ヒトスジギンポ
ヒトスジギンポの本を製作中だと前にも書いたけどその撮影のために、水納島にずいぶん潜った。
朝からヒトスジギンポだけ追っかけていると、意外なことに沢山ぶつかる。ま〜人間としては、僕は沢山潜っている方だろうしそれなりに魚も見てるし、諸先輩の作った映像も見てる方だけど、実際にやってみると頭で思っていたことと事実というのは違うもんだ。へ〜〜ってなるわけで、それが面白くていつまでも同じことをやっているのだろう。
なんかの映画風にいうと、事件は現場で起こってるのだ〜〜!!
さてこの写真、皆さんにはどう見えるだろうか。小ぶりではあるが、エソ君(魚を食べる)が,僕が観察していたヒトスジ君に近づいてきた所である。
彼の反応は? ワクワク、ドキドキ
ツノ折れくんは逃げるだろうか?
エソは狙うだろうか?
食われるか?
この年、僕が追いかけていた主人公で、頭にあるツノが1本、かじられたのか短くて個体識別できるので、ツノ折れくんと名づけて、僕の本の主人公にした彼なのである。
エソに食われたら、しゃれにならん。仕事が終わってしまう可能性すらあるわけで、そういう意味でもガクガク、ブルブルである。
は〜〜〜
実は何の反応も緊張も2匹の間には、起こらなかった。この後エソ君が少し動いても、ツノ折れくんが動いてもお互いに無視である。眼中になし・・・
ずっと、ヒトスジギンポを見続けて、ウンコする瞬間を撮影するためにその動きの中から、かれがウンコする前の予兆さえ感じ取り、準備をして撮影に成功した。そのぐらい細かい彼の動きも読めるようになり、ウンコマスターじゃない、ギンポマスターへの道を辿る私めがいうのである〜。
エソ君はやはり、上空の獲物を狙うようにできてるのかも知れない。エソはなんでも狙うと思い込んでいただけのようである。
ホント,思い込みと常識は禁物である。あんまり知る必要の無いことだけど、意外なことって,楽しいね。
ピポ,ピポ、、ピポ、、、事件は現場で起こっているのだ〜
吉野 雄輔
1954年生まれ
東京出身
海と海の生物すべてを愛する写真家。
大学卒業後、アジア、南太平洋、南北アメリカ、カリブ海、インド洋など世界の海を放浪、1982年にフリーの海洋写真家として活動を開始。世界80か国ほどの海を取材、《吉野雄輔フォトオフィス》を主宰。
2009年から日本全国をキャンピングカーの旅をスタート、1年の半分以上は海に潜って撮影している。
吉野 雄輔/photojournalist:
happypai.wix.com/kaitei
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- 2020.11:シオマネキ
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- 2020.9:オオモンハゲブダイの顔
- 2020.8:海とは違う美しさ
- 2020.7:青い海に浮く
- 2020.6:種不明の魚
- 2020.5:羽ばたける日
- 2020.4:色模様
- 2020.3:アジの子供
- 2020.2:コウイカ
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- 2019.12:イカ
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- 2019.3:ハラジロカマイルカ
- 2019.2:ヒレナガカエルウオ
- 2019.1:変な奴のいる海
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