ゆうすけの豪海倶楽部The Diving Junky Magazine

謹賀新年 フリソデエビ

新年と言えば、晴れ着を着る機会が多く、特に初詣や成人式では、振り袖を着た華やかな若者(爺臭い言い方ですねぇ)の姿をイメージします。こんな話しは今回の題目の生物の単なる枕で、時節ネタを披露するためのものであありません(笑)

昨年の11月に突如!三保真崎にフリソデエビのペアが出現しました。見つけたのは、私ではありませんが、情報を聞いて周辺を散策し、目に飛び込んできた情景は、驚きや感動を通り越して「異常」にすら感じました。

とは言え、もともとフリソデエビの命名に至ったサンプルの個体は、どうやら三保産という話しもあり、もしかすると、単に今まで気がついていなかっただけで、居たのかも知れないですねと、地元ダイバーと話しをしていました。この記事を書いている、急速に水温が低下し14度台になった12月下旬でも、元気にイトマキヒトデを食べていましたので、意外と寒さに強いようです。

発見されて1か月以上が経過しておりますが、似たような環境の半径5mくらいのエリアを移動しているようです。

12月の前半は、露出している事が多かったせいか、発見し易かったのですが、水温が18度を割った辺りから、本来の引き蘢り度が増して、そのエリアに行っても、見過ごしてしまうこともありました。

その周辺には、トガリモエビ、アカスジカクレエビ、少し離れた所には、ハクセンエビも見つかりました。

今まで、あまりクローズアップされていなかったエリアだったので、いきなり注目度が高まり、ダイバーの吐き出す泡が多くなったことで、エキジットすると釣り人に、あそこに何かいるの?と聞かれる事が増えました。昨年の秋は、季節来遊する生物が少ないとの嘆きもありましたが、このプレゼントは三保に訪れるダイバーを笑顔にしてくれております。

画像は、三保真崎海岸のエントリーポイントから臨む富士山。

三保真崎海岸のエントリーポイントから臨む富士山

フリソデエビのペアを捜している時に、偶然見つけたオトヒメエビのペア。

オトヒメエビのペア

三保で絶対に見たい!という念願が適ったフリソデエビのペアです。

フリソデエビのペア

追伸

長らくお世話になった豪海倶楽部の「海辺のエッセイ」ですが、今月号を持ちまして筆をおきます。

今まで、沢山のみなさまに、豪海倶楽部を通じて、交流が持てたことは、私の財産となっております。

気が向いたら、屋久島・知床・小笠原と並ぶ、日本4大世界遺産、ダイビングポイント「三保真崎」へとお運び下さい。

更に、気の利いた方は、私をガイドにご指名下さい。(笑)

ありがとうございました。

第八話 アユ 後段

禁漁期間も終わり、満を持して川に出かけると、あろうことか!?昨年まで表示されていた禁漁期間が1か月も延長されていました。

確かに、この期間であれば、確実に産卵は終了していて、先月に危惧していた状況は解消されると思いますが、川に入れないのも困ります。

もちろん「禁漁区」な訳ですから、エリア外であれば、立ち入りや釣りも可能だと思いますが、かなり厄介には厄介な状態には違いありません。

禁漁区

その近辺の川床をチェックしてみると、とても産卵をするような環境ではありません。そこから、上流を目指して、ところどころで川床をチェックしましたが、一向に川荒れの状態は解消しません。途中の溜まりに顔をつけると、300ほどのアユが群れていました。

しかし、そこで行われていたのは、まだ小規模な産卵にとどまっていて、画像のような派手な状態ではありませんでした。

アユの群れ

この原稿が公開される頃には、動画のような状態になっている事を願います。

第八話 アユ 中段

私が通っている「興津川」は、毎年10/10〜11/15が禁漁期間になり、現在は川に立ち入れない状態です。

釣らないからいぃぢゃん!?って訳ではなく、まぁそこは禁漁の行間を読んで、産卵の準備を邪魔しない姿勢をとりたいと考えています。

11月下旬から産卵がピークになるのに、何でこの時期が禁漁なのか?疑問に感じますが、もしかすると、この期間が設定された当時は、この時期に産卵が行われていたのかも知れません。

観察を開始した10年前は、確かに11月中旬には産卵がピークだった事を考えれば、その可能性も疑えますね。

この禁漁期間を過ぎると、産卵期に集まるアユをギャング釣り(引っかけ針で釣り上げる方法)で獲り、オスは焼き浸しで、子持ちのメスは七輪で塩焼きにされ、熱燗で一杯やりながら釣りを楽しむ人で、河原は賑わいます...これって、ダイバー目線から、このままで大丈夫なの?って思ってしまいます。

逆に、釣り人から見れば、川に入って撮影している私たちを、産卵床を踏み荒らす不届きものに見えるかも知れませんが、産卵する場所は決まっていますので、卵を産んでいる場所を避けて撮影は出来ますし、極力ストレスを与えないように観察や撮影をしているので、影響は少ないと思いますが、端からはそのように見えないのかなぁ。

今月末、今年も無事に産卵がスタートしてくれる事を祈ります。

川に入って撮影している私たち
川に入って撮影している私たち
アユ

第八話 アユ 前段

台風も何発かかすめて、秋の気配を色濃く感じるようになってきましたね。ここからドライスーツに移行するまでの間は、ダイビングに最適なシーズンではないでしょうか。

昼間も暑くなく、湿気も少なく、心地よい風を感じながらエントリーすると、ジワジワと幸せがこみ上げてくるのは、私だけでしょうか?(笑)

海も良いのですが、あと2か月ほどでアユの産卵がピークを迎えます。それまでの期間はアユのお話しでおつき合い下さい。

夏の間、大型の個体は縄張りを持ち、その場所に繁茂する苔を食み、晩秋に向けて大きくなってゆきます。縄張りを持てないアユたちは、時には群れて小石の苔を漁り、中には果敢に大きな個体の縄張りに突入しては、追っ払われて、を繰り返しています。

冷たい川の水に浸りながら、そんな観察を続けていると、大人になっても夏休みの気分が味わえます。

私は海育ちですから、子どもの頃に川で遊ぶ習慣がありませんでしたが、何故か気持ちが子どもに戻って行くような不思議な感覚になります。きっと、テレビや本等の情報が刷り込まれて、そんな郷愁をおぼえるのでしょうね。

画像は、遡上直前の三保真崎の水深10m付近を群遊するアユの幼魚。2〜3月にイワシやイカナゴ、ナミノハナの仲間など同時に見られますが、特徴があるので、写真を撮れば見分けられます。

アユの幼魚
アユの幼魚

第七話 ミズウオ 後段

ここ、三保半島に打ち上がるミズウオは、良い状態のものは、東海大学海洋科学博物館の学芸員の方が、採取して冷凍保存しています。それは、環境教育に利用されていて、2004年のモントレーで開催された第6回世界水族館会議でも発表されました。

ちなみに、東海大学付属小学校の5年生は、このミズウオを解剖して、胃内容物を調べて、何を食べているのか、それはどの水深で食べられたものなのか?などを、食べられた順番や消化の状態を調べながら追っていきます。そんな素晴らしい授業教材として、利用しています。駿河湾特有な背景を持つこの場所に、教育機関と研究機関が併設してあることで、このような学習プログラムが成立し、インパクトのある取組みが可能になったのです。

もちろん、打ち上がったばかりの生きたミズウオにも、足繁く浜辺に通えば見る事は可能ですし、ダイバーならば1度は、活きの良いミズウオに水中で遭遇したいですね。

まるで吻のないバショウカジキのようなミズウオ
まるで吻のないバショウカジキのようなミズウオ
腰丈ほどの水深で撮影していると、突然左からミズウオが猛然と目の前を泳いでいきました
腰丈ほどの水深で撮影していると、突然左からミズウオが猛然と目の前を泳いでいきました

第七話 ミズウオ 中段

前回は、戻っていった映像をご覧いただきましたが、大半は水中で朽ち果てます。大半...ここ20年ほどのザックりとした感覚ですが、7割のミズウオは、陽の目や鳥の目に晒させることなく、水中で終わりを迎えているように思えます。

そう言う観点からすれば、鳥や人に再利用されるチャンスを得たミズウオは、海以外にも影響を与える機会に恵まれた(この場合は恵んだのかな?)と考えられますね。もっとも、水中でも何らかの形で、海のライフサイクルの一つとして組み込まれている訳ですから、無駄ではありません。

ミズウオをガイドした思い出としては、もちろん偶然の悪戯でしか無かったわけですが、伊藤勝敏さんが撮影に来られた時に、水中で撮影していただく事ができました。

あの時の勝敏さんの喜びようは、今でも鮮明に思い出されます。ワイドを持って海に来ていなかったので、「た、頼む〜!車に24mmが入っているハウジングがあるから、とって来てくれ〜!!」、猛ダッシュで店舗に戻り、無事撮影していただく事ができました。

当時は、まだまだこの魚の遭遇率も低く、レアな深海魚だったので、「一生分の運を使ってしまったかなぁ?」と喜びを通り越して、不安そうになる伊藤カメラマンの複雑な気持ちが、ピュアな子どものようでウケてしまいました。

次回は、この魚の恩恵に関する内容をまとめてみたいと思います。

打ち上げられた瞬間のミズウオ
打ち上げられた瞬間のミズウオ
水中で息絶えたミズウオ
水中で息絶えたミズウオ
骨格標本化したミズウオ(イトマキヒトデ付き)
骨格標本化したミズウオ(イトマキヒトデ付き)

第七話 ミズウオ 前段

特に、深海魚ネタが世間で流行っているから、この手の生物続けている訳ではなく、もともとこのお話しは生物の順番を予定して原稿を書いています。

なので、ちょっと閑話休題とかしちゃうと、季節感がズレてしまいます。そこは、少しご勘弁を願ってお付き合い下さい。

で、今回のミズウオは、冬から春にかけて駿河湾の海岸線に打ち上がる、面白い生態の魚です。図鑑をみると、生息水深は900〜1,500mとあります。季節や環境によって、多少の生息水深の差異はあると思いますが、打ち上げられたミズウオの胃内容物にミツクリエナガチョウチンアンコウやその他の1,000mを超える水深に生息する生物が出てくる事から考えても、かなり深い水深に生息している事がうかがえます。

ミズウオは、食べ物を丸呑みするので、消化されていない状態では、かなり判別がし易いとされております。魚だけでなく、ビニール製品なども飲み込んでいるケースがあり、深い水深にまでゴミが到達している事が示唆されます。

そのミズウオが奇跡的に、深い方へ戻ってゆく動画がありましたので、今回は映像をご覧下さい。

ミズウオ

第六話 チョウチンアンコウ 後段

毎日新聞の全国版に掲載された紙面

写真は、2000年に三保真崎で撮影したチョウチンアンコウが毎日新聞の全国版に掲載された紙面です。大きさは15cmほどで、浮力調整機能に支障をきたした状態で発見されました。あれ?あなたが発見したのでは...と聞かれますが、私ではありません。写真を撮っただけです。

実際、このチョウチンアンコウは、当時ITCプログラムに参加していた講習生がコンファインドウォーターの水面スキルの講習中に見つけたもので、ガイド中に水中で遭遇した訳ではありません。

それでも、こんなトンでもないものが、流れて来てしまう海って、素敵を通り越して、暫くは私にとって、驚異的な存在になり、海に行かないと!症候群になり(笑)、夜中に飛び起きては海に行き、何か出ているのでは?と不安に駆られては海に行き、海に振り回されている時期が続きました。それくらい、衝撃的で夢の魚の登場が、自分のガイドスタイルと三保の海の認識を変化させる転機となったのでした。

第六話 チョウチンアンコウ 中段

提灯の続きですが、お猿のかご屋や鼻提灯など、どちらかと言えば、ユーモラスな使われ方をしているので、必然的に親しみの気持ちが幼少期に刷り込まれ、いつの間にかグロテスクな容姿にも関わらず、SKM(そこもの、あるいは深海モノ)の総選挙においては、常に圧倒的多数の票を獲得し、センターの座を不動のものとしています。(時代劇の後はAKBネタか!?)

いわゆる、SKM界の○島○子と呼べます。(丸の中に田、洋を入れると魚に則したイメージとして楽しめます)チョウチンアンコウが如何に多くの人々に、何故?愛されているかが分かったところで、話しを戻しましょう。

そのチョウチンアンコウは、1,000mを超す深海に生息し、大半の方々が認識している個体は雌です。雄は2cm程度の大きさで、雌に遭遇すると張り付き、そのまま雌の一部となり、これが繁殖行動となるわけです。

こんな奇妙な繁殖をするのは、他の魚類では考えられません。まさに、本来的な意味において、心だけでなく身も雌に捧げてしまうわけです。

いやはや何とも、すごい生態ですね。

チョウチンアンコウ

第六話 チョウチンアンコウ 前段

魚類界(そんな言い方があるとは思えませんが)で、多くの人に、この魚ほど正確に名前を覚えられている種も珍しいと思われるほど、幼稚園の子どもからお年寄りまで良く知られています。

映画「ファインディング・ニモ」の影響で、カクレクマノミは有名になりましたが、それでも2文字足りません(笑)

ジョーズに限っては、あのサメがジョーズという名前だと思っている人が多く、ホホジロザメと答えられる人は、かなりシャーキビリティの高い人だと思われます。余談ですが(この話し自体が既に脱線しています)魚類ではありませんが、イルカを見たら「フリッパー」と言ってしまうと世代がバレてしまうそうです。

さて、チョウチンアンコウの「提灯」は、時代劇などで、旗本のお偉いやバカトノがワザものの刀を手に入れると、どうにも試し切りがしたくなり、辻斬りをする訳ですが、当然白昼堂々とやる訳にもいかないので、夜に物陰に潜んで獲物を待ちます。その際、相手を察するのに、この提灯が目安になるのです。

提灯の灯りを感じた瞬間に躍り出て、バサァ〜っと行くわけです。この場合、多くの演出家が提灯もろとも切られる設定にしますが、実際に提灯が一緒に切られているということは、切るお武家さんが下手だという設定になります。

稲光のごとく、一刀両断に切られる場合は、提灯を防御行動に使う間もなく、あっさり切られてしまうので、そのシーンの後に、切られずに提灯が燃える場面転換になった場合は、手だれの仕業となるわけです。

あっ調子に乗って書き過ぎました。この続きは、また来月!

チョウチンアンコウの提灯

画像は。最終的に全容を見せる予定のチョウチンアンコウの提灯のカットです。

今回は、チラ見せです。(笑)

第六話の前の休題

現在、夏真っ盛りのニューカレドニアで、東海大学の海外海洋スポーツ実習を行っております。このお話しが公開される頃には、帰国しておりますが、何かこの状況で三保のお話しをするのも無理があり、それならこちらの海のお話しをしようかと、気持ちを切り替えてみました。

今回の実習の前には、海外海洋スポーツ演習という授業が開講されていて、2/16からニューカレドニアに来ています。普段の授業では、気が付かないような事も、海外でレクチャーされることで、意外にすんなり吸収されたりもします。そのために、ワザワザと思われるかも知れませんが、ワザワザという学びの姿勢は重要です。本人にその気がなければ、ここまで来ない訳ですから(笑)。

準備が整った状態で授業が始められます。これが学外実習の良い点です。逆に、ほぼ24時間の体制で、実習担当者に全ての責任者が生じる訳なので、少なくとも普段の授業の3倍の労力を必要とすることになります。

ただし、これはこちら側の視点からの話しで、受講する学生がこちらの思惑通りの準備ができていない事も多々あります。所謂、「お客様」って状態で、参加してしまう場合です。また、こちらの労力に関しても、そんな事は当たり前なわけですが、倍以上も年齢の離れた私を、もう少し優しく接して欲しいですね(笑)。

例えば、ディズニーランドに行けば、楽しいのが当然で、面白くないことを前提にしていませんから、そのハードルは非常に高く設定されてしまいます。同様に海外の実習は、棒高飛び並みのバーの設定が予めされていますので、内容の構成は必然的にビッグサンダーマウンテンやスペースマウンテンを凌ぐものを想定しなければなりません。それには、現地に信頼のおけるエージェントの存在が不可欠になります。今回は、ダイビングに関するコーディネーションをアリゼにお願いして、実習の中核を成す海洋スポーツを全面アシストしていただきました。

現地を訪れた14名の履修者の内、6名がCカード保持者で、8名は体験ダイビングを中心にスノーケリングで組み立てました。認定ダイバーの学生は、マンタを初ダイブで見て、体験ダイビングの最終日には、カメをスクーバとスノーケリングの両方で、間近で見ることができました。

履修者の学科内訳は、海洋学部7名、体育学部7名で、互いに海洋学の視点と体育学の視点から、海洋スポーツにおける環境と運営と手順について学ぶ機会が持てたと考えます。私も、演習と実習の合間に、両授業を履修している学生とともに、今まで経験した事の無かったニューカレドニアにおけるハナダイの生態を目の当たりにして、当地の海洋生態系の多様性を学びました。

4月からは、またレギュラー投稿の第六話に突入します。

画像は、サイパン、伊豆大島に続いて、3度目のベントラリス!

オスとそのハーレムの画像です。この群れが25〜6mで見れるって驚異的です。(大島は、12mでした)←(笑)

ベントラリス
ベントラリス

第五話 トガリモエビ 後段

今日、勝浦のバンザイダイバーズの中村さん、葉山のNANAの輝くんとスタッフの橋本さん、田中くん、八幡野の海好きの福ちゃんと川崎くんが三保に来てくれました。NANAのスタッフ2名以外は、前泊して三保の海だけでなく、清水の街でナイトサファリ(笑)して、舌でも堪能していました。

前日に雨が降る時は、あまり良いパターンでは無いのですが、流石に地元だけでなく、日本中にその人ありと唄われるガイドが集まっただけあります。富士山はバッチり見えるは、透明度は良いは、生物も目白押しの状態でした。

1本目は、レギュラーポイントの真崎・沖堤前でしたが、2本目はスタッフでも滅多に入らないスーパーマッドポイントに行きました。三保の名物もと言われる砂のスロープを降り切った瞬間…「お、わ、た」と思いました。何故なら、その景色はダメパターンの様相を呈していたからなのです。

しかも、最もナチュラルナビゲーションのし難い波打ち構造のボトムで、今だから言えますが、このメンバーでなければ、尻尾を巻いて退散するほど、ハズレな感じでした。

しかし、今更狼狽して恥を晒すくらいなら、堂々と砂漠地帯を切り抜けて、ネタを探してやろうと!気持ちを切り替えました。それが良かったのか、ケスジヤドカリに乗るペリクリメネス・ダルダニコラを皮切りに、トガリモエビのオンパレード、トサカクレエビのペア、ミズタマウミウシ、ツノザヤウミウシ、マトウダイのチビなど、と後半の尻上がり的良かったパターンにランディングできたのでした。

みなさん、すべてが予定調和の既知の「ネタ」と思われていたようですが、全て偶然の産物です。

トガリモエビが沢山居たと喜んでくれて、本当に良かったと思いましたが、実際ほっとして、沢山のネタを手に入れて大喜びしているのは僕の方です。みなさんのガイドでなければ、探せなかった生物でした。この場を借りてお礼を申し上げるとともに、また来てね。

トガリモエビの雌

画像は、1/31に撮影したトガリモエビの雌です。この周辺には、雌だけでもこの色以外に、白・黄色・ピンクと盛り沢山でした。水温が13度台に突入していても、何か普通〜にいました。そろそろチビたちが目につくようになる季節になるのに不思議だなぁ〜?

第五話 トガリモエビ 中段

本年も、ゆうすけ親分&豪海ライターズ並びにその海をよろしくお願いいたします。

さて、さすがに年も明けて、水温も早々に14度台に突入してしまうと、トガリモエビの姿も見かけなくなってきます。残っているのは、老成した6cm以上あるんじゃないか!?ってくらい大きな個体だけです。この傾向は、毎年見られることで、秋に見ていた、か細い雄たちは一体何処に行ってしまうのでしょうか?

以前、滅多に行かない三保のスーパーディープポイントで、消えたはずの雄たちを多数、見た事があるので、繁殖を済ませた若い個体は、もしかすると深い所で寒いシーズンを過ごしているのではないか?と想像しています。

逆に、老成した個体は、この場でこのまま天寿を全うするのだと思います。この原稿を書いている年末の時点では、まだ卵を持った個体もいて、多分最後のハッチアウトを終えたと思われる個体もいます。成長のスピードを見ていると、多分3年ほどの寿命なのだと思いますが、1年中居るわけではないので、なかなかその辺の見極めはできないのが本音です。

トガリモエビ(雌)
トガリモエビ(雌)
トガリモエビ(雌)

画像は、すべて雌です。見分け方は、腹節の張り出しの大きさで分かります。先月号の個体(雄)と比べれば、一目瞭然です。

ちなみに、左側に居る個体は卵をまだ持っている個体です。多分、この三が日内にハッチアウトをすると思われます。

第五話 トガリモエビ 前段

すでに、ホストのくだりで、何度か登場していますが、三保のエビの代名詞といえば、トガリモエビです。アカタチと双璧を成すこのエビの三保!メジャーへの階段貢献度は、目を見張るものがあります。

今から15年ほど前、何か変わったエビがいる事に気がつき、常連の地元ゲストを相手に自慢していると、それってこれの事?とそこから遡ること6年前に撮影したという写真を見せられた。

見事なトガリモエビが2匹並んで写っていて、被写体の迫力もさることながら、その描写力(観察眼)に驚かされた。と同時に、初見で上っ調子で撮影した自分の写真を恥ずかしく思った事がリフレインしてきます。

確かに、その当時はアカタチとミホノハゴロモに没頭していて、他はあまり気にしていなかったとは言え、「これって、普通にいるんでしょ?」の何気ない発言は、ちょっと天狗になっていた自分の鼻と心がポッキりと折れる音を聞いた33歳の痛風を発症したころのお年頃であった。

まさに、ピンチの後にパンチあり的な、自分のガイディングというか、観察スタイルを見直す良いきっかけを与えてくれたエビでもあります。

トガリモエビ

早いもので、今月で2013年もお仕舞いです。

読者の皆様、ゆうすけ親分、豪海ライターズが、良い年を迎えられますように!

第四話 シロアザミヤギ 後段

おっと、気がつけば今年もあと2か月になってしまったのですね。

この2か月間は、近年稀に見る猛烈な忙しさになる事は、現時点で明白なので、先に手を打っておけば良いものの、それができずに毎度、毎度、「背水の陣」とかって言って、アホみたいな時間にパソコンに向かうハメに陥るわけなんです。

年末には、カタがついていると思いますが、そのタイミングでまた繁忙ではなく猛忙がやってきそうで恐いです。

このお話しのラストカットが決まらずにズルズルと原稿が先延ばしになって、直近の投稿となってしまい、エディターの神崎さんにご迷惑をお掛けしました。

そんでもって、世間話のような、むしろ欺くかのような内容になってしまいました。

レアカットは前回、放出してしまったので、今回は撮り下しのガラスハゼで決めてみたいと思います。

よく見ると、透明のイソバナカクレエビが後ろに写っていますよ。このコラボは、今が旬です!

シロアザミヤギとガラスハゼ

第四話 シロアザミヤギ 中段

さて、お次ぎはチョット上級編です。これくらいの刺激はあった方がいぃんじゃないかって思って蔵出しします。

あくまでもホストという立場で考えると、このパターンは実はミスマッチなのです。見た目は、それほど悪くはないのですが、通りすがりの一発勝負みたいな構図なんです。

ファーストコンタクトの時は「おぉ〜こんな組み合わせもあるんだぁ?」と感激しましたが、待てど暮らせど、それっキリ!シロアザミヤギがホストでないと分かるまでに1年半を費やしてしまいました。

でも、その1年半は無駄ではなく、このホストが適正であるか否かを判別する確固たる実証をした期間だっただけですからね。

それとは、逆にコエダモドキにしかつかないビードロマメヒガイのように、シロアザミヤギにしかつかない希少なウミウサギガイの仲間もいます。

この手のホストに対して指向性の高いバニーちゃんは、丹念にホストを捜せば、恩恵に与れる可能性がありますから、地道モードの時には、うってつけのネタになります。

これまた、マニア垂涎のカットだと自負していますが、これに驚嘆の声をあげてくれるダイバーが何人いるかと思うと、マイノリティ嗜好だな〜とつくづく思う秋の夜長なのでした。

イシバシウミウサギ
ハブケボリ

上がイシバシウミウサギで、下がハブケボリです。

両方とも「超」がつくほど珍しいウミウサギガイの仲間です。

第四話 シロアザミヤギ 前段

二話からホスト系の生物が続いていますが、三保にとっては代表的な生物なので、今暫くお付き合い下さい。

さて、早速本題にはいりますが、三保の砂泥底には、このシロアザミヤギが一面に群生しています。僕にとっては、長年に渡って慣れ親しんだ風景なのですが、よくよく考えてみると、他のダイビングエリアでこのようなシーンを見る事がありません。スタッフの「賄い」的なエリアには存在するのかも知れませんが、一般的な環境ではないように思います。

つまり、このシロアザミヤギをホストとする、思わぬ生物との遭遇が期待出来るわけです。

例えば、昨晩(8/27)遭遇したイバラタツであったり、その直ぐ側にいたトガリモエビ(抱卵している雌)だったり、バリエーションも豊富です。

ただし、白やベージュなので、華やかさには欠けますが、このエリアを季節ごとにマックダイブすると、かなりの興奮と収穫が得られるのです。

次回、お試しあれ!

イバラタツ
トガリモエビ(抱卵している雌)

第三話 コエダモドキ 後段

タイミング良くコエダモドキが産卵でもしないかな?と思い、昨日チェックしてみましたが、残念ながらそこまでは甘くはなかったようです。

しかし、薄らと卵が見えています。この状態ならば、8月の後半の大潮周りで放出しそうな感じですね。

コエダモドキ

調子に乗って、今はやりの「キラメル」で、トガリモエビ添えでキメてみました。今ひとつ完成度が低いですが、この手の被写体には有効な表現方法なので、みなさんもチャレンジしてみて下さいね。

トガリモエビ

第三話 コエダモドキ 中段

コエダモドキが如何に、ホストとしてフォトジェニックなのかを分かってもらえる、カットに悩みました。前段で挙げた生物を全部出してしまおうかとも考えましたが、それではあまりにも芸が無さ過ぎます。なので、今回は、人気と言うか代表格のトガリモエビと意外性があるカサゴの見張り台という切り口で、画像を用意してみました。

まずは、コエダモドキに付くトガリモエビですが、横写真と縦写真での違いをご覧になってみて下さい。背景の明暗や被写体の配置なんかも大事だと言う事が分かっていただけると思います。基本はガラスハゼと並ぶ、縦位置写真の代表格みたいな被写体ですね。

コエダモドキに付くトガリモエビ(横)
コエダモドキに付くトガリモエビ(縦)

次に、通称カサゴの十字懸垂とかって呼ばれている、カサゴの見張り台としての役割りです。これも、横写真と縦写真をサンプルにしてみました。もちろん、アクセントの付け方を変えてありますので、全然違った雰囲気のカットになっていると思います。もちろん、これはシロアザミヤギでも見られるシーンではありますが、黄色の華やかな感じをかもし出すには、コエダモドキにアドバンテージがあるように思えますが、みなさんはどぉ思いますか?

コエダモドキとカサゴ(横)
コエダモドキとカサゴ(縦)

最後に出血大サービスで、コエダモドキとイソカサゴのコラボです。この色合い!?イケてませんか?

コエダモドキとイソカサゴ

第三話 コエダモドキ 前段

またまた地味なネタをぉ〜?と思った人も多いと思いますが、こんな対象物だからこそ、語る内容も懐も深くなります。もちろん、前回のエダアザミの仲間を意識しての展開ですから、流れ的には悪くない選択だと思っています。

さて、このコエダモドキなんですが、それ自体の魅力もさることながら、ホストとしての優秀さはピカいちです。イソバナカクレエビ、トガリモエビ、クラゲエビ、アカスジカクレエビ、ホンカクレエビ属の1種、ツリフネキヌヅツミ、ビードロマメヒガイ、ベニキヌヅツミなどが好んでつきます。また、ガラスハゼの幼少期を過ごすユリカゴ的な役割りやカサゴの見張り台としても活用されています。幸い、三保では20m台前半でコエダモドキが観察されるので、上記の生物が同じ水深で観察出来る訳なんです。

元来、深い水深に生息するホストが、ダイバーが手軽に行ける水深にあるということは、生物観察や写真・動画撮影をする人にとって、どれほどのアドバンテージを与えているか?ってことを考えると、ここ以外での活動は考えられませんね。次回は、このホストとのコラボ画像を中心にお伝えいたします。

画像は、卵が透けて見えるコエダモドキに、これまた卵を持ったイソバナカクレエビが付いている、非常にラッキーなカットです。

イソバナカクレエビが付いているコエダモドキ
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