南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

ペリリューのギンガメアジ

最近ちょっと体を絞っている。この夏沖縄周遊をして美味しいものばかり食べていたらあっという間に体重が70kgになってしまった。筋肉を落とさないようにしながら脂肪だけ削るっていうのはなかなか難しいんですね。正しく落とすプランを友達の栄養士さんに作ってもらいました。増えるときには急なのに、落とすとき急に落としてはダメなんですって。食べながらゆっくり落とす、大体1ヶ月に2kg〜3kgが望ましいそう。2ヶ月かけて4kg落としたものの目標は63kgなのであと3kg。毎日カロリー表をつけながらゲーム感覚で楽しんでやっています。決して健康オタクではないですよ。で、そんな理由から最近の僕のブームは「朝粥」。朝はしっかり食べたい人なので これはいいです。消化もいいし胃にもやさしい。僕はよくお酒も飲むのでこの朝食は朝の弱った胃にもキツくないしね。12月の寒い朝、暖かい粥に梅干を落としてフーフーしながらいただく朝の小さな幸せ。どう?いい感じでしょ?

そんな温かいものが嬉しい季節になってきましたが、12月でも寒くもなんともないパラオでこの冬、僕はペリリュー島へ島流しになります。来年GWまでの期間限定でステーションブランチを立ち上げることになり、11月から現地で生活を始めています。ペリリュー島に住んで驚いたのは その「田舎」さ。覚悟はしていたけれどここまで来るとほとんど自給自足状態。すべてを自分たちで何とかしなくてはなりません。村に小さな商店はあるけれど、売っているのはお米と缶詰とソーダだけ。野菜に関しては玉ねぎのみ。食料に関しては全てコロールベースからの仕送りが頼みの綱。お客さんとして遊びに来るのはいいけど、スタッフとして生活するのはかなり大変・・・。

でもね、そんなペリリューですが海はなかなか面白いです。先日ポイント調査を兼ねて“とあるポイント”を潜りました。ここは以前からギンガメアジがいると話には聞いていましたが「ギンガメなんてブルーコーナーでみられるじゃん」と、タカをくくっていました。と・こ・ろ・が。入ってみたらその数の多さにビックリ。ブルーコーナーの、あのギンガメアジの大きな群れだって2000はいます。2000の群れだって凄いですよ。でもね、あんなもんじゃないですよ。ブルーコーナークラスの群れの2倍から3倍、大体4000〜6000匹くらいはいると思います。冗談でもお世辞でもないです。こんなでかいギンガメの群れはシャークシティーでも見たことないですから。とにかく凄いですって。今のところ、4回入って4回とも同じタイミング、同じ場所で見られているので、偶然じゃなく定番ネタだと思います。

この群れと会える時は決まっていて、潮の方向が北から流れるときだけのようです。逆の流れの時入っても、どこかに行っちゃって居ません。どこに行っているのか? は、まだ勉強不足なので分りません。近いうち調べておきます。もしかすると深場にいるのかも知れません。この大群への遭遇はダイビング中、ほとんどがリーフエッジにいます。水深は少し深めの25〜30m。コーナーサイズの群れの2倍ほど。この群れの浅場や前線には偵察隊の役目らしきギンガメがバラつきながら数匹います。この偵察隊を見つけるのがこの群れを見つけるコツ。こいつを見つけられれば、この群れの位置を把握したも同然。その下には4000のギンガメが待っています。4000の大群は別に逃げるわけでもなく僕らの回りに居てくれます。きっとあまりダイバー慣れしていないのでしょう。時々数百の固体がグワーッっと寄ってきてはきびすを返して群れに戻っていく行動をとります。モビングのつもりかな。その群れを離れて潮の流れに沿って進むとバラけながらも後から後からギンガメが帯のようになって続きます。その時間およそ5分間。もちろん、流れの速さによっても見ていられる時間は違います。そのうち、このギンガメの川を見ていると心配になってきます。「まだいるのかな?まだ出てくるのかな?」って。(笑) 出てくるのは大歓迎なのですが、その規模と量が僕の常識を遥かに超えているので驚き余って心配になっちゃうんですね。

ただ、この場所とて全てがパーフェクトな訳ではなく、常に流れのあるリーフエッジに群れが沿うように集まるので、群れがバラけたようになっていることが多く写真は撮りにくい場合があります。あと、水深が深いし、見下ろしながらの撮影が多くなるので露出が撮りにくいため僕はいつもベルビア100を200に1プッシュ(増感)して使っています。それでも晴天のときでf5.6の1/60くらいだと思います。天気が悪い日、僕は露出が取れずに撮影を止めていたら一緒に潜っていた友達のデジカメ一眼はピカピカストロボが光っていました。まぁ、デジカメは水中でISO感度設定を変えられるからね。と、ちょっと羨ましくなりました。

そんな風に何もないパラオの田舎で、スレていないギンガメアジの群れを相手に日々窒素を溜める毎日を送っています。


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

ミクロネシア・パラオ

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