ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

伊豆は海藻の宝庫

皆さんお久しぶりです、新装開店の「豪海倶楽部」共々これからも末永くよろしくお願いしますね。さて今月のネタを何にしようかと色々思い悩んだ結果、やはり自分がフィールドにしている伊豆半島の魅力というか他には無い特徴を再度見つめ直してみようということになり、更に色々考えた末何故か海藻をご紹介することになりました。

伊豆はご存知のように温帯海域に属しますので沖縄や海外のようにキレイなサンゴはまずありません(あってもごく限られています)。透明度は良いときもありますが平均すればはっきり言って悪いです。水温だって一時期を除けば結構寒いですからダイバーにとっては決して快適とは言えません。そして春から秋にかけては岩場の海底は浅場から水深25〜30m位までほぼ一面海藻に覆われてしまいます。

この海藻、写真撮ってる時とかに今まさにシャッター押そうという瞬間に限って被写体の前にペロンと覆い被さったり、海藻が波に揺られるのを見ただけで波酔いしてしまったりと厄介なことこの上ない代物で毛嫌いする方も多いのですが、でもちょっと視点を変えて考えてみましょう。伊豆などに代表される温帯の海が、サンゴ礁では感じにくい四季を通じての海中景観の変化を感じることが出来るのも、海藻の発芽→成長→枯死の過程に因るところが大きいのではないでしょうか。また生まれて間もない小魚たちの隠れ家になったり、生物が生きていくために最も重要な酸素を海中に供給してくれるのもこの海藻であることを忘れてはいけませんね。おっと話が理屈っぽくなってきました、この辺で止めときましょう。ではそんな海藻の中からどこにでも生えててしかもキレイなものを幾つかご紹介します。

カギイバラノリ:単独でいることはあまりなく、大抵はホンダワラ類など他の海藻に絡みつくようにしています。根元から葉先に掛けての色のグラデーションが見事で、表面のテカテカも美しさを引き立たせるのに一役買っているようです。

カギケノリ:全体像は杉の木を思わせる円錐形に近い格好をしていて写真はその葉先の部分です。このフサフサ感が何とも気持ちよさそうで思わずナデナデしたくなります。


アヤニシキ:とても同じ海藻とは思えませんが上は着生後間もない若いもので下はほぼ成長しきった状態です。成長と共に葉先から徐々に網目状になっていきます。

シワヤハズ:このモスグリーンも微妙な色合いですよね、葉っぱの両側の皺が餃子のヒダヒダみたいでしょう。

いかがですか皆さん、色や形も様々ですし意外と美しくて見栄えがするでしょう? 1DIVE海藻ウォッチングしましょうとは言いません、ついででいいです。いつもは素通りする行き帰りの道中、ちょっとだけ立ち止まって眺めてみてください。ダイバーじゃない方も海に遊びに行った時に、磯や砂浜に打ち上げられた海藻を拾ってみましょう。新しい発見がありますよ。


横田
横田 雅臣

1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身

ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。

伊豆半島・伊豆海洋公園

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