにブダイのことだけは苦手。とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。

洋酒より焼酎。肉より魚。果物と酸っぱいものは見て見ぬふりをする。最近甘党。人生ビール党。

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