僕の好きな生き物。。。?

「しげるさんはどんな生き物が好きなんですか?」

ガイドをしているとよくゲストから聞かれる質問だ。

僕は基本的には特にこれが好きというのがないので、「屋久島で見られる生き物なら何でも好き」ととりあえず答える。

「ヘビベース」というヘビギンポのデータベース・サイトを運営しているのでヘビギンポが好きだと思われがちなのだが特にそういうわけでもないし、毎日のブログが魚に関する話題ばかりでウミウシに関する話題が少ないからといって、お魚好き&ウミウシ嫌いというわけでもない。

好きな生き物はコロコロと変わっていき、さらにその傾向も一貫したものはまったくないため、その時々で興味の対象は極端に違う。

水温の下がる冬季の屋久島は来島するダイバーも少なく、毎日1人で潜る日々が続く。

冬の屋久島の海は黒潮から外れるため、目新しい生き物が流れてくることはあまりなく、この時期ならではの”一般的なダイバーが興味を持ちそうな”生き物や現象は特にない。。。

主に冬季の海でだけ見られる”一般的なダイバーが興味を持つかどうかは怪しい”生き物や現象ならもちろんある。(笑)

例えばワレカラの仲間なんかがそうだ。

ワレカラ類はどちらかというと冷温帯域で見られる生物で屋久島などではとても少ない。しかし水温が最も下がる1-2月になるとクロガヤの上などでうごめく彼らが見られるようになる。

昔からワレカラの存在は知っていても、多くのダイバー同様に僕も特に興味を持つことはなかったのだが、ある日たまたまファインダーを通して見たワレカラのメスがお腹の保育囊で卵を抱いていた!

その途端、突然ワレカラに興味が湧いてきた。繁殖方法を調べてみるとなんと一部の種類では孵化後も母親が子育てをするらしい。。。!

次の日もファインダーを通して覗いてみると、ラッキーなことに今度はその子育て中のメスに出会った。実際に胸元に幼体をたくさん着けて子育てする母親を見たら、さらに興味が増したことはいうまでもない。

メスの胸部にしがみつく子供たち
メスの胸部にしがみつく子供たち

ワレカラの子供は多くの甲殻類のような幼生期を経ずに、孵化後、成体と同じ形のまま保育囊から這いずり出てくるらしい。。。

そして母親の胸部付近にしがみつき、しばらくは母親の保護下で過ごす。さらに母親の体から離れた後も1週間くらいは母親の周囲に留まって、他の生物が近づくとまた母親の体の上に戻るなんて事を繰り返すという。

これではパパにはまったくなつかず、ママ〜ママ〜とうるさいうちの息子と同じではないか!(・_・;

でも、可愛すぎるっ!

こうなると興味はどんどん湧いてくる。。。これまでは気持ち悪いとしか思えなかった数mmサイズのワレカラの子供たちさえも、愛おしく感じたりするくらいに。。。(笑)

母親の元を離れた子供たち
母親の元を離れた子供たち

今までは強い興味を持つこともないだろう。。。と思っていた生き物に突然興味を持つ。

きっかけはこんなものだろう。

その生き物に興味を持つ”ツボ”というか”傾向”みたいなものが僕にあるとしたら、その対象というのは魚やウミウシ、甲殻類といった「種類」にあるのではなくて、「行動」や「生態」といったものが興味の基準になっているような気がする。

まったく動かないウミウシが1匹佇んでいるのを見つけてもそれほど強い興味は湧かないのだが、そのウミウシが産卵していたり、交接していたり、捕食していたり、いつもと違う場所で見つけたりすれば途端に興味が湧く。

多分、「○○が好き」というのはなくて、○○が「○○をしているのが好き」なのだと思う。

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原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。

巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島
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