八ック謎ナゾ生命体 豪海倶楽部  

サーファーの行き先

今年もついに最終月になりました。

11月の今年最後の連休前から寒波の影響で全国的に冷え込みましたが、皆さんは元気に潜っていらっしゃったのでしょうか? 八丈島でも、5mmウェットスーツ姿は見かけなくなり、ダイバーそのものの来島者数も減ってきました。空港へ行くと、飛行機から降りてくる人たちは、釣り人やサーファーの割合が増えてきます。

海へ行っても、海岸線のあちこちで釣り人の姿を目にします。

ところが、空港では大勢のサーファーを見かけるのに、海では全く波乗りしている人を見かけません。「一体、あの人たちは、どこでサーフィンをしているんですか??」と、よく尋ねられます。

私は全くサーフィンとは縁のない人生を送ってきたので全然知らなかったのですが、八丈島はサーファーの間では、それなりに知られた場所なんだそうです。でも、サーフィンができる場所はたった1カ所。島に来た全てのサーファーがそこへ集います。

それは、八丈島の南にある末吉地区の洞輪沢(ぼらざわ)という所。ダイバーは(特にレグルスは)あまり行かないウロウ根というボートポイントの近くです。レグルスからだと、車で片道30分くらい。島内のどこへ行くにも10分程度しかかからないので、これはかなり遠い、と感じる距離です。実は島に来て9年も経つというのに、まだ1度もサーファーが波に乗っているところを見たことがなかったので、先日遠出してきました。

私達がダイビングへ行くときに駐車する末吉漁港からさらに奥へ入り、岸壁を伝う細い道が行き止まりになったところに、たくさんの車が停めてありました。道理で、ウロウ根に潜りに来ても、サーファーの姿が見えないわけです。

大きな石がゴロゴロと転がる海岸に腰を下ろすと、ちょうど目の前にウロウ根が見えます。その手前の波間に、たくさんのサーファー。

波に乗る瞬間を撮ろうと、カメラを構えて待ちました。

しかし…、待てど暮らせど、誰も立ち上がらない。。。
みんな板の上に寝転がったまま、波に揺られているだけ。

これじゃ、夏の底土海岸でゴムボートに寝転がって遊んでいる子供たちと同じじゃないのか? 今の時期にそんなことしていて、寒くないのか?? だんだんカメラを持っている手が痛くなってきました。

あたしは、サーフィンには向かないな…きっと。

実は、その日の午前中、私は神湊(かみなと)へ泥ハゼを撮りに潜っていたのでした。

カスリハゼとカスリハゼ属の1種。両者よく似ていますが、識別の決め手になるのは背ビレと尻ビレの模様。しかし、巣穴の縁に寝そべったままで、なかなかヒレが立ち上がらない。巣穴の前でカメラを構えたまま、ただひたすら待ち続け、潜水時間は100分になってしまいました。

立たないヒレと、立ち上がらないサーファー。
今日の撮影は、海も陸も、待ち時間が長いなあ。
でも、どちらも立ってくれないと絵になりません。

好き勝手なことを言っていますが、八丈の波は高いだけでなくパワーがあるので、ベテランの方でないと相当難しい上級者ポイントなのだそうです。見ている間に、よく立てる人とそうでない人、立つ場所、立つ直前のポーズなどがわかるようになってきました。魚もサーファーも撮影前の観察が大事だってことですね。

そして、せっかく立ち上がっても数枚しか撮れないのも同じ。
代わりにサーフボードが立っていました。

レギュレーター無しじゃ、溺れちゃいそうです。

少なくとも、この日のウロウ根はダイビングができる海況ではありませんでした。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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