ガイドのつぶやき - 鹿児島・屋久島からThe Diving Junky Magazine

15年越しの日本初記録「ヤクシマダテイシモチ」

これまで標準和名に「ヤクシマ(屋久島)」の名を冠した魚は次の3種だった。

ヤクシマイワシ
ホソオビヤクシマイワシ
ヤクシマキツネウオ

9/25に出版された日本動物分類学会の学会誌「Species Diversity」にて、標準和名に「屋久島」の名を冠した4種目の魚が生まれた。
その名も「ヤクシマダテイシモチ」だ。

ヤクシマダテイシモチ
ヤクシマダテイシモチ
屋久島では過去15年間に約20個体が確認&撮影されている

この魚はインドネシア、オーストラリア北西部、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ボルネオ島北部、フィリピン、台湾などに分布している魚で、日本国内では屋久島でのみ記録されており、これがこの種の日本初記録、そして北限記録になる。

この魚は屋久島では2004年(僕が屋久島に来た最初の年)に1個体見つけて以来、この15年間に一湊や永田などで4回(合計約20個体)も確認&撮影しているのだが、なぜか国内の他の海域ではまったく記録がない。
テンジクダイの仲間としては大型種で、色合いも金色と派手、背ビレも他のテンジクダイ類と比べても異常に大きいことからも、いれば目立つ魚だと思う。

ヤクシマダテイシモチ
ヤクシマダテイシモチ
金色の体色、大きな背ビレが特徴の大型のテンジクダイ

黒潮の源流に近いフィリピンや台湾では見られることからも、日本では黒潮流域の魚であり、まだ未調査とも言えるトカラ列島などには普通に生息しているのかもしれない。

特徴は第2背びれが異常に大きい事で、ハイフィン(=高いヒレ)・カージナルフィッシュと呼んでいる地域もある事からもそれは分かる。
下の画像のように若い小さめの個体は体側にラインがあり、これは興奮すると消えたりする。
こうした体側にラインのある若い個体は何か他のテンジクダイ(例えばキンセンイシモチなど)と混同されてしまっているかもしれない。

ヤクシマダテイシモチ
ヤクシマダテイシモチ
若い個体には体側に縦縞が入る場合が多い

そんなわけで、屋久島よりも北のエリアで黒潮流域の海域で秋になるとこの幼魚から若魚のステージが流れ込んではいないだろうか?
四国や紀伊半島、そして伊豆のダイバーの皆さま、ぜひ探してみてください。

フィリピンから台湾、トカラ列島、屋久島と続く黒潮を通じた海のつながりを強く感じる事ができるに違いない。

原崎
原崎 森
(はらざき・しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。

巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

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