ガイドのつぶやき - 静岡・三保からThe Diving Junky Magazine

第二話 TTX中毒

1979年12月に静岡県清水市(当時)三保で獲れた食用のボウシュウボラ(ホラ貝の一種)を食べて中毒者が出ました。

肝膵臓(肝臓と膵臓が一緒になった器官中腸腺)の部分を食べて、まもなく呼吸が麻痺し、重体に陥ったという新聞記事があります。これに際して、現東京医療保健大の野口教授及び、当時静岡の保健所におられた成田先生は、現場に赴き、入手した食べ残しから中毒原因物質を調べたところ、 それが、驚いたことにフグ毒だったのでした。さらに、ホラ貝の消化管から発見されたヒトデにもフグ毒が検出され、

ホラ貝の毒化原因が、索餌されたヒトデだったということが知られました。そうなんです!僕が、いえ!斎藤研究室がこのトゲモミジガイ(同種ヒトデ)の研究に着手したのは、地元のこの事件が背景にあったからなのです。

研究の過程報告として、この内容は平成20年度に東海大学海洋学部で開催された「日本水産学会」の食品化学の分野における発表でもセンセーショナルな研究として、同研究者ならびに関係各位をうならせました。

何故、そんなにも列席した研究者が唸ったかは、ケミストリー(デュオの歌手ではありません)の分野では、基本的にラボ(実験室)におけるホワイトカラー的な研究が主流で、フィールド(ブルーカラー的)における研究は、アプローチとして「汗臭く」あまり歓迎される内容が少なかったのですが、ここで発表された一連の内容は、ラスベガスでたまたまやったスロットの7が全部そろってしまった時に吐き出されるコイン並みに、同業者の目から鱗を落とした程のインパクトがあったそうです。

その証拠に、僕の発表が終わった後に、送られた拍手の厚みと、本来ならば多少なりとも意地悪(否定的)な質問が飛び交う質疑応答でも、質問と言いながらも発表者をリスペクトする発言しかなったのが、物語っています。

当日この場に、成田さんと野口さんもおいでになっていたので、この二人に感謝するとともに、この研究が新たな局面を迎え、それを地元の大学が引き継いだ事をアピールした良い機会になったのでした。

消化管内容物の中に含まれていたトゲモミジガイ
消化管内容物の中に含まれていたトゲモミジガイ
食中毒事件を引き起こしたボウシュウボラ
食中毒事件を引き起こしたボウシュウボラ
zp8497586rq

鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」

静岡・三保
ダイバーズ・プロ アイアン

〒424-0902
静岡市清水区折戸2-12-18
Tel:0543-34-0988

Divers Pro IRON
blog.goo.ne.jp/under-w
blog.livedoor.jp/diverspro_iron
ameblo.jp/g-iron

アイアン

GROUP IRON

ORGANIC KELP

バックナンバー
関連キーワード

BabyFinders7OリングPOL-058PT-059RXWRECKWWL-1はえものアオサハギアオリイカアカオビハナダイアカカマスアカグツアカゲカムリアカボシウミウシアケボノハゼアサヒハナゴイアザハタアデイトベラアミメハギアメフラシアヤニシキイサキイシガキカエルウオイソギンチャクイソバナイソマグロイトヒキハゼイトヒキベライナダイバラタツイボヤギミノウミウシイルカイレズミフエダイイロカエルアンコウイワシウシマンボウウチワザメウデナガウンバチウデフリツノザヤウミウシウミウウミウシウミカラマツウミヒルモウルトラマンオオウミウマオオミナベトサカオオメカマスオオモンカエルアンコウオキノスジエビオニヒラアジオパールミノウミウシオヤビッチャオヨギベニハゼオルトマンワラエビカイメンカサゴカシワハナダイカジメカスミチョウチョウウオカマスカンザシスズメダイカンパチカンムリブダイカンムリベラガイコツパンダガイコツパンダホヤガラスハゼガンガゼキイボキヌハダウミウシキザクラハゼキシマハナダイキジハタキツネベラキハッソクキビナゴキミオコゼキリンゴンべキリンミノキンギョハナダイギンガメアジクジャクケヤリクダゴンベクマドリカエルアンコウクマノミクラゲクロキンチャクダイクロホシイシモチグルクングレイリーフシャークゲッコウスズメダイコバンザメゴシキエビゴマフビロードウミウシゴルゴニアンシュリンプゴンズイゴールデン・ロッドサクラダイサビハゼサンゴザトウクジラシコンハタタテハゼシモフリタナバタウオシャチブリショウジンガニシラスシリテンスズメダイシロアザミヤギジンベエザメスケロクウミタケハゼスジキツネベラスジハナダイスナイロクラゲスベスベマンジュウガニセイタカアワダチソウセダカギンポセトリュウグウウミウシセホシサンカクハゼセボシウミタケハゼセンカエルウオゼブラガニソフトコーラルソメイヨシノソメワケヤッコソラスズメダイタカサゴタカノハダイタカベタキベラタコクラゲタコベラタテジマキンチャクダイタテジマヤッコタテスジハタタマギンポダテハゼダンゴウオチュウコシオリエビチリメンウミウシツノダシツノメヤドリエビテヅルモヅルエビテングダイトゲトサカトビヌメリナガサキニシキニナナガヒカリボヤナガレヒキガエルナノハナスズメダイナンヨウイボヤギナンヨウツバメウオナンヨウマンタニザダイニシキウミウシニシキオオメワラスボニシキフウライウオニシキヤッコニジギンポニセハクセンミノウミウシニホンイモリニラミアマダイニラミハナダイネッタイミノカサゴハシナガウバウオハタタテギンポハタタテハゼハチジョウタツハナゴイハナダイハナヤギウミヒドラハマグリハマチバラナガハナダイパラコードヒメエダミドリイシヒメテグリヒメホウキムシヒレナガネジリンボウヒレボシミノカサゴビゼンクラゲピグミーシーホースフィリピンクロミスフクロノリフタスジリュウキュウスズメダイフトスジイレズミハゼフリソデエビフロートブラックウォーターダイブブラックフィンバラクーダブラックマンタブリプランクトンベニウミトサカベニゴマリュウグウウミウシベニマツカサベニワモンヤドカリペアホホスジタルミホムラチュウコシオリエビホヤホンカクレエビホンダワラボロカサゴマダイマダコマダラタルミマダラハナダイマツカサウオマニュアルモードマメダワラマルハナシャコマンタマンボウミカヅキツバメウオミギマキミジンベニハゼミゾレウミウシミッドナイトダイブミノカサゴミヤビチュウコシオリエビムレハタタテダイメガネゴンベメギスSPモンガラカワハギモンスズメダイモンツキカエルウオヤイトハタヤセアマダイユビナガワモンヤドカリユリタツノコリュウキュウキッカサンゴロウソクギンポロープワクロ一期一会交雑種侵略的外来種内部波円周魚眼写真展卵保育台風婚姻色季節来遊魚孵化対角魚眼幼魚放散虫沈船浮遊系海牛海牛杯深海魚渦巻き状灯台生態行動産卵白化胞子嚢軽石魚眼レンズ

第二話 TTX中毒 < 静岡・三保から < トップ