漁船の台風対策
そろそろ豪海倶楽部の原稿の締め切りだ…と思っていたところに、台風がやってきました。おかげで原稿を書く時間はできましたが、ダイビングはできなくなり、水中写真は撮りに行けなくなりました。
私は八丈島のレグルスでしかダイビングの仕事をしたことがないので業界全体のことはわからないのですが、八丈島のダイビング事業者の連絡網は、とても良く機能していると思います。昔は本当に電話で連絡が回ってきていたのですが、今はメールの一斉送信なのでメーリングリストと言った方が良いのかしら?
例えば台風が近づいてくると、海がどんどん時化てきます。普段であれば「この海況でダイビングしても大丈夫か?」という判断は、各ガイドがします。
しかし台風が近づいてきて漁船が台風対策を始めると、例えダイビングできそうな海況であったとしても、自粛しようという取り決めになっています。万が一ダイバーが漂流事故にあった場合でも、救助してもらうことができないからです。
島内には大きな漁港が島の東側と西側の2ヶ所にあるのですが、同じタイミングで始まるわけではありません。こちらとしては両方の漁港が台風対策を始めるギリギリまで潜りたいわけですが、そのタイミングを各自で把握するのは困難です。
でも、誰かしらが仲の良い漁師さんやボートダイビングでお世話になっている船長さんから「今日の夕方から始めるよ〜」という話を聞くと、その情報がすぐにメールで送られてくるのです。

それにしても、この漁船の台風対策、人によってなぜか呼び方が違います。
実際にはどうするかと言うと、漁船を港にロープで係留するだけでなく、隣り合う船とも繋ぎ、対岸の船とも繋ぎ、全ての船をお互いに繋ぎ止め合います。


このことから「船縛り」、「ロープ取り」、「ロープ縛り」、「船止め」などと言っています。八丈島以外の漁港でも同様の台風対策をしていると思うのですが、何と呼んでいるのでしょう?
一部の漁船だけですが陸上に引き揚げて固定してしまうため「船上げ」と呼ぶこともあります。

今回は25日の午後から潜水自粛となりました。台風18号が八丈島に接近するのが27〜29日。その後台湾付近で停滞気味の台風17号が折れ曲がるようにして東へ進む予報。台風の連打で長期戦となりそうです。
皆さんが豪海倶楽部を読んでいる10月1日には、両方とも過ぎ去ってしまってくれていれば良いのですが。

水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
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