ゆうすけの豪海倶楽部The Diving Junky Magazine

まるで竜宮城な気分

久しぶりの台風通過後、魚礁ポイントはイシモチ幼魚が爆発的に増え、キラキラ感が抜群になっています。

ソフトコーラル、ミノカサゴ、ダイバーと絡めて絵作りして頂くと、まるでそこは竜宮城な気分です。

魚礁ポイント

ソフトコーラルは、陰日性サンゴ、太陽光を必要とせず、流れてくるプランクトンを捕食しています。

大潮やタイドグラフの変化が著しく流れがある時、ポリプが美しく開きます。ぜひ潮汐表をチェックして、お越し下さいませ。

そして、そのヤギに寄生する、パラサイトイソギンチャク、英語ではRING ANEMONE。

プロの写真家さんに人気ですが、冬の使者アカスジカクレエビが乗り始めました。

パラサイトイソギンチャクとアカスジカクレエビ

先月号で褐虫藻が抜けたタコクラゲをご紹介しましたが、連日の高水温でイソギンチャクも白化しています。

イソギンチャクは可哀想ですが、クマノミの幼魚がフォトジェニックに撮影できます。

クマノミの幼魚

それでは東紀州の海と川で皆様のお越しをお待ちしております。

鮎と海月

暑い日が続いていますねー、今月は涼を求めて銚子川のちょっと変わったお話しです。

透視度の良さから、汽水域が目視できる話題のスポット「ゆらゆら帯」、その場所で夏になると珍しい光景が観察できます。

川で暮らす鮎と、海の生物のクラゲが同じ場所に現れます。

まず、こちらはブルーが涼しげな白いタコクラゲ、ちなみに川の水底なので、とても不思議な光景です。

川を泳ぐ白いタコクラゲ

そして、定番の褐色バージョン、

川を泳ぐ褐色タコクラゲ

なぜ2色生息するのか詳しいことは分かりませんが、本来は褐虫藻がクラゲに共生しているので褐色です。

何らかしらで褐虫藻が抜けてしまうと白いタコクラゲとなります。サンゴやイソギンチャクの白化と同じメカニズムです。

次にご紹介するのが銚子川名物のシオアユ、遡上をせず、一生を海水と淡水の狭間で生きる選択をした鮎たちです。

河口付近でも餌となる綺麗な苔が豊富に育っている結果の生態系です。

画像の濁っている下半分が海水、上の澄んでいる部分が淡水です。

汽水域のシオアユ

そして、朗報です!!

NHKの「さわやか自然百景」で尾鷲の海が紹介されることになりました。

現在ロケを継続中で、順調ならこの11月頃の放送予定です。日本水中映像の皆さんには、たいへんお世話になっています。

東紀州の海としては、初の本格ドキュメンタリー番組となり嬉しい限りです。

日本水中映像のスタッフの皆さんと

それでは東紀州の海と川で皆様のお越しをお待ちしております。

虹色の打ち上げ花火

コロナ渦の第二波が広がってきているようで、尾鷲周辺でも感染者が出始めています。

花火大会などのイベントも中止となり、再び緊張したムードが戻りつつあります。

早く平和な日常が戻ることを願っております。

さて、尾鷲シードリームの対岸元行野では、ニシキベラの集団産卵が見頃を迎えています。

その様子は夏の夜空の打ち上げ花火のようです。

群れをなすニシキベラ

いつもは単独で見かけるニシキベラですが、大潮が近づいてくると、どこからか同じ場所に集まってきて、大迫力の群れ群れ状態になります。

1枚目の写真をご覧下さい。

先頭を行くベラのお腹をよく見ると、大きく膨らんでいます。

その雌ベラに群がるように、たくさんの雄ベラ達が追っているのです。

雌ベラを追う雄ベラ

そして、その群れが徐々に大きな玉になり、

玉状に群がるベラ

一気に上方へ昇って行きます。

上昇するベラ群れ

そして、次の瞬間、更に加速したかと思うと、白い卵と精子が頭上に拡がります。

それはまるで、夏の夜空の打ち上げ花火を見ているようです。

撮影当日の透視度が3mくらいのため不鮮明で、残念・・・

産卵&放精中のベラ群れ

今年の夏はコロナで、花火大会も中止になっているかと思います。

ぜひ、尾鷲にベラの打ち上げ花火の観覧にお越し下さいませ。

ウミヒルモの開花宣言

先日、流行りのZOOM ライブに初参加させて頂きました。

ふらら日和の八木さんに、設定を助けてもらって無事に参加、その後に我らの雄輔部長が参加するオーシャナライブにも参加、新しい時代の到来を感じさせて貰いました。

さて、今年もヤマトウミヒルモが順調に顔を覗かせて、見渡す限りグリーンの草原になってきました

ヤマトウミヒルモの草原

また、大人気の水中花もたくさん開花して、6月中旬現在で、ざっと見ても20個は確認できています。

その花や葉っぱに小さな幼魚が絡んでいるので、垂涎のシチュエーションで撮影できますよ。

ウミヒルモ水中花とタツノイトコ幼魚

続いて奇跡の清流、銚子川の情報です。

先月号にお伝えした、ナガレヒキガエルのその後、6月のXデー、一斉上陸の観察に行ってきました。

わずか2日間で一気に森に向かって歩き始めます。

ナガレヒキガエルの一斉上陸

上陸後の最大の敵は強烈な日差し、熱くなった石の上で焼け死ぬことも。

無事に森にたどり着くのは、ごく僅かです。

森を目指すナガレヒキガエル

小さな生き物ですが、彼らの生き様に感動をもらいました。

また、大きく成長して、清流に還って来ることでしょう。

それでは、水中花が満開の尾鷲で皆様のお越しをお待ちしております。

営業再開のお知らせ

長かったStay home、お疲れ様でした!!

そして、引き続き自粛エリアの皆様、心より応援を申し上げます。

ホームの尾鷲シードリームは、5月末から営業再開となりました。梶賀ダイビングサービスは、引き続き自粛中となっております。

さて、この1ヶ月は海もリサーチすらできる雰囲気ではなく、時々、銚子川の様子を見にいく程度でした。海の写真がアップできなくて、すみません。

先月号でお伝えしたアカハライモリと、ナガレヒキガエルのその後です。

渓流の水温が20℃になり、イモリの卵も順調に育ってきました。

アカハライモリの卵

そして、孵化へと向かいます。

こちらが孵化直後のイモリ幼生です。まだ四肢は無く、オタマジャクシのような姿です。

外部に露出したエラが特徴で、小さい頃は、親イモリに捕食される可能性が高く、落ち葉の下などに身を潜めています。

アカハライモリの幼生

次に森の番人ナガレヒキガエルの幼生達のその後。

オタマ達は渓流の中しがみつき、大きく成長してきました。

いよいよ変態が始まり、後肢が確認できます。

渓流のナガレヒキガエルの幼生
ナガレヒキガエルの変態

6月には完全に変態して、上陸が始まります。

その後カエルの子供たちは、新たな試練を迎えます

上陸間近のナガレヒキガエル幼生達

それでは、ワクチンが開発され接種までの間は、新しいダイビングスタイルでCovid-19と上手に付き合って参りましょう。

営業再開の尾鷲シードリームで、皆様のお越しをお待ちしております。

ニュージェネレーション

Stay home !!

ホームの尾鷲、梶賀の店舗は休業中です。

こちらの地域でも、釣り、登山、キャンプ、波乗りなど全て自粛、田舎で医療規模が小さく、お年寄りが多い地域なので、普段には無いピリピリした空気を感じます。早く平穏な雰囲気が戻って欲しいです。

さて、清流の銚子川では、次世代へのバトンタッチが最盛期を迎えています。

森の番人、ナガレヒキガエル幼生の孵化。

生き残りをかけた、壮絶なドラマが繰り広げられています。今回も両生類が苦手な方は、ご注意くださいませ。

先日まで蛙で溢れていた渓流、蛙たちの姿はどこにもなく、親蛙の亡骸が・・・

大きさから見て、産卵後に力尽きた母蛙です。

そして、その側にはニュージェネレーション達が、まさに誕生の真っ最中でした。

親蛙亡骸と幼生

蛙の寿命は20年くらいで、若い蛙は産卵後、陸に上がり春眠に入ります。

春眠中の蛙

孵化後の幼生(オタマジャクシ)は、しばらく卵塊にしがみついて暮らします。

卵塊に付く幼生

孵化したばかりの幼生は、まるで人間の胎児にそっくり。

幼生のアップ

更に孵化が進むと、こんな感じに。3密を通り越していますね。(笑)

幼生の密集

更に一週間くらい経つと、ナガレヒキガエルの名前の通り、渓流の流れに逆らって暮らし始めます。

そして、生き残るのは1%以下という厳しい世界が待ち受けています。

渓流にしがみ付く幼生

次に、カエルと入れ替わるように、アカハライモリが繁殖活動を始めました。

ブルーの婚姻色が美しい雄の個体。

アカハライモリ雄

こちらが産みたての卵。

イモリの卵

彼らは厳しい自然と生き残りをかけて闘っています。

我々人類も知力を結集して、ウイルスとの闘いに勝利して、来年の春は、のんびりとお花見ができたらいいですね!!

僕たちに今できる事は、Stay home !! ですね。

銚子川のソメイヨシノ

蛙合戦

コロナショックでいろいろ大変なご時世ですが、こんな時こそ元気が出るような、旬でホットな情報を尾鷲からお伝えできればと思います。

やっと近所のスーパーでも、トイレットペーパーが棚に並ぶようになりほっと一息。

三重県の感染者はまだ少なめですが、今度は東京が大変な事態になってきたようで、ウイルスとの闘いはしばらく続きそうです。皆さんも、手洗い、マスクでご家族とご自身をしっかりと守って下さい。

さて、尾鷲の山奥を流れる、早春の銚子川では、年に二日間だけの熱いシーズンを迎えています。

準絶滅危惧種、ナガレヒキガエルの繁殖行動、子孫の生き残りをかけて、壮絶な闘いが繰り広げられます。爬虫類が苦手な方は、ご了承くださいませ。

まずは優雅に遊泳中のヒキガエルのペア、上に負ぶさっている小さいのが雄、下の大きいのが雌です。

気に入った雌を見つけると、産卵日までガッツリ離れません。移動する時もこんな感じでラブラブです。

抱接中のペア

しかし、カエルの世界も大変です。そう、恋敵の出現です。

抱接中のペアに強引にアタックする雄が現れました。3匹でダンゴになって蛙合戦の始まりです。

僕も若い時は、そんな事したっけな・・・(笑)

抱接中のペアにアタックする雄

既にペアになった雄も必死、必殺技、後ろ足キックで防衛します。

蹴飛ばされる雄

壮絶な闘いに勝ち残ったペアは、とある深夜の二日間だけ一斉産卵を開始します。

一斉産卵

そして渓流にも流されない、美しい紐状の卵塊でいっぱいになります。

卵塊

熱い二日間の産卵行動が終了すると、カエル達は再び春眠をするため、森へと帰って行きます。

抱接中のペア

大自然の中で繰り広げられる蛙合戦、元気が伝わりましたでしょうか。

それでは、春が近づく東紀州でお待ちしております。

川も海も満開になりました!!

世の中、コロナウィルスの話題で持ちきりです。

ダイビングの業界も、人ごとではなく、人気の4月開催予定の水中案内会のイベントが中止になったりと、しばらくは感染予防でイベント自粛は致し方ない流れです。

とは言え、暗い話題ばかりでは気が滅入ります。こんなご時世だからこそ、竜宮城にご案内して現実逃避をして頂く。我々、水中ガイドの使命かなって思います。

さて、奇跡の清流、銚子川では一足早く河津桜が満開を迎えています。

撮影のベストポジションにご案内させて頂きます。3月上旬頃までは楽しめると思います。

銚子川の河津桜

そして、先月号でもご紹介した繁殖期のアヤトリカクレエビ、宿主のイソギンチャクが高確率で満開シーズンを迎えて、絶好の絵作りが楽しめますよ。

アヤトリカクレエビ

このイソギンチャクの開花具合、水温の低下と干満の具合が関係しているようです。

真夏の昼間は絶対に開かないのですが、3月前後の潮干狩りの時期が狙い目です。

最後に先月号でもお伝えしました、ボウシュウボラ母貝の抱卵、1ヶ月ぶりに確認してきました。

実は先月の撮影後に1月としては過去最強の、台風並みの爆弾低気圧が尾鷲沖を通過、水中は大きなダメージを受けました。

しかし、母貝は泥に埋まりながらも、しっかりと子供達を抱き続けていました。

ボウシュウボラの抱卵

このポイント、レジャーでは行かない場所なので、これが見納めになりそう。心の中で頑張ってね!! とお別れしました。

それでは、紀伊半島のファーイースト、尾鷲でお待ちしております。

あーあ、母の偉大さ

まずは、子育て話にお付き合い下さいませ。

我が家の子供達もおかげさまで3歳と5歳になり、早くも今年はラン活(人気ランドセルの予約注文)です!!

こんな事を言ったら当たり前やろ、と言われそうですが、本を読んだり、音楽をきいたり、テレビを見たりとかは無縁の生活となり、子供優先の生活にどっぷりと浸っています。

嫁はもっと子育てで忙しいのは当然で、我が事は二の次にする、母の愛情に頭が下がります。

さて、尾鷲の真骨頂になりつつある、アヤトリカクレエビの最新情報です。

アヤトリカクレエビの抱卵

毎年、この時期になると繁殖を迎えて、至る所で見られるようになります。

しかも、冬場の水温でイソギンチャクが開花するチャンスが多くなり、美しい絵作りが楽しめます。

アヤトリカクレエビの卵

先日も堀口カメラマンに、伊豆方面の情報も聞いてみましたが、尾鷲はずば抜けて個体数が多い感じ、しかも18〜23mの浅い深度という条件付きで。

アヤトリカクレエビのペア

しかも、二色楽しめるなんて、アヤトリ天国と呼んでいいと思います。

豹柄のアヤトリカクレエビ

そして、同じ時期に繁殖真っ最中の、ボシュウボラ、

ボシュウボラの抱卵

母貝の下にはトックリホウズキと呼ばれる卵塊があり、母貝は3ヶ月間食事を摂らず、卵を守り続け、春に子供達が孵化すると、母貝は力尽きるそうです。

この壮絶なドラマ、つい先日、アイアンの鉄さんに教えて頂いたところでした。

貝がそこまで母性本能を持ち合わせていることに、驚きと神秘と感動を覚えます。

もし、水中で見かけたら、そっと応援して上げてくださいね。

それでは、紀伊半島のファーイースト、尾鷲でお待ちしております。

尾鷲から、あけましておめでとうございます!

新年明けましておめでとうございます。

2019年もゲスト様に楽しんで頂けるよう、全力でがんばってまいります!

11月初旬から阿部さんフォトセミナーの準備に始まり、12月のABECUP出場、その後の雄介さんと堀口さんのご来店などの緊張感が解けたのか、子供から幼児性アデノウィルスに感染してしまい、一気にダウン気味の年末年始を迎えております。(泣)

さて、12月の中旬頃から、黒潮の枝流が入り込み、透視度が急上昇、青い海を満喫できています。

これを遷宮ブルーと呼んでいます。伊勢神宮の遷宮にかけて、20年に一度くらいの青さが到来の意味です。

見返したら、昨年の1月号でも同じことを書いていました。(笑)

この時期の旬のネタは紫の衣を思わせる、アヤニシキという海藻です。

頑張ったらこんな生態シーンも撮影していただけます。

アヤニシキの胞子放出シーン

こちらは、アヤニシキを好んで食べるサガミアメフラシ。

サガミアメフラシ

1月前後から繁殖シーズンを迎える、アヤトリカクレエビ。

擬態が出来ないくらい、お腹がパンパンで笑えます。

アヤトリカクレエビ抱卵

そして、12月中旬に我らが豪海倶楽部の部長、雄介さんが、期待のホープ堀口和重さんと共に、取材を兼ねて尾鷲に潜りに来てくれました!!

そして超ローカルダイバーで雄輔さんの大ファン、中野さんもご一緒させて頂きました。

雄輔さん、堀口さん、中野さんと

今回の事は東紀州のフォト派ダイバーにとっては、歴史的で重要な日となった事は言うまでもありません。

集合写真

お忙しいスケジュールの中、撮影にお越し頂きありがとうございました。

また、「尾鷲を応援する会」の会長になって頂きました、スージーさん、心より感謝致しております。

あっ、最後に、DAN JAPANさんのウェブマガジンの、11月号で最後の担当となりました。

Alert Diver 11月号

2020年も東紀州の海をどうぞ宜しくお願い致します!

晩秋の絶景

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

まずはこの11月に東紀州では初開催となった、フォトイベント ABE college in 尾鷲、その講師を務めて頂きました、写真家の阿部秀樹さん、サポートして頂いたメーカー様、たくさんの参加くださったゲストの皆様、そして、今回のイベントを後押しして下さいました、豪海倶楽部の吉野雄輔さん、フィッシュアイの岡田さんには心より御礼を申し上げます。

さて、東紀州にも晩秋がおとずれ、清流の銚子川では絶景が楽しめます。

紅葉リバー

実はこの場所、阿部さんと滞在中に探し当てた、絶好のポイントです。まだ、ギリギリ楽しめると思います。

河口域に生息するヌマチチブ雄同士のディスプレイ、

ヌマチチブ

海に目を移すと、東紀州名物の寄生イソギンチャクに、エビが乗ったり、

セトヤドリエビ

ガラスハゼの幼魚が乗ったり、

ガラスハゼの幼魚

ナシジイソギンチャクでは、アヤトリとハゼのコラボなど、

アヤトリカクレエビとガラスハゼ

少しずつ冬の生物たちが楽しめるようになってきました。

そして、11月の中旬に尾鷲シードリームで初開催となった、ABE collegeではたくさんのゲスト様にご参加頂きました。

2日間の日程での開催でしたが、ABE CUP直前ということもあり、みなさん超真剣に受講されていました。

ABE collegeの様子
阿部さんと

そして、最後に、DAN JAPANさんのウェブマガジンの、表紙と裏表紙を担当させて頂いております。7月号、10月号、11月号の予定です。

尾鷲の素晴らしさが更に広まると嬉しいです。

Alert Diver 10月号

それでは、ネタいっぱいの尾鷲でお待ちしております。

雨にも風にも負けず

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

まずは台風や大雨で被災された業界関係者様、そして被災地のみなさま、心よりお見舞いを申し上げます。そして、1日も早い復興をお祈りしております。

そして、ホームの尾鷲も例に漏れず、少なからず被害が発生しております。

梶賀ダイビングサービスの施設では、ビーチエントリー口が大崩落するという、前代未聞の被害がございました。現在、復旧にむけて検討中です。

また、大量の泥が舞った影響で、場所によっては透視度が1mという、これまた経験のないコンディションが、今もなお続いています。早く通常のコンディションに戻って欲しいと願っています。

そんな厳しい自然環境の中でも、生物たちは季節を感じとり、逞しい姿を見せてくれています。タイトルの宮沢賢治の言葉が浮かんできました。

まずは、秋に産卵する生物たちをご紹介します。セボウシウミタケハゼの卵保護です。

セボウシウミタケハゼ卵保護

トゲトサカの茎の根本付近に好んで産卵して、雄が守っています。

こちらは、オオガラスハゼの卵保護、

オオガラスハゼ卵保護

このハゼはエダムチヤギの、一番高い場所に好んで産卵します。

そして、不思議なのは卵を守っている感が伝わってこないこと。なぜか、卵から離れた位置で待機しています。セボシとは対照的な卵保護です。

写真はやらせで、すみません・・・

そして、尾鷲の名物、ソフトコーラルの繁殖活動。

スケスケ感が、なんとも美しいエダアザミのプラヌラ(幼生)です。

珊瑚の産卵は有名ですが、ウミトサカの仲間である、エダアザミは体内で産卵受精し、幼生まで育てて、その幼生であるプラヌラを放出するというシステムを取っています。

エダアザミのプラヌラ

拡大すると、こんな感じです。

毎年9月10月頃が放出のシーズンらしいのですが、台風続きで観察が阻まれ、断念しました。

来年こそは、プラヌラ放出の瞬間を狙ってみます。

また、エダアザミの生態情報は、三保アイアンの鉄さんに勉強させて頂きました。鉄さん、ありがとうございます。

エダアザミのプラヌラ拡大

そして、今年に入ってからアカオビハナダイに代わって、勢力を強めてきいるケラマハナダイの様子です。

昨年は性転換している個体を見かけなかったのですが、今年は数固体が確認できています。

ケラマハナダイのペア

こちらは、なぜか雌同士の闘争。雄同士はたびたび見かけますが、女の闘いです。

ケラマハナダイ雌の闘争

次に雨量の少なった時に、運よく入れた、清流の銚子川の様子です。

こちらは限りなく海に近い河口の、汽水域、いわゆるユラユラ帯の様子です。

ハロクラインと呼ばれる、海水と淡水の境界線が目視できます。比重の重い塩水が水底に溜まって、ユラユラと見えます。

銚子川のハロクライン

そして、その河口で一生を暮らすシオアユの群れ。

水が綺麗すぎて、餌となる綺麗な苔が河口付近に生えるので、遡上するのを諦めた鮎たちです。これも銚子川ならでは、独特な生態系です。

銚子川のシオアユ群れ

上流の魚跳び渓では、久しぶりにナガレヒキガエルに出会えました。

春の産卵が終わると、森に帰っているはずなのですが、例外もあるようで、まだまだ謎の多いカエルです。

見た目は抵抗がある方もおられると思いますが、うっとりするくらい可愛らしい美声で鳴きます。

ナガレヒキガエル

最後に尾鷲湾の奥に1年前から、住み着いている、ミナミハンドウイルカのたぶん雄の固体。

この日は台風の影響で透視度1m以下の悪視界でしたが、
フィッシュアイさんの、NA WWL-1を、1inchセンサーのSONY RX100-M5にセットして撮影。

さすが、取り込む光の量が多いので、現像すると被写体のイルカが浮かび上がってきます。貴族のワイコン、いい仕事をしてくれます。

ミナミハンドウイルカ

今回は台風と大雨で、観察が思うように行きませんでしたが、自然界でたくましく生きる生物たちに励まされた月でした。

あっ、あとすいません!

DAN JAPANさんのウェブマガジンの、表紙と裏表紙を担当させて頂いております。

7月号、10月号、11月号の予定です。尾鷲の素晴らしさが更に広まると嬉しいです。

Alert Diver 7月号

それでは、ネタいっぱいの尾鷲でお待ちしております。

季節外れの産卵が始まりました。

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

今月も育児ネタからお付き合い下さいませ。

9月最後の三連休のなか日、またまた台風で潜れなくなり、午前中に子供たちと近くのパン屋さんに行ってきました。

最近のパン屋はキッズエリアが完備されていて、小さい子連れでも安心です。外の庭には大きなオリーブの木が植えてあり、その木を取り巻くような円形ベンチ。

子供がその上を走ると、ちょうど木琴のような効果で、足音の音程が変わる仕組みになっています。実は子供が走っているのを観察して、気づかされました。

その2歳の次男が、円形ベンチから降りる時、お父ちゃんピョンするからお手手繋いでと必ず言ってきます。地面がコンクリートなので、小さな子供にはかなりの恐怖なのでしょう。

そこで、ハヤト君、一人で飛んでみ、と言ってあげると、しばらく怖いー、を連発していましたが、意を決して一人でジャンプしました。大きく転びましたが、嬉しそうな顔で、お父ちゃん、もう一回する!と言って、その後は、数十回のジャンプに付き合わされたのは、言うまでもありません。子供はしつこいのです!

さて、9月の前半は水温が18℃台まで低下して寒さに震えていたのですが、その後は抜群に良い潮が入ってきて、水温は27℃台まで上昇、10月間近になり今年夏の最高水温を記録しました。

その影響なのかスズメダイの仲間が再び産卵を開始して育児に大あらわです。

季節外れの繁殖活動をする彼らの行動を観察すると、ある共通点が見えてきました。

それは、人工物を利用している個体が目立つことです。穴掘りや、石掃除に勤しむ個体は見当たりません。

私が思うに効率を優先しているように感じます。彼らも季節的に時間が無いことを察しているようです。

まずはマツバスズメダイ、鉄骨の平らな面を利用、

マツバスズメダイ卵保護・鉄骨

こちらは、なぜか波で揺れる不安定なロープ、

マツバスズメダイ卵保護・ロープ

ちょっと違うけど、タイラギ貝の表面、なぜ、こんな目立つ場所に・・・

マツバスズメダイ産卵中・タイラギ貝

次にナガサキスズメダイ、古タイヤを利用、これはたまにある。

ナガサキスズメダイ卵保護・タイヤ

こちらは、台風で流れ着いたトタン屋根?

ナガサキスズメダイ卵保護・トタン屋根

前にも紹介した、漁師の長靴、

ナガサキスズメダイ卵保護・長靴

同じスズメダイでも、この子達は定番の場所で産卵、しかし、クマノミの卵を9月末に尾鷲で見るのは異例です。

クマノミ卵保護

そして、もう一つ異例なのが、ミツボシスズメダイの成魚が現れたこと。

東紀州では季節来遊魚だったのですが、越冬を繰り返したのか、串本で見るサイズになってきました。

これは、いわゆる欧米化、いや温暖化の影響なのでしょうか。

ミツボシスズメダイ成魚

あっ、東紀州の清流、銚子川の情報ですが、大雨続きで増水して撮影に行けていません・・・

それでは、ネタいっぱいの尾鷲でお待ちしております!

あー夏休み

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

まずは育児ネタからお付き合い下さいませ。

先日、子供たちと近くのスタバでお茶した時、4才の娘が外の花壇で私を呼ぶので、行って見ると白いダンゴムシの幼虫がうじゃうじゃ。

実は夜行性なので、幼虫たちは夜にしか活動しないようです。子供にネイチャーガイドして貰い、なんとも楽しい瞬間でした。

さて、今年のお盆は台風にやられてしまい、ダイビング人生で初めて、一週間も潜れない状態が続きました。

頼みの綱の銚子川も増水で入れず、完全にお手上げ状態。自然には勝てず、夏休みを取らせて頂きました。

写真で表現すると、ちょうどこんな気分です。

アカオビハナダイ

実はこの画像、婚姻色ではなく、クリーニング待ちの、超リラックス状態。

ちなみに、ちょうど今、アカオビハナダイの求愛行動が盛んですが、その時は下半身が黄色になります。

アカオビハナダイの求愛

次に幼魚たちもシーズンになり楽しませてくれます。

ナガサキスズメダイの幼魚
セナキルリスズメダイの幼魚

梶賀のゴロタ石はピンク色なので、綺麗な背景で撮影できます。

そして、8月末、季節外れのアオリイカ産卵が始まりました。

アオリイカの産卵

最後に奇跡の清流、銚子川の情報です。

夏休み中は上流から下流まで、海水浴場のような賑わいで、生態観察ができる雰囲気とは程遠くなります。

9月に入れば、いつもの静かな景色が戻って来ることでしょう。

銚子川の賑わい

それでは、ネタいっぱいの尾鷲でお待ちしております。

食い逃げ

今回も育児ネタからお付き合い下さい。

先月号の記事で、4才になる娘からダンゴムシの雄雌の見分け方を、教えて貰ったお話しをさせて頂きました。その後、早速ダンゴムシの絵本をアマゾンで検索してみると、ダンゴムシに関する書籍が多いこと。ダンゴムシが、子供達の超人気者だということを知りました。

そして、届いた絵本の内容を見てビックリ、幼児向けの書籍にしては、生態に関してかなり詳しく書かれています。例えば、ダンゴムシは昆虫ではなく、甲殻類の仲間だったり、水の中でも少しは生きられたり、コンクリートを食べるなど、大人が読んでも興味深い内容でした。

さて、長い梅雨も明けて、ようやく夏本番に突入しました。

こんな暑い時に癒される、涼しげな一枚からお届けいたします。まるで、青い風鈴で涼んでいる小さな虫、その名はミズムシ。

英名SPONGE ISOPOD、訳すると、海面のダンゴムシ。ISOは等しい、PODは脚、等脚目になります。

娘が大好きな、ダンゴムシの親戚だったとは驚きです!

東紀州名物の涼しげな青ホヤに付いているので、萌え萌えの写真が楽しめます。

実は見つけた当初、名前が分からず、豪海倶楽部で青ホヤ仲間のダイブ・クーザの上田さんと、ドロノミだろうという話になっていました。しかし、更にネットで調べていくと、ミズムシだという事が判明した次第です。

ミズムシ

そして、7月はとてもリクエストの多かったウミヒルモ畑、かわいいアミメハギの幼魚が増えてきて、絶好の被写体になっています。

アミメハギの幼魚

また、例年になく大豊作の水中花、種子放出も高確率で観察できます。

ヤマトウミヒルモの種子放出

画像のようなスタイルで、2ダイブ癒しの空間でじっくりと撮影されるゲスト様が多いです。ローカルダイバーのN様が手にするカメラ、なんと我らの部長、雄輔さんの元愛機という偶然。

ウミヒルモ畑

そして、新たな生えものネタが見つかりました。

ヒナカサノリという、人魚のワイングラスの小型版です。最初は名前が分からなかったのですが、調べていくうちに、西伊豆の井田ダイビングセンターさんで、オキクちゃんの愛称で流行っている事が判明。

普通の図鑑に載っていないので、藻類研究で有名な三重大の方に同定して頂きました。

ゲスト様には、人魚のピアスと命名して貰いましたが、議員バッジとか、菊の御門とか、黄門様とか、いろいろと呼ばれていて笑えます。僕は戦艦大和の船首のマークに見えて仕方ないです。(笑)

ヒナカサノリ

次に爆発的に始まっている、魚たちの産卵行動の話題です。

先月号でお伝えした、ホシノハゼの産卵床の跡に、まるで巣穴をリサイクルするようにクツワハゼが卵を産みました。

卵を保護するクツワハゼ

今年はナガサキスズメダイの繁殖活動が超活発で、巣穴を掘る場所が無いくらいに切迫した住宅事情となっています。

そうするとこんな賢い個体が現れました。なんと、捨てられた長靴を住まいにしている個体です。

卵を保護するナガサキスズメダイ

求愛行動も至るところで見られて、盛りがついた雄が婚姻色を出して激しくアピールする様子が見られます。

婚姻色のナガサキスズメダイ

一見すると傷を負っているように見えますが、この白い模様が婚姻色で、数秒だけ現れて雌にアタックします。

ナガサキスズメダイの求愛

次に今月号のタイトル、人間からみるとけしからん「食い逃げ」のお話しをさせて頂きます。

実はこの記事の撮影地である梶賀は、夏場のエキジットが14:30迄、ナイトも不可なので、生態観察好きには正直、超厳しい条件です。

そういう個人的な欲求不満もあり、先月号のような時間制限の無い淡水の生態観察に走ってしまいがちです。

そういう中、真昼間から産卵活動を観察できる、クロホシイシモチは私にとって格好のターゲットとなります。そして、そのイシモチの決定的な瞬間を撮らえる事に成功しました。

今年の7月は水温が一時20℃まで低下して、産卵行動がピタッと止まり撮影できなくなりました。その後、水温が上り始めて少ないながらも産卵行動が始まりました。

クロホシイシモチは口内保育で有名な魚で、育メンぶりのイメージが強い魚です。繁殖期になるとペアで縄張りを形成して、雄の奪い合いが始まります。

そう、雄がすごく人気者になるのです。それは、口内保育する口腔が足りなくなってくるからです。

それでは、決定的な瞬間を見ていきましょう。

画像、雌の左下腹部の傷に注目、同時系列の画像である証です。産卵の直前になると、雄は大きく口を開ける動作を頻繁に始めます。

クロホシイシモチの産卵前行動

そして、いよいよ産卵の瞬間がやってきます。

オレンジ色の勾玉のような卵塊が、雌のお腹からニュルっと出てきます。その瞬間、雄は放精して、卵塊をくわえ込みます。

クロホシイシモチの卵咥え

卵塊を咥え込んだ雄の口腔はアゴがしゃくれて大きくなります。ちなみにこの一連の行動は4秒くらいで終わってしまうので、気が抜けません。

この後にオスは、口腔内に納まりきれない卵塊を、吐き出して吸い込んでを繰り返すので、その絵を撮影しようと観察していたのですが、この日はなぜか卵塊は吹き出てこない。卵は見えるのですが・・・。

クロホシイシモチ口の内保育

更に観察を続けると、アレッ? 雄の口が小さくなっている。卵も見えない?

気のせいなのか・・・。

カニバリズム後のクロホシイシモチの雄

これは、もしやして! そう、文献では読んだ事のあるカニバリズムでした。

実は口内保育をする雄、保育中一週間くらい絶食を強いられます。しかし、卵が孵化すると休む暇なく、隣で産卵したい雌が待機しています。

こんなことを繰り返していたら、雄は絶命してしまいます。それなら、産卵の何回かに一度、エネルギー源たっぷりの卵を補給して生き延びた方が、クロホシイシモチ全体の子孫繁栄には効率的です。

そして、卵を食したであろう雄は、無情にもその場から逃げ去りました!

残されたクロホシイシモチの雌

まさに、食い逃げです。残された雌は落ち着きなくおろおろするだけでした。

一見すると、ヒドイ男に見えますが、すぐに卵を産めない雌と一緒にいるよりは、産卵間近の新たなパートナーと組んだ方が、子孫繁栄のためには効率が良いと考えられます。

自然界の無情で効率を優先した行動を目の当たりにしました。

最後に奇跡の清流、銚子川の情報です。

7月の上旬から大雨続きの増水で、撮影に入れませんでした。6月の末頃の渓流域では、ナガレヒキガルの幼生の上陸と入れ替わるように、カジカガエルが上陸を始めました。

カジカガエルの幼生

そして、ナガレヒキガエルは、先月を最後に深い森の中に姿を消しました。来年の春にはまた、この渓流に元気な姿を見せてくれることでしょう。

ナガレヒキガエル

今回も長々と書いてしまいましたが、ネタいっぱいの尾鷲で、皆様のお越しをお待ちしております!

ウミヒルモの花が満開です♪

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

今回も育児ネタからお付き合いください。

つい先日、4才になる長女が庭先でダンゴムシを見つけて、家の中に連れて行こうとしたので、

自分:「マイ、かわいそうだから、お母さんの所へ帰してあげな。」

と適当に言ったら、

長女:「お父さん、違うよ、このダンゴムシはお母さんやで。」

自分:「えっ? なんで分かるの?」

長女:「女の子は背中が光ってて、男の子は背中が黒いんやで。子供は色が白い。」

自分:「本当に?初めて聞いたわ。なんで、そんな事を知ってるの?」

長女:「保育園の絵本に書いてあったよ。」

ほんまかいなと思って、ネットで調べてみたら、子供のいうとおりでした。

ネイチャーガイドとして、恥ずかしく思うと同時に、子供の成長ぶりにびっくりした出来事でした。

さて、東紀州の海は初夏を迎えて、水温も24℃まで上がってきてます。

この時期になると開花が待ち遠しくなるヤマトウミヒルモの花、今年はとても早い開花で、6月初旬に咲き始めました。

そして、今年は豊作です。

ヤマトウミヒルモの花

このウミヒルモ、高等な水中植物なので、海藻ではなく海草で、陸と同じ種子植物に分類されます。

かなりの広範囲にウミヒルモ畑が広がっていますが、数片だけが一箇所に固まって開花しているので、最初に見つけるまでが大変です。

そして、このグリーンな葉っぱの空間、めっちゃ癒されるんですよねー。

7月に入ると魂サイズのアミメハギ幼魚とか楽しめますよ。

ウミヒルモ畑

そして、こちらは通年楽しめますが、最近リクエストの多い、フウセンカンザシゴカイ、フィッシュアイさんのFIX Neoフィルターで遊んでみました。

しかし、夏前になると風船が無い、タマナシゴカイが増えるのは謎です。

フウセンカンザシゴカイ

この6月、作業ダイビングしていると、湾内でミナミハンドウイルカが、またまた会いにきてくれました。

今回は警戒心が強く、わずかの時間だけ愛嬌を振りまいてくれました。

透視度が1mくらいの超シビアコンディションで撮影しましたが、ノーティカム製のワイコン&SONYコンデジが良い仕事をしてくれました。

ミナミハンドウイルカ

次に銚子川の情報です。

春からずっと追っていたナガレヒキガエルの変態、更に成長して足が生えてきました。

ナガレヒキガエル幼生①

そして、上陸した幼生、

ナガレヒキガエル幼生②

たまたま見つけた親ガエル、

ナガレヒキガエル

ナガレヒキガエルの成長を、4月から観察し続けてきたのですが、オタマジャクシの時は暫く大きな変化がなく、両手が生え始めると、なんと3日くらいで急変態をして、あっという間に上陸、そして森に消えていく事が分かりました。

謎の多いナガレヒキガエル、悩まされ、振り回され、しかし、楽しませてくれました。

来年は何としても謎の繁殖行動をスクープしてみます。

そして、並行して観察を続けていた、アカハライモリの繁殖、産卵場の特定に四苦八苦しましたが、お腹の大きな雌イモリが集まっている場所を発見、産卵期の後半にやっと卵を見つける事ができました。

アカハライモリ雌

これがイモリの卵で、初期のステージです。

産みたてはグレーですが、細胞分裂で白くなっています。

高校生の時、生物の教科書にこんなの載っていましたよね。

アカハライモリ卵①

そして、最後のステージ、孵化寸前の卵、鰓と眼球が確認できます。

アカハライモリ卵②

幼生です。

この子を探すのに一番悩まされました。

なぜか、産卵場ではなく、足元の水溜りで発見しました。(笑)

アカハライモリ幼生

最後に渓流で撮影中に、淡水写真家の内山りゅうさんとバッタリ、りゅうさんもナガレヒキガエルの撮影で来られていて、カエルの謎をいろいろ教えて頂き、感謝感激でした!!

しかも、我が豪海倶楽部部長の雄輔さんと親しいということで、ほんと、嬉しかったです。

内山りゅうさんと

今回もかなり長くなってしまいましたが、大自然の魅力いっぱいの尾鷲で、皆さんのお越しをお待ちしております。

変態が始まりましたよ♪

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

今月も子育てネタから、お付き合い下さいませ。

最近2才になる息子が、帰宅すると、

「お父ちゃん、竜宮城に行ってきたの?」

と、しつこく聞いてくるようになりました。

「桃色サンゴを見てきたよ!」

と答えると、

「サメにいじめられた?」

と言うので、この子は、きっとYouTubeで観た、泳げたいやきくんの世界を想像しているのだろうと思い、とても癒される今日この頃です。

さて、リアルな世界の海は、水温が20℃になり生物たちも活発になっています。

水温の上昇、初夏が近づいてくると、イトヒキベラのフラッシングが目を引くようになります。

雄の体色がメタリックに輝き、一瞬だけ各ひれを広げて大きく見せようとします。闘争、求愛のディスプレイ行動。先週あたりから、凄く綺麗に泳いでいるので、1枚目のネタに使わせて頂きました。

イトヒキベラ

次は昨年より1ヶ月近く早く確認できた、ホシノハゼの卵保護、一週間前は無かったので、この一週間で一気に産卵が始まったようです。

よく見ると卵の色が二色になっていて、二回に分けて産んでいるのが確認できます。

ホシノハゼの卵保護

そして、ハッチアウトも始まりました。

ホシノハゼの孵化

通常だと2サイクルほど、産卵を繰り返し、その空き家にクツワハゼが産卵を始めます。

しかし、3日後に確認しに行ったら、なんと、ナガサキスズメダイに占領されていて、厳しい競争社会を垣間見ました。

そして、初夏の人気者、ネコザメの幼魚も姿を現しました。

体長が20センチくらいで、多い日だと1ダイブで10個体に、出会えたこともあります。

毎年、5月頃にゴロタ石の奥に産卵して、1年後の今頃に孵化します。通常は6〜7月がピークですが、昨年はなぜか冬場も観察できていました。これだけ高遭遇率なポイントは珍しいのではと思います。

ネコザメの幼魚

次にGW中はカメラ派のゲスト様に大人気だった、シムラ様こと、フィコカリスシムランス。

かれこれ2ヶ月もの間、ダイバーの目を悩ませて、いや楽しませてくれています。

この雌個体、大きさも7mmくらいにプクプクと成長して、人慣れもして、いろんな撮影が楽しめています。

フィコカリスシムランスのの雌

そして、その女王様を取り囲むように、雄が2個体確認できています。

この子たちは、泳ぎ回るのと、2mmくらいなので気を抜けません。

探せばまだまだ出てきそうなので、眼に自信のある方は、ぜひ探しに来て下さい。

フィコカリスシムランスの雄

最後に尾鷲湾に注ぎ込む清流、銚子川の情報です。

準絶滅危惧種ナガレヒキガエルの幼生オタマジャクシ、まだまだ観察ができています。

渓流の大きなゴロタ石にびっしりと、特殊な吸盤型の口で吸い付いています。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

この1ヶ月で成長を続けて、上陸しかけている個体もいます。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

そして、よーく見ると、かわいい後ろ足がピョコンと出ています。

そうです、6月号のタイトルである変態が始まりました。

この変態という言葉、実はこの原稿を作っている時、ワープロソフトの誤変換ではと、かなり不安を感じてデジタル大辞泉で調べてみると、

  1. 形や状態を変えること
  2. 普通の状態と違うこと
  3. 性的倒錯があり、性行動が普通とは変わっている状態
  4. 動物で、幼生から生体になる過程で形態を変えること
  5. 植物で、根・茎・葉などが本来の形から変化
  6. 同じ化学組成で物理的性質の異なる物質の状態

日常生活では、3の意味合いでよく使われますが、今回は4の理科用語ということで安心しました。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

3月末を最後に、姿を見かけることが無かった親カエル、やっと再会することができました。

今回は念願の水中です!!

ナガレヒキガエルの雄は、容姿に似合わない、「クー、クー」と、超かわいい声で鳴きます。

ナガレヒキガエルの雄

そして、こちらも準絶滅危惧種に指定されている、最近見つけた、アカハライモリのパラダイスの様子。

婚姻色で尾がブルーに輝き、とても美しい雄個体です。

アカハライモリ

このイモリパラダイス、小さな水溜まりに、若い個体がひしめき合っています。

こんな水溜りが無数に広がっていて、銚子川に残る自然の豊かさを再確認しました。

アカハライモリ

ついつい、お伝えしたい事が沢山ありすぎて、長々と書いてしまい、すみません。

こんなネタいっぱいの尾鷲に、ぜひぜひ遊びにお越し下さいませ。

カエルの歌が聞こえてくるよ♪

尾鷲から伊藤が東紀州の旬の情報をお届け致します!

この春から、うさぎ組になった二才の息子、お風呂に入ると、カエルの歌を繰り返し歌ってくれます。

今どきの曲ではパプリカもお気に入りのようで、4歳の姉とダンスしながら披露してくれて、可愛くて仕方ないです。

水中生物の成長以上に、子育ては毎日が驚きの連続です。

そして、尾鷲湾に注ぎ込む銚子川で、自然界のパワフルさを感じさせる驚きの光景を目の当たりにしました。まずは、この写真をご覧下さい。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

真っ黒にゴロタ石を埋め尽くす物体、ナガレヒキガエルのオタマジャクシです。

流れの早い渓流で、特徴である吸盤状の口で岩に吸い付いています。

続いて滝壺に集まるオタマたち、流れの緩やかな場所で過ごせば良いのに、あえて激流に向かっていく謎の行動は、本能という性なのか。

ナガレヒキガエルのオタマジャクシ

ちなみに、先月号でもご紹介しましたが、この子が準絶滅危惧種のナガレヒキガエルです。渓流沿いの森で暮らします。

ナガレヒキガエル

そして、海でもカエルの子供たちが元気に賑わせてくれています。クマドリ、イロ、オオモンの幼魚たちです。

クマドリカエルアンコウ
イロカエルアンコウ
オオモンカエルアンコウ

この1年間はカエルアンコウが超不作だったので、やっと現れてホッとしています。

そして、3月に現れたフィコカリスシムランス、抱卵中で水深8mの定位置から動かず、ダイバー慣れして、撮影し易くなっていますよ。

フィコカリスシムランス

次に超大物も出ました。体長が2m以上あるミナミハンドウイルカです。

ミナミハンドウイルカ

実は1年前から尾鷲湾に住み着き、作業ダイバーたちには知られていたのですが、最近はダイバーに近寄ってくるようになりました。

地元、三重大学の鯨類研究者によると、御蔵島から来遊してきた個体らしく、この子のような個体は、全国各地で確認されているようです。

ミナミハンドウイルカ

最後にもう散ってしまいましたが、美しいソメイヨシノと銚子川を半水面で撮ってみました。

今年は冷え込んで4月中旬まで楽しませてくれました。

ソメイヨシノ

GWは意外と空いています、ぜひ、ネタいっぱいの尾鷲に遊びにお越し下さいませ!!

アンデルセンの童話を連想してしまった

皆さん、こんにちは! 尾鷲から伊藤が東紀州の旬な情報をお届けします。

今月は華麗なお姫様と、ヒキガエルの話題です。

毎晩、4歳の娘に絵本の読み聞かせをねだられるのですが、昨夜は、何十年ぶりかに見た「おやゆび姫」の絵本でした。

あー、こんな童話あったなー、と読み進めると、嫌いなカエルに誘拐されて、お嫁さんに・・・。こんな悲しい内容だったの?!と、衝撃を受けました。

そして、本題に戻します。

絵本の内容とは少し変わりますが、尾鷲ではフィコカリスシムランスと、ナガレヒキガエルに注目です。

春が近づいて小さな生物たちで賑やかになっている藻場では、熱帯系のエビ、フィコカリスシムランスが登場しました。シムランスお姫様と呼びたくなる華麗な美しさです。

しかも、お尻のモジャモジャを、よーく見ると抱卵しているように見えます。もし、そうだとしたら、まだ他の個体が居る可能性ありそうです。

フィコカリスシムランス

紀伊半島の西側、串本では数年前から見つかって人気を博していますが、東側では超レアです。

なぜか、今シーズンは串本側で全く現れず、尾鷲で出現するとは、とても興味深いことです。2年前にも同じ場所で現れているので、気をつけて探してみますね。

そして、世界最小のイカ、ヒメイカもこの時期だけ藻場に現れます。個人的にも大好きな生物の一つです。

背中に吸着器を備えていて、海藻にピタッとくっつきます。イカの魅力でもある色素胞がなんとも美しいですよねー。

尾鷲では個体数がとても少なく、繁殖の様子を見たことがありません。この春は何としても狙っていきたいです。

ヒメイカ

次に日本有数の透視度を誇る、銚子川からの話題です。

こちらも、春のおとづれを告げる動きをキャッチ、準絶滅危惧種のナガレヒキガエルが冬眠から目を覚ましました。

両生類が苦手な方は、ごめんなさい。

ナガレヒキガエル

近畿と北陸の限られた森林と渓流で暮らす、とても珍しいヒキガエルです。世界的に見ても、このような場所に生息するカエルは殆どないそうです。

流れの激しい渓流を住処とするので、後ろ足が長く、水かきも大きくなっています。

また、他のカエルとの分かりやすい見分け方は、丸い鼓膜の存在が分からない点です。

外見からは想像もつかない、可愛らしい鳴き声を発して、クックックと森の中に響き渡ります。

ナガレヒキガエル

4月になると他のカエルより、ひと足早い繁殖を迎え、静かな渓流では、生存競争をかけたドラマが繰り広げられます。

最後に我らが豪海倶楽部の部長である、雄輔さんが、奥様のスージーさん、愛犬サンノジちゃんと一緒に、尾鷲シードリームに激励訪問されました。

お忙しい中、本当にありがとうございました。また、3年間の串本フォトコン審査員、お疲れ様でした。

吉野雄輔さんと

それでは、アンデルセンの童話を連想せずには居られない尾鷲から、皆様のお越しをお待ちしております。

銚子川の桜が見頃です

皆さん、こんにちは! 尾鷲から伊藤が東紀州の旬な情報をお伝えします。

2月末現在、尾鷲市の隣町に位置する、紀北町を流れる銚子川の河津桜が満開を迎えています。

河津桜

そして、すっかり有名になったユラユラ帯こと、銚子川の汽水域です。

冬場は水量が減って、透視度が絶好調になります。まるで宇宙船から見た成層圏のように見える箇所が、ハロクラインと呼ばれる塩分躍層で、表層の青く薄い部分が淡水、下が全て海水です。

銚子川ゆらゆら帯

そして、海のお花畑も満開です。ブーケ風にフィッシュアイで撮ってみました。

撮る箇所や角度で様々なブーケ作りが楽しめるので、お好みのブーケを探してみて下さい。

魚礁のソフトコーラル
魚礁のソフトコーラル

この時期は例年ですと、サビハゼの繁殖を追っていますが、異例の超高水温の影響なのか現れず、ヒメギンポを追ってみました。

婚姻色で顔が黒いのが雄、雌が産卵した場所に放精している様子です。

垂直で日陰で広い板状の岩に生える海藻を好んで産み付けます。

ヒメギンポの産卵

こちらが産みたての卵です。

背景と同色なので分かり難く、肉眼では全く見えなくて、SMC-1で探しました。

すでに発眼しているような物体も見えるのですが、この時点では、卵なのか半信半疑です。

ヒメギンポの卵 1日目

こちらが1週間後の様子、発眼がはっきりと確認できて、卵であることを確信。

ヒメギンポの卵 1週目

2週間後、発眼した卵がたくさん確認できます。

ヒメギンポの卵 2週目

その間、雄は卵守りをしているのですが、顔の色が黒から青っぽくなっています。

ヒメギンポの卵守り

そして、最後に、豪海倶楽部でご一緒させて頂いています、上田さんのお店ダイブクーザさんで、写真家の鍵井さんを審査員に招いてKAGII CUPが開催されて、尾鷲チームで出場させて頂きました。

楽しいひと時をありがとうございました。

カギイカップ in ダイブクーザさん

それでは、春が近づく東紀州の海でお待ちしております。

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