コロナ禍の潜り方
サワディーカップ!(タイ語でこんにちは)
11月になりました。
こちらタイではインド洋側、アンダマン海のシーズンが始まりました。
タイはコロナの国内感染を押さえ込んでいるので、タイ国内にいるダイバーがタイ国内でダイビングするのは何の問題もありません。
しかし、タイ政府は感染が収まっていない地域からのウイルス流入を恐れて、未だに国外からのツーリストを受け入れていません。
そういうわけで、ビッグブルーダイビングもコロナ禍の潜り方として、タイ国内のダイバーさんのニーズに合うプログラムでオペレーションして行くこととしました。
実はタイは、世界有数の日本人居住者が多い国で、ダイバーさんもたくさんおられます。
ただ、多くの方がお仕事でタイにいたりそのご家族だったりで、平日はお仕事がありますので、潜りに来れるのは週末や連休だけになります。
そこで、お休みが短くても参加できるよう、週末に合わせて好きな時に乗り降りできるショートクルーズで潜ることにしました。
クルーズ船はダイブサイトで待機していて、毎日スピードボートが行き来して人を運びます。
このシステムだと、ゲストの予定に合わせて日帰りでも良いし、1泊2日でも2泊3日でも、自由に選んで参加する事ができるのです。
という事で、この原稿を書いている本日も日帰りトリップで、タイ在住ゲストさんと一緒にリチェリューロックへ行ってきました。
写真はその一コマで、普段はガイド中はカメラを持たないポリシーなのですが、説明してご了解を得た上でちょっとだけ撮らせていただきました。
もちろん写真はプレゼントさせていただきましたよ。

いつもならボートがたくさん来て水中はダイバーで混み合う超人気ポイントのリチェリューロックも、今シーズンはいつ行っても貸し切り状態です。
これはこれでとっても贅沢な事ですね。
早くコロナが収束して当たり前のように世界中の好きなところへ行ける世の中に戻るよう祈っております。
また日本の皆さんと一緒に楽しく潜ったり飲み語ったりしたいですね・・・。
その日を楽しみに今やれる事をきっちりやりながら、タイ在住のダイバーさん達とタイの海で潜り続けておきます。
前を向いて進もう
サワディーカップ!(タイ語でこんにちは)
コロナ禍ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
日本の感染拡大の報道のトーンも少しは落ち着いてきたように感じますし、GoToトラベルなどで日本の国内旅行に出かける人も増えて来たことでしょうね。
こちらタイは相変わらず国内での感染をほぼほぼ完全に抑え込んでいて、タイ国内にいる者の国内旅行は問題なく行えています。
そんな中、慎重なタイ政府もそろそろ国外からの観光客を入れ始めようかと、この10月から人数を限定して一部のより安全とされる国から少人数の規模で入国を始めるようです。
残念ながら今はまだ日本からタイには観光目的で入ることは現実的に出来ませんが、ほかの国とは言え少しは前進した前向きなニュースが聞けて嬉しく思います。
早く日本から皆さんに遊びに来てもらえる日が来ることを心より待ち望んでいます。
前回の投稿でも書いてますが、おかげさまでこの夏のタオ島のシーズンは、タイ国内にいるダイバーさん達と潜っています。
すっかり観光客が少なくなったタオ島のビーチやダイブサイトは、皮肉にも負荷が少なくなりとても綺麗になりました。
これはこれで良い事であると前向きに考えます。
そして、もうすぐインド洋側のカオラックのシーズンが始まります。
こちらもタイ国内のダイバーさんと潜り始める事になりますね。
オフシーズンだった半年間休ませたアンダマン海は、いつもシーズン頭にもの凄い魚影の濃さを楽しませてくれます。
珊瑚もとっても元気に群生している事でしょう。
早くこんな魚群に巻かれたいな〜。
タイ国内にいる皆様、いよいよカオラックが始まりますよ。お待ちしております!
日本におられる皆様、もうしばしお待ちください。
きっと近いうちにタイに来れる日が来ると信じております。
タイ、タオ島の今
サワディカップ!(タイ語でこんにちは)
コロナで大変な世の中になってしまいましたね。
こちらタイではかなり早い段階で最初の感染者が出たのですが、政府が非常事態宣言を出すのも早く、またそれはかなり厳しい強制力を持ち徹底したものでした。
私生活も仕事も長い時間不自由な状況を我慢してきましたが、今のところタイは国内での新規感染を押さえ込むことに成功していて2ヶ月以上新規の国内の感染者は出ていません。
それでもタイ政府は非常事態宣言を解除せずに、国外からのタイへの入国を制限し続けています。
そういうわけで、ダイバーの皆さんに日本からタイへ潜りに来てもらう事ができません。
幸いタイという国には沢山の日本人が生活しているので、段階的な規制緩和によりタイ国内での旅行やダイビング活動が可能となったので、もともとタイ在住の日本人ダイバーさん達が潜りに来て下さいます。
先日の連休にはコロナ始まって以来の大勢のゲストに来ていただく事ができ、久しぶりに忙しい数日間を過ごして感謝感激の気持ちで張り切ってガイドさせていただきました。
海は絶好調で、青く透き通り、魚影は濃く、ダイバーは少なく、とても恵まれたダイビングコンディションです。
コロナ発生からずっと我慢していて、それ以来初めて潜るというゲストさん達は大喜びでした。
とは言え、お仕事でタイにおられる方が多いので、ウィークデイはゲストがほぼゼロという状況なのですが・・・
でもこのご時世で細々とは言えガイドをしてゲストに喜んでもらえる事って本当に幸せな事なんだとありがたみを痛感しながら過ごしています。
そんなタイもこれからツーリストに対して国境を開くかどうかで盛んに議論されています。
果たしていつになったら日本からタイに潜りに来ていただけるのか・・・
まだまだコロナが猛威を振るっていますが、早く皆さんと自由に潜れる日が戻ってくることを切に祈っております。

花魁の舞
タオ島の海はいたるところに砂地が広がっています。
水深も砂質も様々で、それぞれの環境に合わせていろんなハゼがテッポウエビの仲間と共生しています。
そんな中からオイランハゼをご紹介します。

河口付近の汽水域で見られる種ですが、小さなタオ島には川らしい川はありません。
それにもかかわらず、ビーチの浅瀬にたくさんのオイランハゼが生息しています。
何故?
タオ島の地図ではなくて、もっと目線を引いて東南アジアの地図を見てもらうと分かるのですが、タオ島のあるシャム湾そのものが大きな内湾になっていて、そこに大陸由来の大きな河川が流れ込んでいます。
シャム湾は最大深度が-100m足らずの広くて浅い砂地が広がる海域で、河口の汽水域と似た条件になっていると言えます。
そういう訳で、川も無い海に面したビーチにもオイランハゼが生息しているのです。
この魚は巣穴から飛び出してホバリングしながら美しいヒレを全開にするジャンプをします。
ところが、日本中、世界中のいろんな海を潜り歩くベテランのゲストさん達から聞く話によると、他の海でもオイランハゼを見せてもらったことはあるが、ジャンプは見たことが無いという人がほとんどです。
こちらタオ島では、オイランハゼのジャンプが見れることの方が普通で、小一時間粘って一度もジャンプしないことの方がレアケースなのです。
この1ヶ月の間にも3度オイランダイブをやりましたが、3度とも複数個体が飛びまくりで、参加ゲストは全員漏れなく見まくり撮りまくりでした。
もはやタオ島の強みの一つとカウントしていいと思います。興味のある人はリクエストして下さいね。
ただし、凄く浅いダイビングとなるので、潮の満ち引きの時間や、ウネリの有無などの条件が揃わないと出来ない遊びであることはご了承くださいね。
自然光
こちらタイのタオ島は夏休みシーズンで賑わっております。
この時期はガイド業務が忙しく、なかなか自分でカメラを持って潜る事が出来ないのですが、セイルロックでジンベエザメが出ている時にゲストがジンベエと一緒に撮って欲しいという事で、珍しくガイド中に自分で撮った写真です。

ジンベエはプランクトンを食べるのでタオの海が大好きなのですが、と言う事はつまり浮遊物が多くて透明度が悪いと言う事でもあります。
この日もめちゃくちゃ濁ってましたが、写真で見るとそう気にならないですよね?
それはストロボを使わないで見下ろして自然光だけで撮っているからなのです。
もしストロボを焚いていると、ゴミを拾ってハレーションしまくりの写真になっていた事でしょう。
そして、この見下ろして甚平模様を写す構図が気に入っています。
もともとジンベエはカラフルな被写体ではなくモノトーンなので、光を当てる必要も無いし、そもそも大きすぎて光が全体に周り切りません。
高性能のライティング機材をいろいろ使いたくなりますが、敢えてシンプルに自然光で撮ったほうが良いこともあるのです。
コンデジでもワイドコンバージョンレンズを取り付けたらこういう風に撮れますので試して見てくださいね。
圧倒的な魚影の濃さ
絶好調のカオラックのシーズンからゴールデンウィークのタオ島へ引っ越しし、ジンベエこそ出なかったがコンディションの良いタオ島で潜ってました。
めちゃめちゃ魚影が濃いです。
その後、ニゴニゴの透明度が落ちるがジンベエが出るという時期を経て、どっちが良いのかなぁ〜なんてゲストと話してました。
そしてこの記事を書いている5月末は透明度もアップし、ジンベエも出始めました。
写真はタオ島らしい複数種の群れのコラボレーションです。
セイルロックのテルメアジとツバメウオの群れ!

ここにジンベエが突っ込んだら最高ですね〜。
いろんなバリエーション
今回ご紹介するのはトマトアネモネフィッシュの幼魚です。
図鑑によってはレッドサドルバックアネモネフィッシュとも呼ばれますが、英名はいろいろなので、ビッグブルーではトマトで呼んでいます。
この魚はハマクマノミの近似種で、幼魚の時には同じように白いバンドがありますが、」成長とともに消えていき、成魚になると白いバンドは完全に消えてまさに完熟トマトさながらの濃いオレンジ色となります。
この白いバンドが消えていく過程で個体差があり、最後に白い模様が残る場所が異なります。
そのバリエーションが面白くて、



などなど、それぞれとっても可愛い表情になっています。
現在、リチェリューロックのトマトアネモネフィッシュのコロニーでは、幼魚〜成魚、いろんなバージョンが一度に見られます。
同じ魚でも、こんな楽しみ方もあるのですよ。
リチェリューロックで潜る時はチェックして見て下さいね。
いろんな楽しみ方
コボンというポイントはマンタで有名ですが、自然相手なので年によって当たり外れがあります。
コボンで見れるマンタは、ナンヨウマンタではなくて大きい方のオニイトマキエイです。
今年は12月に大爆発してこのまま当たり年になるかと思いきや、年越し直前にピタリと止まってしまいました。
しかし、そんなコボンですが、マンタ無しでも面白い被写体があるよ〜ってことをご紹介させて頂きます。
浅場のリュウキュウキッカサンゴがめちゃくちゃ元気です。

円周魚眼レンズの超広角の世界でダメージひとつ写り込みません。
島の西には『West Ridge』と呼ばれる岩の壁が水中から水面上に聳え立っています。
その岩の壁に開いた大きな穴に海面のウネリの海水が入ってはドバーッと出てくるのですが、その真下から見上げるとこんな感じ。

水飛沫にワヌケヤッコのシルエットを乗っけたらカッコよく撮れました。(^ ^)
コボンだからって、マンタ狙い一辺倒ではなくて、いろんな楽しみ方があるんだよってことを紹介したいです。
とは言え、これから2月〜3月というピークシーズンが始まるので、ここからマンタ祭りが始まる可能性は十分ありますので、その時はまた報告しますね。笑
賑やかな水中と静かなビーチと
タオ島2018のシーズンが無事に終わりました。
沢山のゲストに来て頂き大荒れすることも少なくジンベエザメも結構出てくれて良いシーズンだったと思います。
感謝、感謝です・・・

さて、時間の流れは早いもので、タオ島のシーズンをやり切ったと思ったら、今度はカオラックのシーズンが始まりました。
マレー半島という細い陸地を挟んで、太平洋とインド洋の境目を作っているタイという地の利で、半年ごとに行き来することで、絶えずハイシーズンの海の美味しいところ取りを出来るのです。
さっそく、潜って来ましたよ〜
半年寝かせたアンダマン海は、メチャクチャ濃い魚影でした!

ところで、シミラン国立公園が急にルール改定をして、ライセンスが整ってなくて国立公園内に入れないボートがあったりで現場は混乱しておりますが、今のところビッグブルーのハレルヤ号は問題なく潜れていますのでご心配なく。
環境保護の観点から、国立公園が人数制限するのは賛成なのですが、もう少し早くから告知してくれていれば現場が混乱せずに済んだのに・・・とは思います。
それにしても、こんなに人が少ないシミランのビーチを見るのは何年ぶりだろうか・・・

いろんな事が起こっても、ブレずにただただ誠実にタイの海に向き合って潜るだけです!
新しいオモチャ
サワディカップ!(タイ語でこんにちわ)
ずっと欲しかったレンズを手に入れました。
Canon EF8-15mm F4.0 フィッシュアイ
これを僕の愛機Canon 5D mk3に付けると、円周魚眼と言って、超広角の世界を真ん丸な写真に閉じ込める事ができます。
でも、あまりにも広角過ぎて少しでも距離があると被写体がとても小さく写ってしまいます。中途半端な数の群れを撮ると、写真上ではスッカスカの寂しい写真になってしまいます。
なので、このレンズを使っている人がこの写真↓を見たら、如何にメチャクチャな夥しい数の魚影の濃さかが分かってもらえると思います。

究極のワイドレンズでもはみ出してしまうほどのタオ島の海の魚影の濃さはやっぱりハンパいないって!
ちなみに、超広角にも関わらず、画面いっぱいに広がるキンセンフエダイの黄色い色が出ているのは、INONの新製品であるZ-330ストロボのおかげで光が広く回ってくれたからです。
いや〜、幾つになっても、新しいおもちゃで遊ぶのは楽しいな!
このレンズで群れに撒かれるジンベエを撮りたいな〜
スペシャルな1年
無事にゴールデンウィークが終わりました。
僕にとってはこの1年間をやり遂げたという、年末や年度末という感じのシーズンです。
初夏のタオ島のシーズンから始まり、冬のカオラックのシーズン、そして春は二つの海が好調となり、そしてタオ島のゴールデンウィークで締めくくるという1年のスパンで動いています。
この1年を振り返ると、カオラックもタオ島も両方ともとんでもなくコンディションが良く、ジンベエザメを始めとする人気の大物が出まくったスペシャルな1年でした。
この写真はゴールデンウィークが終わりゲストが減り、ちょっと一息ついた時に自分でカメラを持ってセイルロックへ行った時のものです。

思いっきり逆光だけど太陽を飛ばさずにジンベエのお腹にうっすら光を当てる。
INONの新製品のストロボ、大光量のZ-330を手に入れてこんな感じで使いたくてウズウズしていたのでした。
さて、これから毎年恒例の年に一度の長期休暇をもらいます。
今年はちょっと私的な理由であまり海には行かない予定になっちゃいましたが、しっかりリフレッシュしてまた次の1年を頑張れるように精気を養おうと思います。
シーズンの変わり目
もう4月。
あっという間にカオラックのシーズンの半年間が終わってしまいます・・・
というのも、マレー半島を挟んで東西にシーズンが逆の二つの海を持つタイでは、4月はちょうどシーズンの変わり目なのです。
振り返ってみて、今シーズンは例年にも増して魚影がめちゃくちゃ濃かったです。
バナナフュージュラーの幼魚やヒメタカサゴ、スカシテンジクダイなどが大発生し続けていました。
一体全体何匹いるのか?その数字が何桁になるのか?まるで見当もつかない。

それを食い散らかす数百匹のロウニンアジとキツネフエフキの混合部隊も凄まじかったなぁ・・・

それでも、食べても食べても次から次から湧いて出てくる小魚たち。

いつまでも潜っていたい・・・
まだまだ良いコンデイションが続いているカオラックですが、後ろ髪を引かれつつもゴールデンウィークにはタオ島に引っ越しします。
2017年に引き続き、相変わらずジンベエザメが当たっているタオ島。
2018年はどんなシーズンになるのかな!? 今から楽しみです。
そして、4月6日(金)〜8日(日)は池袋サンシャインでマリンダイビングフェアが開催されるため、僕もタイから帰国して参加します。
ガイド会ライブもあり、雄輔さん始め、いろんな方にお会いできることも楽しみにしております!
華やかな海中世界
相変わらずタオ島は今もジンベエが毎日出まくっているのですが、11月からインド洋側のアンダマン海のシーズンが始まります。後ろ髪を引かれつつ引っ越ししてきました。
さっそくハレルヤ号クルーズで潜ってきました。
今年はシーズン初っ端からお天気も安定していて、べた凪、透明度も良くて、最高のダイビング日和。
いつもの子達に挨拶回りをしたり、大好きな場所を巡ったり、半年ぶりに潜るワクワク感がたまりませんでした。
アンダマン海はいろんな色に満ち溢れています。
リチェリューロックのてっぺんの海藻地帯はまるで山の上の草原のよう。水面がつるつるべた凪なので、海中から空に浮かぶ雲までくっきり見えます。まるで魚が空を飛んでいるみたい。

ソフトコーラルが多く華やかな景観。
シーズン初っ端の風物詩、スカシテンジクダイが大発生して賑やかです。

大好きな場所がいっぱいありすぎて、早くゲストに紹介したくてうずうずします。
みなさん遊びに来てくださいね!
引きの美学 その2
2017年のタオ島のシーズンも無事にやり抜くことができました。
おかげさまでたくさんのゲストにお越しいただき、忙しくも充実した毎日を過ごすことが出来ました。ありがとうございました。
そして何と言ってもジンベエザメに恵まれたシーズンでした。
途中、夏頃にしばらくペースダウンした時期がありましたが、シーズン終盤にまた出まくってくれています。
前回の記事で『引きの美学』という内容で、ジンベエザメに近づくのではなく、敢えて引くことで何かと絡めたジンベエ写真になるという話を書きました。今回もその続きです。
快晴・ベタ凪の海では、水中から水面越しに太陽や空や雲がはっきりと見えます。
ジンベエのシルエットを大空に浮かべてみました。

本日のナイトフェリーで荷物満載の車ごとタオ島を出ます。
翌朝マレー半島に上陸して、3時間ほどかけて横断すると、そこはもうカオラックです。
これから半年はインド洋、アンダマン海を舞台に潜り倒しの日々が始まります。
カオラックに遊びに来て下さいね〜!
引きの美学
インド洋側カオラックから引っ越してきて、今は太平洋側タオ島から投稿です。
2017年のタオ島史上最大のジンベエザメの当たり年となっています。僕自身の20年近くのキャリアの中でぶっちぎり一番多く出没してきました。
1月からポツポツ出始め、徐々に頻繁に出るようになり、ゴールデンウィークには毎日連続で複数個体が出るので、ゲストもほぼ全員がバッチリ見たり撮ったりできました。
あまりにも当たり前のようにジンベエと近づけるので、どアップの写真が簡単に撮れます。
ゲストもより個性的な写真を撮ろうと、敢えてジンベエに近づかずに引いて他の魚や地形と絡めた構図を狙ってみたり、

スローシャッターで動きを表現してみたりする余裕があるほどでした。

ゴールデンウィークが終わった後も5月下旬まですごい勢いで出ていましたが、突然止まりました。
本来であれば出るのがラッキーで、出ないのが普通の筈が、あまりにも見慣れてしまっていたので変な感じでした。ジンベエを意識しないで他の見所をじっくりゆっくり観れるのも新鮮に感じるほど感覚がおかしくなって他ほど。
このまま終わってしまうのかな・・・と思った頃、またちらほら出始めまてくれました。
ジンベエ当たり年は夏まで続くのか・・・!?
贅沢を言わしてもらえれば、そんなに集中して複数個体いっぺんに出なくていいので、一年中定期的に満遍なく出てくれたらいいのになあ〜
自然光
もう4月。半年限定のカオラックのシーズンが終わってしまいます。
例年はシーズン幕開けとともに大量のスカシテンジクダイや各種タカサゴ科の幼魚が大量発生して賑わうはずが、今年は序盤戦は魚影が薄かったのでした。
でも、シーズン終盤となり、いまさらながらめちゃくちゃ魚影が濃くなってきました。
今日のリチェリューロックも凄かったなぁ。ボートの下でロウニンアジがハンティング。

まさに今が旬!
そしてそんなシーンを激写しようとカメラを持って出かけたのですが、なんとハウジングの電気系統の不具合のようでストロボが光らない・・・
仕方がないので自然光のみでシルエットを狙ってみたり。

これはこれで面白いなぁ。
さて、海がこんなに絶好調なのにいよいよカウントダウン。あと一ヶ月足らずでシーズンが終わるなんて信じたく無いのですが・・・
心残りが無いよう潜りまくっておこう。
間に合う人はいまからでもカオラックへお越しください。
そしていよいよマレー半島を挟んだ太平洋側のタオ島のシーズンが始まってます。ジンベエザメが頻出で盛り上がっていますよ〜
僕もゴールデンウィークからタオ島で潜ってます。
もっとカオラックで潜っていたい気持ちと、半年ぶりにタオ島で潜るのが楽しみでならない気持ちと、毎年恒例、あぁ悩ましい・・・
絶好調の海
3月、タイの海が一番盛り上がる時。
と言うのも、タイの持つ2つの海が良方ともハイシーズンとなる数少ない時なのです。
マレー半島の西側、インド洋アンダマン海はいよいよピークシーズンを迎えています。また、東側の太平洋、シャム湾もコンディションが上がってきており、多くのダイバーが訪れる時期です。
僕はカオラックで潜っています。
この時期は風が止み、海は凪ぎ、透明度も上昇して最高のコンディションのなか気持ち良く潜っております。
今シーズンは少し変な感じで、本来であれば11月からのシーズン開幕時に大量発生するスカシテンジクダイやタカサゴの幼魚たちがずいぶん遅れて今になって増えてきています。
この小魚たちがフォト派にとっては絶好の被写体となります。
主役は張れないけど、脇役としてアンダマン海らしい賑わいを表現するのに役立ってくれます。

そして、いよいよマンタシーズン到来!
こちらで見れるのはオニイトマキエイ、デカい方のマンタです。
先日は体幅5mほどの大型の個体がぐるぐる僕たちのまわりを泳ぎ続けてくれましたよ〜♪

カオラックのシーズンは4月半ばまで。
絶好調の海、まだ間に合いますよ!
面白い魚
明けましておめでとうございます!
と、言いつつ、この記事は年末に書いております。
あっという間に2016年もカウントダウン。毎年同じことを言っている気がしますが今年も早かったな。
いろんなことがありましたが、今年を振り返って思い出深いのは、新しく見つけた魚との出会いです。
普段から面白そうな場所を目をつけておき、暇を見つけては調査を繰り返しておりましたが、なかなか思うような成果ばかり連発するわけでもなく、思ったよりも面白くなかったりすることが多いです。
そんな中、くじけずに調査を続けている中でヒットもありました。
ダイビングというわけではないのですが、河口域のマングローブ林の干潟で面白い魚を見つけました。
Boddart’s goggle-eyed goby
ムツゴロウの仲間です。
首をフリフリしながら胸ビレを足のように使って歩き回ります。
乾いた背中を濡らすためかな?たまにコロンと横に転がる仕草もめちゃくちゃ可愛いのです。
陸上にいながらにして皮膚呼吸の能力がすぐれているそうですが、エラから呼吸するために口から水を吸い込んでハムスターがほっぺを膨らますような表情になリます。

こんな可愛い魚ですが、なかなか喧嘩っ早いようで、ぴょこぴょこ歩き回りながら他の個体に出会うと、自分より小さな個体には一睨みで蹴散らし、同じくらい大きさの個体に出会うとガチで喧嘩が始まることも。

泥でコーティングされることもなくきれいな模様を見ることができます。
日本のムツゴロウが求愛のジャンプをするように、この種もするのかな?
まだそこまで調査は進んでいませんが、これからも観察を続けようと思います。
見たい人はリクエストしてくださいね。
ではでは、皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
閲覧注意!?『う◯こ』のお話
先月号でも書いた通り、この夏のタオ島はずっと良かったコンディションがシーズンの最後に悪くなり、島の周りはニゴニゴ状態、最後の砦の島から離れた深場のポイントも徐々に濁ってきました。
こうなっちゃうと今年一番のワイドネタである数百匹のツバメウオの群れが見つけられないこともあります。
まあ、透明度が悪いとはいえ10mほど見えていればその迫力の一端だけでも見てもらえますし、15m見えればフィッシュアイレンズで実際に見た目よりも綺麗にそれなりに撮れます。
でも、見つけられないければいないのと一緒ですからね・・・
さて、そんなコンディションの中、ガイドの経験値をフル稼働して潮の動きを読み群れを当てようとするのですが、今シーズン、新たなテクニックを習得しました。
それは、ツバメウオの『う◯こ』を見つけてその上流を探るという方法です。
これ、冗談のようで本当に使えるテクニックなのですよ。(^_^;;
例年はあまり気にならなかったのに、今年の夏は例年よりもずっとツバメウオが多かったためその排泄量たるや半端なかったので場所によっては『う◯こ』だらけになっていたのです。
ちなみに、食生活の違いにより、魚によって排泄物もいろんなタイプのものがあります。
例えば、ピンク色した入浴剤みたいな固形物がしゅわーっと溶けてなくなるのもあれば、白くてサラサラの砂のようなのを撒き散らすのもあります。
そんな中でも、ツバメウオの排泄物は茶色くて人間のちょっとゆるい時のものと酷似しています。
タイのスピードボートはマリントイレと言って排泄物が直接海に流れます。なので、ダイブサイトでは極力大きい方は控えるようにブリーフィングするのですが・・・
ある日、他のショップのスピードボートの近くを泳いでいた時に、大量の『う◯こ』らしきものが目の前に現れました。

うわっ!やりやがった!!
と思いつつ避けながら泳いでいたのですが避けても避けてもますます『う◯こ』だらけに・・・
でも・・・、明らかにボートがない場所の上流から大量に流れてくるので、これはもしやそういうことかと思い至り、潮の流れを辿ってくとドンピシャでツバメウオの群れに当たりました。

それからはツバメウオの『う◯こ』を見極められるようになり、見つけるとラッキーとさえ思えるようになりましたとさ。
さて、こちらタイはちょうどシーズンの変わり目を迎えています。
おかげさまで賑わった太平洋側のタオ島から、いよいよシーズンインのインド洋側のカオラックへ引っ越してまいりました。
シーズン明け初っ端から誰よりも早く潜ってきました!
半年寝かせた海の中はコンディション上々で、ソフトコーラルも元気で、さっそくブラックフィンバラクーダのすごい群れに遭遇しましたよ〜♪

というわけで、今回は下品な話で申し訳ございませんでした。
来月からはインド洋・アンダマン海からお届けします。
武装した魚!?
先月号でコンディションが良くなったのでそれが続けばいいな〜と書きましたが、結局9月いっぱい不安定なお天気が続きなかなかスカッと晴れてべた凪になることがないまま9月を終えることになりました。
過去ログを見直してみても例年9月後半から10月の前半にかけて穏やかで透明度も良いコンディションになることが多かったのですけどね。そんなわけで島周りのポイントは軒並みニゴニゴのお味噌汁状態・・・
でも、そんな中でも抜群の安定感でダイバーを迎え入れてくれるのがチュンポンピナクルなのです。
道中の波はありますが行けないほどではなくエントリーとエキジットを慎重にこなせば水中はいたって穏やかで透明度も20mから青く抜けています。
キンセンフエダイ、テルメアジ、各種バラクーダ、ツバメウオなどなどの群れが次から次に登場し、ゲストも気持ち良く潜ってくれています。そして昨日はバショウカジキも登場! 僕はガイド中だったので写真はありませんが、至近距離でバッチリ見れました。
そして今もっとも熱いのがこちら↓

第二背鰭と臀鰭の軟条が伸長してフィラメント状になっててカッコいいでしょ〜!?
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』とヒレ全開の写真を見比べて、ヨロイアジかリュウキュウヨロイアジだと思いますが、図鑑も出されている雄輔さん、どうですかね???
『ヨロイアジ』って変わった名前ですが学名はCarangoides armatusで小種名のarmatureは『武装した』という意味ということなので、そこから『鎧』という名前が付けられたのですかね。
今、チュンポンピナクルのとある場所でこのヨロイアジの仲間が数十匹集まっています。

これは求愛行動と思われ、ペアで泳ぐうちの雄個体が婚姻色と思われる黒い体色になり、他の邪魔する雄と鰭を全開にして喧嘩するシーンが見れます。
動きも早く、鰭が開いた瞬間を写真に収めるのは難しいのですが、手強いからこそ燃えるというもので、みなさん中層でシューティングゲームを楽しんでおられます。笑
さて、そろそろ今年のタオ島のシーズンも終盤戦。残り一ヶ月、心残りの無いよう力一杯潜りまくろうと思います。
来月の今頃はインド洋側のカオラックに引っ越し済みです。半年休ませたフレッシュなアンダマン海の海の様子をご紹介できると思いますのでお楽しみに!
ええ感じになってきました
もう8月が終わっちゃった・・・
この仕事をしていると夏は特に忙しいので、あっという間に過ぎていく気がします。
こちらタイ・タオ島の8月はと言いますと、先月号のこの記事でコンディションが絶好調と書いたのにもかかわらず、その記事がアップされた途端にお天気が崩れ、その後3週間くらいずっとダラダラと悪天候が続いていました。日本に来る台風ほどの破壊力はないので毎日潜ることは出来るのですが、波が高くて島影のポイントでしか潜れない日も多かったです。
8月も後半に入りやっと好きなようにポイントを選べるようになり、人気のセイルロックやチュンポンピナクルにも毎日行けるようになり、相変わらずの魚群×魚群×魚群のど迫力にはゲストも大喜び。
この豪海倶楽部の原稿の締め切りが迫る月末になると、ジンベエが連続して出始めてくれました。実際には締め切りを過ぎていたのですが・・・(^_^;;
ちょっとゲストの人数が減った日にガイドとしてではなく、カメラを持って潜ることが出来ました。
そしてまんまとジンベエGET!

とても人懐っこい感じで、僕たちのまわりを何度も何度もずっと一緒に泳いでくれました。
ビッグブルーのダイビングボートである『BANZAI号』の近くの水面をぐるぐると回ってくれるので、水面休息時間も船から、スノーケルでと見たい放題。

もちろんセイルロックなので他の魚の群れとジンベエのコラボレーションも見られましたよ。
敢えてジンベエに近づかず、引いてなんぼでササムロ越しに撮ってみたり。

しかもこの日はジンベエが2匹同時に出現!
一枚の写真の構図に2匹を入れることは出来ませんでしたが、あっちにもこっちにもジンベエがいて大忙しでした。
まだまだ続く夏休みシーズンのタオ島、これからもたくさんのゲストの予約を頂いています。
こんなコンディションが続いてくれると嬉しいんだけどな・・・
セイルロックの夏
いよいよ夏本番を迎えるタオ島で毎日潜りまくっております。
もともと魚影が濃いかわりに透明度が良くない海なのですが、今は透明度もなかなか良いコンディションで潜れています。
何と言ってもセイルロックが熱い!
ツバメウオの群れが絶好調で、ポイント全体では控えめに言っても300〜400枚、いや、もっといるかな!?
魚眼レンズからはみ出すサイズの群れが見れます。

他にも各種バラクーダやギンガメアジの群れも常連で、ご覧のように異なる種類の群れが交錯します。

根の周りではツキチョウチョウウオが群れていたり、ワヌケヤッコが集まるというレアなシーンも。


最近はジンベエザメもちらほらと出現していますので、このままの状態が続けばかなり楽しい夏になりそうです。
そして、お天気の良いタオ島では、ビッグブルーのショップのあるサイリービーチが西向きなので、毎日美しいサンセットビーチの夕景がみられます。

ダイビング以外にもカメラが活躍しましすよ。
オススメの撮影ポイントなんかもお教えしますので、お越しの方は夕焼け話でも盛り上がりましょうね〜♪
年に一度のお休み
この1ヶ月は年に一度のお休みをもらいバリ島や日本に滞在してました。
で、結局、休みの間もダイビングばっかりしてました。笑
下記、タイの海のお話ではないのですが各地で撮った写真をご紹介させていただきます。
本当はめちゃくちゃいっぱい撮ったのですが、きりがないのでたくさんの中からそれぞれの場所からお気に入りのを一枚ずつ。
バリ・トランベンで、オーシャンダイブ・バリの中山大介さんにガイドしてもらった時のもの。
白いホヤの質感とタルマワシの存在感がお気に入りの一枚です。

昔からこのポイントが好きでよく通っていました。
そういえば実はその頃にパラダイスで吉野雄輔さんをお見かけしたことがあったのですがまだ面識が無かったので、うわ〜雄輔さんや〜!と遠くから憧れの眼差しで見ていただけの大村少年だったのでした。笑
お次は、和歌山・田辺のL-Diveの李友喜さんにガイドしてもらった時のもの。
この時期の田辺といえばやっぱりケヤリ!綺麗やわ〜♪
コケギンポの背景として、スヌートを使って黒抜きの背景に浮き上がらせてみました。

実家の京都からすぐのとこで、僕と同い年のガイドさんで、同じくらいの子供が居て、ほんまに家族ぐるみで仲良くさせてもらっています。
白浜温泉に浸り、美味しい海鮮食べて、充実の週末でした。
沖縄・宮古島のアクアストーリーの國廣哲司さんにガイドしてもらった時のもの。
國ちゃんのマクロガイドも熱かった! でもやっぱり地形が撮りたかった!

ずっと行きたかった宮古島、ガイド会の仲間の國ちゃんのおかげで目一杯楽しませてもらいました!
お天気が悪くて魔王の宮殿やアウントニオガウディーなどの有名どころには行けなかったのでまたリベンジしよう。
その後、國ちゃんと一緒に沖縄・本島へ渡り、沖縄ダイビングセンターのてつ!さん、スローライフの木戸泰成さん、オアシスダイバーズの吉末奈緒子さんの3ショップ合同の総力戦でガイドしてもらった時のもの。
4〜5人ガイド体制で次から次にネタを紹介してくれるのでめちゃくちゃ忙しいダイビングでしたが、本当ーにいろいろ見ていっぱい撮りましたが、ここで全部紹介したらきりがないので、個人的に見たかったリーゼントヘビギンポを。

今回はダイビングは一緒ではなかったけどガイド会メンバーである蓮尾さんや津波古君ともがっつり飲んで楽しかったです。
と、ここまではガイド会の世界の海ブログにも書いたので、もう少し詳しくはこちらを見てみてくださいね。
そしてここから新ネタ。
最後に岩手県、大船渡のみちのくダイビング Riasの佐藤寛志さんにガイドしてもらった時のもの。
タイの海とは真逆な北の海。
何もかもが新鮮で何を撮ってても楽しいのですが、特に気に入ったのがこの一枚。
大きな岩にびっしりホヤが付いていました。

海藻の森でアメフラシがいちゃついてました。笑

フサギンポ♀の積極性にはタジタジでした。
この顔で迫られても・・・(^_^;;


3.11の震災の後に復興ボランティアのお手伝いに行った時から比べたらずいぶん雰囲気が変わっていました。
なかでも海の清掃や町興しなどで漁師さんとダイバーたちが手を取り合って活動されているのがとても印象深かったです。
今回は三陸鉄道の恋し浜駅にあるホタテデッキで『浜の学び舎』のプログラムに参加させてもらいました。ホタテの一生という座学をしてから、漁師さんと一緒に海に出てホタテの耳釣りの仕掛けを体験させてもらいました。(※下の黒板の内容は今回のものではありません)
ちなみに『耳釣り』とは、ホタテの殻の耳と呼ばれる場所に小さな穴を開けて等間隔ロープに吊るし養殖することです。




もちろん、その後は新鮮なホタテ食べまくりです!笑

なかなか出来ない貴重な体験をさせてもらいました。
お世話になった皆さま、ありがとうございました。
大きな被害だったのでまだまだ復興への道のりは長いでしょう。僕自身もカオラックでインド洋大津波で被災して復興を目の当たりにして気た経験がありますが、今の三陸は被災地に遊びに行くのは不謹慎だなんて言うステージではなく、今でもいっぱい楽しめるし、美味しいもの食べられるし、元気に頑張っている地元の人たちと交流できるし、行くことそのものが復興のお手伝いにもなるのでどんどん遊びに行って欲しいと思います。
浜の学び舎のプログラムに興味がある方は、Riasの佐藤寛志さんに直接聞いてみてください。
さて、昨日、タイのタオ島に帰ってきました。
さっそく今日から潜ってきましたが、ガイドとしてゲストと潜ったので写真はありません。高水温によるサンゴの白化は心配していたよりも大丈夫で安心しました。
来月はタイの海から情報発信します。
海のシェルパ展『Color of the sea』
タイの海からサワディカップ!(タイ語でこんにちは!)
今回は大阪で開催した写真展の報告をさせて頂きます。
先月号の記事でも告知させて頂いておりましたが、私が所属するガイド会の同年代のメンバー4人で大阪のギャラリーで水中写真の写真展をやりました。
ガイド会に代々引き継がれている『海のシェルパ展』の第4世代で、沖縄渡嘉敷島の番田武六、和歌山田辺の李友喜、高知柏島の西村直樹と、タイから大村健の4人のメンバーです。

このメンバーでやれて本当に楽しかったし良かったです。
ありがとー!
今回は4人とも西日本出身という事もあり、日本中から水中写真好きのダイバーさんが大阪に集まる『上方水中映像際り』の日程に合わさせてもらいました。
そのおかげもありまして、私たちの写真展にも沢山のダイバーさんが見に来てくれました。
来て下さった皆様、本当にありがとうございました!
今回の写真展のテーマは水中の色『Color of the sea』
水中は青だけの世界ではないのです。
別々の海をフィールドに潜っている4人のガイドが、それぞれの海で撮った虹の7色と白と黒の全9色を水中写真で表現するという趣向です。
会場は淀屋橋にあるBlack Boxというギャラリーで、黒をベースにしたモノトーン基調のスペースのおかげで、上手い具合に9つの色のグラデーションを表現できました。



そして、4月のマリンダイビングフェアの日程に合わせて、東京でも開催することになりました。
場所は、池袋駅西口にあるギャラリー『Gallery ZO』で、4月1日(金)〜3日(日)を予定しております。
豪海倶楽部の関係の皆様も、ご都合付くようでしたらお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。
来月は海の話をいっぱいアップしようと思います。
印度の花魁
皆さま、お久しぶりでございます。
長らくお休みしておりましたが、今年は頑張って記事のアップをしていこうと思っております。
この間ダイビングをサボっていた訳ではなく、相変わらず貧乏暇なし状態で一年中潜りまくっておりますよ〜(^_^;;
書きたい事はいろいろ溜まっているのですが、まずは旬な情報から・・・
今回ご紹介したいネタはオイランハゼです。

上の写真はタイの太平洋側のシャム湾に位置するタオ島の海で撮ったもので、雄の個体がホバリングしながらディスプレイをしているシーンです。
タオ島では昔からよく見ている普通種なのですが、これまで個人的にはインド洋側のアンダマン海ではこの魚を見た事がありませんでした。
そもそも私の持っている図鑑や、インターネットのデータベースであるFishbaseなどの分布域にもタイの西海岸は入ってません。(大村調べ)
なので、残念やな〜カオラックにはいないのか〜、オイランハゼのインド洋ver. とかいたらいいのにな〜、と常々思っていました。
ところが先日、調査目的で普段潜らない場所でエントリーしてみると・・・
いました〜っ!

最初は目を疑いましたが、これはまさしく見慣れたオイランハゼじゃぁないですかっ!
証拠写真程度のクオリティーでお恥ずかしいのですが、もしかしたらこのエリアでは初記録なのじゃないでしょうか!?
近似種のCryptocentrus leptocephalus(英名:PINK-SPOTTED SHURIMPGOBY)というのもいますが、今回見つけた個体の特徴を見る限りではオイランハゼの方だと思われます。
ちなみに、この近似種のCryptocentrus leptocephalusの方も図鑑では分布はアンダマン海を除く東部インド洋となっています。
今回は小さな個体を1匹だけ見つけただけなのですが、今後の調査で周辺に沢山いる場所を見つけられるかもしれません。今シーズン中に引き続き調査を続けてみようと思います。
ところで、私が持っている数々の図鑑(特に古いもの)や、インターネットの情報に載っているオイランハゼの情報は交錯しています。
写真と学名のマッチングが間違えて紹介されていたり、そもそも同じ魚なのに学名が2つあったり(シノニム:異名同種)、近似種の存在とその学名や英名が混同されていたり・・・
そこで、魚の種の同定の権威である瀬能先生にオイランハゼの最新の知見をご教授いただきました内容をここにご紹介させていただきます。
オイランハゼについてはきちんとした分類学的な整理がなされていないそうで、最新の知見に従えば、以下の様に理解しておけばよいそうです(将来また変わる可能性があります)。
●オイランハゼ Cryptocentrus melanopus
- 日本に分布する。
- 下記の種とは頬の小さな斑点は数が少なく、斜めのピンクの帯の縁に沿って配列することで区別できる。
- 体側の前の2本お横帯は斜めになる傾向あり。
●オイランハゼに近似する別種 Cryptocentrus leptocephalus
- C. singapurensisはこの学名のシノニム
- 上記の種とは頬の小さな斑点は数が多く、斜めのピンクの帯とは関係なく全体に散らばることで区別できる。
- 体側の前の2本の横帯は垂直であることも特徴。
という事で、今回私がカオラックで撮影した個体は、日本にいるのと同じオイランハゼに該当する訳で、図鑑の分布も変わる事になるのじゃないかと思います。
さて、最後に告知です。このたび縁あって、かねてより撮りためて参りましたタイの海の水中写真を、皆様方に披露させて頂く機会を得ることが出来ました。
各地で現役で活躍する同年代の水中ガイド4人による写真展を催します。
“Color of the sea”のテーマに沿って、それぞれのフィールドをそれぞれの目線で切り撮っています。
開催場所が大阪淀屋橋にあるギャラリーで、期間中は私もタイより一時帰国して在廊しておりますのでお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。
皆様にお会いできる事と楽しみにしております。
海のシェルパ展
番田 武六(渡嘉敷)、李 友喜(和歌山)、西村 直樹(柏島)、大村 健(タイ)
開催日時:
2016年2月19日(金)10:00〜18:00
20日(土)9:00〜17:00
21日(日)9:00〜16:00
場所:
高麗橋 BLACK BOX
大阪市中央区高麗橋3-1-8 カルボ高麗橋ビル1F
http://blackbox.osaka
アクセス:
・大阪市営地下鉄御堂筋線淀屋橋駅12 番出口 東へ徒歩約5 分
・大阪市営地下鉄堺筋線北浜駅6 番出口 南西へ徒歩約5 分

今シーズンのアンダマン海
この記事がアップされるのはちょうどゴールデンウィークまっただ中。僕はたくさんのゲストで賑わうタオ島でガイドとして毎日朝から晩まで潜り倒しているところだろう。
タイは太平洋とインド洋の境目を作っているので、東西にシャム湾とアンダマン海という2つの異なる海を持ちそれぞれが正反対のシーズンを持つという話をしてきたが、ちょうどゴールデンウィークがシーズンの入れ替わり時期で、アンダマン海を望むカオラックからシャム湾に浮かぶタオ島へ引っ越すのだ。
この原稿は前もって書いているので、今回のネタは少し前まで潜っていたカオラックのお話。
今シーズンのアンダマン海は、シーズン初頭は波風がありしんどい日々が続いていたが、中盤からは毎日快晴べた凪で大物運が炸裂したシーズンだった。
過去の大物当たり年の例では、栄養豊富な濁った冷たい水塊が表層まで上がって来ていて、確かに大物は出ているのだが、濁っていて良く見えないとか、とにかく水が冷たくて寒いというパターンが多かった。しかし、今シーズンはほとんど毎日どこかでジンベエやマンタが出現したのだが、水温は温かく安定し、透明度も20m〜30mほど抜けていて、波風も無く水面も穏やかで、本当に恵まれた海況のなか大物を堪能できたシーズンだった。
シーズン中はガイド業に忙しく、なかなか自分でカメラを持って潜る機会が作れないのだが、隙を見つけて何度か調査ダイブや撮影ダイブに行って来たなかで僕が撮った今シーズンのアンダマン海の印象深い写真をご紹介しよう。

自分として今シーズンの一番の発見はこちら。通常は潜らないマニアックな場所で初めて見つけた美しいハゼ。アドニスシュリンプゴビーの雄、ヒレ全開!
1度目の調査では数十センチという極悪の透明度の中で肉眼では確認できないまま無理矢理撮った写真の中に気になる魚が写っていた。そこで、2度目はコンディションを選び、その魚に狙いを定めて潜った結果、見事にヒレ全開の写真が撮れてとっても嬉しくて印象に残ったダイブだった。
そして、今シーズンと言えば大物。
今シーズンはジンベエやマンタも何度か撮る機会を持てた。タイで15年ガイドインストラクターをやっているので今までにジンベエやマンタはいくらでも撮って来たわけなのだが、今までに撮ったことのある同じような写真を今さら撮っても面白くない・・・
同じジンベエやマンタでも、他の海とは違う、タイの海らしい表現がしたい・・・
などなど、もっとこういう風に撮りたいな〜という欲求はどんどん贅沢になっていくのだ。
僕はタイの海を“豊饒の海”と表現し紹介している。
沖縄のK島の先輩ガイドのK本さんは“節操の無い海”とばっさり切って捨てるのだが・・・(^_^;;
その文言どおり栄養豊富な海中は生物でみちあふれてとても賑やかなのである。そんな中に大物ジンベエやマンタが登場するのだから、単に青い海にジンベエやマンタががド・アップで写っているだけの写真では“タイらしさ”は表現できない。なんてことを考えながら、大物が出る度に、周りをキョロキョロ、環境を把握し、ジンベエやマンタの泳ぐ方向を見極め、その先にある何かを絡めた写真が撮れる場所へダッシュ・・・。そんな事を繰り返しながら撮ったのがこちら、ソフトコーラル&魚影越しのジンベエザメ!

そして、ソフトコーラル越しのマンタ!

これぞ豊饒の海・タイならではの水中写真!、だと僕は思っている。
・・・が、自分としては決して納得いっている写真ではない。目の前に広がる光景はもっと美しく迫力があるのだが、それをこの写真では表現し切れていない。
という訳で、今までも、今も、これからも、同じタイの海で潜り続けていても、まだまだ飽き足らずにもっともっと!とタイの海で潜り続けて行くのだ。
さあ、これから半年はタオ島で潜り倒すど〜!!!
今が旬!なネタ
今年もカオラックのシーズンが始まった。
毎年恒例、シーズン初頭の見どころのスカシテンジクダイが大量発生中!
キラキラ群れていて美しいのですが、あまりに量が多過ぎて他の見どころが見えなくて困ってしまうくらいですが、被写体としてはとっても面白い。

写真はハナダイギンポのチビっ子なのですが、スカテンの煌めく不思議な世界に迷い込んだようでとっても可愛い!(^_^)
旬なネタとしては、もともとアケボノハゼ(のインド洋型で黄色い)として紹介してた魚が、ハタタテハゼ属の4番目の種として学名が付いたそうだ。
Nemateleotris exquisita Randall & Connnell, 2013

ハタタテハゼ、アケボノハゼ、シコンハタタテハゼ、そして4番目のこの美しいハゼに付けられた学名にある“exquisita”は英語の“exquisite”の事で“絶妙の”とか“雅やか”という意味。
今シーズンのイチオシのネタとして活躍して欲しいところなのだが、今年に限ってこのハゼが超〜不作年で、今のところ1個体しか確認できいない。
このままいなくなったらどうしよう・・・(ー’`ー;)
という訳でめちゃくちゃ旬でレアなネタという事でなのでお早めに見に来てね!
残暑お見舞い申し上げます
サワディ〜カップ!(タイ語でこんにちは!)
連日のニュースで日本の猛暑の話を聞いている。こちら南国タイランドに来られるゲストの皆さんが『避暑地や〜』と涼んでおられる。
残暑お見舞い申し上げますってことで涼しげな写真を・・・

9月に入ってもまだまだ暑い日が続くようなのでどんどん海へ行こうー!!!
さて、こちらタイはシャム湾のタオ島がハイシーズンのど真ん中で連日たくさんのゲストで賑わっている。
最近は特に欧米人ダイバーが多いのだが、トリップアドバイザーの『世界の人気のある島トップ10』というアンケート・ランキングでなんとタオ島が世界で8位!アジアで1位!!というからビックリ!!!
1位 | アンバーグリス キー/ベリーズ |
2位 | セント ジョン島/米領バージン諸島 |
3位 | ボラボラ島/フランス領ポリネシア(タヒチ) |
4位 | サンファン島/アメリカ |
5位 | サントリーニ島/キクラデス諸島 |
6位 | イスラムヘーレス/メキシコ |
7位 | モーレア島/フランス領ポリネシア(タヒチ) |
8位 | タオ島/タイ |
9位 | イースター島/チリ |
10位 | ノシベ島/マダガスカル |
Q:なぜ同じような島がたくさんある中でタオ島だけがこんなに人気があるのか!?
もちろんダイビングという一番の理由はあるが、それ以外に島が持つポテンシャルがある。
現在タオ島に在住している日本人で一番古くからこの島に住んでいてその発展を見続けてきた僕には、この問いの答えにひとつの確信があるのだ。
それは・・・
A:メインビーチ西に向いているから
サイリービーチは西向きのいわゆるサンセットビーチで、毎日、水平線に沈む夕日が見られるのだ。
東向きのビーチなら朝日が見られるがたいがいの旅行者はそんな早い時間に起きないので知らないうちに終わっているわけだが、タオ島の夕日は全員が見れるもの。
朝から爽やかにダイビングした人も、昼間はゴロゴロ夜から元気な夜遊び組も、夕方になるとみんな吸い寄せられるようにビーチに足が向かう。
真っ赤な太陽が水平線に沈んだあと頭上の雲が真っ赤に染まり、椰子の木越しの空の色がやわらかい紫のグラデーションに変わるとともに星がきらめき始める・・・
そんな光景をビール片手に波の音を聞きながら眺めるのんびりした時間。
ビッグブルーのお店はサイリービーチのど真ん中にあるので、僕にとっては日常というか仕事場なのだが、普段は都会に住んでいる旅行者にとっては特別なことだろう。
ここから楽しい夜の時間が始まるのだ。

もちろん他にもいろんな理由があってタオ島に人気があるのだが、サイリービーチの存在が大きな理由となっていることは間違いない。
雄輔さん、島を買うときはビーチの向きは要チェックですよ!笑
とは言うものの、タオ島は日本人にはまだまだ無名で、ダイバーじゃない人はほとんど知らない。
現地ガイドの僕たちがせっせと情報発信しダイビング雑誌に取り上げて頂いてきたお陰でダイバーの間では徐々に知名度を上がってきたところだ。
まだ来たことがない皆さん、是非一度遊びにきてみては?
産休ベリーマッチ!
2ヶ月にも及ぶイクメン産休が終わりタイへ帰ってきた。
先月号にも書いたが、タイでダイビングの仕事をしてから、こんなに長い期間日本に滞在した事が無い。
日本の企業でも勤続年数が長い人にリフレッシュ休暇をあげたりするし、最近は男性への産休の制度も見直されているみたいなので、たまには良いかな〜?ということでスタッフに留守を任せて休ませてもらった。
産休ベリーマッチ!
先月号では三保とみなべの話を書いたが、その後も久米島、葉山、そして函館で潜って来た。
久米島の話は『ガイド会 世界の海ブログ』の方で書かせてもらったのでそちらをご覧あれ。
葉山では今月号からこの豪海倶楽部に参戦した佐藤輝君のダイビングショップNANAさんでお世話になった。当日は台風7号の影響でウネリが入っていたため、葉山ビーチでは潜れず、三浦半島を回り込みボートダイブをして来た。
僕はタイの海のシーズンがら冬場は日本の海で潜れないので、今までダンゴウオを見た事が無かったのだが、なんと7月で水温22度の海で見る事ができたのだ!

可愛かった〜!
そして次から次に面白い生物が出てくる面白い海なのだった。今度は輝くんが潜り込んで定点観測しているホームグランドの葉山ビーチで是非とも潜ってみたいものだ。
お洒落な葉山にとっても素敵なショップNANAさん。首都圏からも近いので気軽に遊びに行けるよ〜
ダイビングショップNANA
http://www.nana-dive.net
そして、今回の日本滞在の国内ダイビングのラストはガイド会の先輩、函館の佐藤長明さんのグラントスカルピンさん。
長明さんと言えばガイド会でも屈指のフォト派ガイドで、僕自身も撮影器材のことなどこれまでにも沢山のアドバイスをもらってきた。もともとは三陸の志津川で潜っておられたが3.11の津波で全て流されたあと、奥様のご実家のある北海道へ避難され、今は函館の海で潜っておられるのだ。
北海道といってもとても広くていろいろな海があるのだが、函館は“親潮”繋がりで三陸の海との共通点があるそうだ。
当日の最低水温は8度!
普段僕が潜っているタイの海は30度!!
水温差は20度以上!!!
誰よりも寒さに弱い自信がある僕はかなりビビっていたけど、いざ、潜り始めてあまりの面白さに夢中になって、寒さの事はまったく忘れていた。
慣れないドライスーツでおそるおそる入水すると・・・、北の海はとても豊かな自然に満ち溢れ、なかでも海藻の種類と量の多さにはビックリ!
いろんな色や質感の海藻があるので背景選びに事欠かない。
アオサなどはゆらゆらしているので同じ被写体でも背景の雰囲気がシャッターを切る度に変わりハマった。

見るもの全てが珍しい生物であり、水の冷たさなんかすっかり忘れて夢中でシャッターを切っていた。

そこらじゅうに生い茂る海藻にバックライティングでライトの光を当てると背景が様々な色に輝くのだ。

光量の大きな水中ライト“FIX neo 2000DX”が大活躍!
これはオススメでっせ〜
アフターダイブは温泉に入り、美味しい北の海の幸を堪能して、大満足の函館ダイビング旅行なのだった。
函館はちょっと遠いけど超オススメなので皆さんも是非行ってみて下さい!
グラントスカルピン
http://gruntsculpin.com
と言う訳で、イクメン産休リフレッシュ休暇も終了!
妻と愛娘を日本に残し、パパは独りタイの海で頑張るのだ!
これでいいのだ!
潜り歩く
ワタクシゴトなんだけど・・・里帰り出産&イクメン生活のため一時帰国中なのだ。
この十数年でこんなに長期間日本にいた事がないのだが、6月の爽やかな気候の札幌で美味しいものを食べながらせっせと愛娘の世話に勤しむ日々を楽しんでいる。
さすがに海が恋しくなるので、ここぞとばかりに日本の海を潜り倒そうと企んでもいる。
子供が生まれてから1週間はおとなしくしていたが、2週目からはほぼ毎週末、日本各地のどこかに出没して潜るのだ。
まずは豪海倶楽部でもガイド会でもお世話になっている先輩の鉄さんの三保アイアンさんで潜って来た。
鉄さんとこで潜るのは2回目なので勝手知ったるお気楽な旅のはずだったが、台風3号のYAGIさんのおかげで最後の最後まで潜れるかどうかヒヤヒヤもんだった。
結果、流石は話の分かるYAGIさんだけに!?笑、当日は爽やかなお天気で海もベタベタで楽しいダイビングを満喫できたのだった。
三保の海は泥底の海で僕のフィールドであるタイのタオ島も砂泥底なので共通点があるから馴染み易くとっても楽しい。
今回は僕の同行者が大人数だったため僕はアシスト半分で潜っていたのであまり集中して写真は撮っていないのだが、鉄さんの名ガイドでいろんな生物を魅せてもらい、エントリーからエキジットまで次から次にネタのオンパレードで、気がつけば1ダイブで一瞬で80分のダイブタイムが過ぎていたのだった・・・
鉄さん、エキジット直前の浅場であんなに可愛い紫色のカエルアンコウのちびっ子を紹介したらダイビングが終わりませんよ〜

道中の名古屋では近辺のダイバー仲間と飲み明かして久々に記憶を失ったのだった・・・(^_^;;
そして、翌週は実家の京都へ帰省しつつ和歌山へ遠征。
豪海でもおなじみの古座KOOZAの上田君やガイド会仲間のみなべL-DIVEの李君と一緒に潜ろうと計画を練っていた。
そしたら、今度は台風4号がドンピシャでやってくる予報・・・
僕も可哀想だが、現地の受け入れガイドさんも可哀想やな〜と思っていたら、誰の日頃の行いが良いのか!?台風は弱まり低気圧になり当日は予報がウソのように快晴だった。
ただし、予定していた古座川でのオオサンショウウオのリバーダイブは、さすがに大雨の後の増水のため、安全を考慮して中止となり、その日は潔く宴会モードに切り替えたのだった・・・
我が同志社大学のダイビング部の先輩が白浜でやっている”マルキヨ”という浜屋台で地魚を肴に大宴会で、途中から上ちゃんも乱入して大いに盛り上がった。
上ちゃんお手製のノボリにはダイバー仲間も他のお客さんもお店のスタッフも大爆笑!
自分の顔面プリントは恥ずかしかったけど、出産祝いということでやってくれた事なので素直に上ちゃんありがとう!

翌日のみなべは多少のうねりが残るも李君ガイドで初みなべのダイビングを堪能しました。
個人的には初めて見たオオカワリギンチャクの群生に感動した〜!

そして初めて見たボロカサゴの幼魚!
この子はこれから何色に染まっていくのだろうか・・・

さあ、来週末は久米島だ! 川本さん、ヨロシクお願いしますね〜
こうしていろんな海を潜り歩くのも楽しいものだ。
最近のヒット
早い・・・、早過ぎる・・・
もう4月になっちゃった・・・
ということは、今年のカオラックのシーズンも残すところあと1ヶ月を切ったということだ・・・
シーズン終盤戦、ここに来てまたまた海のコンディションが上がって来た。
ゲストは少なく、他のショップのボートも少なくなってきているので、とっても贅沢なダイビングができるので、僕もここぞとばかりにカメラを持って潜りに行っている。
最近のヒットはリチェリューロックで、無尽蔵に視界を埋め尽くすスカシテンジクダイやヒメタカサゴを狙ってロウニンアジやマテアジ、カスミアジ、ツムブリなどがハンティングを繰り返すシーンだ。


魚達は命がけの攻防に必死であり、我らダイバーの存在など気にしている場合ではない。目の前で繰り広げられるド迫力のシーンは必見! 間に合う人は今のうちに是非見に来て欲しいなぁ。。。
後一ヶ月ほどでシミランやスリンの国立公園はまた半年間クローズするのだが、そのインターバルがまたタイのアンダマン海を命溢れる豊饒な世界へと育んでくれる事だろう。
という訳で、ゴールデンウィークからはタオ島で潜る事になる。去年からジンベエがいい感じで出ているタオ島、今年のゴールデンウィークも盛り上がるかな〜???
っと、その前に、4月あたまに東京・池袋サンシャインで開催されるマリンダイビングフェア2013にあわせて僕も帰国して様々なイベントに参加する。
みんなに会えるのが楽しみだ〜
潜り倒しの日々
2月〜3月のピークシーズンを迎えたカオラックで毎日潜り倒しの日々。
多少の波風が出る日もあったが、概ね穏やかなコンディションに恵まれたシーズンと言えるかな〜。
今年から使い始めたクルーズ船のハレルヤ号は船体が大きくどっしりした船なのでほとんど揺れを感じず船の上にいるのを忘れちゃうくらい安定している。

この時期は日本で活躍するガイドさんが遊びやショップツアーで来てくれる事が多いのだが、クルーズ上では時間がたっぷりあるので互いの海の話なんかをじっくり語り合えてとても面白い。
海の中はワイドで人気のオニイトマキエイがシーズン序盤に出過ぎたのか!?本来出るはずの時期に止まってしまっていたのだが、最近また出始めたのでここからの盛り返しに期待したい。
マクロ生物ではこの海域では珍しいボロカサゴが登場。
ただ、色がとっても地味〜な個体なので見た目はほとんどゴミ!(^_^;;
しかーしっ!
割とアクティブに歩き回る子なので、運が良ければアンダマン海らしい華やかなソフトコーラルに包まれる場所で見れる事もあるのだ。

脱皮したら綺麗な色になるのかな〜!?
しばらく居着きそうなので今後に期待しよう。
謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。
今年もみんながダイビングを楽しめますように!
タイの海は今年も元気です。
泥臭いから面白い!
僕はタイの持つ二つの海、太平洋側のシャム湾と、インド洋側のアンダマン海の両方で潜っている。それぞれにショップを構えて、ちょうど異なるシーズンを半年ずつ引っ越しながら通年ハイシーズンで潜っている。これはとても恵まれた環境だと言えるだろう。
よく聞かれるのが『どっちの海が好きですか?』とか『どっちの方が面白いですか?』という類いの質問だ。これは非常に難しい、というか、はっきり言って答えられない。強いて言うなら『どっちも同じくらい好きです』だろう。両方ともが、我が愛するタイの海なのである。
しかし『それぞれどんな特徴の海ですか?』という質問なら喜んで答えさせてもらう。そういうわけで、今回は現在潜っているシャム湾、タオ島の海の特徴を説明しようと思う。
一言で言うと
『泥臭い・・・』
・・・って、なんかイメージ悪くないかっ!?爆
でも、これは本当の事で、良い意味で(←ここ大事!)めっちゃ泥臭い海なのだ。

よくタオ島の海(シャム湾)が紹介される時にただ漠然と『ユニークな海』なんて紹介される。そこにはちゃんと理由があるのだが、なかなかそこまで突っ込んだ説明をする機会は無い。ここでは僕の考えるタオ島の海(シャム湾)がユニークな訳をちょっと突っ込んで(でも出来るだけ簡単に)説明してみよう。
・閉鎖海域
タオ島だけの地図を見てると分からないが、東南アジアの地図を見れば一目瞭然だ。数カ国にまたがる広大な海域がマレー半島とインドシナ半島とその出口にある島々によって閉じ込められている。ちなみにシャム湾は日本の国土の85%ほどの広さがある。
・水深
シャム湾が位置する場所は、もともと氷河期の水位が低い時にはスンダランドと呼ばれる大陸からの陸続きの一部であったが海面の上昇とともに水没した。その名残で湾内は平均深度が45m、最大深度が80mとかなり浅く、この水流の穏やかさの原因にもなっている。
・地質
氷河期に大陸内部から巨大河川チャオプラヤーが大量の泥や砂を運び埋積してできたデルタ地帯だった沖積層がベースとなっている。そこに花崗岩や石灰岩の地層の隆起があり島や隠れ根を形成している。
・内湾性
チャオプラヤー川から流れ込む淡水の影響で塩分濃度は3.05%〜3.25%とかなり低い。ちなみに日本の周辺の海は3.5%ほどらしい。南シナ海から流れ込む海水の影響で塩分濃度の濃い層もある。また、大陸から流れ込む河川の影響で栄養豊富な海域となり魚影がめちゃくちゃ濃い。
・海流
湾内には黒潮など大きな海流は流れ込まないため、他の海からの生物が流入しにくい。
・日周潮汐
およそ1日を周期とした珍しい潮汐で、1日に1サイクルしか潮の満ち引きがない。このため潮流が穏やかである。
などなど、この様ないろんな条件が重なってユニークと言われる海が存在するわけで、他の海ではレアものとされる生物が群れていたり、逆に他の海では普通種とされる生物がほとんど一匹もいなかったりし、穏やかなのにも関わらず目の前が見えなくなる程の魚群と一緒に泳いだりできるのにはちゃんと理由があるのだ。
透明度はあまり良くないけれど、サンゴも地味な種が多くてあまり華やかではないけれど、他の海には負けない、タオ島ならでは、シャム湾ならではの独特の強みを持っている、ようするに泥臭〜い面白さがあるという事。
是非、こんな泥臭くて面白いタオ島の海を楽しんでもらいたいと思う。
タオ島と言えば、逃げずに寄れる共生ハゼにも定評があるが、まずは砂泥底という生息環境が広大に広がり、仲間(繁殖相手)も沢山おり、餌も豊富、そして砂地に天敵となる種が少ないという、まさにハゼにとって天国の様な環境が整っているのだから、生息数も多く警戒心が薄くなるのもうなずける。さすがにゲストが指示棒でギンガハゼのほっぺをつんつんしているのに引っ込まなかったのにはビックリしたが・・・(←実話!)
下の写真はカメラを構えた僕に威嚇してくるフタホシタカノハハゼの黄色個体。かなり強気で後ずさりしないとピントが合わないくらい突っかかって来た・・・(^_^;

さて、僕にとっては10月がその年のタオ島の潜り納めとなり、来月の今日はもうインド洋側のカオラックへ引っ越ししている。つまりそろそろシーズンの変わり目という事なのだが、実はこの10月こそ僕が特に好きなタオ島のシーズンでもあるのだ。
自分が撮った今までで一番のお気に入りであるギンガメアジの群れに突っ込むジンベエザメの写真も10月に撮ったものだ。
今年のラストにはどんなドラマが待っているのかな〜。
来月の豪海倶楽部で紹介できるよう潜りまくろう!
頑張れニッポン!
オリンピックが始まったね〜
4年に一度、一流で戦える選手生命を考えたら次を考えている場合じゃない、っていう必死さがビンビン伝わって来て面白い。
ちなみに、こちらタイの時差は日本よりも2時間遅いのでイギリスで行われる競技を生で見るには有利!
翌日ダイビングがあってもちゃんとサッカーのスペイン戦もモロッコ戦も見たのだ。
タオ島には世界各国から人が集まっていて皆がそれぞれ母国の選手を応援するので、オリンピックやワールドカップなど国を背負って戦う勝負事にはとっても熱いのだ。
と言う訳で、頑張れ〜!って感じの写真を・・・

↓宣伝です
ビッグブルーでは次期カオラックのシーズンよりハレルヤ号というクルーズ船を使い始めます。
タイで最大級の大きさで、前年度まで利用していたパワラ号よりもさらに一回り大きくゴージャスな船です。
全室プライベートのバスルームを装備。
VIP・シングル・ルームも注目です。
いい船ですよ〜、是非乗りに来て下さいね!
〜 カオラックでダイブクルーズ 〜
これぞまさに“The タオ島!”って感じの写真

とにかく魚影が濃いのだ。
そして近づいても逃げない。

フィッシュアイレンズの画角でも入り切らない風景。
生で見たら凄いよ〜
至福のとき
カオラックのシーズンを終え、マレー半島を横断してタオ島へ引っ越しして来た。
毎年ゴールデンウィークはタオ島で過ごす様にしている。
過去に遡ってデータを取ると、ゴールデンウィークの時期にタオ島でジンベエザメが当たる事が多かったので、通年でも一番の人気のシーズンとなっているのだ。
そして!今年のゴールデンウィークも出た〜っ!

沢山のゲストと一緒にジンベエザメとダイビング・・・
一日のダイビングを終えビーチのレストランで水平線に沈む夕日を見ながらログ付け・・・
ジンベエ見たぞ〜!とビールで乾杯・・・
喜ぶゲストの顔・・・
これぞガイドとして至福のときなのだ。
らしさ・・・
地球上にはいろんな海がありそれぞれの海に個性豊かなガイドさんがいる。
同じ海にばかり潜っている僕なんかより、日本中世界中の海を潜り歩いているゲストダイバーの方が沢山の海に行って僕が見た事ない生物を見ているわけだ。そんな皆さんにタイの海らしさをご紹介したく、タイの海のガイドとして自分のフィールドを開拓している日々を過ごしている。
タイの海らしさって何だろう!?
まず、魚影の濃さやジンベエなどの大物との遭遇というのが挙るだろう。
僕が今いるカオラック(11月〜4月がシーズン)に関して言えば、インド洋、アンダマン海ならではの固有種が沢山いるということも大きな魅力となるだろう。
チョウチョウウオやキンチャクダイ、ハナダイ、スズメダイ、べラなど、ただでさえ美しいのに固有種と言う事でさらに値打ちの増す魚がゴロゴロいるのだ。
クジャクべラのインド洋型であるマッコスカーズフラッシャーラスなんかはタイやモルジブの海で大人気。

雄(右)が鰭を全開にしてディスプレイしている。
男前を前にした2匹の雌がそれぞれ目が血走っていたり口をあんぐり開けている様に見えて笑える・・・w
アカネハナゴイのインド洋型であるインディアンフレームバスレットの雄のどや顔。

カラフルなソフトコーラルが元気に群生しているというのも魅力のひとつだろう。特にフォト派ダイバーにとってはワイドでもマクロでも背景が綺麗に撮れるのが嬉しい。
固有種じゃなくても純粋に絵になるので撮り甲斐があるというものだ。
ウミトサカを背景にしたミナミギンポ。

あなたはいつも笑っていて前向きでエラい!(ただそう見えるだけやけど・・・)
婚姻色を出したクロリボンスズメダイの雄。

こんなに綺麗な産卵床ならきっと雌がやってくるよ!(笑)
そして極めつけは背景が綺麗な固有種やレアものだ。
こんな綺麗な場所ならアンダマンミミックファイルフィッシュの求愛も盛り上がるというものだ。(ホンマかいな!?)

ブルーノーズラスも背景が綺麗で値打ちがUp!

世界一美しい家(と、僕が勝手に言っているだけだが・・・)に住むレッドサドルバックアネモネフィッシュ(通称:トマトアネモネフィッシュ)。

皆さんもカオラックの海にお越しの際は、是非、この海らしい固有種やサンゴの綺麗な場所を楽しんで下さいね。
会長が来たっ!
先日、この豪海倶楽部でもご一緒させてもらっている川本剛志さんがカオラックに遊びに来て下さいました。
奥様と一緒に遊びに行くだけなのであんまり気を使わなくても良いよ〜、という風な感じで言っておられたのですが、川本さんは僕の所属するガイド会の会長でもある大先輩、受け入れるこちらは必死な訳でして・・・(苦笑)
でも、せっかく来て下さるからには良いところ見てもらおうと俄然張り切って待ち構えていたのですが、期日が迫って来るにつれ週間天気予報がどんどん悪化していくではないですかー!
初日は大波の中ドンブラコ!何とかシミラン諸島へ行く事が出来ました。海の中はバッチリだったのですが、それはそれは大変な道中なのでした・・・
しかも予報ではまだまだ続く大波予報・・・
ハイシーズン中にこんな事は滅多に無いのによりによって・・・
もう開き直る作戦で行くしかない!と思っていたら、なんと翌日から予報に反して徐々に海況が良くなってくれ、結果的には川本さんと一緒にアンダマン海のポイントバリエーションをくまなく潜りまくることが出来たのでした。これはダイビングの女神が川本さんか僕のどちらかに微笑んでくれたと言う事でしょう・・・(笑)
沖縄、久米島というフィールドを極めた人が他の海を潜った訳ですが、同じ熱帯域に属する海なので似ている部分も多分にある訳ですが、こっちはインド洋はアンダマン海、もちろん全然違う部分もいっぱいある訳です。
僕のちょっとした事前のブリーフィングや水中のコンタクトで即座に見どころに反応してくれ、さらに普段は僕自身があまり着目しない部分にも『ムムム・・・、これはもしや!』という感じで豊富な知識に裏打ちされたベテランガイドの眼力で沖縄の海とは違うインド洋やアンダマン海ならではの見どころにビシビシ反応され、横で見ていて僕自身が自分の海の魅力の再発見という意味でもとても興味深かったです。そしてアフターダイブも夜な夜なタイのビールを飲みつつお魚談義の話題が尽きません。現地ガイドとしてこれほど面白い事はありません!
ご滞在の間にはジンベエザメも出たのですが、最終日にどのポイントが一番面白かったですか?と話しましたが、ジンベエの話を完全に忘れてしまっていたほど充実した生態ネタのオンパレードでした。(爆笑)
写真は川本さんも反応したでっかいフリソデエビです。後ろに控えるのは普通サイズのマンジュウヒトデですから見る人が見たらこのフリソデが如何にデカイか解りますよね?

他の海でガイドしている人に自分の海に来てもらう事、そして自分がいろんな海へ出向き現地の人にガイドしてもらう事、互いに海を愛する者同士の情熱やプライドがぶつかり合う事の大切さを再認識した日々でした。
雄輔さんも是非、タイの海に来て下さいね。そして一緒に潜る僕は一杯勉強させてもらうのです・・・(笑)
良い年になりますように!
新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年度は東北の大震災や各地の大雨、こちらタイでも洪水などなど、たくさんの自然災害に見舞われた年でした。今なお多くの人々が復興途上の不自由な生活を余儀なくされていますが、2012年が皆にとって明るい一年になりますよう心より祈っております。

さて、写真はクダゴンベ。
シミラン諸島らしい元気なソフトコーラルに囲まれおめでたい感じってことで去年のアケボノハゼに続き今年はクダゴンベを採用。
今年もいっぱい良いダイビングが出来ますように!!
復興のステップ
豪海倶楽部11月号がアップされる本日11月1日はビッグブルー・カオラック店のオープンの日なのだ。というわけで、タオ島からカオラックへ引っ越してきて半年間休ませていたショップや家の大掃除からはじまり、ボートの準備、器材のメンテナンスなどなどシーズンスタートのための陸の仕事をしまくっていた。南国で半年間放ったらかしにしておくと、開けてビックリ!家の中やショップの中に蛇はいるわコウモリが住み着いているわ、あげくに大トカゲが乱入して来たり・・・。シーズン頭は珍獣との戦いから始めなければいけないのだ。
そんなこんなでかれこれ10日以上ダイビングをしていなくて年間でこんなに窒素を抜くのはこの時期くらいなのだが、実はこの間、海ではないけれど川ではスノーケリングをしていた。
3.11に押し寄せた津波が川を何キロも遡った結果、三陸の川は瓦礫だらけで油が滲む見るも無惨な姿に変わり果てていたのだが、毎年秋になると4年前に生まれて海へ泳ぎ出たシロザケが産卵のために戻って来る。しかし津波直後はとても鮭が遡れる状態ではなかった。そこで、ダイビング仲間で岩手で『みちのくダイビング・リアス』を主催するくまちゃんは『三陸ボランティアダイバーズ』を立ち上げ、ダイバーとしてできることとして漁港や河川の清掃をやり始め、仲間とともに毎日毎日気の遠くなるような作業をやり続けて来たのだった。そして見事に鮭の遡上に間に合う様に川が綺麗になりシロザケが遡上して来たのだ!

くまちゃんとは友達でもあり、タイ・カオラックで2004年のインド洋大津波の際に被災〜復興の過程を見て来た僕は彼らの活動を応援していて、僕自身も被災から1ヶ月後のタイミングで東京でチャリティーイベントを開催したり、3ヶ月後のタイミングで岩手で海の清掃ボランティアをしてきたのだが、今回は7ヶ月経ったタイミングで今期初の鮭の遡上を見るツアー『サーモンスイム』の受け入れの準備が整ったということで、ビッグブルーのゲストに声をかけて岩手に駆けつけたのだ。

人々の努力で鮭が遡上できるまでに蘇った河川、被災を乗り越える力強い鮭の生命力、そして復興への道のりはまだまだ先は長いが一歩ずつ着実に前に進んでいる被災地の姿を見届けてきた。
もちろんただのお遊びだけが目的という訳ではなくサーモンスイムの後には河川の清掃活動もしてきたのだが、僕自身としては、被災地がツアーを受け入れたという事実こそがもの凄く重要な事だと考えている。もし、読者の中に被災地に観光目的で行くなんて不謹慎だなんて考える人がいたらその考えは間違っていると言わせて欲しい。復興に向けて頑張る被災地の人々にとって、被災後初めてゲストがツアーに来てくれることがどれだけ嬉しいことであり復興のステップとして意味のある事か、僕自身が身に染みて経験してきた。
被災直後に某都知事が花見を自粛せよとか寝ぼけた事を言っていたが、本当の復興支援とは何か?被災者が被災地で生きて行くために必要な事をよく考えて欲しい。それぞれの産業で違いはあるかもしれないが、レジャー産業、観光業に携わる者としては、人々が現地に行って被災の現状から目を逸らさず復興の過程を自分の目で見ることは意味のある事だと思うし、そもそも津波が到達していない場所が街としていかに普通に機能しているのかも知るべきだし、三陸の素晴らしい大自然や美味しい海や山の幸を堪能したり、現地の人々とコミュニケーションを取って今なりの三陸をめいっぱい経験して現地にお金を落として行く事が本当の意味での復興支援になると考えている。
と、ちょっと熱くなってしまったのだけれど、津波被災を乗り越え復興してきたカオラックのシーズンが始まるということで、来月からはアンダマン海の話をお楽しみに!
これぞタオ島のジンベエだ!
今シーズンも残すところ後わずかというタイミングでジンベエザメが頻出し始めた!シルバーウィークのまっただ中にも出てくれたのでたくさんの日本人ゲストが憧れのジンベエに遭う事ができた。もともと魚影がとても濃いタオ島の海ならでは、いろんな群れに突っ込むジンベエを見たり撮ったりできてゲストも大喜び!
この写真はちょっとジンベエまでの距離が遠くて小さくしか写っていないのだけど、いったいどんなところを泳いでいるかが分かり易いのでちょっと状況を解説してみよう。

手前にユメウメイロ、下から右にかけてキンセンフエダイ、左奥にはホソヒラアジ、左上奥にはオニアジ、その上にシェベロンバラクーダ、そしてジンベエの周りにはギンガメアジと、いろいろな群れの境界線となる場所をジンベエが通過した時のショット。この写真に写っているのはそれぞれの群れの端っこで、実際には画角の外にはそれぞれの魚がもっとたくさんの数で広がっているのだが、その全ては魚眼レンズでも入りきらない。
この時の動画はこちら(下の画像をクリック)。
泳ぎながらメインカメラであるイチデジの設定をいじりながらサブカメラのコンデジで撮ったものなのでブレや画質のクオリティーはご容赦を・・・
解説すると、水面近くを泳いでいたジンベエが深度を落とし始めると、まず、ユメウメイロが一緒に降下する。次に中層を泳いでいたシェベロンバラクーダの群れがジンベエについて行こうとする。オニアジの群れはジンベエを避けながら迂回する様に流れ続ける。周囲に集まって来るギンガメアジを振り切りキンセンフエダイやホソヒラアジの群れに突っ込んだジンベエがターンして群れの中から飛び出す。最後にギンガメアジが集まって来てまとわりつきながら一緒に泳いで行く・・・
ジンベエザメの泳ぐコースを読んで先回りしておき、何かの群れに紛れて待ち伏せし、ジンベエが十分に近づくまで気配を殺して待つ、そして満を持して激写っ!
まだもう少し続きそうな雰囲気。シーズンの終わりが近づきゲストが減って来るのでまた自分で撮影するチャンスも出てくるかな〜!?
でも、もうすぐカオラックのシーズンが始まるのでもうすぐタオ島を離れなければいけない。う〜ん、いつもながら後ろ髪を引かれる思いもがめちゃめちゃあるが、でも同時にカオラックのシーズンがめちゃめちゃ楽しみでもあり悩ましい・・・
個性
あっという間に8月が終わってしまう・・・。タオ島はハイシーズンまっただ中で毎日潜って潜りまくっていると時間が経つのを忘れてしまう。
まずは先月号で約束した通りタオ島の新しい沈船ポイントのその後の報告から。
沈め方を失敗してダイブサイトとして成立しなかった『H.T.M.S. SATTAKUT』だが、その後大型のサルベージ船が入り水中で船体を立ち上げ直し、もう少し浅い場所へと移動して沈め直した。そして遂に!初心者からベテランまでが楽しめるNEWポイントとして生まれ変わったのだった。

水底は28m、トップは15m、全長49m、幅7mとこれだけでも十分遊べるのだが、沈めた場所が『ヒン・ピー・ウィー』という名前の隠れ根ポイントのすぐ横なので、1ダイブで両方を楽しむことができるのだ。隠れ根のトップは8mほどなので、ダイビングの後半まで遊ぶことができる。これは素晴らしい!

砲台や艦橋もしっかり残っていていかにも軍艦っていう雰囲気。まだ魚はあまり着いてないが、あと数ヶ月もしたらタオ島らしい魚影の濃いポイントになっていくのだろう。
3ヶ月に渡り豪海倶楽部でレポートし続けて来たこのNEW沈潜ポイントだが、とにかく結果オーライなのだった。
さて、今月の海ネタはトウアカクマノミ。何を今さらと思うかも知れないが、魚の個性という切り口で見てみると面白い。実は魚にもそれぞれ個性があって、同じ種の魚でも顔や性格が個体によって全然違うと言うことをご存知だろうか?
頭(トウ)が赤(アカ)いクマノミ、と言う訳なのだが、同じトウアカクマノミでも赤い(オレンジ)部分が広い個体と狭い個体がいて、その見てくれは個体によって全然違うのだ。
ほら、全然違うでしょ!?

写真左は名前の通り頭部の赤い部分が広くて美しい。
一方、写真右は赤い部分がほとんどなくてちょっとブサイク・・・と言うと失礼かな!?
このブサカワちゃんにもちゃんと交配相手がいてしょっちゅう産卵〜ハッチアウトを繰り返しているのでご安心を!(笑)
そして性格も個体によって様々で、攻撃的でダイバーのレギュやカメラに突進して来る個体もいれば、ビビってイソギンチャクにくるまって隠れてしまう個体もいる。タオ島のサイリービーチなどはコロニーが沢山ありトウアカクマノミもいっぱいいるので、写真やビデオをやるダイバーには撮り易いコロニーを選ぶようにしている。
ちなみに、このブサカワイイ個体の性格は至って温和でポーズをとってカメラ目線をくれるのでとても撮り易く、ただ今ファン急増中なのだ。

ゴールデンウォール
7月の前半にマリンダイビングフェア2011に帰国していました。フェアではビッグブルーの自社ブースを出し、ガイド会の写真展を催したり、ガイド会ライブや三陸ボランティアダイバーズのイベントに参加したりしていました。期間中には豪海倶楽部の読者の方も含めたくさんのダイビング関係の人達と話したり飲んだり、人間同士、やはり直接お会いして話すのは良いコトだと改めて思う次第です。来年は4月の予定なのでその時にまたお会いましょう!
今はタイのタオ島に戻って来て毎日潜っているところです。今年のタオ島のシーズンは全体的に透明度が安定していて魚影は相変わらず濃いです。以前、豪海倶楽部でもギンガメアジの群れに突っ込むジンベエザメを紹介した事がありましたが、7月後半には全く同じようなシチュエーションもありました。が、その時はガイド中でカメラは持っていませんで残念ながら今回は写真は無しです・・・
とにかく水中がとてもいい感じなのですが、この原稿を書いている7月後半は台風の影響でお天気が崩れてしまいました。タオ島魚影の濃さを体感できるのはやはりチュンポンピナクルやセイルロックなのですが、波が高くなるとそこまで行けない日も出てきます。せっかく日本から来て頂いたゲストの皆さんに是非見て欲しいとは思いつつも、そこはやっぱり安全第一のスポーツですのでムリは禁物です。
この原稿のために写真を撮ろうと多少波はありつつも今なら行けると判断してドンブラコとチュンポンピナクルへ行って来て写真を撮ってきました。いざ水中に入ればご覧の通り、何重層もの群れが重なりあう光景は日常茶飯事なのです。

魚群と地形を背景にハナビラクマノミを撮っていたら、キンセンフエダイやホソヒラアジの群れが動いて来て目の前を覆い尽くしました。微妙に写っている背景の岩の天辺の形で上の写真と同じ場所で撮ったのが分かると思います。

先日『世界の果てまで行ってQ』というバラエティー番組で、このタオ島のキンセンフエダイの群れが『ゴールデンウォール』という名称で紹介されました。言い得て妙!なかなかのネーミングですね。早速ブリーフィングに使わせてもらっています。ちなみに、あの番組の水中撮影はビッグブルーは機材の提供はしたけれど、その日は僕はカオラックで潜っていたので、撮影のガイドは他のショップの人が担当しました。
さて、先月号でタオ島の新しい沈潜ポイント『H.T.M.S. SATTAKUT』の沈め方が大失敗だったと書きました。水深の深い平らな水底で船が横転しているため浅い深度に見どころが無く後半の時間を持て余し、しかもこの海特有の濁ったサーモクラインが水深25m前後から下に入る事が多く船体の大部分がサーモクラインの中に隠れて見えないのです。これでは使い物にならないと非難囂々・・・

そこでついに大型サルベージ船を用いて船を水中で立ち上げてもう少し浅い場所に移すと言う作戦が始まったのです!今、まさにサイリービーチの沖合にサルベージ船が浮かんでいます。さあ、この作戦が成功するかどうか!?使える沈船ダイブサイトになれるかどうか!?来月号で報告します。乞うご期待!
<お知らせ>
3.11大震災の復興への道のりはまだまだ長いです。ビッグブルーでは同じダイバーとして三陸ボランティアダイバーズの行っている水中での復興活動を支援するためのチャリティーTシャツを作りました。1枚1,500円で販売して利益の100%が支援金となります。タイのビッグブルーでも販売していてタイ人や欧米人たちも買ってくれています。先日のマリンダイビングフェア2011で販売するために日本にもって帰ったたくさんのTシャツのうちあと数枚だけ残っていますのでご購入希望の方がおられましたらご連絡下さいませ。デザインや連絡先などの詳細はこちらをご覧下さい。
岩手で潜って来た
まずは被災地、岩手の海の報告から・・・
ビッグブルー仲間のくまちゃん(佐藤寛志)が地元の岩手県で復興ボランティアダイビングをし続けている。3.11の時カオラックでクルーズ船PAWARA号の上にいた彼はニュースを聞きつけ下船後すぐに帰国、岩手へ戻り、支援物資の募集や配給に始まり漁港や河川の清掃などなど、彼自身の時間や労力を投げうって復興活動の旗を振り続けている。
くまちゃんたちは『三陸ボランティアダイバーズ(※1)』という非営利団体を立ち上げ、仲間とともにダイバー目線で復興活動を行っている。水中には大小たくさんの瓦礫(※2)が沈んでいるため、水質悪化の原因や漁船の航行の妨げとなる。ダイバーは水面からは見えないものを水中で見つけることができるので、漁師さんと協力しながら小さいものは自力で拾い上げ、大きなものは目印のブイをロープで付けて行き、後日このブイを目印に巨大サルベージ船で一気に引き上げて行く。

今回、僕らは岩手県大船渡市の綾里港での水中清掃活動に参加した。この場所はくまちゃん等が最初に着手した港でこれまでの活動のおかげで水中は思っていたよりも透明度も良く瓦礫も少なかったし、たくましく生きている水中生物も見られ、彼らの活動は確実に復興に役立っているのだと実感できた。
今では話を聞きつけた他の漁港からも依頼が入り活躍の場は広がっており、漁協とダイバーの信頼関係が高まることで、復興した三陸の海で漁業とダイビングが共存共栄する未来のためにも一役買っていると言えるだろう。

くまちゃんが毎年鮭の遡上を観察している川にも行って来た。この川で孵化した鮭の稚魚は海に出、4年後に産卵のために戻ってくるのだが、川も津波により大打撃を受けてしまった。S字型に湾曲していた河口部はまっすぐになり、巨大な防波堤が崩れてコンクリートの固まりが倒れ、鮭の遡上の障害物になると思われる大小さまざまな瓦礫が川の内外に散乱していた。今年の鮭の遡上まであと3〜4ヶ月を残すのみ。果たしてそれまでに鮭が遡上できる状態に戻せるのか!?まさに時間との戦いである。
僕自身がタイ、カオラックで津波の被災から復興までの過程を経験しているのだが、時間の経過とともに人々の関心が薄れて義援金やボランティアという援助が減って行くなか取り残される被災地を見て来た。しかしそんな中でも根気よく支援を続けて来た人も見て来た。東北の復興も一歩ずつ進むしかなく、そのためには国はもちろんだが民間レベルでの支援も必要だ。個人で大きな支援をしようと重荷に思うより、大人数で小さな支援をコツコツと『継続して続けて行くこと』が結局は大きな力になると思う。

タイの海のお話も少々・・・
片や被災地の海では人々が水中からものを引き上げ作業をしている時、こちらタイではわざわざ船を沈めるというイベントがあった。
H.T.M.S. SATTAKUTは1943年にアメリカで建造された全長49m幅7mの軍艦で、第二次世界大戦の時はUS NAVYの所有で硫黄島や沖縄でも砲艦として従軍していたという。その後はタイNAVYの手に渡り今日まで使われ、軍艦としての役目を終えたこれからはタオ島沖の海底で沈船ポイントとして後世に残る事となったのだ。

潜ってみて解った事は船体が90度以上傾き船腹を見せた状態で沈んでおり、はっきり言って沈め方としては大失敗。船体の半分は泥質の水底に沈んでいる状態で水底付近は濁りが酷くて何も見えない。また、もともと横幅は狭い船なので今のままだとトップが20mオーバーとレクレーショナルダイバーが潜るには中途半端に深いかな。今後、船体を立ち上げ起こす作業を行なおうと言う話もあり、もう少し浅い水深で楽しめるようになり、時間とともに生物が付き始めたら、これまで沈船がなかったタオ島の海のバリエーションとして重宝することだろう。

さて、大震災の影響でマリンダイビングフェアが4月から7月8日〜10日に延期され、この時期たくさんのダイビング関係のイベントが開催される。僕も数日後には帰国しいくつかのイベント(※3)に参加させてもらうので、機会があればイベント会場でお会いしましょう。そして三陸ボランティアダイバーズの活動報告もなされる予定なので、興味のある方は是非耳を傾けてみて欲しい。
※1 三陸ボランティアダイバーズのHPはこちらです。また、活動はくまちゃんのブログでも見れます。
※2 被災者の一人から『瓦礫』という言葉の使い方にとても傷つくという話を聞きました。もともと被災者の方々が一生懸命働いて建てた家や思い出の詰まったものが形を変えたのものが、皆が言う『瓦礫』なのであり、『瓦礫』=『ゴミや邪魔のもの』という認識ではなく、その背景に敬意を払ったうえでこの言葉を使いたいものだと思いました。
※3 マリンダイビングフェアのビッグブルーのブースでは三陸ボランティアダイバーズとビッグブルーオリジナルのチャリティーTシャツを販売します。この利益は全て三陸ボランティアダイバーズの活動資金に回しますので、ご理解頂ける方は是非ご購入下さい。
ちょっとひと休み・・・、そして被災地へ
先月はカオラックのハイシーズンからそのままゴールデンウィークのタオ島へと突入した話を書いたが、その後もう一度カオラックへ戻ってシーズンの締めの作業とちゃんとした引っ越しをししてきた。
タイという1つの国に太平洋とインド洋の2つの海があり、それぞれのシーズンがちょうど逆転している事と両方に陣取っている事はとても恵まれた環境なのだが、半年に一度の締め&引っ越しだけは大変だ・・・。
さて、無事に引っ越しも終わり、ホッと一息つける時期がやって来た。仕事がらシーズン中はロクに休めない分、毎年一度この時期にスタッフ交代で休みを取り心身ともにリフレッシュするのだ。
今年のオフは日本に帰国して、北海道(札幌〜知床〜釧路)の食い倒れ旅行と、地元の京都で数日のんびり過ごし、そして被災地の岩手にボランティアダイビングをしに行くという過ごし方だ。
ちょうど昨日、北海道から京都に帰って来たところで数日後に岩手に行く。ちなみに何で岩手かと言うと、ビッグブルーのスタッフのくまちゃんが地元岩手で漁協と協力しながら漁港やビーチの水中清掃活動のボランティアをやっているのでその応援に行くのだ。(くまちゃんの活動はこちら)
さて、今回の記事は帰国直前に撮ったタオ島の海の様子をご紹介しよう。
タイでは4月の中旬に気温が一番高くなり、少し遅れて水温も上昇する。例年のこの時期は水温が高くなりすぎてトウアカクマノミが産卵しなくなるのだが、今年は水温があまり高くならなかったおかげでトウアカクマノミが産卵しまくっている状態が続いている。

ビッグブルーのショップの前のビーチに50ほどあるイソギンチャクに200匹以上のトウアカクマノミがいて、バラバラの周期で産卵〜孵化を繰り返す。
長年の定点観測の経験から何時何分にハッチアウトするかを正確に言い当てられるので、かなり簡単にゲストにお見せする事ができる。
今年のゴールデンウィーク中はほぼ毎日どこかのコロニーでハッチアウトがあったので、たくさんのゲストが生命誕生シーンを見守ると言う感動体験ができたのだった。

日本滞在も折り返し地点を通過した。数日後には被災地に行って頑張るのだ!
タオ島らしさ
先月は自分の記事に穴を空けてしまった。震災の影響でマリンダイビングフェアが延期することになったため自分の予定も急遽大幅変更することになりその調整のためにバタバタと時間を過ごしていて原稿の締め切りを守れなかった。
結局は帰国することにして4つのチャリティーイベントを開催/参加したが、『自粛』で何もしないよりもよほど有意義な結果を残せたと思う。
自分自身が2004年にカオラックでインド洋大津波を経験しており、被災経験者の自分にこそできる発言や行動を起こすのが役目であり、自分の時に受けた恩を返せる機会だと思ったのだ。そしてダイビング屋ができることとして精一杯、海から盛り上げて行きたいと思っている。

こちらタイではカオラックのシーズンを無事に終え、タオ島でゴールデンウィークを迎えている。
やっぱりタオ島の海は魚影が濃いっ!
写真はシェベロンバラクーダの群れだが、今年は特に数が多く魚眼レンズの画角でも群れ全体の一部を切り取る事しかできない。
この写真を撮っている自分の左右や後ろにもまだまだ群れているので360度パノラマ水中撮影できたら面白いだろう。
他にもいろんな種類の群れが混在しており群れ同士の境目のせめぎ合いがそこかしこで見られド迫力だ。
ここにジンベエが突っ込んだら凄いだろうなぁ〜。
バースデーダイブ2
去年の3月号でもこのネタだったけど、この原稿を書いている2月28日は僕の誕生日。
既に誕生日を喜ぶような年齢ではないのだけれど、優しい!?スタッフたちの気遣いで、毎年この日はカメラを持って思う存分ダイビングを楽しませてもらっている。
今年の海からのプレゼントはマンタ(オニイトマキエイ)だった!
1本目のコタチャイ・ピナクルではトラフザメ、ギンガメアジ、ロウニンアジ、カスミアジなどなど、見どころ撮りどころ満載のダイビングを楽しんでいたら最後に巨大マンタが登場!でも、既にエアが無かったのでしぶしぶ浮上・・・
2本目のコボン・ウェストリッジではダイビングの序盤から最後まで3枚のマンタが目の前で乱舞!一番大きいのは体幅が5m近くあり距離が近すぎて魚眼レンズでもはみ出す大きさだった!

ピークシーズンを迎えますます面白くなって来たカオラック。毎日快晴、海はベタ凪、魚影も濃くマンタも大当たりの最高のコンディション!・・・なのに、あと残り1ヶ月半でシーズンが終わるのはもったいないなぁ。ラストスパートで潜り倒すべし!
そしてタオ島、2011年はここまでなかなか良いペースでジンベエが登場している。・・・って、2010年の同じ時期に同じ事を書いたにも関わらずその後は歴史的ジンベエはずれ年になったのだった・・・。今年はリベンジできれば良いなぁ。
今年も良い一年になりますように!
ゆっくり休んでね
サンゴの白化を受けて、シミラン諸島の一部のダイブサイトがクローズすることになったのだが、いつもの事ながら一部のメディアは大げさに報道してくれる。あたかも全てのポイントが閉鎖されるかの如く書かれたものもあったが、実際には2カ所のダイブサイトと1カ所のスノーケルポイントのみ閉鎖され、それ以外のポイントはこれまで通り普通に潜る事ができる。
シミランでも特に好きだった『イーストオブエデン』が閉鎖する。しばらく潜れない苦なると思うと悲しいけれど、弱っているサンゴたちにできるだけストレスを与えないようダイバーが入らないことには賛成だ。ゆっくり休んでもらい、近い将来また元気な姿を見せてくれる事を祈っている。
浅い場所ほど水温が高くなったので浅瀬のハードコーラルのダメージが大きかったが、少し深くいくと元気なソフトコーラルは健在だし、アンダマン海ならではの固有種たち、魚影の濃さ、巨岩がおりなすダイナミックな地形、そしてオニイトマキエイなどの大物と、この海にはまだまだ見どころは満載だ。
写真はリチェリューロックのレッドサドルバックアネモネフィッシュ(通称:トマトクマノミ)。イソギンチャクの周辺はびっしりと元気なソフトコーラルが群生している。

今年もよろしくお願いします
新年あけましておめでとうございます。

写真はインド洋アンダマン海で見られるアケボノハゼ。
おめでたいイメージなので『謹賀新年』のイメージキャラに抜擢。他の海の個体に比べて体色の黄色が強いのが特徴で、シミラン諸島らしくカラフルなコーラルを背景に撮ってみた。黄色と紫でなんとなくゴージャスでおめでたい感じでしょ!?
2011年が良い年になりますように!
楽しいダイビングがいっぱい出来ますように!!
地域限定
早いものでカオラックのシーズンが始まったばかりと思っていたら、もう1ヶ月経ってしまった。今シーズンのアンダマン海は、例年だとシーズン半ばから始まるはずのマンタが頻繁に出没しジンベエもちらほら出てくれ、天候は安定していてかなり良いスタートを切っているのだ。
アンダマン海の楽しみ方は、ダイナミックな岩の地形、華やかなソフトコーラル、魚影の濃さ、大物との遭遇などなどいろいろあるなかでも外せないのがインド洋やアンダマン海の地域限定の種に出会える事だ。最近、日本のショップで現役で働いているガイドさんが個人的に遊びに来たりゲストを連れてツアーに来てくれることも多い。日本の海で潜り慣れていて魚の名前に詳しい人たちだからこそ、『あれっ、見慣れた種と少し違うぞ・・・!?』ということになり、大物や地形そこのけでフィッシュウォッチングに夢中になってしまう人もいる。
太平洋バージョンとの違いが判るかな?





他にもインディアンバガボンドバタフライフィッシュ、インディアンダブルサドルバタフライフィッシュ、ブラックピラミッドバタフライフィッシュなどなど、チョウチョウウオの仲間だけでも例を挙げたらほんとにキリが無いのだが、せっかくインド洋まで来たからにはログブックに今まで書いた事無い魚の名前をいっぱい書けるというのも醍醐味だ。雄輔さん、今度はインド洋の図鑑も作って下さいね。(笑)
さて、今年も残すところあと1ヶ月。年末年始は怒濤のハイシーズンのど真ん中。ゲストの皆さんと一緒にいっぱい潜って良い年が迎えられますように!
ナイトロックスのすゝめ
いよいよマレー半島の西側に地位するアンダマン海がシーズンインだ。
というわけで、タオ島からカオラックに引っ越しをして、ちょうどこの原稿がアップされる11月1日のオープニングに照準を合わせて毎日開店準備に勤しんでいることろ。
下の写真は数日前に撮ったもので、造船所でメンテナンスと最後のお色直しを済ませ進水式を待つPAWARA号。
カメラ置き場やコンピューター作業デスクなど、かゆいところに手が届くよう細部に至るまでいろいろと改良したのでかなり使い勝手が良くなっているはずだ。

我がビッグブルーのボートは、クルーズ船のPAWARA号が11月3日からで、デイトリップボートが11月10日からスタートする。この原稿を書いている今はまだ手持ちのボートが無いので、友達のショップのボートに乗せてもらってシーズン前の調査ダイブに行って来たので、撮りおろしホヤホヤ写真で海の様子をご紹介しよう。
シミラン諸島はもともとサンゴが美しい事で有名なエリアだが、この半年間のインターバルをおいて潜ってみると、例に漏れず今回の世界規模の高水温による白化現象の被害を受けていた。被害が酷かったのは浅場(15m以浅)のサンゴ礁で、想像を超える広範囲に渡りサンゴが死滅していた。

この写真、実はこのサンゴは既に死んでいて、白いステージを終え表面に藻が生えているので褐色に見え、まだ形が崩れていないので、一見すると元気なサンゴに見える。残念ながらこうなるともう回復する見込みは無い。
サンゴがやられるとサンゴが無くなるだけじゃなくそこに依存していた生物も一緒にいなくなると考えられるが、そこから生物がいなくなるという意味ではなく、今度はガレ場を好む生物が繁栄するという状況が生まれることになる。サンゴがやられる事やもともといた生物がいなくなる事は悲しい事だが、インド洋/アンダマン海の固有種がたくさんいる海域なので、環境が変わった事により意外なレアものが出て来る可能性があるので、気持ちを切り替え精力的に調査をしようと思う。
一方で、深場(20m以深)のサンゴは健在だった!

ソフトコーラルが美しいというのがウリのアンダマン海なので、20〜30mくらいではこれまで通り楽しめるのでご安心を。
僕自身はまだ潜ってないのだが、人気ナンバー1ポイントのリチェリューロックも白化でやられてるのではないかと心配していたが、既に潜って来た友人曰く、ダメージは至って少なかったということ。何よりのグッドニュースだった。
さて、こうなってしまったからには、俄然!ナイトロックスが有効になってくる!!
知らない人もいると思うので簡単に説明すると、通常の空気タンクに入っているガスは酸素が約21%/窒素が約79%なのだが、ナイトロックスでは酸素の%を上げて窒素の%を下げることで体内への窒素の蓄積による潜水時間のブレーキを遅らせることができるというもの。具体的に言うと、美しいソフトコーラルが残っている水深20m〜30mに安全なプロフィールでより長く滞在できるのがナイトロックスなのだ!
浅場のサンゴが白化でやられた今シーズンは、空気タンクで潜る人とナイトロックスで潜る人との体験の差がとてつもなく大きくなる。真面目な話、ぜんぜん違う深度やコース取りになるので、同じポイントで潜ってもダイビング後の印象は雲泥の差になるだろう。ビッグブルーではクルーズでもデイトリップでもナイトロックスタンクを提供できるので是非とも利用してね!
タオ島らしく・・・
シルバーウィークも終わりタオ島の夏のハイシーズンが一段落したと思ったら、いまさら海のコンディションが上昇し、やっとタオ島らしい穏やかで魚影の濃い海が戻って来た。こんな時はのんびり写真でも撮りに行こう。
とある日のセイルロックの様子。

今年もギンガメが大当たり。いかにも魚影の濃いタオ島らしいシーンだ。

タオ島らしい魚ツキチョウチョウウオが、タオ島らしいブラックコーラル林の中をのんびりお散歩の図。
こんなところにジンベエが突っ込んで来たりシルエットでも良いから登場してくれたら、さらにタオ島らしくなるのだが、今年は記録的なジンベエはずれ年だった・・・
それでもシーズントータルで20回くらいは出ているのだが、昨シーズンは1ヶ月間でこれを上回っていたわけで(豪海09年06月)。そしてたまのジンベエダイブはもちろんガイドをしていることがほとんどで、あとは運悪く陸の仕事を担当していたりで、今年はまともにジンベエの写真を撮れていないのだ・・・
カオラックへの引っ越しまであと数週間を残すのみ。ジンベエさん、タオ島らしく最後に一花咲かせてくれんかね!?
凪 〜 花魁の季節
今年のタオ島、春から夏にかけて、バンコクでのデモ騒ぎ、高水温、サンゴの白化、透明度の悪化(=ジンベエザメどころではない)・・・と悪いニュースが続き、ちょっと凹んでたのだけれど、ここに来て海は凪の状態が多くなり、透明度も上がって来てジンベエザメもちらほら出没し始め、やっと本来のタオ島らしくなってきた。
海が穏やかになると、名物のオイランハゼのディスプレイがオススメ!
ビーチ沿いにあるビッグブルーのショップの目の前、徒歩0分の波打ち際、水深1mほど(潮の干満で変わる)のところにオイランハゼの群生地がある。砂地のテッポウエビの掘った巣穴に共生している。数はかなり多く(ちゃんと数えた事は無いが)ショップ周辺だけでかるく100匹以上はいるだろう。
ここのオイランハゼは観察や撮影のためにとても近寄れることで定評があるが、それもそのはず、このビーチは思いっきり海水浴場であり、ダイビングボートの発着場でもあるので、毎日まいにち、そこにオイランハゼの巣穴があることを知らない人々に踏み倒されているのだ。そんな劣悪な環境下で雑草のごとく暮らしているオイランハゼにとって、気配を殺して慎重に近づいてくるダイバーなんて屁でもないのだろう。

生息密度の濃い場所ではそれだけハゼ同士の関係が複雑になるようで、雄同士の喧嘩や雄と雌の求愛などが頻繁に見られる。

雄同士の喧嘩のシーン。自分の方が大きくて立派だぞ!とヒレを広げて威嚇をする。この時は低空飛行で身体を反らせてディスプレイする。

雌(奥)にアピールする雄(手前)。この時は地面から10〜15cmほど浮き上がりヒレを広げて身体を震わせる。
この時は地面から10〜15cmほど浮き上がりヒレを広げて身体を震わせる。 通常、ひとつの巣穴に1匹ずつ生息しているが、求愛ディスプレイが成功すると雌が雄の巣穴に入って行く。きっと巣穴の中では産卵が行われているのだろうが、残念ながらそこまでは見る事はできない。ま、そのくらいのプライベートは守ってあげないとね。(笑)
オイランハゼはマングローブ林などの泥地にいる事が多いので、砂が黒っぽい、つまり背景が黒っぽい写真が多いが、タオ島のサイリービーチはご覧の通り白っぽい砂なので、背景が明るい絵作りも可能だ。

あと2ヶ月でカオラックのシーズンが始まるので引っ越しだ。同じ海でも年々変わっていくものだ。今シーズンのタオ島は今しか潜れない。ギリギリまで潜りまくろう。
吉報と帰国の話
まずは吉報から。先月号で書いたタオ島のサンゴの白化だが、現在は無事に水温が下がり29度〜30度で安定し、他の海では高いとされるこの水温もタオ島のサンゴ達にとってはありがたい水温ということで、今はどんどんサンゴの色が戻って来ているところ。
クサビライシなど真っ先に白化しはじめた種ほど回復も早いようだ。一時は全体的に真っ白だったのに、今では白いところも目立たないほどになっている。エダサンゴなどは表面に藻が生えてしまい死滅してしまったエリアもあるが、タオ島の大部分のサンゴやイソギンチャクは水温低下とともに生き残る事ができたのだ。本当に良かった・・・。
さて、夏本番を目前に控えた忙しい時期にもかかわらず、ちょっと野暮用ができたので一時帰国していた。貴重な日本滞在を有意義なものにするべく5日間ほど日程は殺人的に予定がギッシリ。まぁその予定の中には単に物欲と食欲を満たすための予定も混ざっているのだが(笑)。
で、今回は豪海倶楽部のメンバーである川奈の八木さんと三保の鉄さんのところを訪ねて一緒に潜ってきた。
川奈へ行ったのは土曜〜日曜日ということもあり噂を聞きつけたビッグブルーのゲスト数名も合流してわいわい賑やかな道中となった。お天気は最高で海は穏やかで透明度も良く水温も24度ほどあり、相当恵まれたコンディション。
特に印象に残ったのは、舵ガ根というポイントで八木さんが『癒しの空間』と紹介してくれた地形&ソフトコーラル&群れと3拍子揃った美しいポイントと、ビーチの海底に咲くウミヒルモの花だ。
ただ、水中カメラを持つゲストが数名一緒だったので優先的に撮ってもらうよう僕は後ろに控えていたのと、たまの自分が撮るチャンスも背後から八木さんのカンチョー攻撃の雨あられで集中して撮る事ができなかった・・・。なので今回は川奈の写真なし。ショップ併設の温泉や熱海の花火大会まで堪能し、まさにダイビング日和で川奈日和な週末を過ごしたのだった。

そして翌日の月曜日は八木さんと僕の二人で三保までドライブ。鉄さんと合流して富士山を望む広々としたビーチポイントで気持ちよく潜ってきた。
月曜日の朝からビーチに出没した怪しい?3人組だけで潜ったので、大先輩の鉄さんガイドのもとアウェイの海でファンダイバーの気持ちを味あわせてもらった。
三保と言えば泥底に生きる生物たちも有名だが、タイでもタオ島には泥地もあるので共通点もあろうかと興味津々で潜った。タオ島には似た環境のポイントあり、かなり親近感を持って潜る事ができたのだった。
特に印象に残ったのはアカオビハナダイ。タオ島にもいるのだが、噂に違わず三保のが断然デカくて立派だった。体長で1.5倍、体全体のボリュームは軽く2倍以上はあるだろう。
そして体色だが、タオ島の個体の黄色い部分が三保のは白っぽかった。色の違いは豪海倶楽部6月号を参照のこと。今回は時間の関係で1本しか潜れなかったがあの泥底は奥が深そうで、自分が日本に住んでいたら間違いなく通う海だ。
鉄さん、八木さん、お忙しい中つきあって下さってありがとうございました。今度はタイにも潜りに来て下さいね。雄輔さんも是非〜!
白化
こちら、タイのタオ島では2〜3ヶ月前から続いた高水温の影響で、サンゴたちが次々と白化し始めた。もともと水温が高い海なので、水温31度くらいまでは当たり前で、その環境に適応したサンゴたちが元気に群生していたのだが、今年は異常気象で水温33度が続き、最高では34度を記録するに至っては、流石のタオ島のサンゴたちも悲鳴をあげたのだった。
クサビライシの仲間、エダサンゴ系、ハマサンゴなどが次々と色を失っていき、そしてイソギンチャクの白化も始まった。白くなっていてもまだ生きていて、早めに褐虫藻が戻れば復活できるが、表面に海藻が生え始めたらアウト。日に日に白くなっていく珊瑚礁で潜りながら、早く水温が下がってくれないかと祈りながら、やきもきする日々を送っていた。
今後、水温が低くなり回復するにせよ、このまま死滅するにせよ、このサンゴの悲痛な叫び、白化したサンゴやイソギンチャクの幽玄な美しさ、今しか見られないシーンを写真という方法で記録しておこうと思った。

普段は褐色のセンジュイソギンチャクだが、白化してくると触手の先端だけに紫色が残り、とても美しいグラデーションとなる。いつもと違う色のイソギンチャクに住むハナビラクマノミのちびっ子が困っているような表情に見えるのは気のせいだろうか。

このミドリイシも白くなってきているけどまだポリプは生きていて、今ならまだ間に合うだろう。でも、もしこのまま死んでしまったら、ここに住んでいるベニサシコバンハゼのちびっ子はどうなるのだろう・・・。サンゴだけじゃなく、それに依存している生物たちにも影響が出るのは確実だ。

エダサンゴは割と早めに白化が始まったので、既に表面に海藻が生え始めているエリアもある。海藻を主食としている魚たちは大喜び!?スズメダイモドキが大量発生している。写真は白化したサンゴを背景にしたスズメダイモドキの幼魚。ちびっ子の頃は可愛いのだけれど大人になると不細工なんだよね・・・。不細工と言えば、アツクチスズメダイも餌の海藻が増えて喜んでいる。
さて、6月下旬現在、この5日くらい前から水温が下がってきて、今は30度で落ち着いている。30度と聞くと高く感じるかもしれないが、これはタオ島では普通の水温だ。ここ数日、サンゴに色が戻ってき始めているように感じる。この後、無事に褐虫藻が戻りサンゴたちが復活できるのだろうか?98年のエルニーニョの時はもっと酷い白化があったが、それでもすぐに復活したという実績もある。大自然の回復力を信じたい。来月の記事で吉報をお伝えできればよいのだが。
和平モード
日本のメディアでもさんざん流れていたので皆さんご存知の通り、こちらタイはバンコクでの赤シャツのデモ鎮圧騒ぎで大変な事になっていた。この原稿を書いている5月末は情勢は沈静化している。
津波の時もそうだったけど、この手の報道の常で、とにかく一番ひどいシーンばかりを繰り返し流すので、あたかもタイ全土がそのような状態になっていると勘違いしてしまう人も多い。日本の知人・友人が心配してくれるのだが、日本より広い(1.4倍)タイの、バンコクというひとつの街の、一部のエリアで、一部のタイ人が行っている騒ぎなので、僕たちがダイビングをしているタオ島なんてのは、日本に例えると東京の国会議事堂前でデモがある時に沖縄の離島にいるようなもので、直接的な影響は無く平穏そのもの。それどころか騒ぎのせいで観光客が減って普段より静かで穏やかなくらいなのだ。天気も良すぎるくらいで、バンコクでは市街戦、タオ島では紫外線に気をつけよう、なんて冗談を言っていたくらいで、皆さんの心配をよそに、毎日元気に潜り倒していたのだった。
さて、そんなタオ島だが、今年のゴールデンウィークはジンベエザメは単発で、期間中たった1日だけ2匹同時出現があったけど、残念ながら昨年のように長続きしなかった。しかし、天気や海況には例年以上に恵まれ、タオ島ならではの抜群の魚影の濃さや独特の水中景観は健在だ。
写真はアカオビハナダイ。

チュンポンピナクルというポイントは、ジンベエやアジやバラクーダの群れなど大物狙いで有名なポイントなのだが、マクロの見所も豊富で、水深30m弱のところにアカオビハナダイの大きなコロニーがある。ここ数年来、個体数がだんだん増えて来て、ちゃんと数えた事ないけど雌雄あわせて軽く三桁はいるだろう。ちょっと珍しく、とても美しいハナダイだが、なかなかチュンポンピナクルでマクロレンズを付けて潜る勇気のある人も少ないので、普段はスルーすることも多い。
雄の方が大きくて美しい模様(名前の由来の赤い横帯など)を持つが、通常はそれぞれのハーレムごとに分散しているので、単体でしか狙えないのだが、たまに数十匹の雄が一カ所に集まる事がありとても華やかになる。そんな時はワイドレンズでもいい感じに撮れるのだで、大物狙いの合間にちょっと紹介したりする。
単体で行動している時、特に求愛行動や威嚇・喧嘩している時には、体色がより濃くなり美しいのでマクロレンズで狙うのもお勧めだ。逆に、雄同士が集団で集まる時はいつもより体色が薄くなっているが、これは和平モードということなのだろう。
赤は赤でも和平モードで集まる魚のほうは大歓迎なんだけどね。
栄枯盛衰
先々月号で、『今シーズンは怖いくらい絶好調!』とか『調子に乗っているとしっぺ返しが来そう』なんて書いてたら、バンコクでデモが勃発。デモはバンコク周辺の一部のエリアだけで、カオラックやタオ島のダイビング現場はめちゃくちゃ平和なのだけれど、それでも、メディアに流れた情報で観光客は影響を受ける訳で・・・
そんな中、迎えたタオ島のゴールデンウィーク(この原稿を書いている今、まさにGWが始まったところ)。
もちろん、デモの影響でキャンセルも出たけど、とにかく人気の集中する時期なので、デモだろうが来てくれるリピーターさんや、キャンセル待ちのゲストのおかげで結局は賑わう結果に落ち着き、毎日忙しいけど、こんなにありがたいことはないと感謝感激。期待に応えられるよう頑張るのみ。ジンベエさん、出番ですよ!(笑)
さて、4月中旬にカオラックのシーズンを終え、GWはタオ島でということで引っ越してきたのだけれど、しばらくぶりに潜るタオ島の印象はというと!?
・水が粘っこく、のほほーんとした海
久々にエントリーしたタオ島の海。うわーっ、これぞ懐かしの(半年ぶりの)タオ島の海の水だ!
身体にまとわりつくというか、なんというか水の粘度が違う。それはきっと魚影の濃さにも関係している。タオ島の海は透明度はあまり良くはないのだが、その分いろんなものが溶け込んで栄養豊富で生物たちにとって餌が沢山あるのだろう。とにかくめちゃくちゃ魚影が濃い。水温は30度を越え、流れもほとんどなく、ゆるーい、まったり、のほほーんとした、ま、そんなこと、僕が勝手に感じているだけかも知れないが、とにかく緊張感の無いリラックスできる海なのだ。
・魚たちの勢力図が変わっている
タオ島の浮かぶシャム湾は閉鎖海域で他からの流入が少ない海で生態系がとても偏っていると言われる。
しかし、たまたま入って来た他の種がその環境にマッチした場合、爆発的に繁殖し蔓延る可能性もある。今回戻って来て、先シーズンと比べて特に増えたなと感じたのはオニアジだった。もともと沢山いたが、今シーズンは明らかに増えたと思う。チュンポンピナクルなどの中層以深、延々と続く河の流れのようなオニアジの流れは、何千匹?何万匹?
クラゲを撮っていたら、背景にいい感じでオニアジの群れが入ってくれたりする。いったい何匹いるのか僕にもよく分からない。


人の世でも栄枯盛衰は世の常。バンコクでは赤いシャツと黄色いシャツが己の勢力図をかけて戦っている。
ゆるーい、まったり、のほほーんとした、微笑みの国タイランドと呼ばれる本来のタイらしいタイに戻って欲しいものだ。
一刻も早い平和な解決を待ち望んでいる今日この頃・・・
賑やかな日々が続く
ただ今アンダマン海のハイシーズンまっただ中なのだが、タオ島のシーズンもスタートし始めたので、うちのショップが年間で特に忙しくなる賑やかな季節を迎えている。
海はベストコンディションと言えるほど安定しており、今期はジンベエこそ不発だが、透明度、魚影の濃さ、サンゴ、ジンベエ意外の大物、マクロ、レアものと、海の中も賑わっていてガイドしていても手応えがあり楽しい。ここに来て、いったん減っていたスカシテンジクダイやキビナゴが再び増え始め、ソフトコーラルに絡んで美しい。

それを狙うハンティングも盛んで見応えがある。

そんな中、毎年恒例のマリンダイビングフェアが4月2日〜4日に池袋サンシャインで開催され、毎年ビッグブルーも出展するため日本出張をするのだ。ハイシーズン中ということで、超タイトなスケジュールですぐにタイに戻らなければならないのだが、仕事とは言いながらも、おかげ様で毎年花見は欠かさず、つかの間の母国を楽しめるのだ。
今年特に注目なのが、4月3日(土)に、自分も参加しているガイド会が『ガイド会ライブ』というディナーショーのようなもを催すことだ。雄輔さんをはじめ著名な水中カメラマンさんも参加して下さり、カメラマンチーム対ガイドチームのフォトバトルも企画されていてかなり楽しみ。僕の担当はスライドショーで、我が愛するタイの海の魅力をご紹介させてもらうため、クルーズ船上で夜な夜なこつこつと作っていた作品を披露する。これまた賑やかな楽しい夜になりそうだ。
4月中旬までカオラックのシーズンをやり切ったら、その後タオ島のゴールデンウィークに突入だ。去年はジンベエザメが大爆発だったが、今年はどうかな!?
バースデーダイブ
今シーズンのカオラックは怖いくらい絶好調。
ここ数年、タイではSARSや鳥インフルエンザ、津波、クーデター、空港閉鎖デモなどなど・・・、毎年何かしらのトラブルが起こり、その度に大変な思いをしながら乗り越えて来た。
でも、今シーズンは本当に何もかもがスムーズで、海のコンディションも絶好調。うちのショップでも今シーズンから始めたダイブクルーズが好評で、デイトリップと両立させつつアンダマン海を潜り倒しているところだ。
タオ島のショップも今年はなかなか良いペースでジンベエが出現している。運勢に波があるのならば、今まで耐え忍んできた分だけ今は調子が良いのかもね。
なんて調子に乗っているとしっぺ返しが来そうなので、今年のテーマは『謙虚ダイバー』ってことにしておこうか。とにかく、この調子でカオラックのシーズンを乗り切り、タオ島のシーズンを迎えたいものだ。
さて、この原稿を書いている本日、2月28日は僕の誕生日。ということで、理解あるスタッフたちが仕事を担当してくれたおかげで、この原稿のために思う存分カメラダイブに専念できたのだった。
っていうか、原稿提出が締め切りギリギリですいません・・・

バースデーダイビングは本当に素晴らしかった。今年の海からの誕生日プレゼントはトラフザメだった。コ・タチャイというポイントにはもともとトラフザメがよくいるが、1ダイブで6匹も見るのは初めての経験だし、雌雄のじゃれ合いもなかなかの迫力だった。

しかも、のっけから凄い数のロウニンアジ&カスミアジの群れに巻かれ、ギンガメアジの壁のような群れに遭遇し、そこに何度もトラフザメが突っ込んで来て、夢中でシャッターを切っていたのだった。
さあ、カオラックのシーズンも残すところあと1ヶ月半。
いよいよラストスパートだ!