ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ピーチク・パーチク・スズメの子

もともとレグルスにはスズメダイ好きのゲストが多い。多分、親方がスズメダイ好きなので、類呼友でそうなったのだろう。このスズメダイ好きダイバーは、概して「スズメダイにはまっている」人が多い。

いったん好きになっちゃうと、ものすごーく好きって感じかな。

しかし、世間一般的に考えると、スズメダイ好きダイバーというのは、どの位いるもんなんだろう? 私が昔一緒に潜っていた友達は「相変わらずレグルスではスズメダイとか見てんの?」と鼻で笑う。私もそうだったけど、スズメダイというのは所詮スズメダイで、何スズメなのかなんて考えたことも無い人の方が多いんじゃなかろうか?

不人気の理由を考えると、一つは、よく目につくスズメダイの成魚が、大きくて地味だからだ。もし、スズメダイのオスが、せめて繁殖の時期にギラギラと輝く婚姻色にでもなってくれれば、もう少し地位が向上していただろうに。あるいは地味でもいいから、成魚になっても極小サイズのままか、何かに擬態してとても見つけにくい外見だったら…。せめて深場にいるのだけでも派手な色彩をしているか。あるいは、逆にツバメウオくらい巨大だったら…。

二つ目の理由は、きっとレアじゃないからだ。本当はレアな種類もいるのに、そんなものの存在を知る以前に、溢れる程のスズメダイに出会ってしまう。あまりにも大量にいると、なぜがダイバーってその存在にさえ気が付いてくれない。

ヒレグロスズメダイなんて、八丈では年がら年中たくさん見られるんだけど、暗がりにいるもんだから「暗がりにたくさんいる小さい魚達」の中の1種になりがち。成魚になっても小さくて可愛いんだけど、この可憐なリボン状の尾ビレまでゆっくり鑑賞できるほど優雅に振舞ってくれない。

そして三つ目の理由は、せっかく小さくて美しくて可愛いのに、ピョッピョコ・ピョッピョコと動くからだ。物陰や窪みに隠れるタイプは最悪で、こちらが「あ…」と思っただけで引っ込んでしまう。引っ込んでも良いから、せめてコケギンポ達みたいに顔だけでも見せてくれればゲストに楽しんでもらえるのに。逆に隠れないタイプは挑発的で、正面から挑んでくるのが多い。これはこれで写真が撮りにくく、全然ピントなんか合いやしない。もうちょっと、横を向いてくれないもんだろうか?

初春になると、海の中に溢れんばかりに姿を現すアマミスズメダイもその一つ。あっちこっちでピョッピョコ・ピョッピョコ。あら、きれい!と寄っていくとピョコッと隠れる

まあ、これだけ不人気の要素を抱えているだけに、それらの難関を乗り越えて好きになっちゃった人は深みにはまりやすいんでしょうね。

しかも、スズメダイって普通種のくせに、いや普通種だからこそ、はまったら出られないほど奥が深いんですよ〜。

例えば、このスズメダイは何でしょう?

「どうせ、なんかのスズメダイの幼魚でしょ!?」

正解!!

じゃなくて、もうちょっと考えてみてください。図鑑と照らし合わせても、きっと当たらないと思いますよ。いや、もしかしたら、まだ誰も答えなんてわからないのかも。

「もしや、これかも!?」と思うのがありましたら、掲示板に書き込んでくださいね!


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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