八ック謎ナゾ生命体 豪海倶楽部  

八丈島の滝

「滝」と言われて思いつくのは、私の場合日光の「華厳の滝」でしょうか。

中学、高校時代を都内で過ごしたため、移動教室や家族旅行で何度か訪れた記憶があります。ただ川が流れているだけだと何とも思わないかも知れないのに、その途中に大きな段差があると「滝」という特別な場所になり、多くの人を集める力が生まれるのは、どうしてなんでしょうね? 特に段差が大きく、水量が豊富だと、敬虔な場所のように感じます。

八丈島にも、いくつか滝があります。
つまり、川が流れているってことですね。

八丈島はとても水に恵まれた島で、「水不足」とか「節水」などの言葉は、ほとんど聞いたことがありません。もともと雨が多く、梅雨の時期になると雨が途切れることがありません。それでも洪水になったり河川が氾濫したりしないのは、雨水がどんどん地中に浸み込んでいってしまうから。ですから、川も途中で途切れてなくなっているところがあります。途中で地下に入っていってしまうのです。で、また少し離れた場所から地表に出て流れ出します。地下水がたっぷりあるので、湧き水も豊富。昔の島の人は、雨水をためるだけでなく、その湧き水を汲んで生活していたようです。

そんな、途中で地中に消えてしまうような川が作る滝ですから、八丈島の滝はいつも見られるとは限りません。珍しく雨のない日が続いた時に行くと、ただの崖しか見られないかも。

よく八丈島のトレッキングコースとして紹介されているのが「唐滝」。

幸い、私が訪れた時は、たっぷり雨が降ったあとの晴天でした。道端には赤や青のトンボが飛び回り、彼岸花がところどころに咲いていました。

途中までは畑や家が並ぶ、比較的整備された道のりなのですが、だんだん山の中へ分け入り、藪で覆われた泥道になっていきます。気軽にハイキング、というには少々大変な道のりを30分ほど。これ、帰り道迷わないかしら??と心配になってきたところで、ようやく目の前が開けました。

何か、魚とかいないのかしら…?と目を凝らすと、こんな生き物がチョロチョロしているのが見えました。こんなことなら、ハウジングも持ってくれば良かった! おたまじゃくしのように見えますが、サンショウウオじゃないだろうか?と言われました。ちょっと調べただけでも、サンショウウオっていっぱい種類があるんですね。中には天然記念物に指定されているものや絶滅危惧種も少なくないようで。今度、もうちょっとマシな写真を撮って、種名を調べてみようっと。

「唐滝」を見に行くのはちょっと大変そうだ…と思われている方には、
「裏見が滝」がお勧めです。

「裏見が滝温泉」の向かい側から山の中へ入っていくのですが、道も悪くないし、歩く距離も数分程度。遊歩道が流れ落ちる滝の内側を通っていて、滝を裏側から見ることができるので「裏見」。

「恨み」ではありません、とわざわざ但し書きの看板が立っています。

どちらの滝も訪れる観光客は少ないらしく、ひっそりとしています。
一人静かに物思いに耽りたい時、行ってみてはいかがでしょうか?


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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