雨にも風にも負けず

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尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

まずは台風や大雨で被災された業界関係者様、そして被災地のみなさま、心よりお見舞いを申し上げます。そして、1日も早い復興をお祈りしております。

そして、ホームの尾鷲も例に漏れず、少なからず被害が発生しております。

梶賀ダイビングサービスの施設では、ビーチエントリー口が大崩落するという、前代未聞の被害がございました。現在、復旧にむけて検討中です。

また、大量の泥が舞った影響で、場所によっては透視度が1mという、これまた経験のないコンディションが、今もなお続いています。早く通常のコンディションに戻って欲しいと願っています。

そんな厳しい自然環境の中でも、生物たちは季節を感じとり、逞しい姿を見せてくれています。タイトルの宮沢賢治の言葉が浮かんできました。

まずは、秋に産卵する生物たちをご紹介します。セボウシウミタケハゼの卵保護です。

セボウシウミタケハゼ卵保護

トゲトサカの茎の根本付近に好んで産卵して、雄が守っています。

こちらは、オオガラスハゼの卵保護、

オオガラスハゼ卵保護

このハゼはエダムチヤギの、一番高い場所に好んで産卵します。

そして、不思議なのは卵を守っている感が伝わってこないこと。なぜか、卵から離れた位置で待機しています。セボシとは対照的な卵保護です。

写真はやらせで、すみません・・・

そして、尾鷲の名物、ソフトコーラルの繁殖活動。

スケスケ感が、なんとも美しいエダアザミのプラヌラ(幼生)です。

珊瑚の産卵は有名ですが、ウミトサカの仲間である、エダアザミは体内で産卵受精し、幼生まで育てて、その幼生であるプラヌラを放出するというシステムを取っています。

エダアザミのプラヌラ

拡大すると、こんな感じです。

毎年9月10月頃が放出のシーズンらしいのですが、台風続きで観察が阻まれ、断念しました。

来年こそは、プラヌラ放出の瞬間を狙ってみます。

また、エダアザミの生態情報は、三保アイアンの鉄さんに勉強させて頂きました。鉄さん、ありがとうございます。

エダアザミのプラヌラ拡大

そして、今年に入ってからアカオビハナダイに代わって、勢力を強めてきいるケラマハナダイの様子です。

昨年は性転換している個体を見かけなかったのですが、今年は数固体が確認できています。

ケラマハナダイのペア

こちらは、なぜか雌同士の闘争。雄同士はたびたび見かけますが、女の闘いです。

ケラマハナダイ雌の闘争

次に雨量の少なった時に、運よく入れた、清流の銚子川の様子です。

こちらは限りなく海に近い河口の、汽水域、いわゆるユラユラ帯の様子です。

ハロクラインと呼ばれる、海水と淡水の境界線が目視できます。比重の重い塩水が水底に溜まって、ユラユラと見えます。

銚子川のハロクライン

そして、その河口で一生を暮らすシオアユの群れ。

水が綺麗すぎて、餌となる綺麗な苔が河口付近に生えるので、遡上するのを諦めた鮎たちです。これも銚子川ならでは、独特な生態系です。

銚子川のシオアユ群れ

上流の魚跳び渓では、久しぶりにナガレヒキガエルに出会えました。

春の産卵が終わると、森に帰っているはずなのですが、例外もあるようで、まだまだ謎の多いカエルです。

見た目は抵抗がある方もおられると思いますが、うっとりするくらい可愛らしい美声で鳴きます。

ナガレヒキガエル

最後に尾鷲湾の奥に1年前から、住み着いている、ミナミハンドウイルカのたぶん雄の固体。

この日は台風の影響で透視度1m以下の悪視界でしたが、
フィッシュアイさんの、NA WWL-1を、1inchセンサーのSONY RX100-M5にセットして撮影。

さすが、取り込む光の量が多いので、現像すると被写体のイルカが浮かび上がってきます。貴族のワイコン、いい仕事をしてくれます。

ミナミハンドウイルカ

今回は台風と大雨で、観察が思うように行きませんでしたが、自然界でたくましく生きる生物たちに励まされた月でした。

あっ、あとすいません!

DAN JAPANさんのウェブマガジンの、表紙と裏表紙を担当させて頂いております。

7月号、10月号、11月号の予定です。尾鷲の素晴らしさが更に広まると嬉しいです。

Alert Diver 7月号

それでは、ネタいっぱいの尾鷲でお待ちしております。

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伊藤
伊藤 英昭(いとう・ひであき)

1969年12月24日生まれ
三重県尾鷲市出身

某俳優と同じ名前なので、ふざけてるのかと思われることがあるようですが、本名です。

休日は波乗り、サイクリングに出かけ、最近はカメラ片手に自然のバイブレーションを追い求めている。

趣味は文科系で、ビンテージラジカセ収集、アナログレコード鑑賞。

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