ガイドのつぶやき - 紀伊半島・尾鷲からThe Diving Junky Magazine

変態が始まりましたよ♪

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

今月も子育てネタから、お付き合い下さいませ。

最近2才になる息子が、帰宅すると、

「お父ちゃん、竜宮城に行ってきたの?」

と、しつこく聞いてくるようになりました。

「桃色サンゴを見てきたよ!」

と答えると、

「サメにいじめられた?」

と言うので、この子は、きっとYouTubeで観た、泳げたいやきくんの世界を想像しているのだろうと思い、とても癒される今日この頃です。

さて、リアルな世界の海は、水温が20℃になり生物たちも活発になっています。

水温の上昇、初夏が近づいてくると、イトヒキベラのフラッシングが目を引くようになります。

雄の体色がメタリックに輝き、一瞬だけ各ひれを広げて大きく見せようとします。闘争、求愛のディスプレイ行動。先週あたりから、凄く綺麗に泳いでいるので、1枚目のネタに使わせて頂きました。

イトヒキベラ

次は昨年より1ヶ月近く早く確認できた、ホシノハゼの卵保護、一週間前は無かったので、この一週間で一気に産卵が始まったようです。

よく見ると卵の色が二色になっていて、二回に分けて産んでいるのが確認できます。

ホシノハゼの卵保護

そして、ハッチアウトも始まりました。

ホシノハゼの孵化

通常だと2サイクルほど、産卵を繰り返し、その空き家にクツワハゼが産卵を始めます。

しかし、3日後に確認しに行ったら、なんと、ナガサキスズメダイに占領されていて、厳しい競争社会を垣間見ました。

そして、初夏の人気者、ネコザメの幼魚も姿を現しました。

体長が20センチくらいで、多い日だと1ダイブで10個体に、出会えたこともあります。

毎年、5月頃にゴロタ石の奥に産卵して、1年後の今頃に孵化します。通常は6〜7月がピークですが、昨年はなぜか冬場も観察できていました。これだけ高遭遇率なポイントは珍しいのではと思います。

ネコザメの幼魚

次にGW中はカメラ派のゲスト様に大人気だった、シムラ様こと、フィコカリスシムランス。

かれこれ2ヶ月もの間、ダイバーの目を悩ませて、いや楽しませてくれています。

この雌個体、大きさも7mmくらいにプクプクと成長して、人慣れもして、いろんな撮影が楽しめています。

フィコカリスシムランスのの雌

そして、その女王様を取り囲むように、雄が2個体確認できています。

この子たちは、泳ぎ回るのと、2mmくらいなので気を抜けません。

探せばまだまだ出てきそうなので、眼に自信のある方は、ぜひ探しに来て下さい。

フィコカリスシムランスの雄

最後に尾鷲湾に注ぎ込む清流、銚子川の情報です。

準絶滅危惧種ナガレヒキガエルの幼生オタマジャクシ、まだまだ観察ができています。

渓流の大きなゴロタ石にびっしりと、特殊な吸盤型の口で吸い付いています。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

この1ヶ月で成長を続けて、上陸しかけている個体もいます。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

そして、よーく見ると、かわいい後ろ足がピョコンと出ています。

そうです、6月号のタイトルである変態が始まりました。

この変態という言葉、実はこの原稿を作っている時、ワープロソフトの誤変換ではと、かなり不安を感じてデジタル大辞泉で調べてみると、

  1. 形や状態を変えること
  2. 普通の状態と違うこと
  3. 性的倒錯があり、性行動が普通とは変わっている状態
  4. 動物で、幼生から生体になる過程で形態を変えること
  5. 植物で、根・茎・葉などが本来の形から変化
  6. 同じ化学組成で物理的性質の異なる物質の状態

日常生活では、3の意味合いでよく使われますが、今回は4の理科用語ということで安心しました。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

3月末を最後に、姿を見かけることが無かった親カエル、やっと再会することができました。

今回は念願の水中です!!

ナガレヒキガエルの雄は、容姿に似合わない、「クー、クー」と、超かわいい声で鳴きます。

ナガレヒキガエルの雄

そして、こちらも準絶滅危惧種に指定されている、最近見つけた、アカハライモリのパラダイスの様子。

婚姻色で尾がブルーに輝き、とても美しい雄個体です。

アカハライモリ

このイモリパラダイス、小さな水溜まりに、若い個体がひしめき合っています。

こんな水溜りが無数に広がっていて、銚子川に残る自然の豊かさを再確認しました。

アカハライモリ

ついつい、お伝えしたい事が沢山ありすぎて、長々と書いてしまい、すみません。

こんなネタいっぱいの尾鷲に、ぜひぜひ遊びにお越し下さいませ。

伊藤
伊藤 英昭
(いとう・ひであき)

1969年12月24日生まれ
三重県尾鷲市出身
ガイド会所属

某俳優と同じ名前なので、ふざけてるのかと思われることがあるようですが、本名です。

休日は波乗り、サイクリングに出かけ、最近はカメラ片手に自然のバイブレーションを追い求めている。

趣味は文科系で、ビンテージラジカセ収集、アナログレコード鑑賞。

三重・尾鷲 エリア情報

紀伊半島・尾鷲
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