さぁ、TG4を持って海に行こう!(3)
自然ガイドならではの使い方
TGシリーズの顕微鏡モードはかなり拡大して生物を見ることができるため、撮影以外の目的でも使えるな。。。と感じている。
水中では様々な生き物が陸上では見られないような美しい色彩と形で僕らの目を楽しませてくれる。
しかし、どれも小さい!
肉眼では気づかなかったものが拡大することによって、その色彩美や造形美に気づくパターンが水中には多い。
こうした美しさに触れることができるのは、これまで一眼レフのマクロレンズで写真を撮る方の特権みたいなものだったのだが、TGシリーズの顕微鏡モードはもっと多くのダイバーにその機会を与えてくれたと思う。
僕はダイビングガイドを仕事にしており、前々からこの美しきマクロの世界をカメラをやらない一般のダイバーにもお見せしたいと常々思っており、ガイドとしてその方法をいろいろと模索していた。
虫眼鏡を水中に持ち込んでゲストの皆さんにお見せするという方法もあるのだが、その倍率は知れてるし、さらに水中で普通の虫眼鏡を使っても水の屈折率の関係であまり拡大されて見えない。
だが、このTGをガイド時に持ち歩き、顕微鏡モードで拡大してモニターを通してゲストに見せれば、ハッキリとその美しさや細部の構造を見せることができる!
ガイドならではの新しい使い方ができるのも、このコンデジの良さだと思う。
これはシマスズメダイという魚の卵だ。
この魚は岩の壁面に1粒1mm以下の小さな卵を無数に産み付ける。
肉眼で見るとその卵のツブツブがハッキリとは分からないため、ゲストに指し示してこれが卵だと教えても今ひとつ反応が薄かったりする。。。
しかし、TGの顕微鏡モードを通して見ると卵の形はハッキリと分かり、発生段階が進んだ卵だと稚魚の目玉もしっかり見えたりする。
TGは一部のダイバーだけでなく誰もが、水中の美しいマクロの世界を綺麗に撮影し、観察する事を可能にしてくれたのだ。
今ではTGシリーズは毎日持ち歩くガイド・アイテムとして、ターゲットライト、指示棒などと同様、絶対に欠かせない存在になってきた。(^^)
原崎 森
(はらざき・しげる)
1970年8月26日生まれ
山梨県出身
八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。
鹿児島・屋久島 エリア情報
鹿児島県・屋久島
屋久島ダイビングサービス もりとうみ
〒891-4205
鹿児島県熊毛郡屋久島町
宮之浦2473-294
Tel:0997-49-1260
http://mori-umi.net/
http://harazaki.net/
バックナンバー
- 2020.9:激しすぎる求愛
- 2020.8:14年経っても進展なしって。。。^^;
- 2020.7:夫婦で、親子で別種扱いされる魚たち(2)
- 2020.6:夫婦で、親子で別種扱いされる魚たち(1)
- 2020.5:海でも陸でも同じ習性(笑)
- 2020.4:自慢の出っ歯
- 2020.3:ヒドロ虫の図鑑
- 2020.2:「屋久島ならでは」の光景
- 2020.1:あけましておめでとうございます!
- 2019.12:20年前の曖昧すぎる記憶 – ピグミー発見時の顛末記
- 2019.11:今年のマイブーム被写体(^^)
- 2019.10:15年越しの日本初記録「ヤクシマダテイシモチ」
- 2019.9:屋久島は「ウミガメの島」
- 2019.8:ハナビラ ユキバナ
- 2019.7:そろそろ夏だね。。。
- 2019.6:平和過ぎる顔
- 2019.5:犯人は誰だ?
- 2019.4:まさかの5mm!! – ノンダイバーが驚くこと
- 2019.3:ノンダイバーに説明しても通じないこと。
- 2016.10:さぁ、TG4を持って海に行こう!(4)
- 2016.8:さぁ、TG4を持って海に行こう!(3)
- 2016.7:さぁ、TG4を持って海に行こう!(2)
- 2016.6:さぁ、TG4を持って海に行こう!(1)
- 2014.10:標準和名の重要性
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から