終章 研究のこれから

このシリーズは、これにて一旦終了しますが、研究は終わりなく続きます。

現在進行形の研究は、ここから数段階もレベルを上げた状態で続行しています。これ以上、書く事でお調子者の僕が「つい」重大な守秘事項を漏らしてしまう可能性があるので、いい加減にしようと思いました。今、読み返してみても「ギリだなぁ?」って思う部分があって、同業研究者が見ていない事を祈ってしまうほどです。(笑)

前回の最後に「医学的な転用」に触れましたが、これは人がこの毒によってお亡くなりになる事の抑制の研究ではなく、TTXに限らず海洋生物の毒は、麻酔作用の部分に関してや薬学的な利用が促進しています。最近ですと、ウミケムシの毒を使ったお話しが話題になりましたが、興味のある方はググってみて下さい。

陸上生物に比べて海洋生物に有毒な生物が多いことは、なんとなく理解できると思います。勿論、対面積というかエリアの広さで考えれば、海の方が割合として多いから、当たり前の比較論に感じるかも知れません。水中の生物、水中という環境に棲息している生物に毒を持ったものが多いと言う事は、第四話の中編の冒頭でお話ししましたが、魚類では進化の後半に有毒生物が出て来て、フグに至ってはかなり新しい過程におけるものだと...。魚類と言う視点から、動物という拡大した視座で見ると「あれ、生物は海から産まれたんじゃなかった?」と言う矛盾に突き当たります。

実際は、矛盾でもなんでもなく、魚類というパートで考えれば、そのパートの中の進化で「新しいもの」に毒を持つ理由が出て来たと言って良いと思います。もう一つ、面白い矛盾があって、海洋生物の起源とされる熱帯に近いほど、毒性生物は多い訳ですが、そこから拡散(北上)して進化をしていったのなら、拡散の終端部分が進化の後半になる訳だから、寒い所の生物に毒が無い(少ない)のは可笑しいのでは?と言う疑問も生じます。これもある理論によって考察出来ますが、内容の秘密レベルが2段階ほど上昇するので、この辺で止めておきます。

このように、疑問や矛盾に対して、知識を総動員して考察し、その考察をデータによって証明する事で、謎が解き明かされます。このような行為は、特に科学者や研究者だけの特権ではなく、ガイドやダイバーの皆さんが、普段海に潜って感じている疑問や不思議を知る事と、根源的な部分では変わりありません。「何故?なに?」を繰り返す事で、目に映る世界をどんどん変えてみて下さい。

次号からは、またガイドネタに戻って「生態の迷路」というテーマで綴ってゆきたいと思います。お楽しみに。

それから、お知らせです。毎年、静岡市で開催している「三保水中生物研究会」の講演会ですが、今年はちょっと遅めの12/3(土)の18:00〜清水テルサで行います。定員は80名ほどで入場は無料です。ゲストは、な、なんと!リロアン村から「ガルーダ五十嵐」氏を迎え、ガイドのタネ明かしと言うか、ちょっとした謎解きをテーマに講演したいと思います。もちろん、講演会のあとは後宴会で更にヒートアップしますので、そちらも併せてお楽しみ下さい。

師走のお忙しい中とは思いますが、このコラボで面白真面目な講演をするのは前代未聞です。お見逃し無く!

「三保水中生物研究会」の講演会
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" 終章 研究のこれから " へのコメント

  1. ねば: 2011年12月4日 2:05 PM
    avatar

    研究会なんてあるんですね。
    面白そう~~~!!!
    でも、後援会は終わってた。昨日。。。がっくし。

鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」

静岡・三保
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〒424-0902
静岡市清水区折戸2-12-18
Tel:0543-34-0988

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