ゆうすけの豪海倶楽部The Diving Junky Magazine

ご挨拶の季節

あれよあれよという間に、もう年末と言える時期に入りました。

準備の良い方は、もう年賀状のデザインを思案されているのでしょうか。

来年の干支は犬。

犬で連想できるサカナは何でしょう?

イヌカサゴ、イヌノシタ、イヌザメ、イヌギンポ…。

どれも見たことないし、写真なんて持ってないし。じゃあ、犬の顔とか、たたずまいが似てるサカナとかないかしら?

以前は、そんなことを考えるのが楽しみの一つだったような気がします。

一方で、今年こそもう止めようかなと思っている方も少なくないはず。いや、もう止めちゃった人も増えてます。最近は時節柄、数日おきに喪中のご挨拶が届きます。喪中だから新年のご挨拶は遠慮して、翌年からもそれっきり。

でも、そんな年賀状を止めるきっかけはなく、でも止めたい、でも黙って止めると心配される…ということで、わざわざ今の時期に「もう年賀状やめます」はがきをくださった方がいらっしゃいました。

年賀状だけのお付き合いだった方の場合、本当にそれでご縁がぱったり途絶えてしまいます。普段連絡を取り合うほど付き合いのない、パソコンやスマートフォンとは縁のなさそうな年老いた親戚や、昔お世話になった上司に対しては、年賀状が唯一の生存確認の手段であったりするのですが。

実は私も「もう年賀状は止めようかな」と思っていたのですが、まずは止めることを宣言しておかないとダメだなと思いました。

だから宣言しておきます。

「年賀状やめます」

明らかにネット世界とつながりのない方には、出します。

さらに、もう1つ。

長らく続けさせて頂いていた本コーナー。しばらく休筆させてもらうことにしました。

別にレグルスを止めるわけでもなく、ガイドの仕事も続きます。私の代わりに、加藤が担当します。

私は、もう1つのコーナーを続ける予定ですので、これからも宜しくお願いします。

最後となる海の写真は先日の八重根から。

小さな見張り番 クビアカハゼとクマドリテッポウエビ

寒波の影響で気温は15℃程度ですが、黒潮のおかげで水温は23℃。海に入ると、生暖かいという感じ。エキジットすると、サブーッ!!と凍えます。

陸上は秋をスルーして冬になってしまいましたが、海はさらに通り越して春の予感。季節感がぐちゃぐちゃです。凪てさえくれていれば、年末年始もいろんな幼魚で楽しめそう。

皆さんも、どこかの海で、良いお年をお迎えください。

島の祭り

島外の人を集める比較的大きなイベント、例えばフリージア祭りだとか、パブリックロードレースなどは、観光協会のHPなどで情報を得られます。

でも島内の人が、島外の人には関係ないと思っているイベント、例えばバザーや神社のお祭りなどは、いつどこでやっているのか、なかなかわかりません。きっと島内に親戚がいたり、学校に通う子供がいたり、あるいはもっと島の人とお付き合いがあれば、お知らせが入るのでしょう。

毎日の行動範囲がショップと海とスーパーだけで、話し相手がゲストと同業者と宿泊関係者だけだと、島に17年も住んでいて何も知らないままです。

どんなに小さなイベントでも、人を集めたいなら告知が必要。そう思う島の人が現れたのかどうか?

最近では、保育園の運動会や学校の合唱コンクールなどまで、ネット上にスケジュールが公開されています。

10〜11月は秋祭り。

島内のあちこちの神社でお祭りが開催されています。レグルスの近くにある神社のお祭りは何日も前から準備が始まり、大勢の人が集まります。

集まっているのは島内の子供たちばかりですが、ご近所だし、賑やかなので、以前に写真を撮りに行ったことがありました。

島内では規模の大きな方なのですが、初めて見た時には、なんて小さなお祭りなんだ!と驚いたものです。

三根大神宮例祭 2012年撮影
三根大神宮例祭 2012年撮影

それが、たまたま先日、よく行く温泉の近くにある神社でお祭りがあることを知りました。

その温泉に何度も行ったことのある観光客でも、そのお向かいに神社があるとは誰も知らないだろうと思われる、小さな神社です。

行ってみると、温泉のバス停に祭りの提灯がつるしてありました。どうやらこれが目印。参道にも提灯がつるされていますが、何となく真っ暗。ちょっと怖いかも。

樫立三島神社例祭 参道
樫立三島神社例祭 参道

中の方へ進んでいくと、大きな赤い鳥居。

ようやく、ここから親子連れの姿が見えてきます。

樫立三島神社例祭 赤い鳥居と夜店
樫立三島神社例祭 赤い鳥居と夜店

鳥居の脇にある控え所で、関係者の方が暖を取り、時々子供たちが八丈太鼓を叩いて遊んでいました。

鳥居を超えると、夜店が4軒。うどん、たこ焼き、今川焼、フランクフルト…。寒いせいか、うどんやさんが大人気。

さらに奥へ進むと、小さな神殿。

樫立三島神社例祭 お参り
樫立三島神社例祭 お参り

夜店で買い食いばっかりしていないで、ちゃんとお参りしないとね。

このお祭り、公民館で開催される演芸大会が目玉のようです。地元の人たちのための、地元の人たちによる、手作りのお祭り。

神社のお祭りって、本来こういうものなのかもしれません。

頑張れ!マイホーム

9月以降、台風ばかり。

10月も連休はなんとか乗り越えたものの、それ以外の週末毎に台風に翻弄されています。

そして最後の最後、台風22号のおかげでダイビングのできない月末を迎えています。

前回の台風21号、八丈島のずいぶん北側を通過したものの、海も陸もあちこちで被害が出ていました。

きっと九州や本州の被害の方が大きすぎてニュースになるほどではなかったのでしょうが、家や倉庫の屋根の一部が飛んでしまったり、海岸付近の休憩所が崩壊したり。レグルスの筋向いに20年以上前から建っていた小さなバーは、建物の一部がすっ飛んで店が大きな刃物で切り取られてしまったようになっていました。

台風や突風などで被害が出る度に思うのは、被害に遭う家と、そうでない家の違いです。

みんなが一番安全だと思っているのは、鉄筋コンクリートの建物。よく台風に直撃される割には、沖縄などと比べると八丈島は、まだまだ木造の家の方が多いです。

でもお金があったら鉄筋コンクリートにした方が良いに決まってる、というのが不動産屋さんの口癖。

もちろん古い家の方が飛ばされやすそうに見えるし、実際、よく壊れています。

そして立地。

私たちの目には見えない「風の通り道」があって、その道沿いに建っていると被害に遭いやすいようです。

私はてっきり海沿いの方が危ないと思っていたのですが、必ずしもそうではないようで、島の中心地は少し高台になっているせいで、かえって風が当たりやすいということもあるのだそうです。

でも、一番大事なのは「運」? それとも「風水」とか?

レグルスの筋向いに小さな古い家が建っています。おじいさんが1人で暮らしています。台風が来るからと言って特別に準備するわけではなく、ただ雨戸を閉めるだけ。

突風でレグルスのテラスがぶっ飛んでも、お向かいの高さ5m以上のタコノキが根こそぎ引っこ抜かれても、隣の家の庭に置いてあったコンテナが横倒しになっても、その家はいつも無傷。

ものすごい土砂降りの日に玄関が開けっ放しになっていても、庭に桶や自転車が出しっぱなしになっていても、なぜかその家だけは何も起きていなかったような状態なのです。

どうしてレグルスの敷地内が倒木や枯れ葉や、どこからか飛んできたゴミに埋もれていても、その家だけいつも通りなの?

風が避けて通っているのかしら?と思わずにはいられません。

一方、海の中。

台風通過後に潜って感じるのは、時化に強いサカナと、そうでないサカナたち。

いつもはどっちも多いミギマキとタカノハダイ。台風後は、いつもタカノハダイの方が多く感じます。

水底の砂や石や、大きな岩も全部ひっくり返されるので、そいういったものの下で暮らしているキンチャクガニやクモヒトデや貝などは全滅します。

でも岩の側面に張り付いているヘビギンポの仲間たちは、意外と生き残っています。普段から根の隙間で寝る習性のあるキホシスズメダイやキンギョハナダイたちも元気でした。

さて、台風前から通っていたセダカギンポやサクラコシオリエビは残っているかしら? と見に行ったところ…サクラコシオリエビは、住んでいたミズカメカイメンごと飛んで消失していました。他のミズカメカイメンは残っているのに。

セダカギンポは1匹は元気に残っていたのですが、他の1匹はサンゴごと無くなっていました。

どうも海の中の生き物も、生き残れるかどうかは「運」や住処の「風水」などが関係しているようです(?)。

生き残ったセダカギンポ

秋の黒潮

盛り上がっていた8月と比べ、9月は散々でした。

出鼻と連休を台風でつぶされ、何もできずに悶々としていました。

しかし、海の中は遅ればせながらやってきました〜と言いながら、夏が戻って来たような感じです。

黒潮が八丈島にぶちあたり、水温は28℃を超えています。3ミリのツーピースで1時間以上潜っていても、ちっとも寒くありません。気温の方が低く、秋風が冷たく感じるので、エキジット後はさっさと店に帰って温かいシャワーを浴びたくなります。

最近は日も短くなってきて、昼下がりには水中の方が先に夕方のような薄暗さになってしまうのが、本当に悔しい。午前中は透明度抜群で、太陽の光が海の中で青く輝いて気持ち良いのに。

潜れる日は相変わらず忙しい1ヶ月間でしたが、たった1度だけカメラを持って潜りに行ける日がありました。しかもボート。場所は丸石。

丸石は潜降場所が深めで、潮が速いことが多いため、潜る機会の少ないポイントですが、巨大で複雑な形をした根が海底にそびえ立ち、ダイナミックな地形と濃い魚影が楽しめます。

大勢のダイバーと一緒にエントリー、透明度抜群なので、全員の姿が見渡せます。

丸石

沖合で出ると、あちこちに大きなイソバナ。

ワイドにはもちろん、このイソバナには甲殻類や幼魚たちが付いていて、背景のきれいなマクロ撮影にもピッタリ。

大きなイソバナ

この日の狙いはテングダイの群れ。

八丈島では、テングダイは珍しくありません。どのポイントでも、水深20m以浅のあちこちで見られます。

でも、たいてい数匹の群れ。

それが、たまに大集合することがあるんですよ。

テングダイの群れ

さすがに、みんなで追いかけまわすと、散り散りバラバラになっていきます。

ダイバーが去っていくと、いつの間にか、また集合。

一体、何のために集まっているんでしょうね?

テングダイの群れ

さて、次はいつ丸石に行けるでしょうか。

陸上はどんどん秋めいてきていますが、海の夏は終わりません。

天空の道

先月、「今年は体験ダイビングやスノーケリングの申し込みが激増している…」という話を書きました。

しかし、どうやらマリンアクティビティの人気に火が着いたというわけではないようです。最近の島のローカール新聞によれば、八丈島を訪れる観光客の数が前年比120%に達しているとか。

8月はもちろんでしたが、9月に入っても、時折台風という自然の猛威が襲い掛かって欠航しているにも関わらず、観光客の数はそれほど減っているように見えません。

空港や港へ行けば、平日でも賑わっています。来る人が増えれば、体験でもやってみようかと思う人も増えるわけで。数年前は、9月に入った途端に閑散としているね…なんて同業者と語り合っていたのに。

この勢いは、いつまで続いてくれるのでしょう?

元はと言えば、今年急に観光客が増えたのは「君の名は。」のおかげかも知れません。

この映画の最後の方に、主人公の2人が大きな山のカルデラの縁に立つシーンがあるのですが、その山が青ヶ島をモデルにしているのではないかと言われていたのです。

その昔、青ヶ島が噴火をして全島避難をする以前、島民は大きなカルデラの中に村を作って暮らしていました。現在はカルデラの外側の山の斜面に移動しているのですが、今でもそのカルデラの風景は、確かに「君の名は。」の1シーンを思い起こさせます。

それが引き金となって、まず青ヶ島を訪れる人たちが急増しました。

しかし、青ヶ島へ行くには、まず八丈島に来なくてはなりません。八丈島から船、もしくはヘリコプター。

ヘリコプターは高額なうえに、満席の日が多くてなかなか予約が取れません。船は毎日の運航ではないし、欠航率が高くて、なかなか渡ることができません。

青ヶ島に行きそびれた人たちが、八丈島旅行に切り替える。聖地巡礼が叶わず残念…と思っていたところが、八丈島にも、そのシーンと同じような眺めが見られる場所があるじゃないの?

と、誰かが気付いたのか??

そのうち「君の名は。」の、あのシーンは、八丈富士をモデルにしているのかもしれない、と言う人が現れました。

この時でしょう、火が着いたのは。

ついに、テレビ番組で「八丈島に天空の道がある!」と紹介されるまでになったのです。

その風景が画面に映し出された瞬間、居並ぶお笑い芸人やタレントの皆さんが驚愕し、

「すごい!!」

「これは行ってみたい!!」

「本当に東京都なの!?」

と、叫ぶのです。

いや、これは絶対行ってみたくなるでしょ?

島に住んでいる私たちでさえ行きたくなってしまって、本当にその翌日に行っちゃいました。

カルデラの縁には細い道があるだけ。

外側には太平洋が広がり、白い雲が浮かんでいるのが見下ろせます。足を滑らせたら、そのまま海岸まで転がり落ちてしまいそう。

八丈富士のカルデラの縁

内側には大きなカルデラが口を開け、こちらも踏み外したら深い森の中へ真っ逆さま。

カルデラの内側

一緒に歩いた小学生の女の子。途中で足がすくんでしゃがみ込んでしまいました。

怖くて歩けないって半べそかいて引き返し。

カルデラ沿いの細い道

遊園地のアトラクションより、ずっとスリルがあって楽しいかも。

途中まで車で登れるので、ここまで歩くのは1時間くらい。30分足らずでカルデラを1周できます。

シャルルも一緒に登ってきたんですよ。

30分足らずでカルデラを1周できます

でも、これで高い所はへっちゃら!と勘違いしたのか、レグルスに戻った後、2階から飛び降りて足の骨を折ってしまったのは後日談です。

今ではすっかり元気になって、いつも通りにお散歩していますので、ご心配なく。

夏のカメ狂騒曲

今さらな話ですが、レグルスダイビングは今年の6月11日に25周年を迎えました。

このうち、私は後半の17年を過ごしています。

この17年、同じ年は2度となく、リピーターのゲストは少しずつ入れ替わり、主だった客層も少しずつ変わっていきました。レグルスダイビングだけが変わったのではなく、ダイバー皆さん全体の年齢層、趣向、スタイルが変化していっていることに影響されているのでしょう。

それにしても、去年あたりから、レグルスの夏は劇的に変化しました。

何が変わったって、体験ダイビングとスノーケリングコース、つまりノンダイバーからの申し込みと問合せが激増しているのです。

この8月、体験ダイビングをしなかった日は、ほとんどありませんでした。スノーケリングなんて、何年もやったことがなかったのに、今月だけで何度もコースを開催しています。

どうも、これもレグルスだけの話だけではないようです。

波打ち際には、レギュレーターで呼吸の練習をするダイバーが並び、水面には先導するフロートと並んで泳ぐスノーケラーがいっぱい。

一体、八丈島に何が起きたんでしょう? それとも日本全体の傾向ですか?

八丈島で泳ぐ人たち、水面も水中も、どちらも目指すはアオウミガメとの記念撮影。誰かがカメを見つけると、あっという間に人だかり。

必要を感じたことがなかったので、今までスノーケリングもスキンダイビングも、ほとんどやったことがありませんでした。

しかし、スノーケリングでゲストとカメを一緒に撮ろうと思うと、どうしてもスキンダイビングが必要です。

最初はウェイトの量もうまく調整できなくて苦労していましたが、今月だけでずいぶん上達しました。やっていれば、できるようになるもんなんですね。

カメ見つけた!
カメとパチリ
ダイバーに囲まれてものんびり

もちろん、明日も体験ダイビングとスノーケリング。

って思ってたら、台風が近くを通過です。ちょっとだけ夏休みかな?

花火の写真

毎年恒例の8月11日の花火大会。

曜日に関係なく、毎年8月11日。年によっては普通の平日で、観る人が少ないなあと思ったこともありました。

ところが、昨年から8月11日が祝日となり、今年は3連休の初日。

お盆の3連休の初日となれば、混まないわけがありません。会場となった底土海岸には、島内の自家用車が全部集まったんじゃないかと思うくらい、全ての駐車場と空き地が車で埋まりました。

私は例年と同じように、てくてく徒歩で海岸へ。

毎年花火を撮って豪海倶楽部に載せさせて頂いていますが、過去の記事を振り返ると、ミラーレス、コンデジ、タブレット、スマホ…、毎年違うもので撮っています。

今年は、せっかく買ったので、一眼レフで。

いや、何で撮るかというよりも、やってみたかったのが「比較明合成」。最近流行っているのか、高速道路を走るテールランプやホタルや花火などの夜景の合成写真をよく見かけていました。

1枚だけだと、花火が1発しか写っていない寂しげな写真になってしまいがちですが、何枚もの写真を重ね合わせるとボリュームが出て華やかになります。

昔はそういう写真を見て「すごなあ」と思っていても、「これ、合成なんだ」と言われると、「なあんだ」とつまらなく感じたものです。

合成=嘘の写真、ずることをしている、そんなイメージを抱いていました。

それが今では、華やかな写真がフォトショップで簡単にできます!と、作例付きで教えてくれるマニュアル・サイトがたくさん。

もう以前感じていた罪悪感なんて全くありません。花火撮ったら、やってみなくちゃ!

底土海岸にて

肉眼で花火を見ているとき、次の花火が打ちあがっている間にも、脳裏には前の花火の輝きが残っています。

もしかしたら、合成写真の方が実際に感じた景色により近い状態を表現できているのかも。

今年も無事に終わった花火大会。来年の今頃も、元気に花火撮影できますように。

さて、来年は何で撮るのかな?

生き残る輩

昨年は良かった。

「1年前の今日の思い出」が、頼みもしないのにスマホやパソコン上に表示されます。

もちろん事前に設定しておけば、何年か前の同じ日に撮った写真や日記、自分が書いたFaceBookの記事など、表示できないようにしておけます。

でも、物忘れが日に日にひどくなる今日この頃。何気なく過去の思い出を振り返るきっかけを作ってくれるのは、便利に感じることもあるのです。

そして、昨年の今頃。

7月29日には、水温が29度となっていました。

沖合ではナメモンガラが大群となり、エントリー口周辺の浅いところではイワサキスズメダイが遊んでいました。それなのに、ここ数日の水温は15度。なんという違いでしょう!?

今年は黒潮が八丈島を迂回し、八丈島周辺だけが深層水に浸され、すっかり冷え切っているのです。

ただこの水温がずっと続いているというわけではなく、日によっては20℃くらいまで上がります。7月中、運の良かったゲストは、水温が23℃あたりで過ごせた方もいらっしゃいました。

日によって水温が10℃近く乱高下するとなると、ダイバーはもちろんですが海中の生物も大変です。

八丈島では水温の低い日が続くと、伊豆半島で見られるものと同じサカナが増えていきます。水温の高い日が続くと、沖縄で見られるものと同じサカナが増えていきます。

しかし、水温変化が激しいと、この変化に対応できるサカナだけが増えていくのです。

そんな生命力の強いサカナの1つがヨゴレヘビギンポ。

いつでも、どのポイントでも見られる、本当の普通種です。普段はとても地味なので誰からも相手にされませんが、どんな時だって安定して見られます。恋の季節は春から初夏。水温が22℃を切る、どちらかと言えば冷たい日の方が燃えるようです。

以前にも書いたことがあるかも知れませんが、オスは婚姻色となり、ものすごく目立った存在になります。普段の自分と同じ、地味なメスに求愛し、メスが産み付けた卵に放精します。

産卵と放精の瞬間

この時、オスの周りにいるのは、メス1匹とは限りません。

2〜3匹がメスが産卵し、オスが忙しそうに巡回していることもあります。

面白いのは、この何匹かのメスに交じり、地味な色彩のオスが紛れ込んでいることがあるのです。婚姻色となってしまうとオスに追い払われてしまうので、メスのふりをしてメスに近づき、こっそり放精して逃げていく。

つまり、自分の縄張りを張れず、自分のメスを囲えない情けないオスたちは、おかまちゃんとなって他人の縄張りに潜り込み、人妻に手を出すという方法で子孫を残すのです。これが、毎年繰り広げられる、ヨゴレヘビギンポの繁殖行動です。

ところが、今年はちょっと珍しい光景を2回くらい目にしました。

オスの闘争

婚姻色となったオス同士の戦いです。

今まで気が付かなかっただけなのか? 初めて見る光景でした。

こんな男らしい一面があったとは!

がぶっ

何か、今までのやり方では生き残っていけないような事態になっているのでしょうか?

いつでもどこでもたくさん見られるヨゴレヘビギンポの世界にも、私たちには見えない事情があるのかも知れません。

「変化に最も対応できる生き物が生き残る」

ダーウィンが言ったとか、言わなかったとか。

さて、ダイバーは、どこまで水温の変化に対応できるのでしょうか?

早く黒潮に戻ってきてほしいなあ。

光るキノコの風景

6月の梅雨の時期、あんなに雨が恨めしかったのに、最近では「一雨降れば良いのに」と思います。

記録的な豪雨で日本各地で被害が出ているというのに、7月の八丈島の雨量はさっぱりでした。今年の八丈島の月別降水量を気象庁のHPで見ると、6月は450ミリ。7月は1.5ミリ?? 降ったのは7月15日だけ?

何かの間違いかと思いましたが、確かに今月に入ってまともに雨が降った記憶はないし、7月15日でさえログには晴れと書いてありました。

昨日のテレビのニュースでは、7月に台風が7個も発生したのは23年ぶりのことだとか。

その全てが八丈島には関係なく、毎日ピーカン。最初の1週間だけが濃霧で飛行機が5日間欠航しました。

毎日晴天が続くと、遊びに来た観光客は大喜びですが、作物の出来具合が心配になります。畑をやっている方は、水やりが大変だと嘆いてました。これだけ雨量が少ないのに、水不足という話は、まだ聞いていません。

もう一つ心配なのが、夏の観光の目玉ともなっている「光るキノコ」。

6月はまだ気温が低く、さんざん探し回って1個見つかれば良いほうでした。7月に入ってすぐ、蒸し暑い日が数日続いたところで出かけてみたら、ビンゴ♪

光ってるキノコ

今年は八丈島よりも早く、いろんな所で「光るキノコ」が新聞やテレビで紹介されていました。

そんな時に掲載される写真が、だいたいこんな感じの黒抜きのアップ写真。どんな場所に生えているのか、どのくらいの大きさなのかがわからず、中にはシイタケのようなものを想像して来る方もいらっしゃいます。

今度写真に撮ることがあったら、もう少し周りの雰囲気がわかるように撮りたいなあと思っていたので、今回はワイドレンズを持って出かけました。

先ほどの写真もワイドレンズで撮ったのですが、D810で撮ったので、トリミングしても画質が良くて便利ですね。

同じくトリミングしていますが、キノコが生えている木の質感を出したくて、持って行ったペンライトでライティングしてみました。

生えている木が見えるキノコ

そして、ほとんどトリミングなしで、もっと周りを明るくしてみると、周りにも木がたくさん並ぶうっそうとした場所だということがわかるはず。

明るくした分、キノコの光がちょっと薄れてしまいますが。

キノコの森

もう今頃、みんな干からびてしまっていると思います。

ただ、観光客の皆さんのために、植物公園内では毎日散水して、いつでも「光るキノコ」を観察できるようにしてくれています。無料で案内してくれるんですよ。

夕食後に、散歩がてら、見に行ってみませんか?

花吹雪

6月の羽田‐八丈便は欠航率が高い。

今や八丈島通ではなくとも知っている人が増えました。

いざとなれば船に切り替える。

そんな風に、臨機応変に行動できる方、あるいは強烈なお天気運を持っている方。6月はスペシャルな人たちだけが、八丈島を楽しむことができるのです。

本来なら6月はダイバーにとっては良いシーズンです。

特に前半はナズマド率が高い上、5月から始まるユウゼン玉やアオリイカの産卵が見られ、次々とお目見えする季節限定の幼魚たちが海の中はもう夏なんだと教えてくれます。

現に、今も黒潮が八丈島を貫通し、水温は24℃。透明度はいつだって30m以上、土砂降りの日だって変わりません。

6月後半に入ると雨は激しさを増し、ナズマド率は少し下がりますが、ボートダイビングが楽しめる時期に入ります。外は土砂降りでも、海の中はキンギョハナダイが乱舞する花吹雪。

キンギョハナダイの乱舞

沖へ出るほど、その数は増していきます。

キンギョハナダイの乱舞

一緒に潜っているガイドやダイバーの姿が見えなくなるほど。

キンギョハナダイの乱舞

じとじとした陸上で過ごすよりも、海に潜った方が快適です。

今日も大雨。

やろうと思っていた、窓ふきや洗車は諦めて、ワイドレンズを持ってナズマドに行ってきまーす。

水無月のお出かけ

梅雨にあたる6月は、訪れる人の少ない暇な時期です。

「休みが取れるのは冬だけですよ」なんて言っていますが、この6月も、ちょっとした休みを取るチャンス。今年も、数日間だけですが、休んで上京してきました。

そしてせっかくなので、都内で開催中の写真展を調べて、渋谷で開催している2つをハシゴして見てきました。

1つはヨシダナギさん。もう1つはソウル・ライターさん。

作品はどちらも強烈に個性的でしたが、写真展のコンセプトや開催の仕方も対極を成していて、それぞれ1つだけ見ても十分に満足できたのですが、2つを見比べることでより一層楽しむことができました。

ヨシダナギさんの作品は、普通の旅行では行くことができないようなアフリカの奥地で暮らす少数民族を題材にして、彼らの美しく着飾った凛々しい姿を、アフリカの荒野を背景に仕上げられています。

被写体となっている誰もがカメラ目線で、自分もその荒野に立って彼らと相対しているような錯覚にとらわれます。

写真展の開催はデパートの売り場の一角、入場は無料、そして写真撮影はご自由に。作品の一部は展示即売されています。

一方、ソウル・ライター展は文化会館で開催され、入場料あり、写真撮影は禁止。

既に亡くなられている方で、初期の作品は私が生れる前のもの。ほとんどが、自宅の周辺で撮影したものだそうで、被写体となっている人がカメラ目線になっている作品はほぼ皆無。

むしろ撮られていることに気が付いていなかったり、顔や上半身が傘や何かの陰に隠れて写っていないものも少なくありません。

最近、国籍や性別、年齢、プロかアマなのか、カメラや被写体も関係なく、大勢の人が撮ったいろんな写真を、手軽に見比べることができるようになりました。

一度に多くのいろんな写真を見ることによって、今まで気が付かないうちに蓄積されていた自分の考えが、単なる思い込みだったり、先入観だったことに気付かされることがあります。

写真を撮る時に、この場所じゃダメだろう、こんな構図じゃダメだろう、ピントがここに合ってないのはボツだろうと、いつの間にか自分に与えている制約を、全部フリーにしたらどうなるんだろう?

そんなことを思いつつ、土砂降りの梅雨空を恨んではいけないと自分に言い聞かせる今日この頃。

題材は水滴です。

アガパンサス
サボテン
ナズマド

全然、自分の方向性が定まりません。

自分の殻を破ることができているのか、それともただ道に迷っているだけなのか?

写真撮影は奥が深いです。

一眼レフでワイド

コンデジでマクロを撮っている時には、コンデジで十分じゃんと思いつつ、ボケ味のある写真はやっぱり一眼レフじゃないとダメだなあと思っていました。

しかし、ワイドとなると話は別です。

コンデジだと、ワイコンを付けようが、外付けのストロボを2つ付けようが、何をどう頑張っても解像度の低さが写真に現れてしまいます。
ワイドマクロ風に撮って、近くにある被写体をバッチリ撮ったとしても、遠くに写る背景が何となくガサガサっとした感じになってしまう。
水面を見上げて太陽の光を入れると真っ白になってしまうし、暗い部分は真っ黒に塗りつぶされてしまうし、遠くに写る被写体はピントもぼんやり。

ですから、一眼レフ買ったら、メインはワイドだ!と張り切っていたのです。

それが、買ったとたん、八丈島に冷水塊がきて、水温も透明度もダダ落ち。それで先月は、マクロからデビューということになってしまいました。

4月いっぱいは、ドライを来ていても辛いほど冷たかったのですが、GW後半に入って、やっと黒潮の中に入ることができました。現時点で水温は23℃前後。水は青く、透明度ばっちり。

もう今年はダメなのかと思っていたアオリイカの産卵が、今頃になってピークを迎えています。

本当ならGW中にゲストの皆さんと眺めるはずだった産卵、毎日誰もいないところで、ほぼ独占状態、写真撮り放題。

なんだか、もったいないなあ。

撮れたかどうだかは二の次で、撮っている間、手を伸ばせば触れそうなくらいのところにまで寄ってくる巨大イカの迫力に、ついつい時間を忘れます。アオリイカだけのダイビング、あともう2〜3回は撮りに行きたいと思うほど。

アオリイカ
アオリイカ

目の前に迫ったアオリイカの白っぽい身体の濃淡や、暗がりにある白い卵、遠くでホバリングしているアオリイカ、青い海のグラデーション。この写真が撮れただけで、一眼レフ買って良かった〜と思えたのでした。

しかし! 今月の話は、これで終わりではありません。

私が八重根から大満足で帰ってくると、ナズマドから帰ってきた二人は私以上に大興奮。

なんと、アケボノハゼ、オシャレハナダイ、チゴハナダイ、それにキシマハナダイとアカイサキの幼魚を見つけてきたのです。

しばらくはワイドで行くぞ!!と張り切っていた私の決心が揺らいだのは、言うまでもありません。全部は無理でしたけど、なんとかアカイサキの幼魚だけ撮ってきました。

アカイサキの幼魚

なんてったって akaisaki は私のハンドルネームですから。

恐るべし黒潮! 明日からも、何が出るかわかりません。

来月の豪海倶楽部も、ワイドになるか、マクロになるか?

お楽しみに〜!

星空ランキング

つい先日毎日新聞のニュースに出ていた話。

観光省が同一条件で撮影したデジタルカメラの画像を使って、全国の星空見やすさランキングを作ろうとしているのだそうです。

ここで初めて知ったのが「光害」という言葉。

「光害」という言葉を見て、夜を静かに過ごすことができなくなるような、巨大で派手なネオンサインとか、強烈な光や点滅を繰り返す誘導灯やサーチライトを想像したのですが、どうもそれだけではないのだそうです。

私が子供だった頃は、夜道=暗い、暗い=危険、いかがわしい、行ってはいけない場所で、夜の明るさは経済の発展を表し、安全で安心できる暮らしを約束するようなものでした。

だからこそ、今の日本は、夜、衛星から見ると国の輪郭がはっきりとわかるほど明るく輝いているのだと思っていました。それが、エネルギーの無駄遣いだというなら、まだ理解できるのですが、光害であると言われると、何を今さら?と思ってしまうのでした。

そのニュースには、「日本人の7割は天の川が見えない(中略)場所に…」とありました。

そうでしょうとも。八丈島に暮らしている私でさえ、星空を撮れる場所探しに苦労しているのです。

しかし、今月はリベンジです!

相変わらず夜のナズマドには行けてません。折しも先日は満月でした。

星空がダメなら月夜でも。

底土の堤防の上は、テトラポットを造成する場所になっています。いつも大量のテトラポットが並び、それを移動させるための巨大なクレーンがそそり立っています。海岸を歩いていたら、ちょうど月ば吊り下げられているように見えました。

吊られた満月

さらに歩くと、月光が水面に映って、月光ロードに。

月光の道

そして、別の日に、何とかビールを我慢して、いつもシャルルと車で散歩に出かける場所に行ってみました。

ほとんど人が来ることのない海岸なので、シャルルはリードなしで遊べるのです。ここなら街灯は、あってもちょっと離れているから大丈夫かも? 八丈富士もきれいに見えるし。

で、撮ってみたのが、こんな感じ。

星空

これで天の川が流れていたら綺麗だったかも知れませんね。

でも、まだまだ…

次回までにレリーズ買って、データーを取り直して、天の川が見える位置も調べて。良いのが撮れたら、また載せます。

そういえば観光協会が実施しているアンケート調整によると、最近、八丈島に星空を見るために来る観光客が、意外と多いのだそうです。星空が見れる、撮れるというのは、大きな観光資源となってきているようですね。

失ってわかった、闇夜の大切さ。

さて、観光省が作るランキング、八丈島は一体何位に入ることができるでしょうか?

いまさら一眼レフ

実は先日、久しぶりに一眼レフをポチッと買ってしまいました。

そうゲストの方に告白したら、

「えっ? もう一眼レフは買わないんじゃなかったの?」

と、驚かれてしまいました。

そんなこと言った覚えはないのですが、TG-3とTG-4を使い倒し、コンデジでも一眼レフ並みに撮れるじゃん!と言い続けていたくせに、一眼レフ買うってどういうことよ? と思われたのでしょう。

でも、買ってしまいました。NikonのD810。

本当はそんなに良いカメラじゃなくても良かったのですが、きっとこれが私にとって最後の一眼レフになるだろうと思って、清水の舞台から飛び降りました。

そして当然のことながら、今月から載せる写真はD810で撮った写真ということに。

しかしここで、

「えっ? これD810で撮ったの? 今までと変わらなくない?」

と言われてしまうわけにはまいりません。

なんとかして、

「うーん。なんだかんだ言っても、一眼レフで撮ると違うねえ」

と言ってもらわなくては。

そこで必然的に、今月のテーマは「TG-4じゃ撮れない写真」ということに。

実は、常々「コンデジでは難しい…」と感じていたものがありました。

まず1つ目は、ボケ味のある写真。

できるだけ被写体に近寄ることによって背景をぼかすことはできるのですが、それでもピントが合う範囲が広いので、いやでも背景まできちんと写ってしまいます。

そして2つ目が正面から撮った写真。特にサカナ。

いくらこちらが目にピントを合わせようとしても、所詮はオートフォーカス。サカナが横を向いてくれていれば、目から尾びれまで全体的にピントが合った状態になってくれるのですが、サカナが正面を向いていると、なかなか目にピントを合わせてくれません。

目どころか、サカナのどこにもピントが合わず、背景にだけピントが合っていたりします。

そこで今月の写真は、「目だけにピントが合った、ぼっけぼけのサカナ」となりました。

アマミスズメダイ
キンギョハナダイ
ハタタテハゼ

すっかりローガンズの仲間入りをしてしまった今日この頃、自分の目でピント合わせができるのか心配だったのですが、なんとかTG-4のオートフォーカスには勝てたようです。

GWが明けたら、いよいよワイド写真にチャレンジの予定です。

お楽しみに〜。

八丈島の夜

一眼レフを買ったら撮りたいなあと思っていたものがありました。

それは星空。

たまにネット上で見かけていたのです。多分、場所はナズマド。正面には海に浮かぶ八丈小島。その稜線を囲む満天の星空。人の写真を見て、自分も同じような写真を撮りたいとはなかなか思わない性質(たち)なのですが、これだけは撮ってみたいなあと思っていました。

しかし、その写真を撮るためには、夜中に車を走らせて出かけなくてはなりません。夕食時にビールを飲んでしまう人にとっては、なかなか難しい条件です。

ところが、先日、シャルルを散歩している時に見つけたのです。八丈富士がきれいに撮れる場所を。

ここに満天の星空が広がれば、さぞかし素敵な写真になるに違いない。そう思って、とりあえず手に持っていたスマホでパシッと撮っておきました。

底土海岸から見上げた八丈富士

さて、あとは夜を待つだけ。

いつも通り晩御飯を食べてビールを飲んで、カメラと三脚を担いで、てくてくと歩いて出かけました。夜道を1人で歩くのは寂しいので、シャルルも連れて。

ところが、たどり着いてみてびっくりです。

街灯が煌煌と光り、八丈富士は闇の中。山、どこ?

いやいや、私の目には見えないだけで、ISO感度を上げて撮れば写るのかも。しかし、空は真っ暗でした。星はたくさん輝いているというのに。

結局山を見つけることはできず、ただ満天の星空を撮っただけでは何も面白くなく、シャルルと2人で空を仰いでいました。

夜のシャルル

八丈島の空は広くて、星空観察にはぴったりの場所なのに、真っ暗な場所を探すのが難しいようです。

春の行方

3月に入ってからというもの、八丈島はなぜか肌寒い日が続いています。

最初はてっきり自分が年を取ったせいで、そう感じるようになってしまったのかと思っていました。

ところが寒いと思っているのは私だけじゃなかったようで、年度末の観光の目玉であるフリージアの開花も遅れています。

まあ陸が例年より寒くても、海が暖かければダイバー的にはOKだったのですが。

なんと水温もがっくり。

今年に入ってから上がったり下がったり、怪しい雰囲気が漂っていたのが、3月に入って低めで安定してしまいました。

ずーっと低いままであれば、寒さに強い生き物たちが増えるのですが、急に下がってそのまんまとなると、海の中は閑散としていきます。

暖かい海が好きな生き物たちは、どんどん弱って動きが鈍くなっていきます。

本当なら色鮮やかなイソバナガニ。なんと体に藻が付き始めています。

藻が付き始めたイソバナガニ

これはカニだけではなく、最近見かけるアオウミガメも甲羅にびっしりと藻がついています。

動かないでじっとしていると、あっと言う間に藻で覆われてしまうようです。

サカナたちも元気に泳ぎ回ることができないので、簡単に捕食魚に捕まってしまいます。

お魚くわえたカサゴ

口の両端からちらっと見えている赤いヒレは、キンギョハナダイでしょうか?

カサゴはもちろん、アカエソたちも、いまならお魚食べ放題といった感じ。

そして水温が下がると一気に増えてくるのが小さな生き物たち。

この生き物たちをガンガン食べていたサカナが減ったからでしょうか。サカナが激減すると同時に急増します。

水底付近をホバリングしているヒメオオミアミ

米粒サイズで、ぶーん、ぶーんと飛んでいて可愛いヒメオオミアミ。

黄色やオレンジ色など、色彩バリエーションがあるのも見ていて楽しい。

アヤニシキの上を歩くコツブムシの仲間

こちらも米粒サイズ。

名前を教えてもらった時、コメツブムシと聞こえたのですが、コツブムシの仲間だそうです。

オオグソクムシとも近い種だそうで、確かにちょっと形が似ています。

でも、サイズが小さくて、色がついていると、全然雰囲気が違いますね。

ちょっと寒くて辛いけど、黒潮ど真ん中の時とは違った生き物たちとの出会いが楽しめます。

あー、でも、ゴールデンウィークまでには黒潮に戻ってきてほしいなあ。

続・いまさらTG-4

先月は「TG-4の顕微鏡モードは被写体から離れて撮ろう!」というお話をさせてもらいました。

ものすごく近寄ってもピントが合う顕微鏡モードですが、ストロボの光が被写体全体に当たった明るい写真を撮りたいなら、むしろピントが合う範囲内ギリギリまで遠ざかって撮った方が良いというお話です。

それをウミウシフィギュアを使って机上で説明し、今月はいよいよ水中撮影を実践…という予定でした。

しかし、その前に。

つい先日、ゲストとお話ししていて、気になったことがあったので。もう少しだけ、ウミウシフィギュアでお話しさせてください。

先月、ウミウシフィギュアは、机の上に置いて撮影しました。

でも本物ののウミウシは、海の中で机の上にいるはずがなく、机のような平らな場所にいるとも限りません。八丈島は火山が噴火してできた島ですから、水中の地形もダイナミックです。

ウミウシは、水底や岩の上を這っていることもありますが、垂直に切り立った壁に付いていたり、オーバーハングやくぼみやアーチの天井に逆さに張り付いていることもあります。

それをこんな風に撮ってしまうと、被写体から遠ざかる努力をしても、ストロボの光は全体にあたりません。

壁に付いてるウミウシ
逆さに張り付いているウミウシ

TG-4のストロボは、カメラの上端についています。そのストロボを壁や天井にひっつけた状態で構えて撮ると、光が遠くまで届かないのです。

水中でウミウシを撮ると、こんな風に手前だけが明るく、背景は暗くなります。

手前だけが明るく、背景が暗い

もちろん、こういう写真の方が好きだわ!と思うのでしたら、それはそれで構いません。

でも、例えばこういう写真が撮りたいとすれば?

全体が明るい

答えはとっても簡単で、ただカメラの向きを逆にすれば良いのです。

カメラが逆さになると利き腕でシャッターが押せなくなるので撮りにくいかも知れませんが、それは自分で何とかしてください。

要は、カメラを被写体から遠ざけるのは、ストロボの位置を被写体から遠ざけたいからなのです。

これはTG-4に限った話ではなく、他のカメラでも同じです。ストロボの位置が離れれば離れるほど照射範囲は広がります。

ストロボの位置を被写体から遠ざる

さて、ここでやっと実践編です。

被写体はこちら。ズームをかけていない水中マクロモードで適当に撮ると、こんな感じのユビウミウシの近似種です。

ユビウミウシの近似種の遠景

これを顕微鏡モードで撮ると、こんな感じ。

半分くらいズームして撮り、編集時に少しトリミングしています。

顕微鏡モード

せっかくですから、ここでもアートフィルターで遊んでみました。

適当にズームして撮っていますが、編集はリサイズしかしていません。

ポップアート
ポップアート
ジオラマ
ジオラマ
ドラマチックトーン
ドラマチックトーン

ちょうど八丈島は冷水塊で、ウミウシがどんどん増えていきそうな雰囲気です。

しばらくは顕微鏡モードが大活躍かな〜?

初モアルボアル その2

先月ご紹介したモアルボアル圧巻のイワシ玉。

時にはそこへニタリが突っ込み、エキサイティングな捕食シーンが見られるのだそうです。

しかし、そんなラッキーなハプニングがそうそうあるわけでもなく、いくらイワシ玉がすごいと言っても毎ダイブそれだけでは飽きてしまいます。

ところが、ほんの数分移動しただけで、ガラリと変わるポイントを楽しめるのがモアルボアルの良いところ。ドロップオフあり、砂地あり、泥地あり、サンゴ礁あり。見られるサカナもポイントごとに変わります。

今回はプライベートで、特に目的もなく…という感じだったので、気が付くとスズメダイとハゼばかり。

ドロップオフではフィリピン定番のタルボットやローランドを撮り、サンゴ礫の多い所ではいつも撮ってしまうモルッカダムゼルをパチリ。

モルッカダムゼル

そして、こちらも定番のはずなのですが、時期や地域によっては少ないところもあるせいで、数年ぶりに見ることができたバーチークダムゼル。

ガイドのけんたさんが、それはもう、海の中を泳ぎ回って見つけ、遠くから呼びに来てくれた貴重な1匹です。

バーチークダムゼル

本当はもっと小さいサイズが好きなのですが、コンデジの私にはむしろちょうど良いサイズでした。

そして、枝サンゴの間で群れるスプリンガーズダムゼル。

モアルボアルにはいたるところに枝サンゴがあるのに、スプリンガーズが見られたのは数か所でした。何かきっと、お住まいに対して好き嫌いがあるんでしょうね。

スプリンガーズダムゼル

ハゼの方は、初めて見て嬉しかったのがこちら。ムーンスポッテッドゴビー。

最初、オトメハゼの幼魚か?と思いつつ撮っていたのですが、水色の縁取りがとても綺麗なのです。

モアルボアルだけでなく、フィリピンではポピュラーなのかも知れませんが、モアルボアルではたくさん見られました。

検索するといっぱい画像が出てくるのですが、手元の図鑑にはどれにも載っていないので存在そのものを知らなかったハゼです。

ムーンスポッテッドゴビー

それに比べて地味ですが、やっぱり初めてだった水玉さん。

名前は素敵なホシゾラハゼです。これもけんたさんが教えてくれた1匹。

ホシゾラハゼ

今回のフィリピンは、実は陸上もかなり楽しめました。

何も観光とかしていないのですが、ダイビングする日もランチとディナーは食べ歩き。どこへ行っても安くて美味しくて、外国なのに懐かしい思いに浸れてしまう、のんびりとした片田舎の小さな町。

遊びに来ているのは、ほとんどがヨーロッパ系。

きっとみんな何週間も滞在して、バイクでツーリングに出かけたり、気が向いたらダイビングしたり、うだうだとビールを飲み続けたり。

いつか私も、帰る日を決めずに遊びに行きたいなあ。

いまさらTG-4

昨年の夏、TG-3からTG-4に乗り換えました。

しかし、その時既に繁忙期。TG-3とTG-4の違いを感じる暇もなく、もっぱら体験ダイビングの写真ばかり撮っていました。

それが、ただでさえも暇な今日この頃。春一番、二番、今日は三番が吹き荒れて、朝から飛行機は全便欠航。船は昨夜の時点で欠航。海も陸も大荒れです。

そこで、ちょっと遊んでみました。

TG-3とTG-4の違いは、オリンパスのサイトにわかりやすく紹介されています。

この中で、私が一番「!」と思っているのは、顕微鏡モードの撮影可能距離が広がったこと。TG-3は1㎝〜10㎝だったのが、TG-4では1㎝〜30㎝になったのです。このおかげで、ものすごく撮りやすくなりました。

以前の顕微鏡モードは、ものすごく近寄って撮ることができたけど、逆に言うと、ものすごく近寄らないと撮れないモードだったのです。ちょっとでも離れるとピントが合わなくなっていました。

ところがTG-4は、ちょっと離れても撮れるようになったのです。

例えば、ウミウシのフィギュア。

こんなに近寄ってもピントが合います。でも、こんなに近寄ったら、ストロボの光が被写体に当たりません。

最短で撮影

この状態で撮った写真は、こんな風になってしまいます。

最短で撮ったウミウシ

そこで、リングライト風の拡散版を付けたり、外部ストロボを付けたり、あるいは諦めてライトで照らしながらノンストロボで撮ったり。いろいろと苦労をしていらっしゃる方を大勢見かけました。

それが、少しくらい離れてもピントが合うということになると、こんな状態で撮ることができるようになります。

ちょっと離れて撮影

離れれば、ストロボの光が被写体に当たるようになるのです。

ちょっと離れて撮ったウミウシ

いやいや、離れてしまったら撮りたかった雰囲気と違うなあと思えば、ここでズームをかければ良いでしょう。

ズームでアップ

この状態で、いろんなアートフィルターを使って遊んでみました。

フォトショップでリサイズしただけで、色の補正やトリミングなど、一切編集していません。

比較しやすそうなものを選んでご紹介すると、こんな感じ。

フィッシュアイ
フィッシュアイ
ポップアート
ポップアート
ファンタジックフォーカス
ファンタジックフォーカス
デイドリーム
デイドリーム
ラフモノクローム
ラフモノクローム
ドラマチックトーン
ドラマチックトーン

さて、これを水中で、本物のウミウシを被写体にして撮り比べたらどうなるでしょうか?

それは来月の「つぶやき」でご紹介します。

まずは、早く海が凪ぎてくれないと〜(祈)

初モアルボアル

年に1度のペースで出かけているプライベートなダイビングツアー。年に1度ではありますが、ずいぶんといろんな所で潜りました。

今年も、できれば行ったことのない所へ行きたいなあと思っていた矢先。私のFaceBookに現れた、バニラ・エア格安航空券の広告。

那覇や奄美大島に就航しているのは知っていましたが、そこに出ていたのは成田発セブ行きのビックリ価格。往復料金で比べると、羽田―八丈島の値段とたいして変わらないじゃん。

ここは1つ、バニラ・エアでセブへ飛び、セブ島内のどこかで潜ろう!

そうして決めた行先がモアルボアルでした。

モアルボアルは、のんびりとした雰囲気の、でも賑やかな小さな町でした。

バラック小屋のお土産物屋、オープンエアの飲み屋、ホテル、ダイビングショップなどが細い舗装されていない道の両端にぎっしり。

その道をぶらぶらと歩いていても、客引きのようなものはないし、お土産物屋をのぞいても売り込まれることもないし、ひったくりやスリに注意しなくてはならないような緊張感は皆無でした。

観光客の多分ほとんどがヨーロッパ系。あとは韓国人と日本人が少しずつ。

日本人がオーナーのダイビングショップは2店舗だけだそうで、今回はエメラルドグリーンのけんたさんとあさみさんにお世話になりました。

伝手があったわけではなく、HPに素敵な写真がたくさん掲載されていたので、そこにしました。

何気なく「〇〇が見たいなあ」とつぶやくと、そこまでしてくれなくても・・・と思うほど一生懸命探してくれる、期待以上の素敵なガイドさんでした。

さて、そんなモアルボアルの海は、良くも悪くもフィリピンでした。

ショップから海へは歩いて30秒?

バンカーボートに乗ってポイントまでは遠くても15分くらい。とにかくラクチン。

小さなモアルボアルの海岸線沿いにびっしりとポイントが並んでいるのですが、同じ海岸線なのになぜかポイントによって雰囲気が異なるのです。遠出しなくても、いろんな海が楽しめちゃう。

しかし、その雰囲気は、今まで行ったことのあるフィリピンのどこかに似ているし、サカナたちもフィリピンらしい顔ぶれが勢ぞろい。

ただし、ハウスリーフで見られる「イワシ(通称)の群れ」だけは圧巻でした。

今までギンガメトルネードとか、アジ玉とかなら見たことがあったので、それのイワシ・バージョンね、と思っていました。

「いや、玉じゃなくて壁ですね」

と言われていたのですが、遠くから見えたのは、最初は玉でした。

まるで真っ黒な雨雲のように見えました。

暗雲のごとき魚群

近づくにつれて、その玉はどんどん大きくなって、水面を覆いつくし海の中は真っ暗になってしまいました。

自分がサカナに埋まってしまって、方向感覚がおかしくなり、写真を撮っている間に目眩がしてきました。

イワシホール

魚影が濃すぎて、一緒にいるはずのダイバーも見失いがち。

幾重にも折り重なる魚群

水面を見上げると、大勢のスノーケラーが浮き輪やボートにつかまって水中を見下ろしています。

これは、ダイビングじゃなくても、かなり楽しいはず。

ダイビングショップの多くが軒先でシュノーケルセットのレンタル品を並べていたのですが、これはさぞかし利用者が多いことでしょう。体験ダイビングの需要も高そうです。

水面にはダイバーの群れ

そういえば、水面には小舟に乗った漁師をたくさん見かけました。

オールも1本使っていますが、足にフィンを付けて舵を切っています。

釣り竿もエサもなしで、どんだけ釣れるんだろう?と思っていたのですが、これだけいれば釣れるでしょう。

釣るというより、針に引っかけて引き上げているだけのようです。そして、このサカナをエサにして大きなサカナを釣るんですって。

漁師

海も陸も、のんびりとした時間が流れるモアルボアル。

いつまでもこの風景を残しておいてほしいですね。

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