ゆうすけの豪海倶楽部The Diving Junky Magazine

八丈富士の山男

ダイバーでもなく、釣り人でもなく、サーファーでもない観光客が、とりあえず行ってみるスポットのベスト3に入るだろうと思われる八丈富士。

伊豆諸島の山々の中で最も標高が高く854m。中腹まで車で登ることができ、そこの周回道路を周れば八丈島の北側半分全てを見渡すことができます。そして、そこにある「ふれあい牧場」からは、まるでおもちゃのような飛行機が八丈空港に離発着する様子を見下ろすことができます。

その周回道路の路肩に、なんとなく車が5〜6台停められそうなスペースがあるなあと思えば、そこが頂上へ続く登山道の入り口。

ここから山頂の周回道路まで、石畳の階段を上ること約40〜50分。頂上に着いたか!?と思うと、そうではなく、人が1人やっと通れるほど細い、時折ヤブに覆われた道の分岐点に到達します。1つはカルデラの周りを囲む「お鉢周り」の道。この道が山頂へと続いています。もう1つはカルデラの中へ下りて行く道。うっそうとしたジャングルの中に、湖や神社がありますが、迷子になりそうで怖くて行ったことがありません。

しかし、登山ブームのあおりか、八丈富士に登る観光客が増え、この道が踏み崩されるのを防ぐために修復工事が始まったと聞きました。

もともと、この登山道の石畳の階段はどうやって作り上げたものなのだろう?と興味を持っていたので、早速見に行ってみることにしました。

この石畳の石、だいたい20cm四方に切られた岩ですが、1つ持っただけでも10〜20キロくらいありそうです。一体、どうやってこんな岩を運びあげているのか?

登山道に入って、すぐにそのナゾが解けました。

なんと! モノレールが敷かれていたのです。工事に必要な道具や岩は、このモノレールで運ばれていたのです。

登山道に沿って続くレール

このレール、登山道に沿って延々と続き、ついに山頂の周回道路に到着。働いている人達の人影が見えてきました。

山頂の周回道路に到着
働いている人達の人影

お仕事中申し訳ないと思いつつ、ちょっとだけお話を伺うと、資材はモノレールで運んでいるけど、働いている皆さんは毎日自力で登ってきているのだそうです。私なんて1回登ったら3〜4日は筋肉痛が治らないのに、それを毎日だなんて…。

しかもモノレールはここで終点なので、ここからカルデラの中や山頂へは、人力で運びあげているのだそうです。まさに究極の肉体労働。工事はまだ始まったばかりで、登山道の脇に点々と岩や土嚢が積み上げてあります。これからこれで道が崩れないように脇を固めていくのでしょう。

山頂までの道は藪に覆われたり、崖になっていたり、ところどころどちらへ進んだら良いのかわからなくなる場所があるので、整備されて登りやすくなると良いな。

藪に覆われた山頂までの道
山頂
山頂から見た八丈空港

工事は年明けまで続くそうです。

山頂まで行って、帰り路。遠くからコトコトコトコトという音が聞こえ始め、モノレールに載った荷物は私たちの横を通っていきました。

モノレールに載った荷物

工事が終わる頃にまた登って、登山道がどんな風になっているか見に行こうと思います。

カイメンの森

ただ気がつかなかっただけなのか、いや、確かに昔の八丈島には、こんなにたくさん見られなかったと思うのです。

いつの頃からか、妙に目に付くようになりました。

最初は茶色の海藻だと思っていました。岩盤の上に薄く砂や砂利を敷き詰めたような、一見何もない平坦な場所が好みのようです。過去に沈められた、古いコンクリートブロックの上にも、どんどん勢力を広げています。

魚影の薄い平らな場所でゆらゆらと揺れている風景は、どんなに透明度の高い黒潮ブルーの夏の海の中で見ても冬を思わせ寒々として見えます。

カイメンの仲間

この茶色の海藻のような生き物が、実はカイメンの仲間だと教えられたのですが、いまだに名前は知りません。

一番多く見られるのは八重根ですが、他のポイントでも増えてきているような気がします。

こんなにたくさん生えている(と言って良いのか?)のに、名前がわからないだなんて。そもそも、カイメンの名前なんて、どうやって調べれば良いのでしょう? どなたかご存知の方、教えてください。

どこからどう見ても、魚影のギョの字もなさそうなカイメン畑ですが、いざ膝を付いて眺めてみると、いろんなサカナたちがカイメンと一緒に揺らめいています。

最近では、本当にカイメンにそっくりさんのカミソリウオ。今日もペアで揺れていました。ライトを照らすと少し赤く見えますが、ただの肉眼だとカイメンそのもの。

カミソリウオ

他にもキスジキュウセンやカマスベラの幼魚にとって、ちょうど良い隠れ家になっています。どちらも、このカイメンの中に紛れていると、なかなかその存在に気が付きません。ちょっとした揺れ方の違いで、「あっ。こいつサカナだ。」とわかります。

キスジキュウセンの幼魚
カマスベラの幼魚

サカナだけでなくウミウシも。トウモンウミコチョウは、このカイメンが大好物のようです。

八丈島では、ほとんどのトウモンウミコチョウがこのカイメンの上で見つかります。と言うより、トウモンウミコチョウを探す時は、このカイメンの森で探します。

他の地域でもトウモンウミコチョウは見られていると思うのですが、このカイメンも同じように見られているのでしょうか?

トウモンウミコチョウ

枯れ果てた雑草が風に揺れている、そんな不毛地帯のような場所で、気がつけば1時間。いろんな生き物たちと遊べるカイメンの森。

皆さんが潜っている場所にも、ありますか?

石畳の遊び心

以前にも書いたかも知れませんが、八丈島は公共事業が産業(?)の要。

いつもどこかが工事中。特に歩道のなかった道路がどんどん拡幅し、両側に歩道、ハイビスカスと椰子の木のある並木道が広がっています。

そして、この歩道、場所によって材質や形が違うのですが、ほとんどが石畳。この石の形を眺めながら下を向いて歩いていると、あれ? もしやこの形は?? と気が付きます。

サカナとカメとハートマーク

サカナとカメとハートマークが見えませんか?

このカメの形、他でも2ヶ所くらいで見かけました。この近くで、イルカも2ヶ所くらい。

イルカ

八丈島で見られる海の生き物たちを紹介しているのかしら?

他にも、トビウオとか、ムロアジもあるんじゃないか?と、丹念に見て行くと、なぜか狐?

狐

これはキティちゃん? それとも、ただのネコ??

キティちゃん?

そしてなぜかアヒルの親子。

アヒルの親子

なぜかウサギも。

ウサギ

モチーフになっているものを見ると、必ずしも八丈島ならではのものではないので、観光客を意識して作られたわけではないようです。また見つかる場所が、学校周辺というわけでもなく、どちらかと言えば人通りの少ない道筋なので、子供を喜ばせようとしているわけでもなく…、単にここの石畳を作った人の遊び!?

明らかに何かを作ろうとしたように見えるのですが、なんだか全くわからない形のものも…。これは失敗作か、途中で止めてしまったのか。

なんだか全くわからない形

それとも、たまたまこういう形になっただけ…なのでしょうか?

まだまだ工事は続いています。今度出来上がる歩道には、どんなキャラクターが隠れているのでしょう?

どこへ行くにも工事中というのはうんざりしますが、ちょっと楽しみにしていたりもするのです。

魚たちの繁殖

少し前の話しになってしまいましたが今年の7月21日にイカ・タコガイドブックの著者である阿部さんが「魚たちの繁殖ウォッチング」を誠文堂新光社から出版されました。同社からは「海藻」に続くネイチャーウォッチングガイドブックの2冊目です。

誠文堂新光社の方とは別件でお話をする機会が何度もあったし、阿部さんとも疎遠なわけではないのに、この本については全く事前に知ることがなかったので、ちょっとした驚きでした。

一口に繁殖と言っても縄張り争いや求愛から始まり、産卵、そして育卵、ハッチアウトと続きます。

ダイビング中、行き当たりばったりで普通に観察できるものもあれば、普通に見られる種類なのに繁殖シーンにはお目にかかったことのないものもあり、その様子は千差万別。

あまりにも素早い産卵で見ることはできても写真に撮るのは困難なものもあれば、求愛ばかりしてなかなか産卵にたどりつかず、こちらがエア切れしてしまうほど時間のかかるものも。

例えば、八丈島でごく普通に見られるセダカスズメダイ。地味でタイヤキくらいの大きさで、全く誰にも興味を持ってもらえません。春から初夏にかけてあちこちで産卵していますが、その横をダイバーが素通りしていきます。これが見たい!というリクエストを受けることもないので苦労はしていないのですが、いざ見ようと思うと意外と大変だったりします。

セダカスズメダイ

セダカスズメの場合、どうも産卵の時間帯があまり決まっていないようなのです。午前中産んでいるのを見かけた翌日は午後に産んでいたり、その次の日はお休みだったり。産卵する場所は固定しているので、頻繁にそこを通っていれば間違いなく見られるのですが、1本のダイビングで狙おうとすると、これがなかなか。1本目に見られなかったから2本目に狙おう!と思っても、水面休息中に終わってしまっていたり。

ネズッポの仲間は、きれいどころが揃っているし、ディスプレイも派手で見ごたえがあります。最近ニシキテグリやヤマドリの産卵シーンは写真を見かけるようになりましたが、八丈島のミヤケテグリの産卵シーンも負けてはいません。もう少し知名度が上がっても良いのになあと思うのですが、これもいざ見ようと思うと意外と大変だったりするのが難点。

ミヤケテグリ

ミヤケテグリは、そもそも生息範囲が少し深め。個体数が多い年なら浅い場所でも産卵が見られるようになるのですが、そうでないと長時間は待っていられない深さになってしまいます。皆が安心して確実に見られるようになれば、人気急上昇すること間違いなしだと思うのですが、なかなかそうはいきません。

じゃあ、八丈島では何だったら手軽に見られるの!?と聞かれれば、キンギョハナダイを筆頭に、レンテンヤッコ、ヒメテグリなどでしょうか。

特にレンテンヤッコは数が多く、他の地域と比べて浅い場所で見られるのが特徴です。そんな八丈島の魚たちの繁殖も、是非阿部さんに紹介してもらいたかったなあ。

阿部 秀樹著「魚たちの繁殖ウォッチング」

皆さん、この阿部さんの本でしっかり予習して、八丈島の魚たちの繁殖をリアルに見に来てくださいね!

ユウゼン玉T

どこのダイビングショップでもTシャツの1枚や2枚は販売をしていて、それを買うゲストの方は、たいていどこかへダイビングに出かける時に着ていらっしゃるようです。大勢のゲストがいらっしゃる連休などは、まるでTシャツの見本市。いろんなデザインのTシャツを楽しく拝見させて頂いております。

前々から、従来のレグルスTシャツの在庫が少なくなっていたのが気になっていたのと、ご近所の同業者が良いTシャツ屋さんを紹介してくれたので、レグルスも新しいTシャツを作りたいなあと思っていました。そこで、台風の影響でゲストがいらっしゃらなくなり、ぽかんと空いた日に、一日で一気に作り上げてみました。

デザインは、ずっと前から自分がほしかったユウゼン玉。

ユウゼンは八丈島と小笠原の固有種で、たまに1匹だけとか、幼魚だけなら他の地域でも見られることがありますが、ユウゼン玉となると他では見られません。八丈島に行ったらユウゼン見ないと意味ないでしょ?と言っても良いくらいのものだと思うのですが、意外とユウゼンをモチーフにしたTシャツを見かけません。ユウゼンのイラストは元々親方が描いたものがデーターで残っていたので、これを利用して作ってみました。

ユウゼンのイラスト

Tシャツへのプリントはモノトーンになるので、ちょっとリメイクして、いっぱいコピペ。

こんな感じになりました。

モノトーンにリメイク

今回利用したTシャツ屋さん、生地の色を何色注文しても値段が変わりません。プリントするインクの色も選べます。そこで、かなりやりたい放題で数枚作ってみました。

自分の好みの色を選んだので、なんとなく全部アースカラーになってしまいましたが、実際にはパステルカラーや原色に近いビビッドなカラーも選べます。

そしてインクの色は、白、ピンク、黒で試してみました。いろいろ出来上がると、なんだか楽し〜!

早速親方と昇太君が試着。親方(写真右側)のはブラック地に白プリント、Lサイズ。昇太君(左側)はフォレスト地に白プリント、Mサイズです。

親方と昇太君が試着

他にも杢グレーやネイビーで作ってみました。

インクの色を変えると、同じ色のTシャツでも雰囲気がずいぶんと変わります。

ユウゼン玉T

このTシャツ、9月の連休中に届き、早速皆さんにも見て頂きました。レグルスのブログでも紹介したのですが、今までになく大好評♫ 2〜3日であっと言う間に30枚以上のご注文を頂いてしまいました。

何色のTシャツが人気なのかなあと興味を持っていたのですが、今のところブラックが1番人気。次に杢グレー、バーガンディ(あずき色)、デイジー(山吹色)、チョコレート(茶色)と続いていました。やはり皆さん、あまりビビッドな色合いよりも、落ち着いた色合いを好まれているようですね。

これから人気のあった色で各サイズ作成し、店頭でも販売できるようにする予定です。

このTシャツで八丈島のユウゼンの知名度がもっと上がると良いな〜♪

底土の体験サマー

今年の8月は私にとって記録的な一ヶ月でした。

体験ダイビングなんて忘れた頃にたまにやっている程度だった私が、8月は本日22日だと言うのに既に12日間もやっていたのです。レグルスの体験ダイビングは半日コースなので、午前1セット、午後1セットで計算すると、この12日間で18セット、のべ50人の皆さんに水中散歩を体験して頂きました。

そして今年の特徴は、ほとんど全て、ポイントが底土海岸だったこと。小さなお子さん(と言っても年齢は10歳以上ですが)を連れた親子の参加が多かったこと。

底土海岸は島内唯一の砂浜のある海岸です。ダイバーにとっては、島の東側唯一のビーチポイントでもあります。台風が連発しれくれたおかげで南西側には途絶えることなくウネリが到達、連日波の高い状態が続き、海水浴客もダイバーも底土海岸に大集合する日が多かったのです。南西側の高波と真っ白な海岸線を見たら、信じられないほど底土海岸はベタ凪でした。

底土海岸

器材を背負って、てくてく歩いて砂浜から海の中へ。水面が徐々に上がってきて胸のあたりまでくると、重たかった器材が急に気にならなくなります。そこでフィンを付け、マスクを付け、レギュレーターをくわえて、顔だけ水に漬けて呼吸の練習。

足の立つところだけど、そこで潜降。水深、たった1m。耳抜きさえ必要のない場所で、もうサカナたちが出迎えてくれます。緊張がとけて、初めての水中世界にちょっと慣れてきたところでゆっくりと前進すると、キビナゴ・シャワーの歓迎を受けます。

キビナゴ・シャワー

そこでふと水面に目を向けると、上空を海水浴客が通過。私たちと同じようにキビナゴの群れを追いかけていますが、水中から見るのと、水面から見るのとでは、同じサカナでもずいぶん印象が違うはず。

キビナゴの群れを追う海水浴客

さらに沖へ出ると、それまで砂地だった水底に、さまざまな珊瑚が現れ始めます。目にとまるサカナたちの種類が増え、色彩も鮮やか。個人差がありますが、この頃には水中世界にすっかり慣れ、自力で自由に泳げるようになっているゲストもいらっしゃいます。

さまざまな珊瑚

海水浴客やシュノーケルを楽しむ人達が遊べるのは、だいたいここまで。これより沖側には、水面でもインストラクターなどのガイドが引率する人達しか出られません。この周辺は、堤防やテトラポットの影響で、潮の流れが複雑で、沖に流されてしまうことがあるからです。

水面からでも、水中からでも、遊泳できる範囲が一目でわかるよう、ブイに付けた赤旗が並んでいます。

しかし、珊瑚の群生が美しいのは、ここからです。

珊瑚の群生

潮通しの良い場所なので、連れて行く方も大変ですが、参加者皆さんが感動してくださいます。

さらに頑張れば、こんな出会いも。

アオウミガメと大接近

けっして深く潜る必要はありません。

最大水深6m程度で、アオウミガメと大接近。潜水時間は20分程度ですが、忘れられない夏の思い出ができることは間違いなし。

たくさん写真を撮って、エキジットは堤防の先端にある階段から。

堤防の先端にある階段

水中ではあんなに身軽だったのに、階段を上がり始めたとたんに背中の重荷がずっしりと。

こんなに素敵な底土海岸だったのですが、唯一の難点が、歩く距離の長いこと。特に高齢の方や身体の小さなお子さんがタンクを背負って歩ける距離ではありません。

そこで今年から新兵器登場!!

Colemanのキャンプ用品運搬キャリア

Colemanのキャンプ用品運搬キャリアです。耐荷重100キロ!

この夏、大活躍でした。

まだまだ体験ダイビングのご予約は途切れていません。まだまだもう少し働かないと!

タブレットで花火

今年も8月11日に花火大会が開催されました。

毎年、曜日に関係なく8月11日に開催される花火大会。

八丈島に来たばかりの頃、持っていたのはフィルムの一眼レフ。36枚の枚数制限がある上に、撮れているのかどうかすぐに確認できないカメラで、うまく撮れるとは思いませんでした。

それがデジタル一眼レフに替わって、俄然やる気になり、三脚をかついで撮りに出かけるようになりました。

しかし数年後には重いのを運ぶのが面倒になってミラーレス一眼になり、それさえ面倒になって手持ちのコンデジになりました。

ところが、そのコンデジ、今年は来店中のゲストに無料で貸し出し中。だからと言って他のカメラを引っ張り出すのは、やっぱり面倒。ついにタブレットでいいや…ということに。撮影機種としては、どんどんランクダウンしていく一方で、このままいくと、この先どうなるのか?

周囲を見渡しても、花火をカメラで撮影している人など、ほとんど見かけません。ましてや三脚なんて…。

皆さん、スマホを持った両手を高く掲げて撮影中。特に「アイフォンはよく撮れる!」とのことですが、私のタブレット(ネクサス7)が、どこまで頑張ってくれるものなのか??

撮影モードとか、選べるものは何もありません。ただ、補正をプラス2にして撮りました。そして、ちょっとトリミングして、ちょっとシャープをかけて、こんな感じ。

タブレットで花火

一眼レフで撮っていた時にも、特に何も工夫していなかった私…。タブレットで良いじゃん?

プリントすれば画質の悪さが目に付くかも知れませんが、ネット上で見る分には大差ないかも〜。

こうして、私の心の隅で踊っていた「新しいデジイチほしい!」という欲望大魔王は、また一回り小さくなっていってしまったのでした。

来年の私、一体何で花火を撮っているのかなぁ?

黒潮さまさま

日記を振り返って見てみると6月15日に「水温が15℃まで下って、手が痛かった」と書いてありました。その1週間後には急上昇し、23℃まで上がって、これならウェットスーツでも寒くない♫と喜んでいました。

今年は黒潮が蛇行し、このまま水温低空飛行の一年になるのかな…と、心の中で悲しんでいたのです。

でも23℃で上がれば、そんなに辛くはありません。5ミリのワンピースでも、フードベストなど中に着込めば快適なダイビングが楽しめます。これなら良いや・・・と思っていたら。

ほんの1ヶ月の間に、黒潮の蛇行が完全になくなりました。

7月27日現在で、こんな感じ。

7月27日現在の黒潮

黒潮は八丈島を通り越してさらに北上、八丈島周辺の水温はなんと28〜29℃まで上がりました。

7月の時点で、こんなに上がるのは珍しいのでは? 

暑がりの私は、3ミリのツーピース。体験や講習の時にはジャケットも着ることができず、3ミリのシーガルだけ。

陸も海も30℃…、熱中症対策の方が大事です。

いくらなんでも熱すぎるー!! って、贅沢でしょうか?

そして水温だけでなく、海の中の様子もたった一ヶ月で劇的に変化しました。

元々いた生き物たちが活発になり、南方系の幼魚たちの種数が増えました。

特に島内のガイドたちがゲストよりも夢中になっていたのがこちら。なんと水深18mのマダラハナダイ。

見つけたのはウミウシ好き業界では有名なナターニさん。そのせいで、このマダラハナダイが仲間内でナターニと呼ばれています。

マダラハナダイ

もしかして何千匹、いや何万匹も八丈島に流れ着いたのではないか?と思うほど数多く見られたのがノコギリハギの幼魚。

例年もそれほど珍しいわけではなく、いろんな場所で見られるのですが、今年は尋常ではない個体数。それも、みんな赤いイソバナに寄り添って、とってもフォトジェニック。中には10匹近く、大小のノコギリハギが1つのイソバナに付いていたこともありました。

ノコギリハギの幼魚

マクロ派に限らず、青い海を楽しみに来たダイバーも大喜び。

カメと一緒に泳いだり。

カメと一緒に泳ぐダイバー

吐いた泡でムロアジの群れを集めたり。

ムロアジの群れ

まだ夏は始まったばかり。この調子が続いたら、8月の八丈島はどうなっちゃうの?

来月の豪海倶楽部もお楽しみに!!

夏のボート

もしかして、皆さん同じことを書かれているのでは???と思いながら書いているのですが、今年の7月の例年にないトピックスと言えば、台風でしょう。今まで、7月にこれほど台風に悩まされることがあったでしょうか。

八丈島は直撃こそ免れたものの、遠方から大きなウネリが送り込まれ、島の南西側は大しけとなりました。島の南西側には、一番人気のビーチポイント、ナズマドがあります。なんと7月に入ってから、一度も潜れませんでした。そして今もなお、大しけのまま。

しかし有り難いことに、島の北東側は、別の島に来ちゃったのかと思うほどベタ凪。ベッタリです。ただ、こちら側のビーチポイントは底土海岸のみ。一か所しかありません。

しかも島内唯一の砂浜のある海水浴場。つまり、ダイバーも海水浴客も、全てここに大集合してしまうことになるのです。

そんなわけで、ほとんどのダイビングショップは、ボートダイビングへ出かけていました。

八丈島は、島内全体を見渡せばビーチポイントがたくさんあるので、どちらかと言えばビーチダイビングが主流です。それがこの7月、ほぼ毎日のようにボートダイビング。OW取得講習の海洋実習にまでボートで出かけていました。

島の北東側、ビーチポイントは底土だけですが、ボートポイントは魅力的なポイントがいっぱいあるんです。初心者の方でも、ダイナミックな地形や、さまざまなサカナの群れが楽しめちゃう。

レグルスが主に乗っているボートは明丸という漁船です。

以前は船長のお嬢さん(元・ミス八丈♫)がガイドをしていらっしゃったのですが、お母さんとなって引退されたため、アルケロンというご近所ショップと一緒に乗り合いさせてもらっています。船長は、素潜り業界では有名な方。もちろんダイビングもしていらっしゃいます。

明丸

そして漁船ではありますが、ダイバーに乗りやすいよう配慮してくれてあります。

沖縄や海外のダイビング専用ボートの乗り心地には負けますが、八丈では一番快適な船です。

乗船時間は10〜15分程度。その間に、記念撮影、ぱちり。

船上で記念撮影

そして、どぼんと入ると八丈ブルーの青い世界。

果てしなく遠くまで見えるような気がします。

八丈ブルーの青い世界

いつまでも潜っていたい気分になりますが、1時間後にはお迎えがやってきます。

次は、どのポイントに行きましょうか?

エキジット

ウォーリー以外は誰だ?

何年か前、「ウォーリーを探せ!」という絵本が流行ったのを覚えていますか?

今なら絵本ではなく、ネット上で拡散したことでしょう。見開き2ページいっぱいに、大都会であったり、お祭りであったり、いろんなシチュエーションの中にうじゃうじゃーっと大勢の人達が描かれていて、その群集の中からウォーリーを見つけ出すという遊びの絵本です。

ウォーリーは、どのページにも同じ服装で、陽気なポーズを取っていて、とても目立つ男の子なのですが、あまりにもたくさんの人達が小さく描かれた中に紛れ込んでいるので、探し出すのは大変なのです。

数日前から黒潮が本格的に八丈島にやってきて、水温が一気に26℃まで上昇し、急激に幼魚の数が増えました。それこそ、あっちでウジャー、こっちでもウジャー、見ていて楽しくてたまりません。

この中からウォーリーを探し出すべく、お目当てのアイドルを見つけるのも良いのですが、その他大勢の魚たちを1つ1つ言い当てて行くのも面白いものです。

例えば、この写真。

今、最もあちこちでよく見られる光景です。ここに写っている皆さん、誰だかわかりますか〜??

幼魚の群れ

一番多いのがキンギョハナダイ。目の上の青いアイシャドーがチャームポイント。

次に目に付くだろうと思われるのが左下の方に写っている黄色いスズメダイ。成長するとキホシスズメダイそっくりになってしまうため長い間混同されていたのですが、幼魚は肉眼でも明らかにキホシスズメダイよりも黄色が鮮やかです。

私たちはキビレスズメダイと呼んでいますが、まだ正式には名前が付いていません。

この写真には2匹のキビレスズメダイが写っています。

キビレスズメダイの幼魚

そして左上の方に写っている細長い2匹はヤマシロベラの幼魚。

幼魚の、ほんの小さい時期の間でも、成長過程でどんどん色が変わっていくので、見ていて飽きません。

ヤマシロベラの幼魚

最後に、透明な、この子!

たまに1〜2匹混ざっていて、他のスズメダイよりも少しピンクがかって見えるのです。

伊豆では普通種なので、きっと伊豆ダイバーからは無視されているんだろうなあ…と思われるマツバスズメダイの幼魚。ここ数年、年を追うごとに増えてきているように思えます。

マツバスズメダイの幼魚

そして何より、こんな小さな幼魚たちが、コンデジで撮れるようになったというのが嬉しいんですよ〜。今月も全部TG-3で撮りました。

これからどんどん幼魚が増えてくるシーズンなので、楽しみです♪

光っているのは何だ?

今年も、なかなか梅雨が明けません。毎日毎日、八丈島は雨水に浸かっているようです。

器材や洗濯物にだけでなく、心や身体にもカビが生えてきそうです。

そんな、じとじとじめじめと鬱陶しい時期になると、ロベの森の中で、ぴかぴかとキノコが光り始めます。

カビと仲間のキノコたちは、蒸し暑いサウナのような環境が大好き。だから、八丈島の梅雨も大好き。光るキノコの見頃は、6月から8月いっぱいくらいまでの間。

最近ではテレビや新聞などで紹介され、見にいらっしゃる観光客が増えたため、スプリンクラーを使って常時キノコが見られるように管理しているところもあれば、有料でキノコ観賞ツアーを行っているところもあります。でも、条件さえ整えば、つまり連日雨が降り続いた蒸し暑い夜であれば、自分で探しに行って見つけることもできます。

先日、夜の散歩がてら、ちょっと探してみました。

まだ数は少ないようですが、ヤコウタケが光っていましたよ。

ヤコウタケ

明るいところだと、だたの柄の短いエノキ茸にしか見えません。

ヤコウタケ

光るキノコ、なぜ光るのか?はナゾですが、何が光っているのか?というナゾが、つい先日解明されたそうです。

解明したのは名古屋大学の大学院チーム。何が光っているのかという説明のところはよくわかりませんでしたが、発光物質を特定することによって、他の分野で活用できるかもしれないのだそうです。

光るキノコはヤコウタケだけではありませんが、このニュースで八丈島がさらに脚光を浴びることになるかも知れませんね。

どうしよう、世界中から大勢の人が集まってきたら? 今から英会話勉強しておかなくっちゃ?

黒潮さまさま

5月27日、ついに八丈島に黒潮がやってきました!

その一言が書きたくて、今月の豪海倶楽部の原稿の締め切りが守れませんでした。

振り返れば、今年のスタートは20℃でした。それがじりじりと下がり始め、1月末から冷水塊に入り一気に15℃へ降下。

それでも透明度は落ちていなかったのですが、3月末から本格的に冷水塊の海になり、5月中旬には12℃まで落ちました。

冷水塊に入り、水温が下ると、ダイビングしていて寒いというだけでなく、いろんなところに影響が出ます。例えば、冷水塊ならではの海岸の風景は、こんな感じ。

冷水塊ならではの海岸の風景

上を見上げると青空が広がっているのに、水面の上に厚い雲。これが山裾を這いあがっていく様子が見られます。八丈島に南西の風が吹き込むと、その暖かくて湿った空気が冷たい海に触れ、水蒸気が結露して霧や雲となるのです。この雲が島全体を覆い、視界は真っ白。おかげで飛行機は視界不良で欠航…。

悪いことばかりではありません。釣り客は、水温が低めの方が嬉しいそうです。釣れた魚も脂が乗っていて美味しい! それに、こういう時は台風が来てもへっちゃらです。八丈島付近に来た途端、冷たい海水にエネルギーを吸い取られ、低気圧に降格してしまうのです。

でも、ダイバーは、やっぱり黒潮が好き…。

黒潮が来た途端、水温も透明度も急上昇! 昨日から水温は24℃です。

透明度もばっちり、サカナ達も元気いっぱい。

キンギョハナダイ

潜っていても寒くないので、テンションもアゲアゲ。

ナズマドにエントリー、遠くまで見渡せてワクワクします。

ナズマド

そして八重根では、ついこの前までは「今年はダメなのかも。。。」と諦めていたアオリイカの産卵が盛んになってきました。なんだか例年とは違うタイミングでピークを迎えていますが、その迫力はいつもと同じ。

アオリイカ

まさに、黒潮さまさまです。

このままずーっと八丈島を通って、たくさんのサカナたちを送りこんでくれますように!!

イラストの値段

ものの値段を決めるのって難しいですね。

仕入れたものを、そのまま小売するのなら、仕入れ値に利益をプラスすれば良いのですが、それでも量がどれくらい売れるのかによって変わってきます。自分のところ以外でも売っているものであれば相場を調べて参考にします。

でも、手作りのオリジナル作品の値段って、どのようにして決めたら良いのでしょう?

検索してみると、とてもたくさんの人が自分の作品を販売しています。たくさんの作者の作品を集めて販売しているサイトもあります。そういったサイトでは、比較的簡単に誰でも作者として登録でき、個人でHPを作成してコツコツとアピールするよりも、よりたくさんの人に見てもらう機会を得られます。

売っている物は雑貨、アクセサリー、写真や絵画、家具、食器、さまざまで、既製品にはないオリジナリティー溢れる物が揃っています。そして、見る人によって印象は違うのでしょうが「えっ! こんなに安くて良いの?」と思う物もあれば「高っっっ!!」と絶句してしまう物まで。皆さん、どうやって価格設定されているのでしょう?

数年前から親方がイラストの販売を始めました。

元々、レグルスのHPのトップページを飾るために、定期的に描いていたイラストです。HPを始めた頃はなぜか2ヶ月に1回はイラストを差し替えるという苦行を自分に課していたため、年に6枚のイラストがたまっていきました。使い終わったイラストは、どんどんお蔵入り。

あまりにももったいないので、私がポストカードにして販売を始めました。お土産に丁度良い値段にしてあるので、ぽつぽつと売れています。

しかし、今度はこれを大きくB3サイズに印刷して、額装して販売してみようということになりました。この時に、いくらで販売するか、ずいぶんと悩みました。

こういう物って、例えば紙代、印刷代、額代にプラス・アルファしただけの値段で売るものではないでしょう?

親方の頭の中の想像力と、それを目に見える形にする創造力。これは、おいくら??

額装したイラスト
額装したイラスト

結局、ネット上で売られているアートポスターの値段を参考にしつつ、安からず高からずくらいのところで、現在10,800円で販売しています。弱気だった親方の予想に反して、少しずつですが売れ続けています。あと必要なのは営業力と販売力???

ということで、先日ご近所のショップからモデルを調達して宣伝用の写真を撮影してみました。

イラストの宣伝用の写真

新築祝いや結婚祝いなどのプレゼントとしても好評です。こちらで販売しているので、是非ご覧になってくださいね♪

春の産卵

最近、ちょっとひと工夫した写真が多く見られるようになりました。

以前は、個性的な写真作りにはマニュアルモード撮影が必須で、絞りを開けるとか、シャッタースピードを遅くするとか、レンズを変えるとか、それなりにカメラの知識も必要でした。

しかしそれでも飽き足らず、さらに人と違う作品作りのために、スヌート、宙玉、その他いろいろなツールも使われるようになりました。いずれも陸撮で使われていたツールですが、水中に持ち込むことによって、見たことのない水中写真が見られるようになりました。

しかし、そういった新たな水中撮影が流行っていく一方で、イマイチ、ムービーが盛り上がってきていない気がするのは私だけ? 撮るのが難しいのか? あとの編集が難しいのか? コンデジのムービーも画質が良くなったし、一眼だってムービーが撮れるようになったし、ライトだって安くなったのに。

そんな偉そうなこと言ってる私も、撮っているのは今までと同じようなものばかりで、「おおっ! これは斬新」と思ってもらえるようなものは撮れていません。

マクロ好きにとって春と言えば、八丈ではウミウシが湧き、アマミスズメダイが春の訪れを知らせ…となるのですが、実はヘビギンポたちの産卵の季節。あまり注目されていませんが、いろんなドラマが展開されているのです。

水深2m程度なので、自然光で撮っています。

これから5月いっぱいまで、いろんなヘビギンポの産卵が見られるはず。

コツコツ撮ってみようと思います。

ヘビギンポの産卵

フリージアでインフィオラータ

先月号でご紹介した八丈島のフリージア祭りが4月5日に終了しました。4日の土曜日は晴天、5日の日曜日は土砂降りという、あまり恵まれた状況ではありませんでしたが、盛況でした。今年は、例年とは一味違ったイベントだったからです。

例年のフリージア祭りと言えば、フリージア畑でのお花畑の観賞、花の無料摘み取りなどがメインでした。八丈富士を望む広々とした畑で色とりどりのフリージアを眺めるのはとても気持ちが良いものですが、雨が降るとなすすべがありませんでした。

その弱みを克服し、よりお祭りを盛り上げていこうと企画されたのが、今回のインフィオラータと島めしフェスタです。

インフィオラータというのはイタリア発祥のフラワーフェスティバル。いろんな色のバラの花びらを使って、大きな絵を創作しようというイベントです。元となる絵は先に準備しておきますが、バラの花の摘み取り、花びらの収集、そして絵の上に花びらを置く作業は集まった人達がみんなで協力して行うという参加型のイベント。これをフリージアでやろうというのです。皆さんがお祭りの期間中に楽しんでくださった大量の花を活用できるのですから、まさに一石二鳥。

島めしフェスタは、このイベントに参加してくださった方に、島料理を食べ比べて楽しんでもらえるよう、観光協会に入っている飲食店が500円ワンコインで提供できるメニューを揃えた屋台村です。島寿司、くさやピザ、明日葉ラーメンなど、少しずつ体験できて、ものすごくお得。実際、大好評で売り切れ続出だったようです。

島めしフェスタの屋台村

さて、インフィオラータの方ですが、用意されたイラストは全部で12枚。そのうち1枚がプロのイラストレーター諸戸佑美さんの作品、1枚が八丈島在住の漫画家たかまつやよいさんの作品、1枚が北海道チームの作品、8枚が八丈島高校美術部の皆さんの作品、そしてもう1枚が加藤昌一さん…イラストレーターとして登場。

メインイベントは4月5日だったのですが、それに先だって4日にたかまつやよいさんの作品が八丈島空港に、親方の作品が底土の東海汽船待合所に製作されました。

製作の模様は、こんな感じでーす。

インフィオラータ 製作の模様

1枚作るだけでも大仕事ですが、5日は町役場のロビーと多目的ホールで10枚が一斉に作成されました。

町役場のロビー

5日は土砂降りだったのが転じて福となったようで、屋外で観光できなかった人達が大勢集まってきてくれていました。出来上がった作品はこんな感じで、多目的ホールの中ではコンサートやトークショー、外ではレイメイキングのワークショップなども行われていました。

町役場のロビー
多目的ホール

来年も楽しみです。

是非、皆さんもアフターダイブに参加しにおいでください!

小さいもの大好き隊

TG-3を買ったのが昨年の6月。

最初の頃はあまり使いこなせていなかった顕微鏡モードが、年末あたりになってようやく面白いと感じるようになりました。

顕微鏡モードが使えるようになると、実は水中マクロモードでもかなり小さなモノが撮れることがわかり、臨機応変に2つのモードを使い分けるようになりました。

使い始めた頃は、ウミウシのような動かないものじゃないと接写できないと思い込んでいたのですが、水中マクロモードならピントを固定して狙えば動くものでも撮れるようになります。

そこで、ウミウシよりもさらに、やたらと小さな生き物ばかり探すようになりました。

一部は既にフェイスブックなどに既出ですが、肉眼じゃよくわかないものばかり。

昔は一眼レフのファインダー越しに「うぉー!! こんなだったのか〜!」と感動していたものですが、今ではコンデジでぱちっと撮って、パソコンに取り込んでから感動しています。

ホテイヨコエビの仲間
ホテイヨコエビの仲間
ヒメオオミアミ
ヒメオオミアミ
アミの仲間
アミの仲間
ヨコエビの仲間
ヨコエビの仲間

折しも黒潮が蛇行して、八丈島周辺の海は冷え込み気味。そうなると、こういった極小生物がわんさか現れ始めるのです。

色彩バリエーションも豊富なので、しばらくは写真のコレクションを増やす楽しみが続けられそうです。

でも、ホントは暖かい海でワイドを撮りたーい・・・かも。

水中マクロでフリージア

例年、3月というのはあまり良い月ではありませんでした。4年前には震災が起きた月でもありますし、毎年この時期に通過する低気圧は驚異的に発達し、海上は大しけ、各地で豪雪や強風による被害が多くなる月でした。

特に春分の日の連休や、春休みに入る頃は、せっかくご予約を頂いても飛行機や船が欠航して来られなかったり、来られたとしてもダイビングができなかったりで、まともに仕事ができません。

ところが今年は2月に荒れることが多く、3月に入ったら落ち着いてきました。

八丈島で毎年恒例のフリージア祭り。

いつも花が咲き始めた頃に強風が吹き荒れ、根元から倒れて花びらが痛んでしまい、残念な感じになっていたのですが、今年はとても良い状態。本当はまだ3分咲き程度なのですがTG-3を持って撮りに行ってきました。

まずは一輪の花にピントを合わせ、周りをぼかした写真を撮ろうと思いました。普通、そういう場合は絞り優先で撮るんです。

ところがどうもうまくいきません。そこでふと思いついて、顕微鏡モードや水中マクロモードを使ってみました。いつも海の中で撮る時、これらのモードで接写すると、良い具合に背景がぼけるのです。

フリージア

フリージア畑では、皆がフリージアばかりに気を取られていましたが、休憩小屋のそばに何気なくレモンの木の鉢が置かれていました。

去年までは菊池レモン、今年からは八丈フルーツレモンという名で売り出しているレモンです。普通のレモンの2倍くらいの大きさで、苦味が少なく、皮ごと食べられるというのが謳い文句。

私も何度か買っていますが、サラダやマリネ、そして焼酎に入れると美味しいです。

八丈フルーツレモン

そして畑の周りには、ところどころに桜の木。

八丈島にある桜は、ほとんどがソメイヨシノではなくオオシマザクラ。花が咲く頃には葉も出ているので目立たないのです。

桜

フリージア祭りは4月4,5日のイベントで終幕を迎えます。

この時にはフリージアの花びらを使って描かれた親方のイラストが、東海汽船の待合所を飾る予定。どんな風に仕上がるのか、今からとても楽しみです。

この模様は、また来月のお楽しみ〜。

流行りのインスタ

インスタントではなく、インスタグラムの話です。

とりあえず流行っている物は何でも試してみないと気が済みません。しかし最初はなかなか仕組みがわからず苦戦します。

昨年末、月間利用者数2億8400万人だったツィッターを抜いて3億人を超えたインスタグラム。一体何がそんなに面白いのか、さっぱりわかりませんでした。

例えばフェイスブックなら大勢の友達の近況がわかります。今まで年賀状のやりとりしかなかった旧友とプチ同窓会をする機会が持てました。

グループやページを通して、友達以外の人からの情報収集も可能です。特に親方の「海水魚」出版時には、グループが大勢のダイバーの方から写真提供をして頂く場として大活躍でした。

ツイッターは、友達などの関係を構築する必要なく、多種多様な情報をリアルタイムで収集して、さらに拡散することができます。例えば八丈島観光協会のアカウントは、八丈島に関するツイートを集め、その中から観光促進に役立ちそうなツイートや写真をリツイートしています。逆に私は海へ出かけた時には必ず海況を写真付きでツィートし、観光協会に拡散してもらっています。

しかし、インスタグラムは写真がメイン。何のコメントも付いていない膨大な写真を見て、どうしろと言うのか?

しかも、そのほとんどが見ず知らずの人達の自撮り…。自分も、まずは店の周辺の風景やハイビスカスの花を載せてみたものの、反応はイマイチ。これは続けても意味がないのではないか?と思いました。きっとこれは日本では流行らないんじゃないかしら?と。

ところがそのうち、インスタグラムは他のものよりもハッシュタグが重要らしいということがわかってきました。検索用のキーワードみたいなもんですね。

閲覧する時も、ダイビングあるいはdivingで検索して見れば、興味のない自撮りやラーメンなど食べ物の写真は見なくても済むわけです。そこで、自分も写真を載せる時には、せっせとハッシュタグを付けるようにしました。

ダイビング、diving、hachijo、japan。水中写真、underwaterphotography、八丈島などなど。

そして同じようなハッシュタグを付けた写真を載せている人を中心に、片っぱしからフォローしてみました。

で、今のところ、やっと面白くなってきたかなという感じでしょうか。

こちらです → http://instagram.com/tomoyomizutani.regulsdiving/

フェイスブックやツイッターとの最も大きな違いは、言葉がなくて済むおかげで世界中の人とやりとりできるという点です。ウミウシやベラなど、海外にもこんなマクロ写真を撮る人がいるのね!と感心したり、一体このサカナは何なの!?と驚いたりしています。

残念なのは、英語さえ通じなさそうな相手だとコメントもできないということ。先日は初めて英語のコメントを頂きました。

インスタグラム

そして私の写真の中で一番人気はこちら。やはりカメ強し!

インスタグラム

フォロワーを増やすには、もう少しカメとウミウシの写真を増やした方が良さそうですね。

いつまで飽きずに続けられるかな~? 今のところ五分五分です。

八丈島・路線バスの旅 その2

今月は路線バスのお話の続きです。

先月はレグルスの最寄り駅、護神(ごしん)から末吉(すえよし)みはらしの湯へ出かけるプランを紹介しました。この時の運賃は片道が520円。往復で1000円を超えます。

ということは、もし温泉に入らないとしてもバスパという名のバス乗り放題券を買った方がお得です。2日間バス乗り放題、温泉入り放題で1000円。私も買おうかなぁと思ったのですが、観光客のみ!と但し書きが付いていたので遠慮しました。

さて、今月は、もっと手前の中之郷(なかのごう)温泉周辺に遊びに行くプランです。これなら昼食にも困りませんし、足を伸ばせば観光できるところもあります。

温泉も1つではなく、サウナのあるザ・ブーン、水着を着て入る混浴の裏見ヶ滝(うらみがたき)温泉、中之郷温泉やすらぎの湯、足湯きらめきの4つが、歩ける範囲内に集まっています。

バスは前回と同じ、護神から末吉行き。1日6本、そのうち1本だけが温泉に立ち寄ります。

バス路線図

例えば、ただ温泉に行って帰ってくるだけなら

 往路:護神:13時36分発 → 中之郷温泉:14時09分着
 復路:中之郷温泉:15時06分 → 護神:15時41分もしくは東畑:15時43分着

そのまま飛行機で帰るのであれば途中の旧町役場で下車し、循環系に乗り換えれば

 旧町役場:16:00発 / 空港:16:12着

17時15分発の最終便に間に合います。

旧町役場での乗り換え時に30分くらい時間がありますから、すぐ近くの「スーパーあさぬま」で明日葉や島唐辛子、島唐醤油などのお土産を買って行くこともできます。

でも、温泉前にちょっと遊びたい。もしくは、どっかでランチしたり、お茶したい。

なんて考えるのであれば、もう少し早いバスで出発しましょう。そして最後に温泉に入って、温泉前に停車する前述のバスに乗って帰りましょう。

そんなプランを2つ考えてみました。

樫立(かしだて)で遊ぶコース

まずはもっと早い時間のバスに乗って、手前の(伊勢崎)富次郎商店前で降りましょう。バス亭の前には富次郎商店という看板をかかげたスーパー、そのお向かいには「むかしの富次郎」という、マンガや本がいっぱい置いてあって、ゆっくり休憩できる場所になっています。

この周辺にはハイキングコースや海水浴場、そして食事のできるところが集まっています。

富次郎商店(上)とむかしの富次郎(下)

この周辺で遊んで、12時14分か13時59分のバスで中田商店前、もしくは中之郷温泉前に移動すれば良いのです。

健脚な方なら、ここから唐滝(からたき)を見に行くハイキングコースがお勧めです。ちょうど富次郎商店の真向かいに登山道の案内が出ています。

ただし往復2時間以上かかるし、途中ヤブをかき分けることになるので、時間の余裕とそれなりの服装が必要です。また、晴天が続いている時には水不足で唐滝ならぬ空の滝、ただの崖になっていることもありますので要注意。

ハイキングコース

バス亭から少し護神の方へ戻ると、千両という名のそば屋があります。

とってもレトロな雰囲気で、地元の人達に愛されているお店です。その向かい側の道を下りて行くと「いそざきえん」という昔の島料理を食べさせてくれる店があります。

江戸時代、島に流されてきた流人が刑期を終えて江戸に戻れることになった時、お祝いに出された御赦免料理が味わえます。

さらに坂を下りて行くと、乙千代ヶ浜(おっちょがはま)海水浴場。ダイビングのビーチポイントにもなっているところですが、夏は大勢の親子連れで賑わいます。

千両(上)といそざきえん(下)

乙千代ヶ浜へは長い下り坂、逆に戻って来る時は長い上り坂となりますので、覚悟しておいてくださいね。

中之郷で遊ぶコース

中之郷にもハイキングコースや、お勧めのお店が点在しています。まず、温泉に立ち寄らないバスに乗った場合、最寄り駅は中田商店前。

中田商店のある交差点には信号があるのですが、この周辺で信号があるのはここだけなので良い目印になっています。

そしてこの周辺には、お店が集まっています。特に、この中田商店のソフトクリームは有名なんですよ。

中田商店のソフトクリーム

お店の前にのぼりが立っていなかったら、お休み。営業してそうなのに誰もいなかったら、お向かいのタバコ屋さんに声をかけましょう。

店の中に入ると、壁一面に色紙がびっしり。よく見ると、有名人のサインも。テレビで取材されることも多いようです。

お勧めは明日葉あずき、450円です。

わがい(左上)、八丈ストアー(右上)、カレーのお店(左下)、古民家喫茶(右下)

さて、バス亭のすぐそばにあるのが八丈ストアーというスーパー。そのお向かいにカレーと書かれたのれんのお店。

昼はカレーオンリーのお店、夜は「むらた」という名の居酒屋になります。実はこのカレー、以前テレビでチャンピオンになった方が作っているのだそうです。

中田商店のある交差点には「わがい」という、八丈では珍しいお惣菜屋さんがあります。お弁当も売っているので、ここでお弁当を買って好きなところでランチというのもアリでしょう。

交差点を曲がって、の方へ下って行くと、途中に古民家喫茶の看板。とってもクチコミ評価の高い店なのですが不定休なので、まだ一度も行くことができていません。この古民家喫茶を通り過ぎて坂を下りると、藍ヶ江漁港に着くまでの間に温泉が並んでいます。

藍ヶ江漁港

この漁港、ほとんど船の出入りはなく、釣り人がちらほら。夏休み期間中はスノーケリングする人やバーベキューをしている人を見かけます。海で遊んで、帰りに温泉って良いコースでしょ?

裏見ヶ滝温泉の向かい側には、ちょっとしたハイキングコースもあり、本当に滝を裏側から見ることができます。

こちらなら、舗装された道路から歩いて数分ですし、汚れても良い靴を履いていれば軽装でも大丈夫。マイナスイオンたっぷりですよ。

2回に分けてご案内した路線バスの旅、いかがでしたでしょう?

是非、ダイビングの最終日に旅行してみてくださいね。

今年はアニラオ

年が明けると、なぜかあっと言う間に2月がやってきます。2月はレグルス恒例の海外ツアー、昨年はバリ・トランバンに行ってきましたが、今年はアニラオの予定です。

もう既に行かれた方の話がFaceBookを賑わしていますが、昨年の11月に日本人のご夫婦が独立して新しいリゾートをOpenさせたのです。

リゾートの名前はアニラオ ヴィラ マグダレナ、オーナーは大沢さんご夫妻です。以前にスタッフとして勤めていらっしゃったリゾートよりも少しだけ南側に離れた場所なので、今までとは少し違ったポイントでも潜れるのではないかと楽しみにしています。

ところで、フィリピンにせよ、インドネシアにせよ、日本人ダイバーが好む被写体と言えば、ピグミーシーホース、ニシキフウライウオ、カエルアンコウ、ハナヒゲウツボなどなど。よくよく考えれば、わざわざ海外で撮らなくても八丈島にだっているじゃん?というものが少なくありません。

たいていの場合、八丈島と南方の海外で共通して見られるものは、八丈島では高水温の時期限定です。色合いカラフルなものが多く、水温が高いから南方系の可愛い魚が増えてきたね〜と喜ぶのです。

中には、フィリピンやインドネシアではあまりにも普通過ぎて撮る人が少ないのに、八丈島で出たら必ず「撮って!」とお願いしてしまうものがあります。

例えば、クロメガネスズメダイ。水温の高い時期に、小さな幼魚が、ポツン、ポツンと現れます。

八丈島のクロメガネスズメダイ

姿・形は同じですが、八丈島で見られるのはオレンジぽい色合い。フィリピンやインドネシアでは、オレンジ色系と、赤紫系が混在しています。

最初は別のサカナかと思って一生懸命調べましたが、どうやらカラーバリエーションのようです。

幼魚から成魚まで、数が多いせいか場所によってはハーレムのようなグループを作って生息しているように見えます。

こちらがレンベで撮ったクロメガネスズメダイ。

レンベのクロメガネスズメダイ

同じサカナですが、背景がそれぞれの海の様子を反映しています。

いつか八丈島でもピンクのクロメガネが見られるのでしょうか。

そして今年のアニラオでは、どんな出会いがあるのか? 機会があればレポートします♪

八丈島・路線バスの旅 その1

旅行に行った時には、できる限りその土地の公共の乗り物を乗るようにしているのに、八丈島の路線バスには乗ったことがありませんでした。利用するのはあまりにも本数が少ないし、最寄りのバス停まで上り坂だし、車ではなくあえてバスに乗るという理由がないからです。

しかし、最近都区内から遊びに来る人は、車の免許を持っていなかったりペーパードライバーだったりすることが多く、バスの利用について問い合わせを受けることがあります。島内の広報で「今年の1月1日からバスの時刻表が変わりました」というお知らせを受け、一度乗ってみようかしら?と思い立ちました。

八丈島のバスの路線は、大きく分けて2種類。

  • 神湊(かみなと)と末吉(すえよし)を結ぶライン
  • 町の中心部を循環するライン

詳しくは八丈島町営バスのホームページに出ています。これを見ながら、今回はレグルスから末吉にある「みはらしの湯」へ行こう!という計画を立ててみました。車で行けば片道30分程度のところにある、島内では一番お勧めの温泉です。

八丈島町営バスの路線図

レグルスの最寄り駅は護神(ごしん)。坂を10分ほど上って二つ目の交差点を右折したところです。

この交差点周辺は飲食店が多く、島料理が売りの「梁山泊」や「繁(はん)」、島寿司の「あそこ寿司」、くさやピザの「エイト」などが集まっています。

護神(ごしん)

末吉行きのバスは1日6本、途中手前の温泉に立ち寄ってくれるのは4本です。念のため言っておくと、末吉から温泉まで歩いたって5分もかかりません。そして温泉は10時半からオープン。

この日私は護神から9時37分のバスに乗りました。5分遅れてバスが到着。運転手さんに「末吉温泉までいくらですか?」と尋ねたら、「520円ですが、今日は定休日ですよ。」と言われました。そうでした、その日は火曜日でした。まぁでも、バスに乗るのが目的ですから。

バスの外観と車内

驚いたことに多数の先客、全て地元の方々。この後かなり頻繁に停車し、数名の方が乗ったり、降りたり。

ですが、島の方は最後に全員が樫立(かしだて)温泉、ふれあいの湯で下車、たった一人だけいた観光客も中之郷(なかのごう)温泉の最寄り駅で下車、その後私一人だけになってしまいました。

「温泉は休みだから、ここで良いよね。」と降ろされた場所は、末吉小学校の前。10時15分頃でした。

八丈島町立末吉小学校

門の横に141周年の石碑が建っていますが、一昨年廃校になってしまいました。

とても立派な校舎なので今後の利用方法について議論されていたのですが、最近ではベトナム人学生の日本語研修施設として利用する案が浮上しているのだそうです。

近い将来、この周辺でたくさんのベトナム人学生が暮らしているかと思うと、なんだか不思議です。

さて、温泉は休みですが散歩がてら温泉方面へと歩き、そのまま坂を下って末吉漁港へ行きました。ここは私たちが「ウロウ根」というボートポ

末吉漁港

この漁港の片隅に洞輪沢(ぼらざわ)温泉という、水色の小さな建物がありますが、これはあまり知られていません。無料ですし、秘湯のイメージを味わいたかったら、こちらの方がお勧めです。

が、残念ながら、こちらも休業中…。オフシーズンだから仕方ないですね。

洞輪沢温泉

漁港を通り越して先へ行くと、八丈島内で唯一のサーフポイントがあります。ここはダイバーよりもサーファーにお馴染みの場所なのです。

温泉に戻ってバスの時刻を確認すると、神湊へ行くバスは1日3本。

末吉温泉 みはらしの湯

一番早い便でも13時少し前。ちょっとお腹が空きました。

しかし、どう考えても飲食店は見つかりそうにありません。この時間帯に末吉に来るのなら弁当持参が良さそうです。

でも、今回は持ってきてないし、お腹空いたし。仕方なくタブレットで調べてみたら、終点の末吉の近くにスーパーがあることを発見。ここでお弁当を買って、一安心。

末吉駅近くのスーパー

そして普段は目を向けることのない観光案内図を見ると、末吉にもいろいろあるんですね。

行ってみたいなと思っていたポットホールの入口も再発見。

ポットホール

行ってみたい気もしたのですが、もうずいぶん歩いたので、この日は周辺を散策して「末吉」からバスに乗って帰りました。

末吉公会堂

さて、私の場合、他に予定がなかったので、とにかく帰りのバスに乗り損ねることさえなければ良かったのですが、観光客の場合には何かしら時間の制約があるはずです。

例えばダイバーだったら島内観光するのは最終日。この日の午後の飛行機に乗って帰りたいとすれば、どういうスケジュールで帰れば良いのでしょう?

羽田行きの飛行機は1日3便。

もし2便で帰るのであれば

    末吉温泉12:49発 旧町役場13:17着
  循環系に乗り換えて
    旧町役場13:30発 空港13:53着

で、14時20分発の飛行機に間に合います。

最終便で帰るのであれば

    末吉温泉14:47発 旧町役場15:32着
  循環系に乗り換えて
    旧町役場16:00発 空港16:12着

で、17時15分発の飛行機に間に合います。

必ずしも乗り継ぎが良いとは言えませんが、車の運転ができなくても何とかなりますね。

でも、どっかでちゃんとご飯食べたいし、時間を有効に使って温泉にも入りたい!のなら、途中の中之郷温泉がお勧めです。

その話は来月につづく〜。

青海島でTG-3(海編)

見たい、見たいと思っていても、なかなか見られないということが、あるものです。

別にそれが遠く離れた国の地域限定種というわけでもなく、目撃例の少ない激レアと言われるようなものでもないとしても。「2〜3年前までは普通種だったんですよ」とか、「昨日までは見られていたんですよ」なんて言われてしまったり、「ここ数日安定して見られてます!」という情報をもらったところで忙しくて見に行ってる暇などない時期だったり。

私にとって、それがアカタチでした。イッテンアカタチでもインドアカタチでも、何でも良いから、アカタチと名のつくサカナが見たかったのですが、見られそうな時でも、なぜかニアミス。なぜか「今日はいませんでした。」そして長年の月日が経ち、いつしかアカタチを見たいと思っていたことを忘れていたのでした。

それが先日、FaceBook上にイッテンアカタチの写真を発見。折しも、数日後には上京しようとしているところでした。

上京中の予定、前半は埋まっているものの、後半はガラ空き。それまでアカタチは待っていてくれるかしら? またニアミス?という不安はあったものの、とにかく行ってみよう!!と、急きょ行くことにしたのが山口県の青海島。よく考えてみたら日本海で潜るのは初めて。それだけでも十分ワクワクで、万が一アカタチが見られなくても、いっかな?なんて気分だったのです。

しかし、ダメ元にも関わらず、長年の念願叶って見事に見られました!

お世話になったのはブルーワールドさん。見せてくださった和泉さん、さまさまです。もう、拝みたいくらい。

イッテンアカタチ

見るのと聞くのとでは大違いと言いますが、それまでの私、アカタチってだいたいハナアナゴくらいの大きさだと思いこんでいたのです。ところがどっこい。大きいんですね〜。巨大でしたよ。あまりの大きさに、海の中で声を上げてしまいました。

これだけでも十分満足だったのですが、さらなる大物。クサウオです。全体を写すのに苦労しました。初めてワイコンがほしい!と思いました。

クサウオ

ところが八丈島に帰ってきて、青海島で撮った写真を見せたら、親方が一番「自分も撮りたい!」と羨ましがっていたのは、これでした。

アカネヒメジ

何だかわかりますか?

わかる人、少ないと思います。図鑑には載っていないし、ネットで調べるのも難しいでしょう。2012年に名前が付いたアカネヒメジ。

親方が著書の「海水魚1000」に載せたくて各方面に生態写真を募集した際、全く情報が集まらなかったサカナだそうです。

図鑑に載っていないと言えば、もう1種。やはりネットで調べても、生態写真は少ないようです。青海島にはたくさんいたのに、撮る人は少ないのでしょうか?

マトウトラギス

これ、今の時点では、貴重な生態写真かも?

青海島で潜る予定のある方、いっぱいいるからってないがしろにせず、是非撮ってくださいね。

あー、できることなら、冬以外にも行ってみたいなあ。現役の間は、叶わぬ望みですね。

青海島でTG-3(陸編)

むか〜し、むかし、私が会社に勤めていて出張で全国の支店に出かけていた頃、飛行機と言えばJALかANAのどちらかでした。八丈島へ来てからは、やはりANAしか飛んでいないし、他に飛行機に乗るとすれば海外へ出る時くらいだったので、国内を飛んでいるLCCには縁がありませんでした。

ところが先日、神戸に住んでいる知人にANAの株主優待券をもらい、「その優待券で神戸に遊びに行きますね!」と言ったところ、「神戸に来るんだったら、そんなもの使うよりスカイマークの方が安いわよ」と教えられ、まさに目からウロコが落ちたのです。

そんな時に「そうだ、青海島に行こう」と思い立ったので、早速飛行機で行くことを考えました。羽田空港から山口宇部空港まで、JAL、ANA、そしてスターフライヤーが1日10便、1時間45分で結んでいます。山口宇部空港からはバス。今回お世話になったブルーワールドのお店は湯田温泉の近く。空港から1時間弱で到着します。

今回、朝の一便で出かけ、ショップには10時半頃、青海島にはお昼頃に到着、その日のうちに1本潜らせてもらうことができました。もちろん、他のゲストがいらっしゃらなかったので、できたわけですが。

それにしても、移動時間は半日。青海島って、そんなに遠くない!

そして、意外と楽しかったアフターダイブ。

ダイビング旅行の宿泊先と言えば、海外ならリゾート、国内なら民宿が定番だったのですが、たいてい周辺にあるのは手つかずの自然だけ。それが今回泊るのは温泉街の中のビジネスホテル。ビジネスホテルなのに、ちゃんとホテル内に温泉湧き出る24時間オープンの大浴場。ほっこり暖まって外へ出ると、街中にはたくさんの居酒屋やお土産物屋が並びます。

湯田温泉駅へ出てみると、そこには巨大な白狐。傷を負った白狐が、この温泉の由来となっているのだとか。

巨大な白狐

そして小さな商店街の店を、一軒、一軒、よく見てみると、店頭に小さな招き猫。お店によって持っている物が違うんです。

小さな招き猫

猫と言えば、青海島の浜辺には、かわいい猫がたくさん人の後を追いかけ回してエサをねだっていました。

寒波が何度も襲来した年末。みんな、ちゃんと年を越せたのかしら?

また会いに行かなくっちゃ。

広まってきたTG-3

売り出される前から話題になり、発売直後には入荷待ちなっていたTG-3。少しずつ評判が伝わり、一般ダイバーだけでなく同業者の中にもユーザーが増え、作品を見る機会が多くなりました。カメラそのものが良いかどうかは別として、プロ級の腕前の方々が次々と作例を見せてくださるので、とても参考になります。

私の場合、最初はいろいろ試してみたりしていたのですが、今では水中マクロモード、ワイドモード1で撮っていることが多くなっています。被写体に応じてモードや設定を変えるのが面倒くさくて、実は陸上で猫を撮る時も水中ワイドモードのままで撮っています。つまり普段は、全てこの2つのモードだけ。

水中マクロで撮ると画質が悪く感じることがありますが、ネットに載せる程度なら、これくらい撮れていれば良いかな?と思ったりして。

テンロクスジギンポ

ところが、他の方の作品を見せて頂くと、プログラムオートや顕微鏡モードを使ったものもあり、しかもステキな写真だったりするので、自分でもまた試してみることにしました。その結果、まだまだ修行が足りないのか、プログラムオートではなかなか思うような写真が撮れずじまい。今後の課題として残ってしまいました。一方、顕微鏡モードは以前にもスズメダイの卵などを撮ってみたりしていましたが、今回は他の生き物にもチャレンジ。

かなり近づかないとピントが合わないので、まずはウミウシで。

近づかないとピントが合わないくせに、近づき過ぎるとストロボの光が全体に行きわたらず、部分的に明るいところと暗いところができてしまいます。それを逆手に取って、前面だけ明るくなるようにカメラの向きを調整して撮ってみました。具体的に言うと、カメラを上下逆さにして撮っています。

キカモヨウウミウシ

外付けのストロボ、レンズ、拡散板、ライトなどは何も使用していません。次にハゼ。こちらは、ピントが合うところまで近づくのが精いっぱい。逆にそのため、何とかストロボの光が全体に行きわたりました。

アカスジハゼ

何も付けていないコンデジで撮った割には、良いボケ具合だと思います。ただ、ハゼに逃げられないようにしながら、ピントの合う距離まで近づくのは大変でした。

こちらも使いこなすには、まだまだ修行が必要のようです。

最後に甲殻類。

可愛く見えるキンチャクガニ、写真を撮って拡大して見ると、その瞳はエロオヤジ、というのは有名です。しかし、さらに良く見ると、まゆ毛のように見える短い毛が生えているのが見えます。ますますオヤジ臭い。

キンチャクガニ

こんな細かいところまで写してしまう顕微鏡モード、すごいですね。使いこなせば、いろんな発見ができるかも。

もっともっと修行してみますね!

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