ゆうすけの豪海倶楽部The Diving Junky Magazine

セイルロックの夏

いよいよ夏本番を迎えるタオ島で毎日潜りまくっております。

もともと魚影が濃いかわりに透明度が良くない海なのですが、今は透明度もなかなか良いコンディションで潜れています。

何と言ってもセイルロックが熱い!

ツバメウオの群れが絶好調で、ポイント全体では控えめに言っても300〜400枚、いや、もっといるかな!?

魚眼レンズからはみ出すサイズの群れが見れます。

ツバメウオの群れ

他にも各種バラクーダやギンガメアジの群れも常連で、ご覧のように異なる種類の群れが交錯します。

バラクーダと交錯するツバメウオの群れ

根の周りではツキチョウチョウウオが群れていたり、ワヌケヤッコが集まるというレアなシーンも。

ツキチョウチョウウオの群れ
ワヌケヤッコ

最近はジンベエザメもちらほらと出現していますので、このままの状態が続けばかなり楽しい夏になりそうです。

そして、お天気の良いタオ島では、ビッグブルーのショップのあるサイリービーチが西向きなので、毎日美しいサンセットビーチの夕景がみられます。

サイリービーチの夕焼け

ダイビング以外にもカメラが活躍しましすよ。

オススメの撮影ポイントなんかもお教えしますので、お越しの方は夕焼け話でも盛り上がりましょうね〜♪

年に一度のお休み

この1ヶ月は年に一度のお休みをもらいバリ島や日本に滞在してました。

で、結局、休みの間もダイビングばっかりしてました。笑

下記、タイの海のお話ではないのですが各地で撮った写真をご紹介させていただきます。

本当はめちゃくちゃいっぱい撮ったのですが、きりがないのでたくさんの中からそれぞれの場所からお気に入りのを一枚ずつ。

バリ・トランベンで、オーシャンダイブ・バリの中山大介さんにガイドしてもらった時のもの。

白いホヤの質感とタルマワシの存在感がお気に入りの一枚です。

ホヤとタルマワシ

昔からこのポイントが好きでよく通っていました。

そういえば実はその頃にパラダイスで吉野雄輔さんをお見かけしたことがあったのですがまだ面識が無かったので、うわ〜雄輔さんや〜!と遠くから憧れの眼差しで見ていただけの大村少年だったのでした。笑

お次は、和歌山・田辺のL-Diveの李友喜さんにガイドしてもらった時のもの。

この時期の田辺といえばやっぱりケヤリ!綺麗やわ〜♪

コケギンポの背景として、スヌートを使って黒抜きの背景に浮き上がらせてみました。

ケヤリとコケギンポ

実家の京都からすぐのとこで、僕と同い年のガイドさんで、同じくらいの子供が居て、ほんまに家族ぐるみで仲良くさせてもらっています。
白浜温泉に浸り、美味しい海鮮食べて、充実の週末でした。

沖縄・宮古島のアクアストーリーの國廣哲司さんにガイドしてもらった時のもの。

國ちゃんのマクロガイドも熱かった! でもやっぱり地形が撮りたかった!

沖縄・宮古島

ずっと行きたかった宮古島、ガイド会の仲間の國ちゃんのおかげで目一杯楽しませてもらいました!

お天気が悪くて魔王の宮殿やアウントニオガウディーなどの有名どころには行けなかったのでまたリベンジしよう。

その後、國ちゃんと一緒に沖縄・本島へ渡り、沖縄ダイビングセンターのてつ!さん、スローライフの木戸泰成さん、オアシスダイバーズの吉末奈緒子さんの3ショップ合同の総力戦でガイドしてもらった時のもの。

4〜5人ガイド体制で次から次にネタを紹介してくれるのでめちゃくちゃ忙しいダイビングでしたが、本当ーにいろいろ見ていっぱい撮りましたが、ここで全部紹介したらきりがないので、個人的に見たかったリーゼントヘビギンポを。

リーゼントヘビギンポ

今回はダイビングは一緒ではなかったけどガイド会メンバーである蓮尾さんや津波古君ともがっつり飲んで楽しかったです。

と、ここまではガイド会の世界の海ブログにも書いたので、もう少し詳しくはこちらを見てみてくださいね。

そしてここから新ネタ。

最後に岩手県、大船渡のみちのくダイビング Riasの佐藤寛志さんにガイドしてもらった時のもの。

タイの海とは真逆な北の海。

何もかもが新鮮で何を撮ってても楽しいのですが、特に気に入ったのがこの一枚。

大きな岩にびっしりホヤが付いていました。

ホヤ

海藻の森でアメフラシがいちゃついてました。笑

アメフラシ

フサギンポ♀の積極性にはタジタジでした。

この顔で迫られても・・・(^_^;;

フサギンポ♀
フサギンポ♀

3.11の震災の後に復興ボランティアのお手伝いに行った時から比べたらずいぶん雰囲気が変わっていました。

なかでも海の清掃や町興しなどで漁師さんとダイバーたちが手を取り合って活動されているのがとても印象深かったです。

今回は三陸鉄道の恋し浜駅にあるホタテデッキで『浜の学び舎』のプログラムに参加させてもらいました。ホタテの一生という座学をしてから、漁師さんと一緒に海に出てホタテの耳釣りの仕掛けを体験させてもらいました。(※下の黒板の内容は今回のものではありません)

ちなみに『耳釣り』とは、ホタテの殻の耳と呼ばれる場所に小さな穴を開けて等間隔ロープに吊るし養殖することです。

浜の学び舎
ホタテの耳釣り体験
ホタテの耳釣り体験
ホタテの耳釣り体験

もちろん、その後は新鮮なホタテ食べまくりです!笑

新鮮なホタテ

なかなか出来ない貴重な体験をさせてもらいました。

お世話になった皆さま、ありがとうございました。

大きな被害だったのでまだまだ復興への道のりは長いでしょう。僕自身もカオラックでインド洋大津波で被災して復興を目の当たりにして気た経験がありますが、今の三陸は被災地に遊びに行くのは不謹慎だなんて言うステージではなく、今でもいっぱい楽しめるし、美味しいもの食べられるし、元気に頑張っている地元の人たちと交流できるし、行くことそのものが復興のお手伝いにもなるのでどんどん遊びに行って欲しいと思います。

浜の学び舎のプログラムに興味がある方は、Riasの佐藤寛志さんに直接聞いてみてください。

さて、昨日、タイのタオ島に帰ってきました。

さっそく今日から潜ってきましたが、ガイドとしてゲストと潜ったので写真はありません。高水温によるサンゴの白化は心配していたよりも大丈夫で安心しました。

来月はタイの海から情報発信します。

海のシェルパ展『Color of the sea』

タイの海からサワディカップ!(タイ語でこんにちは!)

今回は大阪で開催した写真展の報告をさせて頂きます。

先月号の記事でも告知させて頂いておりましたが、私が所属するガイド会の同年代のメンバー4人で大阪のギャラリーで水中写真の写真展をやりました。

ガイド会に代々引き継がれている『海のシェルパ展』の第4世代で、沖縄渡嘉敷島の番田武六、和歌山田辺の李友喜、高知柏島の西村直樹と、タイから大村健の4人のメンバーです。

海のシェルパ展

このメンバーでやれて本当に楽しかったし良かったです。

ありがとー!

今回は4人とも西日本出身という事もあり、日本中から水中写真好きのダイバーさんが大阪に集まる『上方水中映像際り』の日程に合わさせてもらいました。

そのおかげもありまして、私たちの写真展にも沢山のダイバーさんが見に来てくれました。

来て下さった皆様、本当にありがとうございました!

今回の写真展のテーマは水中の色『Color of the sea』

水中は青だけの世界ではないのです。

別々の海をフィールドに潜っている4人のガイドが、それぞれの海で撮った虹の7色と白と黒の全9色を水中写真で表現するという趣向です。

会場は淀屋橋にあるBlack Boxというギャラリーで、黒をベースにしたモノトーン基調のスペースのおかげで、上手い具合に9つの色のグラデーションを表現できました。

海のシェルパ展
海のシェルパ展
海のシェルパ展

そして、4月のマリンダイビングフェアの日程に合わせて、東京でも開催することになりました。

場所は、池袋駅西口にあるギャラリー『Gallery ZO』で、4月1日(金)〜3日(日)を予定しております。

豪海倶楽部の関係の皆様も、ご都合付くようでしたらお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。

来月は海の話をいっぱいアップしようと思います。

印度の花魁

皆さま、お久しぶりでございます。

長らくお休みしておりましたが、今年は頑張って記事のアップをしていこうと思っております。

この間ダイビングをサボっていた訳ではなく、相変わらず貧乏暇なし状態で一年中潜りまくっておりますよ〜(^_^;;

書きたい事はいろいろ溜まっているのですが、まずは旬な情報から・・・

今回ご紹介したいネタはオイランハゼです。

シャム湾のオイランハゼ

上の写真はタイの太平洋側のシャム湾に位置するタオ島の海で撮ったもので、雄の個体がホバリングしながらディスプレイをしているシーンです。

タオ島では昔からよく見ている普通種なのですが、これまで個人的にはインド洋側のアンダマン海ではこの魚を見た事がありませんでした。

そもそも私の持っている図鑑や、インターネットのデータベースであるFishbaseなどの分布域にもタイの西海岸は入ってません。(大村調べ)

なので、残念やな〜カオラックにはいないのか〜、オイランハゼのインド洋ver. とかいたらいいのにな〜、と常々思っていました。

ところが先日、調査目的で普段潜らない場所でエントリーしてみると・・・

いました〜っ!

アンダマン海のオイランハゼ

最初は目を疑いましたが、これはまさしく見慣れたオイランハゼじゃぁないですかっ!

証拠写真程度のクオリティーでお恥ずかしいのですが、もしかしたらこのエリアでは初記録なのじゃないでしょうか!?

近似種のCryptocentrus leptocephalus(英名:PINK-SPOTTED SHURIMPGOBY)というのもいますが、今回見つけた個体の特徴を見る限りではオイランハゼの方だと思われます。

ちなみに、この近似種のCryptocentrus leptocephalusの方も図鑑では分布はアンダマン海を除く東部インド洋となっています。

今回は小さな個体を1匹だけ見つけただけなのですが、今後の調査で周辺に沢山いる場所を見つけられるかもしれません。今シーズン中に引き続き調査を続けてみようと思います。

ところで、私が持っている数々の図鑑(特に古いもの)や、インターネットの情報に載っているオイランハゼの情報は交錯しています。

写真と学名のマッチングが間違えて紹介されていたり、そもそも同じ魚なのに学名が2つあったり(シノニム:異名同種)、近似種の存在とその学名や英名が混同されていたり・・・

そこで、魚の種の同定の権威である瀬能先生にオイランハゼの最新の知見をご教授いただきました内容をここにご紹介させていただきます。

オイランハゼについてはきちんとした分類学的な整理がなされていないそうで、最新の知見に従えば、以下の様に理解しておけばよいそうです(将来また変わる可能性があります)。

 ●オイランハゼ Cryptocentrus melanopus

  • 日本に分布する。
  • 下記の種とは頬の小さな斑点は数が少なく、斜めのピンクの帯の縁に沿って配列することで区別できる。
  • 体側の前の2本お横帯は斜めになる傾向あり。

 ●オイランハゼに近似する別種 Cryptocentrus leptocephalus

  • C. singapurensisはこの学名のシノニム
  • 上記の種とは頬の小さな斑点は数が多く、斜めのピンクの帯とは関係なく全体に散らばることで区別できる。
  • 体側の前の2本の横帯は垂直であることも特徴。

という事で、今回私がカオラックで撮影した個体は、日本にいるのと同じオイランハゼに該当する訳で、図鑑の分布も変わる事になるのじゃないかと思います。

さて、最後に告知です。このたび縁あって、かねてより撮りためて参りましたタイの海の水中写真を、皆様方に披露させて頂く機会を得ることが出来ました。

各地で現役で活躍する同年代の水中ガイド4人による写真展を催します。

“Color of the sea”のテーマに沿って、それぞれのフィールドをそれぞれの目線で切り撮っています。

開催場所が大阪淀屋橋にあるギャラリーで、期間中は私もタイより一時帰国して在廊しておりますのでお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。

皆様にお会いできる事と楽しみにしております。

海のシェルパ展

番田 武六(渡嘉敷)、李 友喜(和歌山)、西村 直樹(柏島)、大村 健(タイ)

開催日時:
2016年2月19日(金)10:00〜18:00
     20日(土)9:00〜17:00
     21日(日)9:00〜16:00

場所:
高麗橋 BLACK BOX
大阪市中央区高麗橋3-1-8 カルボ高麗橋ビル1F
http://blackbox.osaka

アクセス:
・大阪市営地下鉄御堂筋線淀屋橋駅12 番出口 東へ徒歩約5 分
・大阪市営地下鉄堺筋線北浜駅6 番出口 南西へ徒歩約5 分

海のシェルパ展

今シーズンのアンダマン海

この記事がアップされるのはちょうどゴールデンウィークまっただ中。僕はたくさんのゲストで賑わうタオ島でガイドとして毎日朝から晩まで潜り倒しているところだろう。

タイは太平洋とインド洋の境目を作っているので、東西にシャム湾とアンダマン海という2つの異なる海を持ちそれぞれが正反対のシーズンを持つという話をしてきたが、ちょうどゴールデンウィークがシーズンの入れ替わり時期で、アンダマン海を望むカオラックからシャム湾に浮かぶタオ島へ引っ越すのだ。

この原稿は前もって書いているので、今回のネタは少し前まで潜っていたカオラックのお話。

今シーズンのアンダマン海は、シーズン初頭は波風がありしんどい日々が続いていたが、中盤からは毎日快晴べた凪で大物運が炸裂したシーズンだった。

過去の大物当たり年の例では、栄養豊富な濁った冷たい水塊が表層まで上がって来ていて、確かに大物は出ているのだが、濁っていて良く見えないとか、とにかく水が冷たくて寒いというパターンが多かった。しかし、今シーズンはほとんど毎日どこかでジンベエやマンタが出現したのだが、水温は温かく安定し、透明度も20m〜30mほど抜けていて、波風も無く水面も穏やかで、本当に恵まれた海況のなか大物を堪能できたシーズンだった。

シーズン中はガイド業に忙しく、なかなか自分でカメラを持って潜る機会が作れないのだが、隙を見つけて何度か調査ダイブや撮影ダイブに行って来たなかで僕が撮った今シーズンのアンダマン海の印象深い写真をご紹介しよう。

アドニスシュリンプゴビー

自分として今シーズンの一番の発見はこちら。通常は潜らないマニアックな場所で初めて見つけた美しいハゼ。アドニスシュリンプゴビーの雄、ヒレ全開!

1度目の調査では数十センチという極悪の透明度の中で肉眼では確認できないまま無理矢理撮った写真の中に気になる魚が写っていた。そこで、2度目はコンディションを選び、その魚に狙いを定めて潜った結果、見事にヒレ全開の写真が撮れてとっても嬉しくて印象に残ったダイブだった。

そして、今シーズンと言えば大物。

今シーズンはジンベエやマンタも何度か撮る機会を持てた。タイで15年ガイドインストラクターをやっているので今までにジンベエやマンタはいくらでも撮って来たわけなのだが、今までに撮ったことのある同じような写真を今さら撮っても面白くない・・・

同じジンベエやマンタでも、他の海とは違う、タイの海らしい表現がしたい・・・

などなど、もっとこういう風に撮りたいな〜という欲求はどんどん贅沢になっていくのだ。

僕はタイの海を“豊饒の海”と表現し紹介している。

沖縄のK島の先輩ガイドのK本さんは“節操の無い海”とばっさり切って捨てるのだが・・・(^_^;;

その文言どおり栄養豊富な海中は生物でみちあふれてとても賑やかなのである。そんな中に大物ジンベエやマンタが登場するのだから、単に青い海にジンベエやマンタががド・アップで写っているだけの写真では“タイらしさ”は表現できない。なんてことを考えながら、大物が出る度に、周りをキョロキョロ、環境を把握し、ジンベエやマンタの泳ぐ方向を見極め、その先にある何かを絡めた写真が撮れる場所へダッシュ・・・。そんな事を繰り返しながら撮ったのがこちら、ソフトコーラル&魚影越しのジンベエザメ!

ソフトコーラル&ジンベエ

そして、ソフトコーラル越しのマンタ!

ソフトコーラル&マンタ

これぞ豊饒の海・タイならではの水中写真!、だと僕は思っている。

・・・が、自分としては決して納得いっている写真ではない。目の前に広がる光景はもっと美しく迫力があるのだが、それをこの写真では表現し切れていない。

という訳で、今までも、今も、これからも、同じタイの海で潜り続けていても、まだまだ飽き足らずにもっともっと!とタイの海で潜り続けて行くのだ。

さあ、これから半年はタオ島で潜り倒すど〜!!!

今が旬!なネタ

今年もカオラックのシーズンが始まった。

毎年恒例、シーズン初頭の見どころのスカシテンジクダイが大量発生中!

キラキラ群れていて美しいのですが、あまりに量が多過ぎて他の見どころが見えなくて困ってしまうくらいですが、被写体としてはとっても面白い。

ハナダイギンポ

写真はハナダイギンポのチビっ子なのですが、スカテンの煌めく不思議な世界に迷い込んだようでとっても可愛い!(^_^)

旬なネタとしては、もともとアケボノハゼ(のインド洋型で黄色い)として紹介してた魚が、ハタタテハゼ属の4番目の種として学名が付いたそうだ。

Nemateleotris exquisita Randall & Connnell, 2013

ハタタテハゼ属の4番目の種

ハタタテハゼ、アケボノハゼ、シコンハタタテハゼ、そして4番目のこの美しいハゼに付けられた学名にある“exquisita”は英語の“exquisite”の事で“絶妙の”とか“雅やか”という意味。

今シーズンのイチオシのネタとして活躍して欲しいところなのだが、今年に限ってこのハゼが超〜不作年で、今のところ1個体しか確認できいない。

このままいなくなったらどうしよう・・・(ー’`ー;)

という訳でめちゃくちゃ旬でレアなネタという事でなのでお早めに見に来てね!

残暑お見舞い申し上げます

サワディ〜カップ!(タイ語でこんにちは!)

連日のニュースで日本の猛暑の話を聞いている。こちら南国タイランドに来られるゲストの皆さんが『避暑地や〜』と涼んでおられる。

残暑お見舞い申し上げますってことで涼しげな写真を・・・

クラゲ

9月に入ってもまだまだ暑い日が続くようなのでどんどん海へ行こうー!!!

さて、こちらタイはシャム湾のタオ島がハイシーズンのど真ん中で連日たくさんのゲストで賑わっている。

最近は特に欧米人ダイバーが多いのだが、トリップアドバイザーの『世界の人気のある島トップ10』というアンケート・ランキングでなんとタオ島が世界で8位!アジアで1位!!というからビックリ!!!

1位  アンバーグリス キー/ベリーズ
2位  セント ジョン島/米領バージン諸島
3位  ボラボラ島/フランス領ポリネシア(タヒチ)
4位  サンファン島/アメリカ
5位  サントリーニ島/キクラデス諸島
6位  イスラムヘーレス/メキシコ
7位  モーレア島/フランス領ポリネシア(タヒチ)
8位  タオ島/タイ
9位  イースター島/チリ
10位  ノシベ島/マダガスカル

Q:なぜ同じような島がたくさんある中でタオ島だけがこんなに人気があるのか!?

もちろんダイビングという一番の理由はあるが、それ以外に島が持つポテンシャルがある。

現在タオ島に在住している日本人で一番古くからこの島に住んでいてその発展を見続けてきた僕には、この問いの答えにひとつの確信があるのだ。

それは・・・

A:メインビーチ西に向いているから

サイリービーチは西向きのいわゆるサンセットビーチで、毎日、水平線に沈む夕日が見られるのだ。

東向きのビーチなら朝日が見られるがたいがいの旅行者はそんな早い時間に起きないので知らないうちに終わっているわけだが、タオ島の夕日は全員が見れるもの。

朝から爽やかにダイビングした人も、昼間はゴロゴロ夜から元気な夜遊び組も、夕方になるとみんな吸い寄せられるようにビーチに足が向かう。

真っ赤な太陽が水平線に沈んだあと頭上の雲が真っ赤に染まり、椰子の木越しの空の色がやわらかい紫のグラデーションに変わるとともに星がきらめき始める・・・

そんな光景をビール片手に波の音を聞きながら眺めるのんびりした時間。

ビッグブルーのお店はサイリービーチのど真ん中にあるので、僕にとっては日常というか仕事場なのだが、普段は都会に住んでいる旅行者にとっては特別なことだろう。

<br /> ムービーを見るにはプラグインが必要です。<br />

ここから楽しい夜の時間が始まるのだ。

ファイヤーダンス

もちろん他にもいろんな理由があってタオ島に人気があるのだが、サイリービーチの存在が大きな理由となっていることは間違いない。

雄輔さん、島を買うときはビーチの向きは要チェックですよ!笑

とは言うものの、タオ島は日本人にはまだまだ無名で、ダイバーじゃない人はほとんど知らない。

現地ガイドの僕たちがせっせと情報発信しダイビング雑誌に取り上げて頂いてきたお陰でダイバーの間では徐々に知名度を上がってきたところだ。

まだ来たことがない皆さん、是非一度遊びにきてみては?

産休ベリーマッチ!

2ヶ月にも及ぶイクメン産休が終わりタイへ帰ってきた。

先月号にも書いたが、タイでダイビングの仕事をしてから、こんなに長い期間日本に滞在した事が無い。

日本の企業でも勤続年数が長い人にリフレッシュ休暇をあげたりするし、最近は男性への産休の制度も見直されているみたいなので、たまには良いかな〜?ということでスタッフに留守を任せて休ませてもらった。

産休ベリーマッチ!

先月号では三保とみなべの話を書いたが、その後も久米島、葉山、そして函館で潜って来た。

久米島の話は『ガイド会 世界の海ブログ』の方で書かせてもらったのでそちらをご覧あれ。

葉山では今月号からこの豪海倶楽部に参戦した佐藤輝君のダイビングショップNANAさんでお世話になった。当日は台風7号の影響でウネリが入っていたため、葉山ビーチでは潜れず、三浦半島を回り込みボートダイブをして来た。

僕はタイの海のシーズンがら冬場は日本の海で潜れないので、今までダンゴウオを見た事が無かったのだが、なんと7月で水温22度の海で見る事ができたのだ!

ダンゴウオ

可愛かった〜!

そして次から次に面白い生物が出てくる面白い海なのだった。今度は輝くんが潜り込んで定点観測しているホームグランドの葉山ビーチで是非とも潜ってみたいものだ。

お洒落な葉山にとっても素敵なショップNANAさん。首都圏からも近いので気軽に遊びに行けるよ〜

ダイビングショップNANA
http://www.nana-dive.net

そして、今回の日本滞在の国内ダイビングのラストはガイド会の先輩、函館の佐藤長明さんのグラントスカルピンさん。

長明さんと言えばガイド会でも屈指のフォト派ガイドで、僕自身も撮影器材のことなどこれまでにも沢山のアドバイスをもらってきた。もともとは三陸の志津川で潜っておられたが3.11の津波で全て流されたあと、奥様のご実家のある北海道へ避難され、今は函館の海で潜っておられるのだ。

北海道といってもとても広くていろいろな海があるのだが、函館は“親潮”繋がりで三陸の海との共通点があるそうだ。

当日の最低水温は8度!

普段僕が潜っているタイの海は30度!!

水温差は20度以上!!!

誰よりも寒さに弱い自信がある僕はかなりビビっていたけど、いざ、潜り始めてあまりの面白さに夢中になって、寒さの事はまったく忘れていた。

慣れないドライスーツでおそるおそる入水すると・・・、北の海はとても豊かな自然に満ち溢れ、なかでも海藻の種類と量の多さにはビックリ!
いろんな色や質感の海藻があるので背景選びに事欠かない。

アオサなどはゆらゆらしているので同じ被写体でも背景の雰囲気がシャッターを切る度に変わりハマった。

オコゼカジカ

見るもの全てが珍しい生物であり、水の冷たさなんかすっかり忘れて夢中でシャッターを切っていた。

カラフトシマモエビ

そこらじゅうに生い茂る海藻にバックライティングでライトの光を当てると背景が様々な色に輝くのだ。

ウミクワガタ

光量の大きな水中ライト“FIX neo 2000DX”が大活躍!

これはオススメでっせ〜

アフターダイブは温泉に入り、美味しい北の海の幸を堪能して、大満足の函館ダイビング旅行なのだった。

函館はちょっと遠いけど超オススメなので皆さんも是非行ってみて下さい!

グラントスカルピン
http://gruntsculpin.com

と言う訳で、イクメン産休リフレッシュ休暇も終了!

妻と愛娘を日本に残し、パパは独りタイの海で頑張るのだ!

これでいいのだ!

潜り歩く

ワタクシゴトなんだけど・・・里帰り出産&イクメン生活のため一時帰国中なのだ。

この十数年でこんなに長期間日本にいた事がないのだが、6月の爽やかな気候の札幌で美味しいものを食べながらせっせと愛娘の世話に勤しむ日々を楽しんでいる。

さすがに海が恋しくなるので、ここぞとばかりに日本の海を潜り倒そうと企んでもいる。

子供が生まれてから1週間はおとなしくしていたが、2週目からはほぼ毎週末、日本各地のどこかに出没して潜るのだ。

まずは豪海倶楽部でもガイド会でもお世話になっている先輩の鉄さんの三保アイアンさんで潜って来た。

鉄さんとこで潜るのは2回目なので勝手知ったるお気楽な旅のはずだったが、台風3号のYAGIさんのおかげで最後の最後まで潜れるかどうかヒヤヒヤもんだった。

結果、流石は話の分かるYAGIさんだけに!?笑、当日は爽やかなお天気で海もベタベタで楽しいダイビングを満喫できたのだった。

三保の海は泥底の海で僕のフィールドであるタイのタオ島も砂泥底なので共通点があるから馴染み易くとっても楽しい。

今回は僕の同行者が大人数だったため僕はアシスト半分で潜っていたのであまり集中して写真は撮っていないのだが、鉄さんの名ガイドでいろんな生物を魅せてもらい、エントリーからエキジットまで次から次にネタのオンパレードで、気がつけば1ダイブで一瞬で80分のダイブタイムが過ぎていたのだった・・・

鉄さん、エキジット直前の浅場であんなに可愛い紫色のカエルアンコウのちびっ子を紹介したらダイビングが終わりませんよ〜

カエルアンコウ

道中の名古屋では近辺のダイバー仲間と飲み明かして久々に記憶を失ったのだった・・・(^_^;;

そして、翌週は実家の京都へ帰省しつつ和歌山へ遠征。

豪海でもおなじみの古座KOOZAの上田君やガイド会仲間のみなべL-DIVEの李君と一緒に潜ろうと計画を練っていた。

そしたら、今度は台風4号がドンピシャでやってくる予報・・・

僕も可哀想だが、現地の受け入れガイドさんも可哀想やな〜と思っていたら、誰の日頃の行いが良いのか!?台風は弱まり低気圧になり当日は予報がウソのように快晴だった。

ただし、予定していた古座川でのオオサンショウウオのリバーダイブは、さすがに大雨の後の増水のため、安全を考慮して中止となり、その日は潔く宴会モードに切り替えたのだった・・・

我が同志社大学のダイビング部の先輩が白浜でやっている”マルキヨ”という浜屋台で地魚を肴に大宴会で、途中から上ちゃんも乱入して大いに盛り上がった。

上ちゃんお手製のノボリにはダイバー仲間も他のお客さんもお店のスタッフも大爆笑!

自分の顔面プリントは恥ずかしかったけど、出産祝いということでやってくれた事なので素直に上ちゃんありがとう!

上ちゃんお手製のノボリ

翌日のみなべは多少のうねりが残るも李君ガイドで初みなべのダイビングを堪能しました。

個人的には初めて見たオオカワリギンチャクの群生に感動した〜!

オオカワリギンチャク

そして初めて見たボロカサゴの幼魚!

この子はこれから何色に染まっていくのだろうか・・・

ボロカサゴの幼魚

さあ、来週末は久米島だ! 川本さん、ヨロシクお願いしますね〜

こうしていろんな海を潜り歩くのも楽しいものだ。

最近のヒット

早い・・・、早過ぎる・・・

もう4月になっちゃった・・・

ということは、今年のカオラックのシーズンも残すところあと1ヶ月を切ったということだ・・・

シーズン終盤戦、ここに来てまたまた海のコンディションが上がって来た。

ゲストは少なく、他のショップのボートも少なくなってきているので、とっても贅沢なダイビングができるので、僕もここぞとばかりにカメラを持って潜りに行っている。

最近のヒットはリチェリューロックで、無尽蔵に視界を埋め尽くすスカシテンジクダイやヒメタカサゴを狙ってロウニンアジやマテアジ、カスミアジ、ツムブリなどがハンティングを繰り返すシーンだ。

ロウニンアジのハンティング
マテアジのハンティング

魚達は命がけの攻防に必死であり、我らダイバーの存在など気にしている場合ではない。目の前で繰り広げられるド迫力のシーンは必見! 間に合う人は今のうちに是非見に来て欲しいなぁ。。。

後一ヶ月ほどでシミランやスリンの国立公園はまた半年間クローズするのだが、そのインターバルがまたタイのアンダマン海を命溢れる豊饒な世界へと育んでくれる事だろう。

という訳で、ゴールデンウィークからはタオ島で潜る事になる。去年からジンベエがいい感じで出ているタオ島、今年のゴールデンウィークも盛り上がるかな〜???

っと、その前に、4月あたまに東京・池袋サンシャインで開催されるマリンダイビングフェア2013にあわせて僕も帰国して様々なイベントに参加する。

みんなに会えるのが楽しみだ〜

潜り倒しの日々

2月〜3月のピークシーズンを迎えたカオラックで毎日潜り倒しの日々。

多少の波風が出る日もあったが、概ね穏やかなコンディションに恵まれたシーズンと言えるかな〜。

今年から使い始めたクルーズ船のハレルヤ号は船体が大きくどっしりした船なのでほとんど揺れを感じず船の上にいるのを忘れちゃうくらい安定している。

ハレルヤ号

この時期は日本で活躍するガイドさんが遊びやショップツアーで来てくれる事が多いのだが、クルーズ上では時間がたっぷりあるので互いの海の話なんかをじっくり語り合えてとても面白い。

海の中はワイドで人気のオニイトマキエイがシーズン序盤に出過ぎたのか!?本来出るはずの時期に止まってしまっていたのだが、最近また出始めたのでここからの盛り返しに期待したい。

マクロ生物ではこの海域では珍しいボロカサゴが登場。

ただ、色がとっても地味〜な個体なので見た目はほとんどゴミ!(^_^;;

しかーしっ!

割とアクティブに歩き回る子なので、運が良ければアンダマン海らしい華やかなソフトコーラルに包まれる場所で見れる事もあるのだ。

ボロカサゴ

脱皮したら綺麗な色になるのかな〜!?

しばらく居着きそうなので今後に期待しよう。

謹賀新年

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

今年もみんながダイビングを楽しめますように!

タイの海は今年も元気です。

泥臭いから面白い!

僕はタイの持つ二つの海、太平洋側のシャム湾と、インド洋側のアンダマン海の両方で潜っている。それぞれにショップを構えて、ちょうど異なるシーズンを半年ずつ引っ越しながら通年ハイシーズンで潜っている。これはとても恵まれた環境だと言えるだろう。

よく聞かれるのが『どっちの海が好きですか?』とか『どっちの方が面白いですか?』という類いの質問だ。これは非常に難しい、というか、はっきり言って答えられない。強いて言うなら『どっちも同じくらい好きです』だろう。両方ともが、我が愛するタイの海なのである。

しかし『それぞれどんな特徴の海ですか?』という質問なら喜んで答えさせてもらう。そういうわけで、今回は現在潜っているシャム湾、タオ島の海の特徴を説明しようと思う。

一言で言うと

『泥臭い・・・』

・・・って、なんかイメージ悪くないかっ!?爆

でも、これは本当の事で、良い意味で(←ここ大事!)めっちゃ泥臭い海なのだ。

タオ島

よくタオ島の海(シャム湾)が紹介される時にただ漠然と『ユニークな海』なんて紹介される。そこにはちゃんと理由があるのだが、なかなかそこまで突っ込んだ説明をする機会は無い。ここでは僕の考えるタオ島の海(シャム湾)がユニークな訳をちょっと突っ込んで(でも出来るだけ簡単に)説明してみよう。

・閉鎖海域
タオ島だけの地図を見てると分からないが、東南アジアの地図を見れば一目瞭然だ。数カ国にまたがる広大な海域がマレー半島とインドシナ半島とその出口にある島々によって閉じ込められている。ちなみにシャム湾は日本の国土の85%ほどの広さがある。

・水深
シャム湾が位置する場所は、もともと氷河期の水位が低い時にはスンダランドと呼ばれる大陸からの陸続きの一部であったが海面の上昇とともに水没した。その名残で湾内は平均深度が45m、最大深度が80mとかなり浅く、この水流の穏やかさの原因にもなっている。

・地質
氷河期に大陸内部から巨大河川チャオプラヤーが大量の泥や砂を運び埋積してできたデルタ地帯だった沖積層がベースとなっている。そこに花崗岩や石灰岩の地層の隆起があり島や隠れ根を形成している。

・内湾性
チャオプラヤー川から流れ込む淡水の影響で塩分濃度は3.05%〜3.25%とかなり低い。ちなみに日本の周辺の海は3.5%ほどらしい。南シナ海から流れ込む海水の影響で塩分濃度の濃い層もある。また、大陸から流れ込む河川の影響で栄養豊富な海域となり魚影がめちゃくちゃ濃い。

・海流
湾内には黒潮など大きな海流は流れ込まないため、他の海からの生物が流入しにくい。

・日周潮汐
およそ1日を周期とした珍しい潮汐で、1日に1サイクルしか潮の満ち引きがない。このため潮流が穏やかである。

などなど、この様ないろんな条件が重なってユニークと言われる海が存在するわけで、他の海ではレアものとされる生物が群れていたり、逆に他の海では普通種とされる生物がほとんど一匹もいなかったりし、穏やかなのにも関わらず目の前が見えなくなる程の魚群と一緒に泳いだりできるのにはちゃんと理由があるのだ。

透明度はあまり良くないけれど、サンゴも地味な種が多くてあまり華やかではないけれど、他の海には負けない、タオ島ならでは、シャム湾ならではの独特の強みを持っている、ようするに泥臭〜い面白さがあるという事。

是非、こんな泥臭くて面白いタオ島の海を楽しんでもらいたいと思う。

タオ島と言えば、逃げずに寄れる共生ハゼにも定評があるが、まずは砂泥底という生息環境が広大に広がり、仲間(繁殖相手)も沢山おり、餌も豊富、そして砂地に天敵となる種が少ないという、まさにハゼにとって天国の様な環境が整っているのだから、生息数も多く警戒心が薄くなるのもうなずける。さすがにゲストが指示棒でギンガハゼのほっぺをつんつんしているのに引っ込まなかったのにはビックリしたが・・・(←実話!)

下の写真はカメラを構えた僕に威嚇してくるフタホシタカノハハゼの黄色個体。かなり強気で後ずさりしないとピントが合わないくらい突っかかって来た・・・(^_^;

フタホシタカノハハゼの黄色個体

さて、僕にとっては10月がその年のタオ島の潜り納めとなり、来月の今日はもうインド洋側のカオラックへ引っ越ししている。つまりそろそろシーズンの変わり目という事なのだが、実はこの10月こそ僕が特に好きなタオ島のシーズンでもあるのだ。

自分が撮った今までで一番のお気に入りであるギンガメアジの群れに突っ込むジンベエザメの写真も10月に撮ったものだ。

今年のラストにはどんなドラマが待っているのかな〜。

来月の豪海倶楽部で紹介できるよう潜りまくろう!

頑張れニッポン!

オリンピックが始まったね〜

4年に一度、一流で戦える選手生命を考えたら次を考えている場合じゃない、っていう必死さがビンビン伝わって来て面白い。

ちなみに、こちらタイの時差は日本よりも2時間遅いのでイギリスで行われる競技を生で見るには有利!

翌日ダイビングがあってもちゃんとサッカーのスペイン戦もモロッコ戦も見たのだ。

タオ島には世界各国から人が集まっていて皆がそれぞれ母国の選手を応援するので、オリンピックやワールドカップなど国を背負って戦う勝負事にはとっても熱いのだ。

と言う訳で、頑張れ〜!って感じの写真を・・・

トウアカクマノミ

↓宣伝です

ビッグブルーでは次期カオラックのシーズンよりハレルヤ号というクルーズ船を使い始めます。

タイで最大級の大きさで、前年度まで利用していたパワラ号よりもさらに一回り大きくゴージャスな船です。

ハレルヤ号

全室プライベートのバスルームを装備。
VIP・シングル・ルームも注目です。

いい船ですよ〜、是非乗りに来て下さいね!

カオラックでダイブクルーズ

これぞまさに“The タオ島!”って感じの写真

ヤイトハタ&キンセン

とにかく魚影が濃いのだ。

そして近づいても逃げない。

ヤイトハタ&キンセン

フィッシュアイレンズの画角でも入り切らない風景。

生で見たら凄いよ〜

至福のとき

カオラックのシーズンを終え、マレー半島を横断してタオ島へ引っ越しして来た。

毎年ゴールデンウィークはタオ島で過ごす様にしている。

過去に遡ってデータを取ると、ゴールデンウィークの時期にタオ島でジンベエザメが当たる事が多かったので、通年でも一番の人気のシーズンとなっているのだ。

そして!今年のゴールデンウィークも出た〜っ!

ジンベエザメとダイバー

沢山のゲストと一緒にジンベエザメとダイビング・・・

一日のダイビングを終えビーチのレストランで水平線に沈む夕日を見ながらログ付け・・・

ジンベエ見たぞ〜!とビールで乾杯・・・

喜ぶゲストの顔・・・

これぞガイドとして至福のときなのだ。

らしさ・・・

地球上にはいろんな海がありそれぞれの海に個性豊かなガイドさんがいる。

同じ海にばかり潜っている僕なんかより、日本中世界中の海を潜り歩いているゲストダイバーの方が沢山の海に行って僕が見た事ない生物を見ているわけだ。そんな皆さんにタイの海らしさをご紹介したく、タイの海のガイドとして自分のフィールドを開拓している日々を過ごしている。

タイの海らしさって何だろう!?

まず、魚影の濃さやジンベエなどの大物との遭遇というのが挙るだろう。

僕が今いるカオラック(11月〜4月がシーズン)に関して言えば、インド洋、アンダマン海ならではの固有種が沢山いるということも大きな魅力となるだろう。

チョウチョウウオやキンチャクダイ、ハナダイ、スズメダイ、べラなど、ただでさえ美しいのに固有種と言う事でさらに値打ちの増す魚がゴロゴロいるのだ。

クジャクべラのインド洋型であるマッコスカーズフラッシャーラスなんかはタイやモルジブの海で大人気。

マッコスカーズフラッシャーラス

雄(右)が鰭を全開にしてディスプレイしている。

男前を前にした2匹の雌がそれぞれ目が血走っていたり口をあんぐり開けている様に見えて笑える・・・w

アカネハナゴイのインド洋型であるインディアンフレームバスレットの雄のどや顔。

インディアンフレームバスレット

カラフルなソフトコーラルが元気に群生しているというのも魅力のひとつだろう。特にフォト派ダイバーにとってはワイドでもマクロでも背景が綺麗に撮れるのが嬉しい。

固有種じゃなくても純粋に絵になるので撮り甲斐があるというものだ。

ウミトサカを背景にしたミナミギンポ。

ミナミギンポ

あなたはいつも笑っていて前向きでエラい!(ただそう見えるだけやけど・・・)

婚姻色を出したクロリボンスズメダイの雄。

クロリボンスズメダイ

こんなに綺麗な産卵床ならきっと雌がやってくるよ!(笑)

そして極めつけは背景が綺麗な固有種やレアものだ。

こんな綺麗な場所ならアンダマンミミックファイルフィッシュの求愛も盛り上がるというものだ。(ホンマかいな!?)

アンダマンミミックファイルフィッシュ

ブルーノーズラスも背景が綺麗で値打ちがUp!

ブルーノーズラス

世界一美しい家(と、僕が勝手に言っているだけだが・・・)に住むレッドサドルバックアネモネフィッシュ(通称:トマトアネモネフィッシュ)。

レッドサドルバックアネモネフィッシュ

皆さんもカオラックの海にお越しの際は、是非、この海らしい固有種やサンゴの綺麗な場所を楽しんで下さいね。

会長が来たっ!

先日、この豪海倶楽部でもご一緒させてもらっている川本剛志さんがカオラックに遊びに来て下さいました。

奥様と一緒に遊びに行くだけなのであんまり気を使わなくても良いよ〜、という風な感じで言っておられたのですが、川本さんは僕の所属するガイド会の会長でもある大先輩、受け入れるこちらは必死な訳でして・・・(苦笑)

でも、せっかく来て下さるからには良いところ見てもらおうと俄然張り切って待ち構えていたのですが、期日が迫って来るにつれ週間天気予報がどんどん悪化していくではないですかー!

初日は大波の中ドンブラコ!何とかシミラン諸島へ行く事が出来ました。海の中はバッチリだったのですが、それはそれは大変な道中なのでした・・・

しかも予報ではまだまだ続く大波予報・・・

ハイシーズン中にこんな事は滅多に無いのによりによって・・・

もう開き直る作戦で行くしかない!と思っていたら、なんと翌日から予報に反して徐々に海況が良くなってくれ、結果的には川本さんと一緒にアンダマン海のポイントバリエーションをくまなく潜りまくることが出来たのでした。これはダイビングの女神が川本さんか僕のどちらかに微笑んでくれたと言う事でしょう・・・(笑)

沖縄、久米島というフィールドを極めた人が他の海を潜った訳ですが、同じ熱帯域に属する海なので似ている部分も多分にある訳ですが、こっちはインド洋はアンダマン海、もちろん全然違う部分もいっぱいある訳です。

僕のちょっとした事前のブリーフィングや水中のコンタクトで即座に見どころに反応してくれ、さらに普段は僕自身があまり着目しない部分にも『ムムム・・・、これはもしや!』という感じで豊富な知識に裏打ちされたベテランガイドの眼力で沖縄の海とは違うインド洋やアンダマン海ならではの見どころにビシビシ反応され、横で見ていて僕自身が自分の海の魅力の再発見という意味でもとても興味深かったです。そしてアフターダイブも夜な夜なタイのビールを飲みつつお魚談義の話題が尽きません。現地ガイドとしてこれほど面白い事はありません!

ご滞在の間にはジンベエザメも出たのですが、最終日にどのポイントが一番面白かったですか?と話しましたが、ジンベエの話を完全に忘れてしまっていたほど充実した生態ネタのオンパレードでした。(爆笑)

写真は川本さんも反応したでっかいフリソデエビです。後ろに控えるのは普通サイズのマンジュウヒトデですから見る人が見たらこのフリソデが如何にデカイか解りますよね?

フリソデエビ

他の海でガイドしている人に自分の海に来てもらう事、そして自分がいろんな海へ出向き現地の人にガイドしてもらう事、互いに海を愛する者同士の情熱やプライドがぶつかり合う事の大切さを再認識した日々でした。

雄輔さんも是非、タイの海に来て下さいね。そして一緒に潜る僕は一杯勉強させてもらうのです・・・(笑)

良い年になりますように!

新年あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年度は東北の大震災や各地の大雨、こちらタイでも洪水などなど、たくさんの自然災害に見舞われた年でした。今なお多くの人々が復興途上の不自由な生活を余儀なくされていますが、2012年が皆にとって明るい一年になりますよう心より祈っております。

クダゴンベ

さて、写真はクダゴンベ。

シミラン諸島らしい元気なソフトコーラルに囲まれおめでたい感じってことで去年のアケボノハゼに続き今年はクダゴンベを採用。

今年もいっぱい良いダイビングが出来ますように!!

復興のステップ

豪海倶楽部11月号がアップされる本日11月1日はビッグブルー・カオラック店のオープンの日なのだ。というわけで、タオ島からカオラックへ引っ越してきて半年間休ませていたショップや家の大掃除からはじまり、ボートの準備、器材のメンテナンスなどなどシーズンスタートのための陸の仕事をしまくっていた。南国で半年間放ったらかしにしておくと、開けてビックリ!家の中やショップの中に蛇はいるわコウモリが住み着いているわ、あげくに大トカゲが乱入して来たり・・・。シーズン頭は珍獣との戦いから始めなければいけないのだ。

そんなこんなでかれこれ10日以上ダイビングをしていなくて年間でこんなに窒素を抜くのはこの時期くらいなのだが、実はこの間、海ではないけれど川ではスノーケリングをしていた。

3.11に押し寄せた津波が川を何キロも遡った結果、三陸の川は瓦礫だらけで油が滲む見るも無惨な姿に変わり果てていたのだが、毎年秋になると4年前に生まれて海へ泳ぎ出たシロザケが産卵のために戻って来る。しかし津波直後はとても鮭が遡れる状態ではなかった。そこで、ダイビング仲間で岩手で『みちのくダイビング・リアス』を主催するくまちゃんは『三陸ボランティアダイバーズ』を立ち上げ、ダイバーとしてできることとして漁港や河川の清掃をやり始め、仲間とともに毎日毎日気の遠くなるような作業をやり続けて来たのだった。そして見事に鮭の遡上に間に合う様に川が綺麗になりシロザケが遡上して来たのだ!

シロザケ

くまちゃんとは友達でもあり、タイ・カオラックで2004年のインド洋大津波の際に被災〜復興の過程を見て来た僕は彼らの活動を応援していて、僕自身も被災から1ヶ月後のタイミングで東京でチャリティーイベントを開催したり、3ヶ月後のタイミングで岩手で海の清掃ボランティアをしてきたのだが、今回は7ヶ月経ったタイミングで今期初の鮭の遡上を見るツアー『サーモンスイム』の受け入れの準備が整ったということで、ビッグブルーのゲストに声をかけて岩手に駆けつけたのだ。

シロザケ

人々の努力で鮭が遡上できるまでに蘇った河川、被災を乗り越える力強い鮭の生命力、そして復興への道のりはまだまだ先は長いが一歩ずつ着実に前に進んでいる被災地の姿を見届けてきた。

もちろんただのお遊びだけが目的という訳ではなくサーモンスイムの後には河川の清掃活動もしてきたのだが、僕自身としては、被災地がツアーを受け入れたという事実こそがもの凄く重要な事だと考えている。もし、読者の中に被災地に観光目的で行くなんて不謹慎だなんて考える人がいたらその考えは間違っていると言わせて欲しい。復興に向けて頑張る被災地の人々にとって、被災後初めてゲストがツアーに来てくれることがどれだけ嬉しいことであり復興のステップとして意味のある事か、僕自身が身に染みて経験してきた。

被災直後に某都知事が花見を自粛せよとか寝ぼけた事を言っていたが、本当の復興支援とは何か?被災者が被災地で生きて行くために必要な事をよく考えて欲しい。それぞれの産業で違いはあるかもしれないが、レジャー産業、観光業に携わる者としては、人々が現地に行って被災の現状から目を逸らさず復興の過程を自分の目で見ることは意味のある事だと思うし、そもそも津波が到達していない場所が街としていかに普通に機能しているのかも知るべきだし、三陸の素晴らしい大自然や美味しい海や山の幸を堪能したり、現地の人々とコミュニケーションを取って今なりの三陸をめいっぱい経験して現地にお金を落として行く事が本当の意味での復興支援になると考えている。

と、ちょっと熱くなってしまったのだけれど、津波被災を乗り越え復興してきたカオラックのシーズンが始まるということで、来月からはアンダマン海の話をお楽しみに!

これぞタオ島のジンベエだ!

今シーズンも残すところ後わずかというタイミングでジンベエザメが頻出し始めた!シルバーウィークのまっただ中にも出てくれたのでたくさんの日本人ゲストが憧れのジンベエに遭う事ができた。もともと魚影がとても濃いタオ島の海ならでは、いろんな群れに突っ込むジンベエを見たり撮ったりできてゲストも大喜び!

この写真はちょっとジンベエまでの距離が遠くて小さくしか写っていないのだけど、いったいどんなところを泳いでいるかが分かり易いのでちょっと状況を解説してみよう。

ジンベエザメ

手前にユメウメイロ、下から右にかけてキンセンフエダイ、左奥にはホソヒラアジ、左上奥にはオニアジ、その上にシェベロンバラクーダ、そしてジンベエの周りにはギンガメアジと、いろいろな群れの境界線となる場所をジンベエが通過した時のショット。この写真に写っているのはそれぞれの群れの端っこで、実際には画角の外にはそれぞれの魚がもっとたくさんの数で広がっているのだが、その全ては魚眼レンズでも入りきらない。

この時の動画はこちら(下の画像をクリック)

泳ぎながらメインカメラであるイチデジの設定をいじりながらサブカメラのコンデジで撮ったものなのでブレや画質のクオリティーはご容赦を・・・

いろんな群れとジンベエ

解説すると、水面近くを泳いでいたジンベエが深度を落とし始めると、まず、ユメウメイロが一緒に降下する。次に中層を泳いでいたシェベロンバラクーダの群れがジンベエについて行こうとする。オニアジの群れはジンベエを避けながら迂回する様に流れ続ける。周囲に集まって来るギンガメアジを振り切りキンセンフエダイやホソヒラアジの群れに突っ込んだジンベエがターンして群れの中から飛び出す。最後にギンガメアジが集まって来てまとわりつきながら一緒に泳いで行く・・・

ジンベエザメの泳ぐコースを読んで先回りしておき、何かの群れに紛れて待ち伏せし、ジンベエが十分に近づくまで気配を殺して待つ、そして満を持して激写っ!

まだもう少し続きそうな雰囲気。シーズンの終わりが近づきゲストが減って来るのでまた自分で撮影するチャンスも出てくるかな〜!?

でも、もうすぐカオラックのシーズンが始まるのでもうすぐタオ島を離れなければいけない。う〜ん、いつもながら後ろ髪を引かれる思いもがめちゃめちゃあるが、でも同時にカオラックのシーズンがめちゃめちゃ楽しみでもあり悩ましい・・・

個性

あっという間に8月が終わってしまう・・・。タオ島はハイシーズンまっただ中で毎日潜って潜りまくっていると時間が経つのを忘れてしまう。

まずは先月号で約束した通りタオ島の新しい沈船ポイントのその後の報告から。

沈め方を失敗してダイブサイトとして成立しなかった『H.T.M.S. SATTAKUT』だが、その後大型のサルベージ船が入り水中で船体を立ち上げ直し、もう少し浅い場所へと移動して沈め直した。そして遂に!初心者からベテランまでが楽しめるNEWポイントとして生まれ変わったのだった。

H.T.M.S. SATTAKUT

水底は28m、トップは15m、全長49m、幅7mとこれだけでも十分遊べるのだが、沈めた場所が『ヒン・ピー・ウィー』という名前の隠れ根ポイントのすぐ横なので、1ダイブで両方を楽しむことができるのだ。隠れ根のトップは8mほどなので、ダイビングの後半まで遊ぶことができる。これは素晴らしい!

H.T.M.S. SATTAKUT

砲台や艦橋もしっかり残っていていかにも軍艦っていう雰囲気。まだ魚はあまり着いてないが、あと数ヶ月もしたらタオ島らしい魚影の濃いポイントになっていくのだろう。

3ヶ月に渡り豪海倶楽部でレポートし続けて来たこのNEW沈潜ポイントだが、とにかく結果オーライなのだった。

さて、今月の海ネタはトウアカクマノミ。何を今さらと思うかも知れないが、魚の個性という切り口で見てみると面白い。実は魚にもそれぞれ個性があって、同じ種の魚でも顔や性格が個体によって全然違うと言うことをご存知だろうか?

頭(トウ)が赤(アカ)いクマノミ、と言う訳なのだが、同じトウアカクマノミでも赤い(オレンジ)部分が広い個体と狭い個体がいて、その見てくれは個体によって全然違うのだ。

ほら、全然違うでしょ!?

トウアカクマノミ

写真左は名前の通り頭部の赤い部分が広くて美しい。

一方、写真右は赤い部分がほとんどなくてちょっとブサイク・・・と言うと失礼かな!?

このブサカワちゃんにもちゃんと交配相手がいてしょっちゅう産卵〜ハッチアウトを繰り返しているのでご安心を!(笑)

そして性格も個体によって様々で、攻撃的でダイバーのレギュやカメラに突進して来る個体もいれば、ビビってイソギンチャクにくるまって隠れてしまう個体もいる。タオ島のサイリービーチなどはコロニーが沢山ありトウアカクマノミもいっぱいいるので、写真やビデオをやるダイバーには撮り易いコロニーを選ぶようにしている。

ちなみに、このブサカワイイ個体の性格は至って温和でポーズをとってカメラ目線をくれるのでとても撮り易く、ただ今ファン急増中なのだ。

トウアカクマノミ

ゴールデンウォール

7月の前半にマリンダイビングフェア2011に帰国していました。フェアではビッグブルーの自社ブースを出し、ガイド会の写真展を催したり、ガイド会ライブや三陸ボランティアダイバーズのイベントに参加したりしていました。期間中には豪海倶楽部の読者の方も含めたくさんのダイビング関係の人達と話したり飲んだり、人間同士、やはり直接お会いして話すのは良いコトだと改めて思う次第です。来年は4月の予定なのでその時にまたお会いましょう!

今はタイのタオ島に戻って来て毎日潜っているところです。今年のタオ島のシーズンは全体的に透明度が安定していて魚影は相変わらず濃いです。以前、豪海倶楽部でもギンガメアジの群れに突っ込むジンベエザメを紹介した事がありましたが、7月後半には全く同じようなシチュエーションもありました。が、その時はガイド中でカメラは持っていませんで残念ながら今回は写真は無しです・・・

とにかく水中がとてもいい感じなのですが、この原稿を書いている7月後半は台風の影響でお天気が崩れてしまいました。タオ島魚影の濃さを体感できるのはやはりチュンポンピナクルやセイルロックなのですが、波が高くなるとそこまで行けない日も出てきます。せっかく日本から来て頂いたゲストの皆さんに是非見て欲しいとは思いつつも、そこはやっぱり安全第一のスポーツですのでムリは禁物です。

この原稿のために写真を撮ろうと多少波はありつつも今なら行けると判断してドンブラコとチュンポンピナクルへ行って来て写真を撮ってきました。いざ水中に入ればご覧の通り、何重層もの群れが重なりあう光景は日常茶飯事なのです。

ハナビラクマノミと魚群

魚群と地形を背景にハナビラクマノミを撮っていたら、キンセンフエダイやホソヒラアジの群れが動いて来て目の前を覆い尽くしました。微妙に写っている背景の岩の天辺の形で上の写真と同じ場所で撮ったのが分かると思います。

ゴールデンウォール

先日『世界の果てまで行ってQ』というバラエティー番組で、このタオ島のキンセンフエダイの群れが『ゴールデンウォール』という名称で紹介されました。言い得て妙!なかなかのネーミングですね。早速ブリーフィングに使わせてもらっています。ちなみに、あの番組の水中撮影はビッグブルーは機材の提供はしたけれど、その日は僕はカオラックで潜っていたので、撮影のガイドは他のショップの人が担当しました。

さて、先月号でタオ島の新しい沈潜ポイント『H.T.M.S. SATTAKUT』の沈め方が大失敗だったと書きました。水深の深い平らな水底で船が横転しているため浅い深度に見どころが無く後半の時間を持て余し、しかもこの海特有の濁ったサーモクラインが水深25m前後から下に入る事が多く船体の大部分がサーモクラインの中に隠れて見えないのです。これでは使い物にならないと非難囂々・・・

サルベージ船

そこでついに大型サルベージ船を用いて船を水中で立ち上げてもう少し浅い場所に移すと言う作戦が始まったのです!今、まさにサイリービーチの沖合にサルベージ船が浮かんでいます。さあ、この作戦が成功するかどうか!?使える沈船ダイブサイトになれるかどうか!?来月号で報告します。乞うご期待!

<お知らせ>

3.11大震災の復興への道のりはまだまだ長いです。ビッグブルーでは同じダイバーとして三陸ボランティアダイバーズの行っている水中での復興活動を支援するためのチャリティーTシャツを作りました。1枚1,500円で販売して利益の100%が支援金となります。タイのビッグブルーでも販売していてタイ人や欧米人たちも買ってくれています。先日のマリンダイビングフェア2011で販売するために日本にもって帰ったたくさんのTシャツのうちあと数枚だけ残っていますのでご購入希望の方がおられましたらご連絡下さいませ。デザインや連絡先などの詳細はこちらをご覧下さい。

岩手で潜って来た

まずは被災地、岩手の海の報告から・・・

ビッグブルー仲間のくまちゃん(佐藤寛志)が地元の岩手県で復興ボランティアダイビングをし続けている。3.11の時カオラックでクルーズ船PAWARA号の上にいた彼はニュースを聞きつけ下船後すぐに帰国、岩手へ戻り、支援物資の募集や配給に始まり漁港や河川の清掃などなど、彼自身の時間や労力を投げうって復興活動の旗を振り続けている。

くまちゃんたちは『三陸ボランティアダイバーズ(※1)』という非営利団体を立ち上げ、仲間とともにダイバー目線で復興活動を行っている。水中には大小たくさんの瓦礫(※2)が沈んでいるため、水質悪化の原因や漁船の航行の妨げとなる。ダイバーは水面からは見えないものを水中で見つけることができるので、漁師さんと協力しながら小さいものは自力で拾い上げ、大きなものは目印のブイをロープで付けて行き、後日このブイを目印に巨大サルベージ船で一気に引き上げて行く。

人力では上がらない瓦礫に目印を付けるボランティアダイバーたち
人力では上がらない瓦礫に目印を付けるボランティアダイバーたち

今回、僕らは岩手県大船渡市の綾里港での水中清掃活動に参加した。この場所はくまちゃん等が最初に着手した港でこれまでの活動のおかげで水中は思っていたよりも透明度も良く瓦礫も少なかったし、たくましく生きている水中生物も見られ、彼らの活動は確実に復興に役立っているのだと実感できた。

今では話を聞きつけた他の漁港からも依頼が入り活躍の場は広がっており、漁協とダイバーの信頼関係が高まることで、復興した三陸の海で漁業とダイビングが共存共栄する未来のためにも一役買っていると言えるだろう。

漁師さんとボランティアダイバーたちの連携
漁師さんとボランティアダイバーたちの連携

くまちゃんが毎年鮭の遡上を観察している川にも行って来た。この川で孵化した鮭の稚魚は海に出、4年後に産卵のために戻ってくるのだが、川も津波により大打撃を受けてしまった。S字型に湾曲していた河口部はまっすぐになり、巨大な防波堤が崩れてコンクリートの固まりが倒れ、鮭の遡上の障害物になると思われる大小さまざまな瓦礫が川の内外に散乱していた。今年の鮭の遡上まであと3〜4ヶ月を残すのみ。果たしてそれまでに鮭が遡上できる状態に戻せるのか!?まさに時間との戦いである。

僕自身がタイ、カオラックで津波の被災から復興までの過程を経験しているのだが、時間の経過とともに人々の関心が薄れて義援金やボランティアという援助が減って行くなか取り残される被災地を見て来た。しかしそんな中でも根気よく支援を続けて来た人も見て来た。東北の復興も一歩ずつ進むしかなく、そのためには国はもちろんだが民間レベルでの支援も必要だ。個人で大きな支援をしようと重荷に思うより、大人数で小さな支援をコツコツと『継続して続けて行くこと』が結局は大きな力になると思う。

大船渡の駅前広場の時計は被災の時間のまま止まっていた
大船渡の駅前広場の時計は被災の時間のまま止まっていた

タイの海のお話も少々・・・

片や被災地の海では人々が水中からものを引き上げ作業をしている時、こちらタイではわざわざ船を沈めるというイベントがあった。

H.T.M.S. SATTAKUTは1943年にアメリカで建造された全長49m幅7mの軍艦で、第二次世界大戦の時はUS NAVYの所有で硫黄島や沖縄でも砲艦として従軍していたという。その後はタイNAVYの手に渡り今日まで使われ、軍艦としての役目を終えたこれからはタオ島沖の海底で沈船ポイントとして後世に残る事となったのだ。

沈む直前のH.T.M.S. SATTAKUT
沈む直前のH.T.M.S. SATTAKUT

潜ってみて解った事は船体が90度以上傾き船腹を見せた状態で沈んでおり、はっきり言って沈め方としては大失敗。船体の半分は泥質の水底に沈んでいる状態で水底付近は濁りが酷くて何も見えない。また、もともと横幅は狭い船なので今のままだとトップが20mオーバーとレクレーショナルダイバーが潜るには中途半端に深いかな。今後、船体を立ち上げ起こす作業を行なおうと言う話もあり、もう少し浅い水深で楽しめるようになり、時間とともに生物が付き始めたら、これまで沈船がなかったタオ島の海のバリエーションとして重宝することだろう。

沈んだ後のH.T.M.S. SATTAKUT
沈んだ後のH.T.M.S. SATTAKUT

さて、大震災の影響でマリンダイビングフェアが4月から7月8日〜10日に延期され、この時期たくさんのダイビング関係のイベントが開催される。僕も数日後には帰国しいくつかのイベント(※3)に参加させてもらうので、機会があればイベント会場でお会いしましょう。そして三陸ボランティアダイバーズの活動報告もなされる予定なので、興味のある方は是非耳を傾けてみて欲しい。

※1 三陸ボランティアダイバーズのHPはこちらです。また、活動はくまちゃんのブログでも見れます。

※2 被災者の一人から『瓦礫』という言葉の使い方にとても傷つくという話を聞きました。もともと被災者の方々が一生懸命働いて建てた家や思い出の詰まったものが形を変えたのものが、皆が言う『瓦礫』なのであり、『瓦礫』=『ゴミや邪魔のもの』という認識ではなく、その背景に敬意を払ったうえでこの言葉を使いたいものだと思いました。

※3 マリンダイビングフェアのビッグブルーのブースでは三陸ボランティアダイバーズとビッグブルーオリジナルのチャリティーTシャツを販売します。この利益は全て三陸ボランティアダイバーズの活動資金に回しますので、ご理解頂ける方は是非ご購入下さい。

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