第73回

ホワイトソックス

先日、屋久島に行って、この豪海倶楽部にも書いている「森と海」の原崎森君と潜って来ました。

屋久島の海は沖縄とは違って温帯色の生物類も多く面白い海で、研究熱心なガイドダイバーの原崎君のガイドで興味深く潜れました。

さて、その時に最近ついた和名がなかなか出てこないという話になった。例えば、「サクラコシオリエビ(名前がついたのは最近でもないと思われる読者も多いと思うが、僕らからすれば最近なのである)」が出てこないとシゲルは(原崎森君の事)言う。

確かに、昔からこの生物の存在を知っている僕にしても「ピンクスクワットロブスター」の英名の方がすんなりくるし、例えば久米島を冠する「クメジマオトヒメエビ」だって、和名が付く前に呼んでいた「ピルソノトス(Stenopus pyrsonotus)」の方が僕の中では通りが良い。

ある種の誤解を恐れずに言うと、僕もシゲルも名前とはその生物の分類上の区分けが出来れば良く、大事なのはその生物がどんな生物でどんな生態行動を勤しんでいるかという事の方が重きを置いているから、極端言うと、「名前なんかどうでもいい」っと、言う表現になってしまうのである。もちろん、その生物が久米島で見つかったものなら久米島に冠する名前が付いたらいいなとも思うし、学名に「Kawamotoi」「Harazakii」などの自分の名前が付けば、ガイドダイバーにとっては最高の名誉な事だと思う。

まあ、和名に関して言えば、個人の名前よりもその生物の特徴を示すような名前が良いとは思うが・・・・・。

話の中で、上の写真の「シロボシアカモエビ」の名前の事になった。英名「ホワイトソックス」として慣れ親しんだこのモエビの仲間は、もともと東海大出版の図鑑の中で、故益田一先生が提唱した和名を甲殻類の分類の大御所であられる武田正倫先生がそのまま提唱されたと言う経緯のある和名である。学名:Lysmata debeliusのこのモエビの仲間、実は日本では標本が取られておらず、近年、どうやらよく似た2種がいるという事が写真判定で解ってきた。

今後、きちんとした標本が取られ2種に分類された暁には、もしかしたら混乱を避ける為に、今まで標本なしで提唱されていた「シロボシアカモエビ」と言う名前も別の名前になるかもしれない・・・・。

さて、下の写真のスベスベオトヒメエビ属の1種、通称名で海水魚屋さんでは「ホワイトハンド」とか「ホワイトグローブ」とか呼ばれている種である。この通称名で呼ばれているエビの仲間でも僕が知っているだけ2〜3種ほどいる。「エビ・カニガイド・ブックパート2久米島の海より」の共著である奥野先生に早くやっつけてもらい素敵な和名が付けばいいなと思っている子です。

ホワイトハンド
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川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身
ガイド会所属

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

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