第三話 文系的な考察 後段
前段で割りと脱線的人為事例を取り上げてしまったので、本筋の捕食アラウンドが欠落してしまいましたが、根絶を目指すことが、自分に対する食圧を下げる作用があることはお分かりいただけたことと思います。
捕食に関しては、以前どこかで書いた記憶がありますが、いくつかのカテゴリーに分けられます。
最も基本的なことは、生命の維持であり、成長や必要なエネルギーを獲得するためのものです。それだけじゃないの?って思われるかも知れませんが、例えば「エッグプレデュエーション」のように、自分の子孫以外は増えないように、同じ種にもかかわらず、産卵に参加するふりをして、卵を食べまくる行動です。
同じ種が同時期に沢山存在することで、親が生存して欲しいとする仔魚が生き残れなくなる可能性があるので、卵のうちに食べちまおぅ!ってスタンスです。確かに、必要エネルギーは結果的に得られますが、根本的な立ち位置は違っています。(自分の産卵時のエネルギーと仔魚存続の一挙両得とも考えられます)
他にも特異的な例で「ヤベぇっ!やっちまったぁ〜」的なウッカリ捕食もあって、口内保育をするテンジクダイ系の魚では、頻繁とまでは言いませんが、パパのゴックンによって大量卑属殺を繰り広げてしまうこともあります。
ここでは、滑稽に書いていますが、嚥下は意識的なものと反射的なものがありますので、僕は人間的な見解に基づいて「お腹減っちゃったから」の方でなく「たまたま卵塊がそこ(つまりゴックン刺激部位)に接してしまった」と読み解きたいのです。
この辺の希望的考察も、やはり文系的ですね。(笑)
画像は、黄金のタイヤキと呼んでいる、クロイシモチの黄色化個体。この時は、10ぴきを超える雌雄が密集していて驚きました。
このパパの口内保育は、無事!ハッチアウトしたようです。(笑)
鉄 多加志
1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属
生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。
通称「視界不良の魔術師」
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