第一話 フグもTTXで死にます(後編)
ここで面白いので、話しを脱線させましょう!
「生物学的な死?」...死って他にも分類されるの?あります。分野によっては、もう少し細かい区分けがあるかも知れませんが、大きく分けると、心肺停止の状態である臨床死(CLNICALDEATH)、脳死(BRAIN DEATH)、生物学上の死(BIOLOGICAL DEATH)の3つが挙げられます。
乱暴な言い方ですが「あれ?やべっ!死んじゃったよ」とシロート考えで口に出しちゃうレベルは、ほぼクリニカルデスの状態で、反応が無くても聞こえていたり、記憶に残っていたりするので、この状況における傷病者に対するネガティブな発言は慎んで下さい。(笑)
次に、臓器移植で焦点となっているブレインデスです。(洒落じゃないデス)医学的には、この死をもって死とする場合が多いようです。そして、これで生き返ったらゾンビのレベルがバイオロジカルデスになります。
話しを元に戻して、このTTXは非常に安定した毒で、しかも驚くほど猛毒です。安定していると言う事は、解毒などの対処法が殆ど無く、猛毒とは少量で人を死に至らせることが出来ると言う意味です。よく比較されるのは、青酸カリですが、その1000倍の威力がありますので、どんだけ凄いか!お分かりいただけると思います。(わ、分かりませんよね?)
そんな猛毒ですから、いくら自身がその毒を持っているとはいえ、そんだけ盛ってればフグも死にます。
ちなみに、フグ毒は食物によって摂取され、ある一定量を肝臓や筋肉などに蓄積させ、ある時期には全く毒が無くなる「無毒期」があります。しかし、どんな時でも、ある一定量は摂取しませんので、当然の事ながらフグ自身も分かっているのですね?致死量を。
人によって、酒は「百薬の長」と言いますが、量の個人差はあるものの、飲み続ければ急性アルコール中毒で最終的には死に至ります。もちろん、同じ尺度で考えてはいけませんが、比喩としての理解は得られると思います。
フグでも止めれる毒の摂取を人が止めれないのは「酔い」を「良い」と勘違いしてしまうからなんでしょうね?(猛毒の話しだけに...オチて欲しいは、ブラック過ぎっすか?)

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鉄 多加志
1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属
生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。
通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保
ダイバーズ・プロ アイアン
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