南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

羽衣伝説!?

今、この原稿を書いているのは西表島。毎年タイの海が暇になる時期に休暇がてら他の海を潜り歩いている。ショップは豪海仲間の佐々木要さん率いるダイブラティークだ。

何度も西表島にリピートするのは、要さんのショップが居心地が良いのはもちろん、西表島というスケールの大きな大自然にハマってしまったから。ダイナミックな外洋、半端なくお見事なサンゴ礁、そして汽水域から渓流など、ポイントのバリエーションがてんこ盛りで、それぞれの 場所で全く違う世界を見せてくれる。


撮影地:西表島

図鑑で見て一目惚れしたハゴロモハゼ。美しい魚には美しい名前が命名されるものだ。いつか見たいなぁ・・・と思い続けてきた。日本では西表島や奄美大島で見れ、内湾の奥のほうのマングローブの生い茂る汽水域の浅瀬に生息している。最大深度が1mというちょっと特殊なダイビングとなる。

ガイドとして自分のフィールドを持っている僕は、他の海を潜る時にどうしても我が海と比較してしまう。環境が変わると水中の景観も見れる種もダイブスタイルも何もかもがぜんぜん違うので、楽しいことはもちろんだが、我が海を見つめなおすために非常に参考になるからだ。

実は今回の西表滞在で僕がこだわったのがハゴロモハゼ。実はタイでは見ていない。タイでもマレー半島本土の河口域なら同種や近似種がいる可能性はあるが、我がショップが普段潜る環境には適合しないようだ。しかし、タオ島でハゴロモハゼ属の仲間のMyersina crocata(2008年10月号の豪海倶楽部で軽く紹介している)が見れる。これまためちゃくちゃレアで美しいハゼなのだが、それをを紹介するためには本家のハゴロモハゼを 見ておかないと説得力ないからね。

これから西表に行く人は是非とも本家ハゴロモハゼを。そしてタオ島に来る人はハゴロモハゼの仲間をリクエストして下さいね。それぞれビックリするほど綺麗ですよ〜。

ちなみに、“ハゴロモ”=“羽衣”ということだが昔話の羽衣伝説といえば静岡県の三保の海岸が舞台という。まさしく豪海倶楽部の鉄さんのフィールドなのだ。そして、三保の海にもまた違うハゴロモハゼの仲間がいると言う・・・。

羽衣伝説を追い求めて三保に行くので、その時は鉄さんよろしくお願いしますね。


大村
大村 健
(おおむら・たけし)

1973年、京都生まれ

18歳で大学のクラブでダイビングを始め、その後、バックパックを背負って海を潜り歩く旅を経て、20歳の頃に秘境・タオ島に出会う。以後、徐々に発展してきた島とともにダイビングにのめり込んで今に至る。現在、タイの2つの海を舞台に、海のポテンシャルをフルに引き出すべく精力的に潜り倒す日々を送っている。

タイ・タオ島 カオラック

Big Blue Diving

タオ島店
17/18 Moo 1, Koh Tao,
Suratthani 84280, Thailand
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カオラック店
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