我が子かわいさ
自分に兄弟がなく、子供の頃に年少の子と遊ぶ機会がなかったせいか、大人になってからも、どちらかと言えば子供の相手をするのが苦手でした。
「そろそろ結婚して、孫の顔でも見せてくれれば良いのに…」
と母親にぼやかれた時にも「だって、あんまり子供好きじゃないしさぁ〜」
と答えたところ、「それが自分で産んだ子供となると、可愛くなるもんなのよ。」
と返されました。
そんなの信じられない…と思いましたが、そのまま子供を産んで育てる機会がなかったので、確かめることができませんでした。
そんな話と何となく似ているように感じるのが、水中で見つけた被写体。
例えば、春になると見られ始めるアマミスズメダイ。今年最初の1匹を見つけたくてウズウズしています。出始めの頃は個体数が少ないので、
「ねぇ、ねぇ、●●さんが見つけたアマミって、どの辺にいるの?」
とか、
「○○さんが見つけたアマミって、良い子で撮りやすいよね〜」
という会話が飛び交います。
そのうち、そのアマミは
「●●さんのアマミ」
とか
「○○さんのアマミ」
というように、まるで見つけた人の所有物か子供のように呼ばれるようになり、愛着が湧いてきます。
見つけた○○さんや●●さんは、自分のアマミが人にほめられたり、人気者になると、かなり嬉しそうです。
だんだん個体数が増えてくると、いちいち名前なんて付かなくなるのですが、ゲストが新たに見つけたりすると、ログ付けの時に
「□□さんのアマミ、可愛かったね〜」
と盛り上がります。前のダイビングで、いっぱいアマミを見せてもらい、ガイドには
「もう、アマミはいりません」
と宣言していたゲストも、次のダイビング中に自分で新たなアマミを見つけると、また夢中になって撮っています。
「もうアマミはいらないって言ってませんでした?」
と聞くと、
「自分で見つけた子は可愛いのよ〜」
と苦笑い。
アマミスズメダイに限った話ではなく、ウミウシでもエビ・カニでも、何でもそうです。そして、その気持ちは、私にもとってもよくわかります。
今年も、そろそろアマミが出始めました。まだ個体数は少ないようです。
島内の同業者のブログで話題になり始めていたのに、なかなか見つけれらませんでした。そこで、ご近所のガイドさんに
「あの子、どこで見つけたの〜?」
と教えてもらい、早速撮りに行ってきました。エントリー口噂に違わず良い子で、とっても撮りやすい子でした。


しかし、やっぱり私も自分で見つけたい。自分の子がほし〜い!ってことで、撮影後にまたまたアマミ探し。

水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
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