いつかパヤオで
パヤオって、聞いたことあります?
同じダイビングをやっていても、マクロハンターの皆さんには縁がないかも知れません。しかし、大物や回遊魚を狙うダイバー、釣り人ならご存知のはず。
日本語にすると「浮漁礁」と言い、沖合の、海底に大きな根など魚がつきそうなものが何もないところに設置すると、たくさんの魚が集まってきて、良い漁場となるのだそうです。八丈島の沖合にも、このパヤオがいくつか設置されています。
このパヤオ、今では八丈島の漁師たちにとって無くてはならないものとなっていますが、初めて設置しようという話が出た時には、反対意見が圧倒的に多かったのだそうです。この反対意見を押しのけ、パヤオの設置を推進した漁師さんが、たまたま知り合いでした。その当時の話を、よく聞かされたものです。
そして、別の漁師さんで、私たちがボートダイビングで世話になっている船長さんから、たびたび「パヤオで潜ってみないか?」と誘いを受け、同業者を集めて皆で出かけたことがありました。まずプロの私たちが潜ってみて、もしゲストに紹介しても安全に楽しんでもらえるようなものだったら、集客につながるのではないかと思ったのです。
ところが残念ながら、この日、パヤオは見つかりませんでした。パヤオは通常浮いていて水面よりも出ている部分があるのですが、潮が速い時には水中に没してしまうのです。
それ以来、パヤオで潜ろうという話は立ち消えになってしまいました。
しかし、ご縁と言うのは不思議なもので、レグルスのゲストの中に、このパヤオの設置に携わっている方がいらっしゃったのです。FaceBook上に、出張で八丈島に来ていると書きこんでいらっしゃったので「それなら是非お立ち寄りください」とコメントしたら、本当に遊びに来て下さいました。今回は何のお仕事かと尋ねたら、このパヤオの入れ替え作業だそうで。今、底土の堤防に、引き上げたパヤオが置いてありますよと教えてくださったので、早速見に行ってみました。
こんな大きな円筒形のカゴのようなものが、水底から長いロープでつながれ、水面に近いところを浮いているのです。陸上で見てもかなり大きなものなので、水中で見たらさぞかし大きく見えるでしょうね。
ここにたくさんのマグロの仲間や、それを狙うサメ、そしてなぜかたまにジンベエザメもやってくるのだそうです。いつか潜れる日が来るでしょうか!?
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
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