ガイドのつぶやき - 伊豆半島・大瀬崎からThe Diving Junky Magazine

冬の浮遊するイカたち

皆さま、初めまして。

今回から大瀬崎より大瀬館マリンサービスの堀口が豪快倶楽部に参加させていただきました、よろしくお願いします。

ここのところ大瀬崎ですが、水温はガクッと下がりピーク時は毎年通り、13度台まで下がりました。

1月は透明度が最低で3〜5mと冬なのにこの透明度は何なんだろと思ってしまうぐらいでしたが、2月に入ると徐々に上がり湾内でも最高で15mぐらいと冬の透明度だっ!っと喜べるくらいに上がりました。現時点では10m前後をキープしています。

水温が下がるのは寒い・・・っと、喜べない人も多いと思いますが、低下とさらに外洋の良い潮が入ると数種類のイカの幼体が大瀬崎湾内では観察することができるのです。

そのイカ類は昼間は観察するのが難しですが、ライトラップという方法を使って夜におびき寄せます。

それでは、最初にお見せしたいのはスルメイカだと思われるイカの幼生。

このイカの幼生、多いときは20〜30匹ぐらいの群れを作るのです。大きい個体は大瀬崎では見ることも少なくなりますが、稀に確認することもできます。

スルメイカだと思われるイカの幼生

ライトの周りに寄ってくる小さい群れ。

ライトの周りに寄ってくる小さい群れ

また、毎年登場するも、なんのイカの仲間かもわからない不明種もこの時期に登場するのです。

まれに膨らんだりするのが特徴の一つです。

膨らんだ不明種

ほかにも輝きがきれいなイカたちは続々と現れます。

ただ、ほとんどが同定が難しい不明種ばかり・・・。

輝きがきれいなイカ
輝きがきれいなイカ

また、ただライトに寄ってくるだけではなく、ここのところ生態シーンも見られてます。

昼間は海藻やロープなどにくっついて身を潜めているヒメイカですが、エサの取り合いや交接などで2匹がくっついているところが2月中は何回も確認されています。

ヒメイカ
ヒメイカ

腹側や足につく無数の発光器がきれいに輝きくホタルイカモドキ科の1種です。

光を放つのは隠れたり、脅かすため。このイカ達はうまく発光器を使い分けしているようです。

ホタルイカモドキ科の1種
ホタルイカモドキ科の1種

ここから季節は春に変わっていきますが、水温が低い時期はまだ続くので、浮遊するイカはまだまだ光を求めて姿を見せてくれるでしょう。

堀口 和重
堀口 和重

1986年5月22日生まれ
東京都中央区出身

専門学校で海洋生物の勉強をしながら伊豆の海でダイビングを始める。

卒業後、2年間鹿児島県の屋久島でガイドをスタート。その後どうしても、大瀬崎で働きたく伊豆の海へと戻ってくる。

現在は大瀬館マリンサービスのチーフインストラクター。

伊豆半島・大瀬崎
大瀬館マリンサービス

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