ヘビギンポ偏愛(36)

[結局は採取しないと分からないのか?]

ダイバーの間ではどういうわけか魚の「採取」はあまり良い印象は持たれていない。

ヘビギンポのように水中では識別が難しい種類は、婚姻色のオスや産卵中のメスを産卵後も追って観察するしかないのだが、それが叶わないとなると採取するしかない。

ただ採取したとしても、その1個体だけの種類(正確には”名前”)が確定されるだけなので、今後水中で識別できるようするのが目的の僕らダイバーにとっては現実的ではない。

では、同一個体の生態写真と標本をセットで取れば良いかというと、そう簡単な話でもなくて、1匹くらいだと依然として水中識別の際に役立つ大きなヒントにはなり難いと思う。

個体によって斑紋や形状などに変異幅があったり、環境によって色彩や模様に違いがあったりするので、水中観察で識別できるようにするという目的のためだったら、何個体も何個体も撮影&採取を繰り返して比較しなければならなくなってくる。。。

結局のところ、行動や生態の水中観察が必須なのだ。

まずは個体識別できるくらいまで徹底的にその種類の社会全体を水中観察して、最低でも「名前は分からないけど、これとこれは別種、これとこれは同種」というレベルまでは持っていく。

その後に1-2匹採取して種類を特定する。

むやみに採取したところで、ほんと僕らダイバーには得るものはない。。。

【ゴマフヘビギンポ】

今年の7月にこんなヘビギンポを見つけた。

誰こいつ?
誰こいつ?

見た目は以前紹介した「ゴマフヘビギンポ近似種」と何ら変わりはないのだけど、体の後半から尾ビレにかけて真っ黒なのだ。

本家・ゴマフヘビギンポの婚姻色は体の後半が黒くなる事を知っていたので、スグにこれがゴマフヘビギンポの婚姻色褪めかけのオスに違いない!!と思い、興奮して鹿児島大学の研究者に電話をした。

ところがちょうど最近、お隣・種子島でもゴマフヘビギンポを見つけて採取し、同じ個体の生態写真も撮ったとの事。。。

ちょっとガッカリしつつも、その生態写真を見せてもらったところ、僕が屋久島で見つけた体の後半が黒いヘビギンポとは似ても似つかない!!

オマケに僕が見つけたヘビギンポについて聞いてみると、「あ〜これはソメワケヘビギンポじゃないですかねぇ。。。」と冷たい一言。(^^;)

種子島で採取されたゴマフヘビギンポ
種子島で採取されたゴマフヘビギンポ

ま〜採取されているわけだから、間違いなく上の写真は本家・ゴマフヘビギンポなのだろうけど、じゃ〜僕の撮った子は誰?(ーー;)

やっぱり採取してみないと、納得できないのであった。

そして依然として本家「ゴマフヘビギンポ」がどんな魚なのか、分からないままだ。。。

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原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。

巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島
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