ガイドのつぶやき - 伊豆諸島・八丈島からThe Diving Junky Magazine

魚たちの繁殖

少し前の話しになってしまいましたが今年の7月21日にイカ・タコガイドブックの著者である阿部さんが「魚たちの繁殖ウォッチング」を誠文堂新光社から出版されました。同社からは「海藻」に続くネイチャーウォッチングガイドブックの2冊目です。

誠文堂新光社の方とは別件でお話をする機会が何度もあったし、阿部さんとも疎遠なわけではないのに、この本については全く事前に知ることがなかったので、ちょっとした驚きでした。

一口に繁殖と言っても縄張り争いや求愛から始まり、産卵、そして育卵、ハッチアウトと続きます。

ダイビング中、行き当たりばったりで普通に観察できるものもあれば、普通に見られる種類なのに繁殖シーンにはお目にかかったことのないものもあり、その様子は千差万別。

あまりにも素早い産卵で見ることはできても写真に撮るのは困難なものもあれば、求愛ばかりしてなかなか産卵にたどりつかず、こちらがエア切れしてしまうほど時間のかかるものも。

例えば、八丈島でごく普通に見られるセダカスズメダイ。地味でタイヤキくらいの大きさで、全く誰にも興味を持ってもらえません。春から初夏にかけてあちこちで産卵していますが、その横をダイバーが素通りしていきます。これが見たい!というリクエストを受けることもないので苦労はしていないのですが、いざ見ようと思うと意外と大変だったりします。

セダカスズメダイ

セダカスズメの場合、どうも産卵の時間帯があまり決まっていないようなのです。午前中産んでいるのを見かけた翌日は午後に産んでいたり、その次の日はお休みだったり。産卵する場所は固定しているので、頻繁にそこを通っていれば間違いなく見られるのですが、1本のダイビングで狙おうとすると、これがなかなか。1本目に見られなかったから2本目に狙おう!と思っても、水面休息中に終わってしまっていたり。

ネズッポの仲間は、きれいどころが揃っているし、ディスプレイも派手で見ごたえがあります。最近ニシキテグリやヤマドリの産卵シーンは写真を見かけるようになりましたが、八丈島のミヤケテグリの産卵シーンも負けてはいません。もう少し知名度が上がっても良いのになあと思うのですが、これもいざ見ようと思うと意外と大変だったりするのが難点。

ミヤケテグリ

ミヤケテグリは、そもそも生息範囲が少し深め。個体数が多い年なら浅い場所でも産卵が見られるようになるのですが、そうでないと長時間は待っていられない深さになってしまいます。皆が安心して確実に見られるようになれば、人気急上昇すること間違いなしだと思うのですが、なかなかそうはいきません。

じゃあ、八丈島では何だったら手軽に見られるの!?と聞かれれば、キンギョハナダイを筆頭に、レンテンヤッコ、ヒメテグリなどでしょうか。

特にレンテンヤッコは数が多く、他の地域と比べて浅い場所で見られるのが特徴です。そんな八丈島の魚たちの繁殖も、是非阿部さんに紹介してもらいたかったなあ。

阿部 秀樹著「魚たちの繁殖ウォッチング」

皆さん、この阿部さんの本でしっかり予習して、八丈島の魚たちの繁殖をリアルに見に来てくださいね!

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水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

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