ゆうすけの豪海倶楽部The Diving Junky Magazine

ご挨拶の季節

あれよあれよという間に、もう年末と言える時期に入りました。

準備の良い方は、もう年賀状のデザインを思案されているのでしょうか。

来年の干支は犬。

犬で連想できるサカナは何でしょう?

イヌカサゴ、イヌノシタ、イヌザメ、イヌギンポ…。

どれも見たことないし、写真なんて持ってないし。じゃあ、犬の顔とか、たたずまいが似てるサカナとかないかしら?

以前は、そんなことを考えるのが楽しみの一つだったような気がします。

一方で、今年こそもう止めようかなと思っている方も少なくないはず。いや、もう止めちゃった人も増えてます。最近は時節柄、数日おきに喪中のご挨拶が届きます。喪中だから新年のご挨拶は遠慮して、翌年からもそれっきり。

でも、そんな年賀状を止めるきっかけはなく、でも止めたい、でも黙って止めると心配される…ということで、わざわざ今の時期に「もう年賀状やめます」はがきをくださった方がいらっしゃいました。

年賀状だけのお付き合いだった方の場合、本当にそれでご縁がぱったり途絶えてしまいます。普段連絡を取り合うほど付き合いのない、パソコンやスマートフォンとは縁のなさそうな年老いた親戚や、昔お世話になった上司に対しては、年賀状が唯一の生存確認の手段であったりするのですが。

実は私も「もう年賀状は止めようかな」と思っていたのですが、まずは止めることを宣言しておかないとダメだなと思いました。

だから宣言しておきます。

「年賀状やめます」

明らかにネット世界とつながりのない方には、出します。

さらに、もう1つ。

長らく続けさせて頂いていた本コーナー。しばらく休筆させてもらうことにしました。

別にレグルスを止めるわけでもなく、ガイドの仕事も続きます。私の代わりに、加藤が担当します。

私は、もう1つのコーナーを続ける予定ですので、これからも宜しくお願いします。

最後となる海の写真は先日の八重根から。

小さな見張り番 クビアカハゼとクマドリテッポウエビ

寒波の影響で気温は15℃程度ですが、黒潮のおかげで水温は23℃。海に入ると、生暖かいという感じ。エキジットすると、サブーッ!!と凍えます。

陸上は秋をスルーして冬になってしまいましたが、海はさらに通り越して春の予感。季節感がぐちゃぐちゃです。凪てさえくれていれば、年末年始もいろんな幼魚で楽しめそう。

皆さんも、どこかの海で、良いお年をお迎えください。

島の祭り

島外の人を集める比較的大きなイベント、例えばフリージア祭りだとか、パブリックロードレースなどは、観光協会のHPなどで情報を得られます。

でも島内の人が、島外の人には関係ないと思っているイベント、例えばバザーや神社のお祭りなどは、いつどこでやっているのか、なかなかわかりません。きっと島内に親戚がいたり、学校に通う子供がいたり、あるいはもっと島の人とお付き合いがあれば、お知らせが入るのでしょう。

毎日の行動範囲がショップと海とスーパーだけで、話し相手がゲストと同業者と宿泊関係者だけだと、島に17年も住んでいて何も知らないままです。

どんなに小さなイベントでも、人を集めたいなら告知が必要。そう思う島の人が現れたのかどうか?

最近では、保育園の運動会や学校の合唱コンクールなどまで、ネット上にスケジュールが公開されています。

10〜11月は秋祭り。

島内のあちこちの神社でお祭りが開催されています。レグルスの近くにある神社のお祭りは何日も前から準備が始まり、大勢の人が集まります。

集まっているのは島内の子供たちばかりですが、ご近所だし、賑やかなので、以前に写真を撮りに行ったことがありました。

島内では規模の大きな方なのですが、初めて見た時には、なんて小さなお祭りなんだ!と驚いたものです。

三根大神宮例祭 2012年撮影
三根大神宮例祭 2012年撮影

それが、たまたま先日、よく行く温泉の近くにある神社でお祭りがあることを知りました。

その温泉に何度も行ったことのある観光客でも、そのお向かいに神社があるとは誰も知らないだろうと思われる、小さな神社です。

行ってみると、温泉のバス停に祭りの提灯がつるしてありました。どうやらこれが目印。参道にも提灯がつるされていますが、何となく真っ暗。ちょっと怖いかも。

樫立三島神社例祭 参道
樫立三島神社例祭 参道

中の方へ進んでいくと、大きな赤い鳥居。

ようやく、ここから親子連れの姿が見えてきます。

樫立三島神社例祭 赤い鳥居と夜店
樫立三島神社例祭 赤い鳥居と夜店

鳥居の脇にある控え所で、関係者の方が暖を取り、時々子供たちが八丈太鼓を叩いて遊んでいました。

鳥居を超えると、夜店が4軒。うどん、たこ焼き、今川焼、フランクフルト…。寒いせいか、うどんやさんが大人気。

さらに奥へ進むと、小さな神殿。

樫立三島神社例祭 お参り
樫立三島神社例祭 お参り

夜店で買い食いばっかりしていないで、ちゃんとお参りしないとね。

このお祭り、公民館で開催される演芸大会が目玉のようです。地元の人たちのための、地元の人たちによる、手作りのお祭り。

神社のお祭りって、本来こういうものなのかもしれません。

頑張れ!マイホーム

9月以降、台風ばかり。

10月も連休はなんとか乗り越えたものの、それ以外の週末毎に台風に翻弄されています。

そして最後の最後、台風22号のおかげでダイビングのできない月末を迎えています。

前回の台風21号、八丈島のずいぶん北側を通過したものの、海も陸もあちこちで被害が出ていました。

きっと九州や本州の被害の方が大きすぎてニュースになるほどではなかったのでしょうが、家や倉庫の屋根の一部が飛んでしまったり、海岸付近の休憩所が崩壊したり。レグルスの筋向いに20年以上前から建っていた小さなバーは、建物の一部がすっ飛んで店が大きな刃物で切り取られてしまったようになっていました。

台風や突風などで被害が出る度に思うのは、被害に遭う家と、そうでない家の違いです。

みんなが一番安全だと思っているのは、鉄筋コンクリートの建物。よく台風に直撃される割には、沖縄などと比べると八丈島は、まだまだ木造の家の方が多いです。

でもお金があったら鉄筋コンクリートにした方が良いに決まってる、というのが不動産屋さんの口癖。

もちろん古い家の方が飛ばされやすそうに見えるし、実際、よく壊れています。

そして立地。

私たちの目には見えない「風の通り道」があって、その道沿いに建っていると被害に遭いやすいようです。

私はてっきり海沿いの方が危ないと思っていたのですが、必ずしもそうではないようで、島の中心地は少し高台になっているせいで、かえって風が当たりやすいということもあるのだそうです。

でも、一番大事なのは「運」? それとも「風水」とか?

レグルスの筋向いに小さな古い家が建っています。おじいさんが1人で暮らしています。台風が来るからと言って特別に準備するわけではなく、ただ雨戸を閉めるだけ。

突風でレグルスのテラスがぶっ飛んでも、お向かいの高さ5m以上のタコノキが根こそぎ引っこ抜かれても、隣の家の庭に置いてあったコンテナが横倒しになっても、その家はいつも無傷。

ものすごい土砂降りの日に玄関が開けっ放しになっていても、庭に桶や自転車が出しっぱなしになっていても、なぜかその家だけは何も起きていなかったような状態なのです。

どうしてレグルスの敷地内が倒木や枯れ葉や、どこからか飛んできたゴミに埋もれていても、その家だけいつも通りなの?

風が避けて通っているのかしら?と思わずにはいられません。

一方、海の中。

台風通過後に潜って感じるのは、時化に強いサカナと、そうでないサカナたち。

いつもはどっちも多いミギマキとタカノハダイ。台風後は、いつもタカノハダイの方が多く感じます。

水底の砂や石や、大きな岩も全部ひっくり返されるので、そいういったものの下で暮らしているキンチャクガニやクモヒトデや貝などは全滅します。

でも岩の側面に張り付いているヘビギンポの仲間たちは、意外と生き残っています。普段から根の隙間で寝る習性のあるキホシスズメダイやキンギョハナダイたちも元気でした。

さて、台風前から通っていたセダカギンポやサクラコシオリエビは残っているかしら? と見に行ったところ…サクラコシオリエビは、住んでいたミズカメカイメンごと飛んで消失していました。他のミズカメカイメンは残っているのに。

セダカギンポは1匹は元気に残っていたのですが、他の1匹はサンゴごと無くなっていました。

どうも海の中の生き物も、生き残れるかどうかは「運」や住処の「風水」などが関係しているようです(?)。

生き残ったセダカギンポ

秋の黒潮

盛り上がっていた8月と比べ、9月は散々でした。

出鼻と連休を台風でつぶされ、何もできずに悶々としていました。

しかし、海の中は遅ればせながらやってきました〜と言いながら、夏が戻って来たような感じです。

黒潮が八丈島にぶちあたり、水温は28℃を超えています。3ミリのツーピースで1時間以上潜っていても、ちっとも寒くありません。気温の方が低く、秋風が冷たく感じるので、エキジット後はさっさと店に帰って温かいシャワーを浴びたくなります。

最近は日も短くなってきて、昼下がりには水中の方が先に夕方のような薄暗さになってしまうのが、本当に悔しい。午前中は透明度抜群で、太陽の光が海の中で青く輝いて気持ち良いのに。

潜れる日は相変わらず忙しい1ヶ月間でしたが、たった1度だけカメラを持って潜りに行ける日がありました。しかもボート。場所は丸石。

丸石は潜降場所が深めで、潮が速いことが多いため、潜る機会の少ないポイントですが、巨大で複雑な形をした根が海底にそびえ立ち、ダイナミックな地形と濃い魚影が楽しめます。

大勢のダイバーと一緒にエントリー、透明度抜群なので、全員の姿が見渡せます。

丸石

沖合で出ると、あちこちに大きなイソバナ。

ワイドにはもちろん、このイソバナには甲殻類や幼魚たちが付いていて、背景のきれいなマクロ撮影にもピッタリ。

大きなイソバナ

この日の狙いはテングダイの群れ。

八丈島では、テングダイは珍しくありません。どのポイントでも、水深20m以浅のあちこちで見られます。

でも、たいてい数匹の群れ。

それが、たまに大集合することがあるんですよ。

テングダイの群れ

さすがに、みんなで追いかけまわすと、散り散りバラバラになっていきます。

ダイバーが去っていくと、いつの間にか、また集合。

一体、何のために集まっているんでしょうね?

テングダイの群れ

さて、次はいつ丸石に行けるでしょうか。

陸上はどんどん秋めいてきていますが、海の夏は終わりません。

天空の道

先月、「今年は体験ダイビングやスノーケリングの申し込みが激増している…」という話を書きました。

しかし、どうやらマリンアクティビティの人気に火が着いたというわけではないようです。最近の島のローカール新聞によれば、八丈島を訪れる観光客の数が前年比120%に達しているとか。

8月はもちろんでしたが、9月に入っても、時折台風という自然の猛威が襲い掛かって欠航しているにも関わらず、観光客の数はそれほど減っているように見えません。

空港や港へ行けば、平日でも賑わっています。来る人が増えれば、体験でもやってみようかと思う人も増えるわけで。数年前は、9月に入った途端に閑散としているね…なんて同業者と語り合っていたのに。

この勢いは、いつまで続いてくれるのでしょう?

元はと言えば、今年急に観光客が増えたのは「君の名は。」のおかげかも知れません。

この映画の最後の方に、主人公の2人が大きな山のカルデラの縁に立つシーンがあるのですが、その山が青ヶ島をモデルにしているのではないかと言われていたのです。

その昔、青ヶ島が噴火をして全島避難をする以前、島民は大きなカルデラの中に村を作って暮らしていました。現在はカルデラの外側の山の斜面に移動しているのですが、今でもそのカルデラの風景は、確かに「君の名は。」の1シーンを思い起こさせます。

それが引き金となって、まず青ヶ島を訪れる人たちが急増しました。

しかし、青ヶ島へ行くには、まず八丈島に来なくてはなりません。八丈島から船、もしくはヘリコプター。

ヘリコプターは高額なうえに、満席の日が多くてなかなか予約が取れません。船は毎日の運航ではないし、欠航率が高くて、なかなか渡ることができません。

青ヶ島に行きそびれた人たちが、八丈島旅行に切り替える。聖地巡礼が叶わず残念…と思っていたところが、八丈島にも、そのシーンと同じような眺めが見られる場所があるじゃないの?

と、誰かが気付いたのか??

そのうち「君の名は。」の、あのシーンは、八丈富士をモデルにしているのかもしれない、と言う人が現れました。

この時でしょう、火が着いたのは。

ついに、テレビ番組で「八丈島に天空の道がある!」と紹介されるまでになったのです。

その風景が画面に映し出された瞬間、居並ぶお笑い芸人やタレントの皆さんが驚愕し、

「すごい!!」

「これは行ってみたい!!」

「本当に東京都なの!?」

と、叫ぶのです。

いや、これは絶対行ってみたくなるでしょ?

島に住んでいる私たちでさえ行きたくなってしまって、本当にその翌日に行っちゃいました。

カルデラの縁には細い道があるだけ。

外側には太平洋が広がり、白い雲が浮かんでいるのが見下ろせます。足を滑らせたら、そのまま海岸まで転がり落ちてしまいそう。

八丈富士のカルデラの縁

内側には大きなカルデラが口を開け、こちらも踏み外したら深い森の中へ真っ逆さま。

カルデラの内側

一緒に歩いた小学生の女の子。途中で足がすくんでしゃがみ込んでしまいました。

怖くて歩けないって半べそかいて引き返し。

カルデラ沿いの細い道

遊園地のアトラクションより、ずっとスリルがあって楽しいかも。

途中まで車で登れるので、ここまで歩くのは1時間くらい。30分足らずでカルデラを1周できます。

シャルルも一緒に登ってきたんですよ。

30分足らずでカルデラを1周できます

でも、これで高い所はへっちゃら!と勘違いしたのか、レグルスに戻った後、2階から飛び降りて足の骨を折ってしまったのは後日談です。

今ではすっかり元気になって、いつも通りにお散歩していますので、ご心配なく。

夏のカメ狂騒曲

今さらな話ですが、レグルスダイビングは今年の6月11日に25周年を迎えました。

このうち、私は後半の17年を過ごしています。

この17年、同じ年は2度となく、リピーターのゲストは少しずつ入れ替わり、主だった客層も少しずつ変わっていきました。レグルスダイビングだけが変わったのではなく、ダイバー皆さん全体の年齢層、趣向、スタイルが変化していっていることに影響されているのでしょう。

それにしても、去年あたりから、レグルスの夏は劇的に変化しました。

何が変わったって、体験ダイビングとスノーケリングコース、つまりノンダイバーからの申し込みと問合せが激増しているのです。

この8月、体験ダイビングをしなかった日は、ほとんどありませんでした。スノーケリングなんて、何年もやったことがなかったのに、今月だけで何度もコースを開催しています。

どうも、これもレグルスだけの話だけではないようです。

波打ち際には、レギュレーターで呼吸の練習をするダイバーが並び、水面には先導するフロートと並んで泳ぐスノーケラーがいっぱい。

一体、八丈島に何が起きたんでしょう? それとも日本全体の傾向ですか?

八丈島で泳ぐ人たち、水面も水中も、どちらも目指すはアオウミガメとの記念撮影。誰かがカメを見つけると、あっという間に人だかり。

必要を感じたことがなかったので、今までスノーケリングもスキンダイビングも、ほとんどやったことがありませんでした。

しかし、スノーケリングでゲストとカメを一緒に撮ろうと思うと、どうしてもスキンダイビングが必要です。

最初はウェイトの量もうまく調整できなくて苦労していましたが、今月だけでずいぶん上達しました。やっていれば、できるようになるもんなんですね。

カメ見つけた!
カメとパチリ
ダイバーに囲まれてものんびり

もちろん、明日も体験ダイビングとスノーケリング。

って思ってたら、台風が近くを通過です。ちょっとだけ夏休みかな?

花火の写真

毎年恒例の8月11日の花火大会。

曜日に関係なく、毎年8月11日。年によっては普通の平日で、観る人が少ないなあと思ったこともありました。

ところが、昨年から8月11日が祝日となり、今年は3連休の初日。

お盆の3連休の初日となれば、混まないわけがありません。会場となった底土海岸には、島内の自家用車が全部集まったんじゃないかと思うくらい、全ての駐車場と空き地が車で埋まりました。

私は例年と同じように、てくてく徒歩で海岸へ。

毎年花火を撮って豪海倶楽部に載せさせて頂いていますが、過去の記事を振り返ると、ミラーレス、コンデジ、タブレット、スマホ…、毎年違うもので撮っています。

今年は、せっかく買ったので、一眼レフで。

いや、何で撮るかというよりも、やってみたかったのが「比較明合成」。最近流行っているのか、高速道路を走るテールランプやホタルや花火などの夜景の合成写真をよく見かけていました。

1枚だけだと、花火が1発しか写っていない寂しげな写真になってしまいがちですが、何枚もの写真を重ね合わせるとボリュームが出て華やかになります。

昔はそういう写真を見て「すごなあ」と思っていても、「これ、合成なんだ」と言われると、「なあんだ」とつまらなく感じたものです。

合成=嘘の写真、ずることをしている、そんなイメージを抱いていました。

それが今では、華やかな写真がフォトショップで簡単にできます!と、作例付きで教えてくれるマニュアル・サイトがたくさん。

もう以前感じていた罪悪感なんて全くありません。花火撮ったら、やってみなくちゃ!

底土海岸にて

肉眼で花火を見ているとき、次の花火が打ちあがっている間にも、脳裏には前の花火の輝きが残っています。

もしかしたら、合成写真の方が実際に感じた景色により近い状態を表現できているのかも。

今年も無事に終わった花火大会。来年の今頃も、元気に花火撮影できますように。

さて、来年は何で撮るのかな?

生き残る輩

昨年は良かった。

「1年前の今日の思い出」が、頼みもしないのにスマホやパソコン上に表示されます。

もちろん事前に設定しておけば、何年か前の同じ日に撮った写真や日記、自分が書いたFaceBookの記事など、表示できないようにしておけます。

でも、物忘れが日に日にひどくなる今日この頃。何気なく過去の思い出を振り返るきっかけを作ってくれるのは、便利に感じることもあるのです。

そして、昨年の今頃。

7月29日には、水温が29度となっていました。

沖合ではナメモンガラが大群となり、エントリー口周辺の浅いところではイワサキスズメダイが遊んでいました。それなのに、ここ数日の水温は15度。なんという違いでしょう!?

今年は黒潮が八丈島を迂回し、八丈島周辺だけが深層水に浸され、すっかり冷え切っているのです。

ただこの水温がずっと続いているというわけではなく、日によっては20℃くらいまで上がります。7月中、運の良かったゲストは、水温が23℃あたりで過ごせた方もいらっしゃいました。

日によって水温が10℃近く乱高下するとなると、ダイバーはもちろんですが海中の生物も大変です。

八丈島では水温の低い日が続くと、伊豆半島で見られるものと同じサカナが増えていきます。水温の高い日が続くと、沖縄で見られるものと同じサカナが増えていきます。

しかし、水温変化が激しいと、この変化に対応できるサカナだけが増えていくのです。

そんな生命力の強いサカナの1つがヨゴレヘビギンポ。

いつでも、どのポイントでも見られる、本当の普通種です。普段はとても地味なので誰からも相手にされませんが、どんな時だって安定して見られます。恋の季節は春から初夏。水温が22℃を切る、どちらかと言えば冷たい日の方が燃えるようです。

以前にも書いたことがあるかも知れませんが、オスは婚姻色となり、ものすごく目立った存在になります。普段の自分と同じ、地味なメスに求愛し、メスが産み付けた卵に放精します。

産卵と放精の瞬間

この時、オスの周りにいるのは、メス1匹とは限りません。

2〜3匹がメスが産卵し、オスが忙しそうに巡回していることもあります。

面白いのは、この何匹かのメスに交じり、地味な色彩のオスが紛れ込んでいることがあるのです。婚姻色となってしまうとオスに追い払われてしまうので、メスのふりをしてメスに近づき、こっそり放精して逃げていく。

つまり、自分の縄張りを張れず、自分のメスを囲えない情けないオスたちは、おかまちゃんとなって他人の縄張りに潜り込み、人妻に手を出すという方法で子孫を残すのです。これが、毎年繰り広げられる、ヨゴレヘビギンポの繁殖行動です。

ところが、今年はちょっと珍しい光景を2回くらい目にしました。

オスの闘争

婚姻色となったオス同士の戦いです。

今まで気が付かなかっただけなのか? 初めて見る光景でした。

こんな男らしい一面があったとは!

がぶっ

何か、今までのやり方では生き残っていけないような事態になっているのでしょうか?

いつでもどこでもたくさん見られるヨゴレヘビギンポの世界にも、私たちには見えない事情があるのかも知れません。

「変化に最も対応できる生き物が生き残る」

ダーウィンが言ったとか、言わなかったとか。

さて、ダイバーは、どこまで水温の変化に対応できるのでしょうか?

早く黒潮に戻ってきてほしいなあ。

光るキノコの風景

6月の梅雨の時期、あんなに雨が恨めしかったのに、最近では「一雨降れば良いのに」と思います。

記録的な豪雨で日本各地で被害が出ているというのに、7月の八丈島の雨量はさっぱりでした。今年の八丈島の月別降水量を気象庁のHPで見ると、6月は450ミリ。7月は1.5ミリ?? 降ったのは7月15日だけ?

何かの間違いかと思いましたが、確かに今月に入ってまともに雨が降った記憶はないし、7月15日でさえログには晴れと書いてありました。

昨日のテレビのニュースでは、7月に台風が7個も発生したのは23年ぶりのことだとか。

その全てが八丈島には関係なく、毎日ピーカン。最初の1週間だけが濃霧で飛行機が5日間欠航しました。

毎日晴天が続くと、遊びに来た観光客は大喜びですが、作物の出来具合が心配になります。畑をやっている方は、水やりが大変だと嘆いてました。これだけ雨量が少ないのに、水不足という話は、まだ聞いていません。

もう一つ心配なのが、夏の観光の目玉ともなっている「光るキノコ」。

6月はまだ気温が低く、さんざん探し回って1個見つかれば良いほうでした。7月に入ってすぐ、蒸し暑い日が数日続いたところで出かけてみたら、ビンゴ♪

光ってるキノコ

今年は八丈島よりも早く、いろんな所で「光るキノコ」が新聞やテレビで紹介されていました。

そんな時に掲載される写真が、だいたいこんな感じの黒抜きのアップ写真。どんな場所に生えているのか、どのくらいの大きさなのかがわからず、中にはシイタケのようなものを想像して来る方もいらっしゃいます。

今度写真に撮ることがあったら、もう少し周りの雰囲気がわかるように撮りたいなあと思っていたので、今回はワイドレンズを持って出かけました。

先ほどの写真もワイドレンズで撮ったのですが、D810で撮ったので、トリミングしても画質が良くて便利ですね。

同じくトリミングしていますが、キノコが生えている木の質感を出したくて、持って行ったペンライトでライティングしてみました。

生えている木が見えるキノコ

そして、ほとんどトリミングなしで、もっと周りを明るくしてみると、周りにも木がたくさん並ぶうっそうとした場所だということがわかるはず。

明るくした分、キノコの光がちょっと薄れてしまいますが。

キノコの森

もう今頃、みんな干からびてしまっていると思います。

ただ、観光客の皆さんのために、植物公園内では毎日散水して、いつでも「光るキノコ」を観察できるようにしてくれています。無料で案内してくれるんですよ。

夕食後に、散歩がてら、見に行ってみませんか?

花吹雪

6月の羽田‐八丈便は欠航率が高い。

今や八丈島通ではなくとも知っている人が増えました。

いざとなれば船に切り替える。

そんな風に、臨機応変に行動できる方、あるいは強烈なお天気運を持っている方。6月はスペシャルな人たちだけが、八丈島を楽しむことができるのです。

本来なら6月はダイバーにとっては良いシーズンです。

特に前半はナズマド率が高い上、5月から始まるユウゼン玉やアオリイカの産卵が見られ、次々とお目見えする季節限定の幼魚たちが海の中はもう夏なんだと教えてくれます。

現に、今も黒潮が八丈島を貫通し、水温は24℃。透明度はいつだって30m以上、土砂降りの日だって変わりません。

6月後半に入ると雨は激しさを増し、ナズマド率は少し下がりますが、ボートダイビングが楽しめる時期に入ります。外は土砂降りでも、海の中はキンギョハナダイが乱舞する花吹雪。

キンギョハナダイの乱舞

沖へ出るほど、その数は増していきます。

キンギョハナダイの乱舞

一緒に潜っているガイドやダイバーの姿が見えなくなるほど。

キンギョハナダイの乱舞

じとじとした陸上で過ごすよりも、海に潜った方が快適です。

今日も大雨。

やろうと思っていた、窓ふきや洗車は諦めて、ワイドレンズを持ってナズマドに行ってきまーす。

水無月のお出かけ

梅雨にあたる6月は、訪れる人の少ない暇な時期です。

「休みが取れるのは冬だけですよ」なんて言っていますが、この6月も、ちょっとした休みを取るチャンス。今年も、数日間だけですが、休んで上京してきました。

そしてせっかくなので、都内で開催中の写真展を調べて、渋谷で開催している2つをハシゴして見てきました。

1つはヨシダナギさん。もう1つはソウル・ライターさん。

作品はどちらも強烈に個性的でしたが、写真展のコンセプトや開催の仕方も対極を成していて、それぞれ1つだけ見ても十分に満足できたのですが、2つを見比べることでより一層楽しむことができました。

ヨシダナギさんの作品は、普通の旅行では行くことができないようなアフリカの奥地で暮らす少数民族を題材にして、彼らの美しく着飾った凛々しい姿を、アフリカの荒野を背景に仕上げられています。

被写体となっている誰もがカメラ目線で、自分もその荒野に立って彼らと相対しているような錯覚にとらわれます。

写真展の開催はデパートの売り場の一角、入場は無料、そして写真撮影はご自由に。作品の一部は展示即売されています。

一方、ソウル・ライター展は文化会館で開催され、入場料あり、写真撮影は禁止。

既に亡くなられている方で、初期の作品は私が生れる前のもの。ほとんどが、自宅の周辺で撮影したものだそうで、被写体となっている人がカメラ目線になっている作品はほぼ皆無。

むしろ撮られていることに気が付いていなかったり、顔や上半身が傘や何かの陰に隠れて写っていないものも少なくありません。

最近、国籍や性別、年齢、プロかアマなのか、カメラや被写体も関係なく、大勢の人が撮ったいろんな写真を、手軽に見比べることができるようになりました。

一度に多くのいろんな写真を見ることによって、今まで気が付かないうちに蓄積されていた自分の考えが、単なる思い込みだったり、先入観だったことに気付かされることがあります。

写真を撮る時に、この場所じゃダメだろう、こんな構図じゃダメだろう、ピントがここに合ってないのはボツだろうと、いつの間にか自分に与えている制約を、全部フリーにしたらどうなるんだろう?

そんなことを思いつつ、土砂降りの梅雨空を恨んではいけないと自分に言い聞かせる今日この頃。

題材は水滴です。

アガパンサス
サボテン
ナズマド

全然、自分の方向性が定まりません。

自分の殻を破ることができているのか、それともただ道に迷っているだけなのか?

写真撮影は奥が深いです。

一眼レフでワイド

コンデジでマクロを撮っている時には、コンデジで十分じゃんと思いつつ、ボケ味のある写真はやっぱり一眼レフじゃないとダメだなあと思っていました。

しかし、ワイドとなると話は別です。

コンデジだと、ワイコンを付けようが、外付けのストロボを2つ付けようが、何をどう頑張っても解像度の低さが写真に現れてしまいます。
ワイドマクロ風に撮って、近くにある被写体をバッチリ撮ったとしても、遠くに写る背景が何となくガサガサっとした感じになってしまう。
水面を見上げて太陽の光を入れると真っ白になってしまうし、暗い部分は真っ黒に塗りつぶされてしまうし、遠くに写る被写体はピントもぼんやり。

ですから、一眼レフ買ったら、メインはワイドだ!と張り切っていたのです。

それが、買ったとたん、八丈島に冷水塊がきて、水温も透明度もダダ落ち。それで先月は、マクロからデビューということになってしまいました。

4月いっぱいは、ドライを来ていても辛いほど冷たかったのですが、GW後半に入って、やっと黒潮の中に入ることができました。現時点で水温は23℃前後。水は青く、透明度ばっちり。

もう今年はダメなのかと思っていたアオリイカの産卵が、今頃になってピークを迎えています。

本当ならGW中にゲストの皆さんと眺めるはずだった産卵、毎日誰もいないところで、ほぼ独占状態、写真撮り放題。

なんだか、もったいないなあ。

撮れたかどうだかは二の次で、撮っている間、手を伸ばせば触れそうなくらいのところにまで寄ってくる巨大イカの迫力に、ついつい時間を忘れます。アオリイカだけのダイビング、あともう2〜3回は撮りに行きたいと思うほど。

アオリイカ
アオリイカ

目の前に迫ったアオリイカの白っぽい身体の濃淡や、暗がりにある白い卵、遠くでホバリングしているアオリイカ、青い海のグラデーション。この写真が撮れただけで、一眼レフ買って良かった〜と思えたのでした。

しかし! 今月の話は、これで終わりではありません。

私が八重根から大満足で帰ってくると、ナズマドから帰ってきた二人は私以上に大興奮。

なんと、アケボノハゼ、オシャレハナダイ、チゴハナダイ、それにキシマハナダイとアカイサキの幼魚を見つけてきたのです。

しばらくはワイドで行くぞ!!と張り切っていた私の決心が揺らいだのは、言うまでもありません。全部は無理でしたけど、なんとかアカイサキの幼魚だけ撮ってきました。

アカイサキの幼魚

なんてったって akaisaki は私のハンドルネームですから。

恐るべし黒潮! 明日からも、何が出るかわかりません。

来月の豪海倶楽部も、ワイドになるか、マクロになるか?

お楽しみに〜!

星空ランキング

つい先日毎日新聞のニュースに出ていた話。

観光省が同一条件で撮影したデジタルカメラの画像を使って、全国の星空見やすさランキングを作ろうとしているのだそうです。

ここで初めて知ったのが「光害」という言葉。

「光害」という言葉を見て、夜を静かに過ごすことができなくなるような、巨大で派手なネオンサインとか、強烈な光や点滅を繰り返す誘導灯やサーチライトを想像したのですが、どうもそれだけではないのだそうです。

私が子供だった頃は、夜道=暗い、暗い=危険、いかがわしい、行ってはいけない場所で、夜の明るさは経済の発展を表し、安全で安心できる暮らしを約束するようなものでした。

だからこそ、今の日本は、夜、衛星から見ると国の輪郭がはっきりとわかるほど明るく輝いているのだと思っていました。それが、エネルギーの無駄遣いだというなら、まだ理解できるのですが、光害であると言われると、何を今さら?と思ってしまうのでした。

そのニュースには、「日本人の7割は天の川が見えない(中略)場所に…」とありました。

そうでしょうとも。八丈島に暮らしている私でさえ、星空を撮れる場所探しに苦労しているのです。

しかし、今月はリベンジです!

相変わらず夜のナズマドには行けてません。折しも先日は満月でした。

星空がダメなら月夜でも。

底土の堤防の上は、テトラポットを造成する場所になっています。いつも大量のテトラポットが並び、それを移動させるための巨大なクレーンがそそり立っています。海岸を歩いていたら、ちょうど月ば吊り下げられているように見えました。

吊られた満月

さらに歩くと、月光が水面に映って、月光ロードに。

月光の道

そして、別の日に、何とかビールを我慢して、いつもシャルルと車で散歩に出かける場所に行ってみました。

ほとんど人が来ることのない海岸なので、シャルルはリードなしで遊べるのです。ここなら街灯は、あってもちょっと離れているから大丈夫かも? 八丈富士もきれいに見えるし。

で、撮ってみたのが、こんな感じ。

星空

これで天の川が流れていたら綺麗だったかも知れませんね。

でも、まだまだ…

次回までにレリーズ買って、データーを取り直して、天の川が見える位置も調べて。良いのが撮れたら、また載せます。

そういえば観光協会が実施しているアンケート調整によると、最近、八丈島に星空を見るために来る観光客が、意外と多いのだそうです。星空が見れる、撮れるというのは、大きな観光資源となってきているようですね。

失ってわかった、闇夜の大切さ。

さて、観光省が作るランキング、八丈島は一体何位に入ることができるでしょうか?

いまさら一眼レフ

実は先日、久しぶりに一眼レフをポチッと買ってしまいました。

そうゲストの方に告白したら、

「えっ? もう一眼レフは買わないんじゃなかったの?」

と、驚かれてしまいました。

そんなこと言った覚えはないのですが、TG-3とTG-4を使い倒し、コンデジでも一眼レフ並みに撮れるじゃん!と言い続けていたくせに、一眼レフ買うってどういうことよ? と思われたのでしょう。

でも、買ってしまいました。NikonのD810。

本当はそんなに良いカメラじゃなくても良かったのですが、きっとこれが私にとって最後の一眼レフになるだろうと思って、清水の舞台から飛び降りました。

そして当然のことながら、今月から載せる写真はD810で撮った写真ということに。

しかしここで、

「えっ? これD810で撮ったの? 今までと変わらなくない?」

と言われてしまうわけにはまいりません。

なんとかして、

「うーん。なんだかんだ言っても、一眼レフで撮ると違うねえ」

と言ってもらわなくては。

そこで必然的に、今月のテーマは「TG-4じゃ撮れない写真」ということに。

実は、常々「コンデジでは難しい…」と感じていたものがありました。

まず1つ目は、ボケ味のある写真。

できるだけ被写体に近寄ることによって背景をぼかすことはできるのですが、それでもピントが合う範囲が広いので、いやでも背景まできちんと写ってしまいます。

そして2つ目が正面から撮った写真。特にサカナ。

いくらこちらが目にピントを合わせようとしても、所詮はオートフォーカス。サカナが横を向いてくれていれば、目から尾びれまで全体的にピントが合った状態になってくれるのですが、サカナが正面を向いていると、なかなか目にピントを合わせてくれません。

目どころか、サカナのどこにもピントが合わず、背景にだけピントが合っていたりします。

そこで今月の写真は、「目だけにピントが合った、ぼっけぼけのサカナ」となりました。

アマミスズメダイ
キンギョハナダイ
ハタタテハゼ

すっかりローガンズの仲間入りをしてしまった今日この頃、自分の目でピント合わせができるのか心配だったのですが、なんとかTG-4のオートフォーカスには勝てたようです。

GWが明けたら、いよいよワイド写真にチャレンジの予定です。

お楽しみに〜。

八丈島の夜

一眼レフを買ったら撮りたいなあと思っていたものがありました。

それは星空。

たまにネット上で見かけていたのです。多分、場所はナズマド。正面には海に浮かぶ八丈小島。その稜線を囲む満天の星空。人の写真を見て、自分も同じような写真を撮りたいとはなかなか思わない性質(たち)なのですが、これだけは撮ってみたいなあと思っていました。

しかし、その写真を撮るためには、夜中に車を走らせて出かけなくてはなりません。夕食時にビールを飲んでしまう人にとっては、なかなか難しい条件です。

ところが、先日、シャルルを散歩している時に見つけたのです。八丈富士がきれいに撮れる場所を。

ここに満天の星空が広がれば、さぞかし素敵な写真になるに違いない。そう思って、とりあえず手に持っていたスマホでパシッと撮っておきました。

底土海岸から見上げた八丈富士

さて、あとは夜を待つだけ。

いつも通り晩御飯を食べてビールを飲んで、カメラと三脚を担いで、てくてくと歩いて出かけました。夜道を1人で歩くのは寂しいので、シャルルも連れて。

ところが、たどり着いてみてびっくりです。

街灯が煌煌と光り、八丈富士は闇の中。山、どこ?

いやいや、私の目には見えないだけで、ISO感度を上げて撮れば写るのかも。しかし、空は真っ暗でした。星はたくさん輝いているというのに。

結局山を見つけることはできず、ただ満天の星空を撮っただけでは何も面白くなく、シャルルと2人で空を仰いでいました。

夜のシャルル

八丈島の空は広くて、星空観察にはぴったりの場所なのに、真っ暗な場所を探すのが難しいようです。

春の行方

3月に入ってからというもの、八丈島はなぜか肌寒い日が続いています。

最初はてっきり自分が年を取ったせいで、そう感じるようになってしまったのかと思っていました。

ところが寒いと思っているのは私だけじゃなかったようで、年度末の観光の目玉であるフリージアの開花も遅れています。

まあ陸が例年より寒くても、海が暖かければダイバー的にはOKだったのですが。

なんと水温もがっくり。

今年に入ってから上がったり下がったり、怪しい雰囲気が漂っていたのが、3月に入って低めで安定してしまいました。

ずーっと低いままであれば、寒さに強い生き物たちが増えるのですが、急に下がってそのまんまとなると、海の中は閑散としていきます。

暖かい海が好きな生き物たちは、どんどん弱って動きが鈍くなっていきます。

本当なら色鮮やかなイソバナガニ。なんと体に藻が付き始めています。

藻が付き始めたイソバナガニ

これはカニだけではなく、最近見かけるアオウミガメも甲羅にびっしりと藻がついています。

動かないでじっとしていると、あっと言う間に藻で覆われてしまうようです。

サカナたちも元気に泳ぎ回ることができないので、簡単に捕食魚に捕まってしまいます。

お魚くわえたカサゴ

口の両端からちらっと見えている赤いヒレは、キンギョハナダイでしょうか?

カサゴはもちろん、アカエソたちも、いまならお魚食べ放題といった感じ。

そして水温が下がると一気に増えてくるのが小さな生き物たち。

この生き物たちをガンガン食べていたサカナが減ったからでしょうか。サカナが激減すると同時に急増します。

水底付近をホバリングしているヒメオオミアミ

米粒サイズで、ぶーん、ぶーんと飛んでいて可愛いヒメオオミアミ。

黄色やオレンジ色など、色彩バリエーションがあるのも見ていて楽しい。

アヤニシキの上を歩くコツブムシの仲間

こちらも米粒サイズ。

名前を教えてもらった時、コメツブムシと聞こえたのですが、コツブムシの仲間だそうです。

オオグソクムシとも近い種だそうで、確かにちょっと形が似ています。

でも、サイズが小さくて、色がついていると、全然雰囲気が違いますね。

ちょっと寒くて辛いけど、黒潮ど真ん中の時とは違った生き物たちとの出会いが楽しめます。

あー、でも、ゴールデンウィークまでには黒潮に戻ってきてほしいなあ。

続・いまさらTG-4

先月は「TG-4の顕微鏡モードは被写体から離れて撮ろう!」というお話をさせてもらいました。

ものすごく近寄ってもピントが合う顕微鏡モードですが、ストロボの光が被写体全体に当たった明るい写真を撮りたいなら、むしろピントが合う範囲内ギリギリまで遠ざかって撮った方が良いというお話です。

それをウミウシフィギュアを使って机上で説明し、今月はいよいよ水中撮影を実践…という予定でした。

しかし、その前に。

つい先日、ゲストとお話ししていて、気になったことがあったので。もう少しだけ、ウミウシフィギュアでお話しさせてください。

先月、ウミウシフィギュアは、机の上に置いて撮影しました。

でも本物ののウミウシは、海の中で机の上にいるはずがなく、机のような平らな場所にいるとも限りません。八丈島は火山が噴火してできた島ですから、水中の地形もダイナミックです。

ウミウシは、水底や岩の上を這っていることもありますが、垂直に切り立った壁に付いていたり、オーバーハングやくぼみやアーチの天井に逆さに張り付いていることもあります。

それをこんな風に撮ってしまうと、被写体から遠ざかる努力をしても、ストロボの光は全体にあたりません。

壁に付いてるウミウシ
逆さに張り付いているウミウシ

TG-4のストロボは、カメラの上端についています。そのストロボを壁や天井にひっつけた状態で構えて撮ると、光が遠くまで届かないのです。

水中でウミウシを撮ると、こんな風に手前だけが明るく、背景は暗くなります。

手前だけが明るく、背景が暗い

もちろん、こういう写真の方が好きだわ!と思うのでしたら、それはそれで構いません。

でも、例えばこういう写真が撮りたいとすれば?

全体が明るい

答えはとっても簡単で、ただカメラの向きを逆にすれば良いのです。

カメラが逆さになると利き腕でシャッターが押せなくなるので撮りにくいかも知れませんが、それは自分で何とかしてください。

要は、カメラを被写体から遠ざけるのは、ストロボの位置を被写体から遠ざけたいからなのです。

これはTG-4に限った話ではなく、他のカメラでも同じです。ストロボの位置が離れれば離れるほど照射範囲は広がります。

ストロボの位置を被写体から遠ざる

さて、ここでやっと実践編です。

被写体はこちら。ズームをかけていない水中マクロモードで適当に撮ると、こんな感じのユビウミウシの近似種です。

ユビウミウシの近似種の遠景

これを顕微鏡モードで撮ると、こんな感じ。

半分くらいズームして撮り、編集時に少しトリミングしています。

顕微鏡モード

せっかくですから、ここでもアートフィルターで遊んでみました。

適当にズームして撮っていますが、編集はリサイズしかしていません。

ポップアート
ポップアート
ジオラマ
ジオラマ
ドラマチックトーン
ドラマチックトーン

ちょうど八丈島は冷水塊で、ウミウシがどんどん増えていきそうな雰囲気です。

しばらくは顕微鏡モードが大活躍かな〜?

初モアルボアル その2

先月ご紹介したモアルボアル圧巻のイワシ玉。

時にはそこへニタリが突っ込み、エキサイティングな捕食シーンが見られるのだそうです。

しかし、そんなラッキーなハプニングがそうそうあるわけでもなく、いくらイワシ玉がすごいと言っても毎ダイブそれだけでは飽きてしまいます。

ところが、ほんの数分移動しただけで、ガラリと変わるポイントを楽しめるのがモアルボアルの良いところ。ドロップオフあり、砂地あり、泥地あり、サンゴ礁あり。見られるサカナもポイントごとに変わります。

今回はプライベートで、特に目的もなく…という感じだったので、気が付くとスズメダイとハゼばかり。

ドロップオフではフィリピン定番のタルボットやローランドを撮り、サンゴ礫の多い所ではいつも撮ってしまうモルッカダムゼルをパチリ。

モルッカダムゼル

そして、こちらも定番のはずなのですが、時期や地域によっては少ないところもあるせいで、数年ぶりに見ることができたバーチークダムゼル。

ガイドのけんたさんが、それはもう、海の中を泳ぎ回って見つけ、遠くから呼びに来てくれた貴重な1匹です。

バーチークダムゼル

本当はもっと小さいサイズが好きなのですが、コンデジの私にはむしろちょうど良いサイズでした。

そして、枝サンゴの間で群れるスプリンガーズダムゼル。

モアルボアルにはいたるところに枝サンゴがあるのに、スプリンガーズが見られたのは数か所でした。何かきっと、お住まいに対して好き嫌いがあるんでしょうね。

スプリンガーズダムゼル

ハゼの方は、初めて見て嬉しかったのがこちら。ムーンスポッテッドゴビー。

最初、オトメハゼの幼魚か?と思いつつ撮っていたのですが、水色の縁取りがとても綺麗なのです。

モアルボアルだけでなく、フィリピンではポピュラーなのかも知れませんが、モアルボアルではたくさん見られました。

検索するといっぱい画像が出てくるのですが、手元の図鑑にはどれにも載っていないので存在そのものを知らなかったハゼです。

ムーンスポッテッドゴビー

それに比べて地味ですが、やっぱり初めてだった水玉さん。

名前は素敵なホシゾラハゼです。これもけんたさんが教えてくれた1匹。

ホシゾラハゼ

今回のフィリピンは、実は陸上もかなり楽しめました。

何も観光とかしていないのですが、ダイビングする日もランチとディナーは食べ歩き。どこへ行っても安くて美味しくて、外国なのに懐かしい思いに浸れてしまう、のんびりとした片田舎の小さな町。

遊びに来ているのは、ほとんどがヨーロッパ系。

きっとみんな何週間も滞在して、バイクでツーリングに出かけたり、気が向いたらダイビングしたり、うだうだとビールを飲み続けたり。

いつか私も、帰る日を決めずに遊びに行きたいなあ。

いまさらTG-4

昨年の夏、TG-3からTG-4に乗り換えました。

しかし、その時既に繁忙期。TG-3とTG-4の違いを感じる暇もなく、もっぱら体験ダイビングの写真ばかり撮っていました。

それが、ただでさえも暇な今日この頃。春一番、二番、今日は三番が吹き荒れて、朝から飛行機は全便欠航。船は昨夜の時点で欠航。海も陸も大荒れです。

そこで、ちょっと遊んでみました。

TG-3とTG-4の違いは、オリンパスのサイトにわかりやすく紹介されています。

この中で、私が一番「!」と思っているのは、顕微鏡モードの撮影可能距離が広がったこと。TG-3は1㎝〜10㎝だったのが、TG-4では1㎝〜30㎝になったのです。このおかげで、ものすごく撮りやすくなりました。

以前の顕微鏡モードは、ものすごく近寄って撮ることができたけど、逆に言うと、ものすごく近寄らないと撮れないモードだったのです。ちょっとでも離れるとピントが合わなくなっていました。

ところがTG-4は、ちょっと離れても撮れるようになったのです。

例えば、ウミウシのフィギュア。

こんなに近寄ってもピントが合います。でも、こんなに近寄ったら、ストロボの光が被写体に当たりません。

最短で撮影

この状態で撮った写真は、こんな風になってしまいます。

最短で撮ったウミウシ

そこで、リングライト風の拡散版を付けたり、外部ストロボを付けたり、あるいは諦めてライトで照らしながらノンストロボで撮ったり。いろいろと苦労をしていらっしゃる方を大勢見かけました。

それが、少しくらい離れてもピントが合うということになると、こんな状態で撮ることができるようになります。

ちょっと離れて撮影

離れれば、ストロボの光が被写体に当たるようになるのです。

ちょっと離れて撮ったウミウシ

いやいや、離れてしまったら撮りたかった雰囲気と違うなあと思えば、ここでズームをかければ良いでしょう。

ズームでアップ

この状態で、いろんなアートフィルターを使って遊んでみました。

フォトショップでリサイズしただけで、色の補正やトリミングなど、一切編集していません。

比較しやすそうなものを選んでご紹介すると、こんな感じ。

フィッシュアイ
フィッシュアイ
ポップアート
ポップアート
ファンタジックフォーカス
ファンタジックフォーカス
デイドリーム
デイドリーム
ラフモノクローム
ラフモノクローム
ドラマチックトーン
ドラマチックトーン

さて、これを水中で、本物のウミウシを被写体にして撮り比べたらどうなるでしょうか?

それは来月の「つぶやき」でご紹介します。

まずは、早く海が凪ぎてくれないと〜(祈)

初モアルボアル

年に1度のペースで出かけているプライベートなダイビングツアー。年に1度ではありますが、ずいぶんといろんな所で潜りました。

今年も、できれば行ったことのない所へ行きたいなあと思っていた矢先。私のFaceBookに現れた、バニラ・エア格安航空券の広告。

那覇や奄美大島に就航しているのは知っていましたが、そこに出ていたのは成田発セブ行きのビックリ価格。往復料金で比べると、羽田―八丈島の値段とたいして変わらないじゃん。

ここは1つ、バニラ・エアでセブへ飛び、セブ島内のどこかで潜ろう!

そうして決めた行先がモアルボアルでした。

モアルボアルは、のんびりとした雰囲気の、でも賑やかな小さな町でした。

バラック小屋のお土産物屋、オープンエアの飲み屋、ホテル、ダイビングショップなどが細い舗装されていない道の両端にぎっしり。

その道をぶらぶらと歩いていても、客引きのようなものはないし、お土産物屋をのぞいても売り込まれることもないし、ひったくりやスリに注意しなくてはならないような緊張感は皆無でした。

観光客の多分ほとんどがヨーロッパ系。あとは韓国人と日本人が少しずつ。

日本人がオーナーのダイビングショップは2店舗だけだそうで、今回はエメラルドグリーンのけんたさんとあさみさんにお世話になりました。

伝手があったわけではなく、HPに素敵な写真がたくさん掲載されていたので、そこにしました。

何気なく「〇〇が見たいなあ」とつぶやくと、そこまでしてくれなくても・・・と思うほど一生懸命探してくれる、期待以上の素敵なガイドさんでした。

さて、そんなモアルボアルの海は、良くも悪くもフィリピンでした。

ショップから海へは歩いて30秒?

バンカーボートに乗ってポイントまでは遠くても15分くらい。とにかくラクチン。

小さなモアルボアルの海岸線沿いにびっしりとポイントが並んでいるのですが、同じ海岸線なのになぜかポイントによって雰囲気が異なるのです。遠出しなくても、いろんな海が楽しめちゃう。

しかし、その雰囲気は、今まで行ったことのあるフィリピンのどこかに似ているし、サカナたちもフィリピンらしい顔ぶれが勢ぞろい。

ただし、ハウスリーフで見られる「イワシ(通称)の群れ」だけは圧巻でした。

今までギンガメトルネードとか、アジ玉とかなら見たことがあったので、それのイワシ・バージョンね、と思っていました。

「いや、玉じゃなくて壁ですね」

と言われていたのですが、遠くから見えたのは、最初は玉でした。

まるで真っ黒な雨雲のように見えました。

暗雲のごとき魚群

近づくにつれて、その玉はどんどん大きくなって、水面を覆いつくし海の中は真っ暗になってしまいました。

自分がサカナに埋まってしまって、方向感覚がおかしくなり、写真を撮っている間に目眩がしてきました。

イワシホール

魚影が濃すぎて、一緒にいるはずのダイバーも見失いがち。

幾重にも折り重なる魚群

水面を見上げると、大勢のスノーケラーが浮き輪やボートにつかまって水中を見下ろしています。

これは、ダイビングじゃなくても、かなり楽しいはず。

ダイビングショップの多くが軒先でシュノーケルセットのレンタル品を並べていたのですが、これはさぞかし利用者が多いことでしょう。体験ダイビングの需要も高そうです。

水面にはダイバーの群れ

そういえば、水面には小舟に乗った漁師をたくさん見かけました。

オールも1本使っていますが、足にフィンを付けて舵を切っています。

釣り竿もエサもなしで、どんだけ釣れるんだろう?と思っていたのですが、これだけいれば釣れるでしょう。

釣るというより、針に引っかけて引き上げているだけのようです。そして、このサカナをエサにして大きなサカナを釣るんですって。

漁師

海も陸も、のんびりとした時間が流れるモアルボアル。

いつまでもこの風景を残しておいてほしいですね。

2度目の写真展

昨年のちょうど今頃、私たちは溝の口にあるFU-KUというダイバーに人気の居酒屋で写真展を開催していました。

展示してもらったのは、私たちの写真ではありません。全てゲストの写真。

その前の年に八丈島で撮って頂いたゲストの作品をお預かりし、FU-KUの店主と相談しながら選んで展示して頂いたのです。

よほど何かの縁でもない限り、あるいはフォトコンにでも入選しない限り、一般のダイバーが写真を大きなサイズで印刷し、不特定多数の大勢の人たちに見てもらう場所に飾る機会はないでしょ?

それに、ゲストの皆さんが撮った写真を見てもらった方が、まだ八丈島に来たことがない方に「八丈島に行けばこんな写真が撮れるんだ」と思ってもらいやすいのではないかと思ったのです。

そんな写真展、なかなか好評でした。期間中にオフ会を2回、どちらも大勢の方に集まって頂けて大盛況。私たちも楽しませてもらいました。

そして、これに気をした私たちは、今年も写真展を開催することにしました。その名も「2回目だよ 八丈島みんなの写真展」。

告知用ポスターの写真だけは、私がTG-4でガイド中に撮影したもの。

2回目だよ 八丈島みんなの写真展

集まった皆さんの写真を見ていると、あー去年はノコギリハギの幼魚が多かったなあとか、黒潮が当たって水温も透明度も高かったんだっけーなど、もう既に忘れそうになっている去年の海が思い出されます。

シーズン前に、去年のことをおさらいしておく機会があるって、なかなか良いもんです。

今年のオフ会は3月11日と4月7日。既に3月11日は希望者が多くて満員に近い状態ですが、4月7日の方はまだまだ空いています。

もちろんオフ会の時でなくとも、3、4月の2ヶ月間はいつでも写真はご覧になれます。FU-KUの美味しい沖縄料理を楽しみながら、八丈島の話で盛り上がること間違いなし。

是非、足を運んでくださいね!

願い事

明けまして、おめでとうございます。

早速ですが、昨年は申年。サルと名の付くサカナは?

調べると出てくるのが、サルハゼの仲間たち。

いろいろいるのですが、どれもこれも砂泥域に生息する、じみぃなハゼ。

マニアックなハゼ好きでなければ見たことのない方の方が多いはずですから、サルハゼの写真の年賀状は、本当にごく僅かでした。

今年は酉年ですから。

今度は山のように見つかります。まず、スズメダイの仲間だけで、あっと言う間に数百種。

そこへ、ヤマドリだの、ツバメウオだの、シジュウカラだの、探せばいくらでも出てきそうです。どれを選ぶか、かえって悩ましいですね。

話は変わりますが、ここ数年、私の相棒と言えば TG-3、TG-4だけ。

一眼レフとは縁遠いダイビング生活になっていました。

それが、つい先日、TG-4 をゲストの方に貸し、逆に自分は親方の D810 を借りる機会がありました。

久しぶりに両手でカメラを構えてマクロ、慣れてないとうまくいかないものですね。

たまたま、最近 TG-4 でマルスズメダイを撮ったので、今度は D810 で撮ってみました。

マルスズメダイ
マルスズメダイ

どっちがどっちって、説明不要ですよね。

今まで、マクロはコンデジで十分じゃん…なんて思っていましたが、比べてみると違いすぎ。

やわらかい雰囲気が好きなら、やっぱり一眼レフですね。

というわけで、今年の抱負? それとも願い事。

何とかして、一眼レフ生活に戻れますように。

そして、ふわっと明るい写真で豪快倶楽部の記事が書けるようになりますように。

今年もよろしくお願いしま〜す。

山男の仕事

ほぼちょうど1年前に、八丈富士に登りました。

2015年12月号に書きましたが、八丈富士の登山道は長年にわたって多くの人が歩いた結果、細い道の両側が崩れ、踏み外すと下に滑落してしまいそうな場所が増えてきていました。

それを防ぐために、山男たちが大量の大岩を山頂へ運び上げ、道を整備する大工事が行われていたのです。

昨年の12月は、その工事の真っ最中。年が明けたら、完成後の道を歩きに行こうと思っていたのに、あっと言う間に1年が経ってしまいました。

前回はシャルルを連れて行きましたが、この1年で体重が増え、抱いて登るには重すぎるので今回はお留守番。私一人で登ってきました。

八丈富士は標高800m以上ありますが、かなり上の方まで車で上がれるため、歩いて登るのは1時間程度。火口の外縁に到着し、そこからお鉢周りコースの道を歩くと15分程度で頂上に到着です。

八丈島マップ
八丈富士マップ

昨年、このお鉢周りコースの出発点まで、モノレールで大岩が運ばれている様子をレポートしました。

そこから道は2つに分岐し、お鉢周りコースの道と、火口に下りて神社へ向かう道があるのですが、その道の整備のための大岩は、人力で運ばれていくのです。

お鉢周りスタート地点

この写真の左側へ行くのがお鉢周り、中央正面の細い道を下りていくと神社です。

この神社への道、いつもは藪で覆われた道なき道の急斜面、行けば絶対迷子になって帰ってこられそうにない雰囲気でした。そのため、実は今まで何度も八丈富士に登ったことはあるのに、神社へは行ったことがなかったのです。

それが今回、こんな風に岩が積み上げられ、道ができているので迷うことはなさそうです。初めて行ってみました。

神社へ向かう道

砂利の急斜面だったところに、びっしりと岩が敷き詰められ、かなり歩きやすくなっています。これを全て人が運んだのかと思うと、畏敬の念を覚えます。おかげで、初めてお参りすることができました。

浅間神社
浅間神社

思えば、この鳥居も人の手で運ばれてきたのですよね。

鳥居と比べると極端に小さな鳥居の前には、本来海岸付近に落ちている丸い石がいっぱい。その石には、お参りした人たちの願い事が書かれていました。

お参りを済ませたら、お鉢周りコースに戻ります。ところどころ新しい標識が立てられ、道をふさいでいた灌木は伐採され、ずいぶんと歩きやすくなっていました。

お鉢周り

そして山頂を通り越して、目指すはナズマドの正面付近。

そこからは、海に浮かぶ八丈小島をのぞみ、その横に沈んでいく夕陽を眺めることができるのです。

八丈小島と夕陽

さて、今年は何度訪れることができるでしょうか?

海でも山でも、力いっぱい遊べますように。今年もよろしくお願いします。

夜のエビをコンデジで

どういうわけか、私の隣に座っている人が急にテンジクダイの写真を撮り始めました。

今年の夏は水温が高かったせいで、けっこういろんなテンジクダイが見られていて、その時は見向きもしなかったくせに。

いくらテンジクダイの写真を集めても、八丈島だけでは限界があるし、まさかガイドブックを出そうという訳じゃなし。

なんで? と尋ねると、

「だって、目標があると楽しいじゃん!」

とのこと。

別に理由があるわけでなく、テンジクダイの写真を撮り集めるのが目標なのだそうです。

スズメダイやベラと違って、テンジクダイとなると、いつもとはちょっと違うダイビングが必要になります。他のサカナたちと違ってテンジクダイは暗がりを好むタイプが多く、夜行性で日中は見られないものも多いから。

そこで珍しく、

「ナイトに行こうよ!」

と誘われました。

レグルスに来て16年。スタッフだけでナイトに行くのは、多分5回未満。

水温高いし、コンデジ TG-4がナイトでどれくらい使えるのか試してみたい気がしたので、付き合って行ってみました。

私の狙いはテンジクダイではなく夜行性のエビ。これが予想以上に難しかった。

エビの場合、ライトをばしっと当ててしまうと、光を嫌ってぴょんと跳ねて暗がりへと逃げてしまいます。

そのためフォーカスライトはわざと被写体から少し外して薄明りになるようにしたり、赤色のフィルターを付けたりします。

ところが、その状態でコンデジを見ると・・・液晶画面は真っ暗。肉眼だと見えている被写体が、液晶画面の中ではさっぱり見えません。

仕方なく、薄明りの中でエビを探し、見つけたらすぐにシャッターを押せるようにカメラを構え、ばしっと光を当てて、それと同時にばしっと撮る。シャッターを押せるのは2〜3回。

やっとの思いで撮れたのがアカモンサラサエビ。

ナイトじゃないと撮れないエビです。眼玉が光ってしまうのは、内臓ストロボを使ったコンデジでは仕方ないのかも。

アカモンサラサエビ

ソリハシコモンエビは日中でも見られますが、ナイトだと外に出てふわふわと漂っているので見つけやすいです。

しかし、やはりライトを当てると、ふわふわしながら暗がりへと逃げていってしまいます。

同じように、ライトを当てるのと、シャッターを押すのを同時にできるように身構えておかないと撮れません。

が、さらに難易度が高いことに、この系統のエビちゃんたちは身体が透明なので、ライトを当ててもピントが合わないのです。

そこで使えるTG-4の置きピン機能。

予めピントを合わせる距離を決めて固定しておけるので、シャッター半押しでイライラすることがありません。

とにかくエビと一定の距離をキープして、ひたすらシャッターを押すのみ。

ソリハシコモンエビ

こんな風に、他の人が砂地や転石帯でばしばしテンジクダイを撮っている間、私は壁に張り付いて、右手にコンデジ、左手にライトを持ってじたばたし、あっという間に1時間。

普段は、もう一眼レフなんて要らないわ〜なんて言っていましたが、夜のエビだけは一眼レフの方が楽に撮れるかも知れませんね。

降るのは雨の八丈島

先日、珍しくスタッフだけでナイトに出かけました。

海の中のことは「つぶやき」の方に書いたのですが、この時、空は満天の星空で、薄っすらとですが天の川も見えていました。

これこそ星降る夜。あまりにも綺麗だったので、これは撮りたい!

そうだ、次号の豪海倶楽部は、星空の写真にしよう。そう思ったのです。

しかし、その翌日からは毎日続く曇り空。

夕方になるとシャルルと散歩へ出かけ、空を見上げては溜息、ふぅ。

そう言えば、八丈島は雨の多い島でした。

春の嵐から始まり、菜種梅雨を迎え、爆弾低気圧に驚き、本格的な梅雨で何もかもカビだらけとなり、台風襲来で吹き飛ばされ、秋の長雨にうんざりし、冬の低気圧で船と飛行機の欠航が続くのです。

SNSのタイムラインには美しい紅葉の写真が増え、所によっては白い雪が舞い始めているというのに、八丈島は何もかも灰色になってしまいそうな、どんよりとした曇り空に冷たい雨。

今日は朝から土砂降りで、気持ちまで、どんよりと暗く沈んでしまいそうな天気です。

一体、八丈島で見る人に感動してもらえるようなキラキラな美しい写真は撮れるのか??

もし撮れるとしても、一年のうちに数日しかないんじゃないのか??

と、どんどんマイナス思考に落ちていっていたのですが、途中で、それならそれでも良いじゃん。と開き直ってみました。この暗い雰囲気が、本当の八丈島なのよ。

外は雨

朝から晩まで、時間の経過が感じられない外。

ダイビングはおろか、買い物に出かけるのも躊躇してしまいます。

一生懸命撮っていたら、横でメロンが寂しそうにしていました。これも、レグルスではよく見かける光景かな。今日は散歩に行けそうにありません。

散歩に行きたい

今夜から明日の午前中は晴れの予報。

こんなにたくさんの厚い雲が、夜にはどっかにいってなくなっちゃうのでしょうか?

今夜、満天の星空になったら、この原稿は書き換えるかも知れません。

このままの可能性の方が、高い気がするけど。

カメの甲羅

やっと認知度が上がってきたかと思うのですが、八丈島ではアオウミガメがいたるところで見られます。

ダイビングをしない人でも、海水浴やシュノーケリングでも見られます。

もちろん、八丈島を訪れた人たちは、海でカメに出会えれば大喜び。サークル合宿でやってくる学生ダイバーも大喜び。

多い時では1ダイブで20個体以上見ることができることさえあります。

カメ〜

そんなダイビングの後に「次のダイビングはどうします?」とリクエストを伺うと、「次もカメで!!」とおっしゃる方がいるほどアオウミガメは永遠のアイドルです。

八丈島のアオウミガメは、怖いくらい大きなものから、とても可愛い小さいサイズまで、根の上で海藻を無心になって食べていたり、中層をのんびり泳いでいたり、根の隙間に頭を突っ込んで寝ていたりと、いろいろです。

ダイバーが周りを取り囲んで、ぱちぱち写真を撮っても意に関せず。

「八丈島のカメって、どうしてこんなにフレンドリーなんですか? 全然逃げないですよね??」と聞かれますが、理由はよくわかりません。

カメ〜

昔、昔、島の人にとってカメは大切な食糧で、私が八丈島に来た頃には居酒屋のメニューにカメ料理が載っていました。

しかし、ものすごく美味しいというわけでもないので人気もなく、食糧だって他に豊富に手に入るようになり、カメを取って食べる人はいなくなりました。

カメは食べるものではなく、愛でるものになったのです。そんな人間の勝手な事情を、もしかしたら察知しているのかもしれません。

カメ〜

このカメの甲羅、八丈島に黒潮が当たっていて水温が高い時期が続くと、とても綺麗な状態が保たれます。

ところが冷水塊が当たって水温の低い時期が続くと、あっと言う間に藻で覆われ、もしゃもしゃのヌルヌルになってしまいます。アオウミガメ自身が動かなくなってしまうせいもあるようですが、お掃除部隊の人手が減ってしまうせいもあるようです。

実はアオウミガメは、人間だけでなくサカナたちにも愛されています。

根の隙間に入って寝ていると、いろんなサカナたちが集まってきて、甲羅をお掃除。よくレンテンヤッコがついばんでいるのを見かけますが、この日はノコギリヨウジたちが集まっていました。

ノコギリヨウジなんて、普段はすぐ暗がりに引っ込んでしまって写真なんて撮れないのに、今日はみんなカメの甲羅掃除に夢中のようでした。

コギリヨウジ

目が覚める頃には、つるつるぴかぴか?

さぞかしさっぱりしていることでしょう。

モノクロ八丈

加藤家の長男が写真集を出しました。

もちろん、書店で買えるような大層なものではなく、渋谷で写真展をやった作品を集めた小冊子みたいなものです。

そもそもバンド活動がメインで、フジロックにまで出てしまったのですからそれだけでもすごいなあと思うのですが、自分の写真を人に買ってもらえるというのは、たいしたことだと思います。

もちろん、買いましたよ。お父さん経由で。

小さな小冊子とCDをセットにして、紐で結んであります。中に私宛の手紙も入っていました。

私がレグルスに来た時、彼はまだ小学生で、こういう大人になるとは予想外だったような、でも納得できるような。ちょっと不思議な感じです。

写真集

そのCDを聞きながら原稿を書いています。

音楽のことはよくわからないけど、写真は全てモノクロ写真で、ああ、私ってこういう写真は撮ろうとしたことがなかったなあと思うようなものばかり。

どう考えても、ただ歩いたり、ごはん食べたり、何かしている時に、目に付いたものをぱちぱちっと適当に撮っただけでしょ?と言いたくなるようなカットなのですが、妙に八丈島のことがよく表されていて印象に残ってしまうのです。

私はと言えば、写真を撮る時には、まず「写真を撮るぞ!」的な気合を入り、頭の中から準備が始め、歩き回り、自分が思い描いた絵を現実の中で探し当て、被写体を決め、背景を見て、露出を調整し、あーでもない、こうでもないとカメラを弄繰り回しているのです。

絵に描いたような美しい写真が撮れたとしても、なんとなく生活感とか人間味なんてものがない。そのことに気が付いたことがありませんでした。

そういうわけで、今回はいつもと違う写真を撮ってみよう! と、近くの底土海岸に出かけてみました。彼のマネをしてモノクロ写真。これもよく考えてみたら初挑戦。

人は写ってないけど、なんとなく人間の匂いがしそうな写真を目指してみました。底土海岸の写真集です。

新待合所
新しくできた東海汽船の待合所の入り口
新待合所のトイレ
トイレも新しい
旧待合所
古い待合所、水は出なかった
旧待合所
古い待合所の軒先
底土港
廃車のスクラップ、1台が棺桶サイズ
底土港
港にそびえ立つクレーン

ちょっと今風な感じになったでしょうか。やってみると意外と難しいです。

難しいと感じているようじゃ、まだまだなのかな。

ひまわり、たんぽぽ、すずめだい

2007年のことですから、かれこれ10年近くも前です。西表の矢野さんのところで潜らせてもらいました。

当時、スズメダイについていろいろと疑問を持っていた親方の加藤から頼まれて、矢野さんにコガネスズメダイについて質問しました。

細かいことはもう覚えていないのですが、その時矢野さんが

「あの本見た時、びっくりしたんだよな。こんなの見たことないって。」

とおっしゃったのです。

あの本、というのは、山と渓谷社の「日本の海水魚」。その439ページに載っているコガネスズメダイ。その右下隅っこに載っている幼魚の写真を見て驚かれたそうです。

よく見ると撮影地はどれも伊豆半島と伊豆大島。

「西表にもコガネスズメダイはいるって思ってたんだけど、この写真のサカナと違うんだよな。幼魚は、こんなんじゃないんだよ。」

一見、黄色い体色のインパクトが強すぎて、どれもこれもコガネスズメダイと呼ばれていたスズメダイ。

よく見ると、実はその中に複数の種類が混在していて、伊豆で見られるタイプと西表で見られるタイプ、どちらかがコガネスズメダイではなかったのです。

結局、数年前に、西表で見られるスズメダイに、ヒマワリスズメダイという名が付きました。

両方を見比べてみないことには、なかなか見分けられるようにならないかも知れません。実は八丈島、コガネもヒマワリも、どちらも幼魚から成魚まで全てのステージを見ることができます。色は同じ黄色ですが、コガネはふっくらした体形、ヒマワリはスリムです。

コガネスズメダイの幼魚は丸っこくって豆粒のよう。ある程度までは成長して大きくなっても可愛く感じられます。

コガネスズメダイ幼魚
コガネスズメダイ若魚

ヒマワリスズメダイは細長く、幼魚は可愛いのに、成長すると目の周りが黒ずんで顔色が悪い印象になります。

ヒマワリスズメダイ幼魚
ヒマワリスズメダイ幼魚
ヒマワリスズメダイ若魚

これでコガネは分類上混じりっけなしのスズメダイになったのですが、ヒマワリの中にはまだ複数が混在しているのではなかろうか?という話が残っていました。

八丈島では、ヒマワリスズメダイと言えば、1種類しか見られません。

ではどうしてそんな疑問が出たのか? と言うと、海外で見かけたスズメダイの中に、どうしても名前がわからないものがいたからなのです。

幼魚はヒレだけが黄色いのでアルファスズメダイのような気もするけど、大きいものは体色も黄色っぽくコガネスズメダイに似ているという、なんだか厄介な存在でした。

コガネとヒマワリがちゃんと分けられていなかった頃には、訳がわからないという感じ。私が初めて写真を撮ったのは2005年のフィリピンで。矢野さんと出会う、さらに前の話でした。まだカメラが銀塩です。

タンポポスズメダイ幼魚
タンポポスズメダイ若魚

2011年に出した「スズメダイ」の本には「ヒマワリスズメダイ タイプ2」として掲載されています。

先日、このスズメダイに、やっと名前がつきました。なんと、タンポポ。黄色い花シリーズです。

名前を付けたのは、鹿児島でスズメダイの分類を進めていらっしゃる岩坪さん。

さらに驚いたことに、このニュースが9月17日付の読売新聞の鹿児島版に掲載されたのです。ヒマワリとタンポポの生態写真も掲載され、撮影者として加藤の名前も載っていました。

9月17日付の読売新聞 鹿児島版

あともう1つ、八丈島には名前の付いていないスズメダイが残っています。

もう少ししたら和名が付くはず。デビューが待ち遠しいな。

ハイビスカス

八丈島に初めて来たゲストを乗せて車で走っていると、後部座席から

「うわぁ、赤い花がいっぱい咲いてる。まるで南国みたい。」

と歓声が聞こえてきます。

赤い花はハイビスカス。八丈島では1年のうち9ヶ月は咲いています。八丈島は決して南国ではなく、冬は寒いです。

しかしゴールデンウィークから秋にかけてやってくる大勢の観光客の「南国に来た〜♪」という気分を盛り上げるために、東京都がほぼ全ての都道にハイビスカスを植えてくれているのです。

レグルスのショップ前も都道ですので、毎日大輪の花を咲かせてくれています。

晴れた日に、ハイビスカスを眺めながらテラスのハンモックで揺られていると、ここで暮らしていてもリゾート気分に浸れます。

ハイビスカス

このハイビスカス、野生のものだけで約250種もあり、園芸品種まで加えると相当な数の種数があるそうです。

八丈島でよく見かける赤いハイビスカスはブッソウゲという名前で、風や潮に強く、海辺の家の生垣などに適しています。

レグルスも海の近くなので、特に台風の時などは大量の潮風が当たります。塩分に弱いアジサイなどは、葉っぱが茶色く変色してしまうのですが、ハイビスカスの葉はいつも青々としています。海辺の公園でも、ハイビスカスがもりもり育っています。

海辺の公園のハイビスカス

ところが、夕方になって周りが薄暗くなってくると、大輪のハイビスカスはまた蕾に戻ってしまいます。夜には全部蕾になって、ご就寝。そのうちのいくつかは、蕾のまま、ぼとっ落ちてしまいます。

どうやら、ハイビスカスは明るい日中に花を咲かせ、暗くなると花を閉じ、それを何度か繰り返した後に蕾の状態で落ちてしまうようです。

他の花のように、花びらを1枚ずつ落としていくことはなく、咲いた状態でぼとっと落ちる椿とも趣が異なります。

夜のハイビスカス

そして冬が近づいてくると、ハイビスカスの花はどんどん小さくなっていきます。

新年を迎える頃のサイズは、夏の半分くらい。数も少なく、ぽつぽつと可愛らしく咲いて、同じ花とは思えません。

冬のハイビスカス

今年も、2ヶ月カレンダーが最後の1枚。例年と比べるとまだまだ暑い日が続いているのですが、これから急激に冬がやってくるのでしょうか?

ハイビスカスは、まだまだ咲きたがっているように見えるのは気のせいでしょうか。

台風後のチョウチョたち

8月は台風7号に始まり、台風9号が直撃し、台風10号のリターンに怯える月末。今のところ、キャンセルが相次いでいるという経済的な打撃以外は、特に何の被害も出ていません。

台風9号の際には、自販機が倒れたり、底土の駐車場に停車中の車の窓ガラスが割れたり、海水浴場の防災小屋が吹き飛んだり、交差点の信号機が斜め向こう側を向いてしまったり。その程度の被害で済みました。

テレビ中継では八丈島の暴風雨の様子が流れ、たくさんの方にご心配頂きましたが、怪我人が出たり、家屋が破損するようなことはなかったようです。

普通、台風接近時には海も大しけとなり、海況が落ち着いてから潜る1本目には水中の荒れ果てた様子に驚かされます。こんなものまで動かせるのか?と思うような大岩が転がっていたり、真っ二つにわれていたりします。

海藻や海綿で覆われていたはずのテトラポットが、傷だらけになって、新しいコンクリートの面が剥き出しになっていたりします。そして、嘘のようにサカナが少なくなり、シーンと静まり返ったように感じる、廃墟のような水中。

幸い、今のところ、そんな風にはなりませんでした。

それどころか、台風が近くを通過していくたびに、新しいメンバーが加わって、海の中がますます賑やかになっていっているのです。今年の特徴は、台風の度にユウゼンの幼魚が増えていること。

もちろん、八丈島では成魚なら一年中見られます。しかし、潮通しの良いポイントのみ。湾内のポイントでは見ることはありません。これが幼魚となると、例年なら秋頃のみ。全く見られない年もありました。

それなのに、今年の初見は8月初旬。台風7号通過後からどんどん増え、9号通過後の今、ほとんどすべての主要ポイントで目撃されているのです。ガイドが探さなくても、ゲストが自分で見つけてくれます。幼魚も成魚も同じ色・形なのですが、なぜか小さければ小さいほど、かわい〜っ!

ユウゼンの幼魚

アップで撮ると、いまいちそのかわいさが伝わらないかも知れませんが、ひいて撮ると…同じユウゼン、こんなにちっちゃいんです。

ユウゼンの幼魚

ユウゼンだけではありません。チョウチョウウオとキンチャクダイの幼魚は、豊作です。どれもこれも、成魚と変わらないのですが、小さいというだけで、萌えます。

ペンダントヘッドにしたいアミメチョウ。

アミメチョウチョウウオ

シチセンチョウもシラコダイの幼魚と同じ大きさ。おこちゃまなので、ペアではありません。素敵な相方が見つかると良いね。

シチセンチョウチョウウオ

キンチャクダイ系は写真を撮りに行く機会がありませんでしたが、驚くほどソメワケヤッコの幼魚が急増しました。他にもスミレヤッコやレンテンヤッコ、トサヤッコの幼魚がいっぱい。

猛烈な台風10号、みんな無事にやり過ごすことができるのでしょうか?

この原稿が公開されている頃には過ぎ去っているはず。

本州上陸か?という予報も出ています。皆さん、ご無事で!!

スマホで花火

今年も恒例の花火大会。曜日に関係なく、毎年8月11日です。たいてい平日なので、いかにも島民による島民のためのイベントという感じだったのですが、今年は違いました。

今まで、8月11日は島民や一部の人だけが知っている八丈島の花火大会の日だったのに、今年から「山の日」という国民的祝日になってしまったのです。

花火と山は全然関係ありませんが、ただでさえもお盆。祝日になってしまった以上、例年より大勢の人が島に来て、例年より大勢の人が花火大会に集まっていたように思います。

年によっては、なんだか閑散としていて、このまま消滅しちゃうんじゃないの?と危ぶんでいたのですが、ちょっと盛り返した感じで、ちょっと嬉しい。気のせいか、花火も多め?

毎年花火を撮っていますが、最初はフィルム一眼レフ、そして、デジタル一眼レフ、ミラーレス一眼、コンデジ、そして昨年はタブレット…とくれば、今年はスマホでしょう。どんどん身軽になっています。昔は三脚かついで出かけていたのに。

その前にガラケーでも撮っていましたが、メールに添付する程度なら十分でした。でもネットに上げるにはちょっとね。

一眼の時には、花火が打ちあがる前からシャッタースピードだの絞りだのISO感度だの、どうしよう?そうしよう!と、あれこれ考え、最初の数発は試し打ちぱっかりでしたが、コンデジになってからは花火モードにしたり、HDRモードにしてみれば良いだけ。

さて、スマホはどう撮れば良いんだろう?

私のスマホ、いわゆる格安SIMを入れているASUS(エイスース)なのですが、カメラを立ち上げると普段は「オート」なのですが、設定のメニューボタンを押してみると、ISO感度だの、ホワイトバランスだの、かなりいろいろいじれます。

むむむ、これは意外と大変かも…?と思っていながら、とりあえず花火にスマホを向けると、勝手にローライトモードというのになってくれました。どうやら、暗い場所で撮るためのモードらしいです。

設定をいじっている暇がないので、結局そのローライトモードとやらで撮影。

八丈島の花火大会は、規模も小さいし、打ち上げる数も少ないけど、近くで見られるのが醍醐味です。普段は東海汽船が着岸する桟橋の中ほどから打ちあがっています。

打ち上げ場所の様子

その様子を、私たちは底土海岸や、ロータリーの駐車場から眺めています。

駐車場には屋台が出ているので、打ち上げ前に買っておいたビールやたこ焼きを食べながら、まるで夜のお花見気分。

風向きによっては火の粉が飛んできて怖いくらいなのですが、今年はほぼ無風。雨も降らず、最高のコンディション。

花火

あー、なんで台湾で買った外付けのワイドレンズ、持って行かなかったんだろう。

来年にリベンジかな。って、来年もスマホで撮ってるのかしら。それとも、また新しいおもちゃを手に入れているでしょうか?

1年後のお楽しみです。

水たまりの中で

八丈島に来るダイバーが大好きなナズマド。

そのエントリー口の横に、小さなタイドプールがあります。潮位が下がると、その大きさは民宿の大浴場の浴槽くらいの広さ。深さも1.5m前後。水がないと脱ぎ着ができないロクハンのダイバーが、ここを使います。

潮位が上がると、外海とつながり、タイドプールの存在は見えなくなってしまいます。

ナズマド

水底に横穴は見えませんが、外海とつながっているらしく、いつも水面の位置は外と同じです。

冷水塊の時期が続き、長い間このプールの水が少ない状態が続くと、なんとなく水色が悪くなり、磯臭さが強くなってきます。中にいる生き物は、ヤドカリたちやニシキベラばかり。

ところが、黒潮がやってきて潮位が上がり、毎日のようにざぶんざぶんとたくさんの水が出入りするようになると、中の様子も一変します。

先日は外洋で暮らすため、ダイビング中にお目にかかることはないであろうシイラの子供が入り込んでいました。近くに浮いている枯草などのゴミに一生懸命寄り添っています。

シイラの子供

大きいものなら珍しくない、極小のボラの子供たち。

ボラの子供

もちろん、タイドプールでは定番のカエルウオも。

この狭いタイドプールの中で数が増えすぎ、テリトリー争いが激化。みんな一か所にとどまることなく、安住できそうな穴を奪い合って水底で泳ぎ回っていました。

この中でみんなが産卵したり、卵を守ったりするのかと思うと、かなり楽しみです。

カエルウオ

他にもニジハギ、ネズスズメ、シマハギなど、夏の季節来遊魚たちの姿がたくさん見られました。お1人様限定ですが、この中だけでもかなり楽しめます。

ナズマドに来たら、横を素通りせずに、マスクだけ付けてのぞいてみてください。

お願いポケモン

今年の夏は早くから暑い日が続くせいで、海の日の連休前から体験ダイビングの問合せが途切れることがありません。

つい先日のことです。

ゲストはカップルの2名。ホテルからレグルスへお連れする車中でのこと。静かだった後部座席から、突然声が聞こえました。

「あっ!!」と、女性の声。

何か忘れ物かと思って振り返ろうとしたら

「いたね。」と、男性の声。

「うん、今、3匹。」

バックミラー越しには、スマホを見つめる2人の姿。私が心の中で思っていたことを、女性の方が声に出しておっしゃいました。

「あたしたち、何しに八丈島に来てるんだろうね?」

ま、とりあえず、ダイビングもすることだし、良いんじゃないかしら?

海の中ではスマホでは体験できない浮遊感と、青い海の水の感触を体全体で楽しんで頂きました。

社会現象にまでなっているポケモンGO、いろいろ問題はあるのでしょうが、これを利用しない手はないと思っている民間企業や自治体は少なくないはず。もう既にマクドナルドがコラボしていたり、神戸市がプロジェクトチームを立ち上げたり。各地のゆるキャラみたいな、ご当地モンスターができれば、きっとそれをゲットしに旅行へ出かける人が増えるんじゃないでしょうか。

マジで、レグルスダイビングにポケモンを置いてくれれば、そのうちの何人かは体験ダイビングに興味を持つんじゃないか? などと思っています。

それとも、用もないのに店の前をうろつく人が増えて困るでしょうか?

ここ数日、レグルスの店の前を、スマホを持って行ったり来たりする人の姿を見かけるようにはなりました。しかし、各地でニュースになっている状態からはほど遠く、ほんの数人。だって、ポケモンとか、ポケモンステーションとか、ジムとか? いろんなものが、少ないんですもん。なんだか地図に現れるマークがまばらです。

ポケモンGOで見た底土海岸

いつもシャルルと散歩している垂土海岸では、全く何も現れなかったので、仕方なくいつもと違うコースで散歩。しかし、せっかくポケモンを見つけても、シャルルが立ち止まることを許してくれません。

っていうか、シャルルがポケモンになってる?

ポケモン・シャルル

いろんなアイテムを手に入れることができるポケモンステーション。

レグルスから一番近いところでは、いつも体験ダイビングのゲストの記念撮影をする底土海岸の看板の場所。近くに立つと、スマホにはこんな風に表示されます。レグルスもポケモンステーションになれば良いのになあ。

ポケモンステーション

今年の夏は、この看板の前にスマホを持った人たちがたむろするのでしょうか。

この看板の前で体験ダイビングのビラでも配るか!?

お願いポケモン、レグルスに来て〜♪

遅すぎたショータイム

ちょっと飽きて離れてきている人が多いようですが、いろんなサイトで各地のダイビングポイントの様子がリアルタイムでレポートしてくれるようになりました。

もちろん、ダイビングショップもできるだけ毎日のように海況速報を流しています。そして、そこで潜ったダイバーたちも、撮った写真と一緒に、いろんな情報を流してくれます。世の中便利になったなあと思います。

でも、最近ちょっと気が付いたことがありました。今年になってからも数回あったことなのですが、

「ものすごくよかった、楽しかった、こんなものが見られた…」

と、レポートを書いていた方に実際に会った時に

「楽しかったんですってね!?」

と聞くと、

「いやあ、まあ楽しかったのはホントなんですけどね、海況が悪くて大変だったんですよ。本当は3日間潜るつもりだったんですけど、最後はもう潜れなくなっちゃって…」

という答えが返ってきたりするのです。

あれ? そんなこと一言も書いてなかったのに。確かにネット上に、つまらなかったとか、寒かったとか、透明度が悪かったとか、愚痴めいたことを書いても楽しくないし、読んでくれている人たち嫌な気分にさせてしまうかもと思うのかも知れません。それが良いか悪いかということではなく、情報源として皆さんが書いているレポートを、あながち鵜呑みにするわけにはいかないなあと思ってしまったのでした。

当たり前の話だと思いますが、現地のダイビングサービスが海況速報で、

「今日は面白くありませんでした、透明度も悪かったし、うねってて写真なんか撮れないし…」

なんてネガティブな話は書きません。

透明度悪くったってマクロやってれば関係ないし、うねってたって頑張れば何かしら撮れるし、面白かった!と言ってしまえば、面白かったことになるのです。

今の八丈島も、ウミウシは次から次へと見つかり、特にウミコチョウの類は各種見られ、ジャパピグもたくさんいるし、ハンマーもニタリも出てるし、文句なしに面白い。

でも、今月は、ちょっとだけ本当のことを書きます。

6月は本当に水温が引くかったんです。なんと一番低いときで12度まで下がりました。確か先々月、今年は水温が高いから、早くアオリイカの産卵床を入れなくっちゃ!!と、準備している様子をお知らせしました。そのあと、急降下です。

例年ならゴールデンウィークから一ヶ月以上楽しめているアオリイカの産卵、全く見ることができませんでした。もう、今頃は終わる時期です。

それが、3〜4日前から、やっと水温が20℃まで回復してきました。時々22℃まで上がります。すると、どうでしょう。今頃になって、アオリイカがぽつぽつと産卵のために集まってくるようになってきたのです。

アオリイカのペア

産卵の時期って、今からでも良いんでしょうか?

この原稿を書いている今日、潜って帰ってきた人たちに聞くと、10ペアくらい集まっていたそうです。これから本格的に産卵?

一方、既にアオリイカの子供たちも現れ始めました。一体、どうなっていることやら。

アオリイカの子供

予報では、7月の水温は高くなるそうです。

8月は…こそのまま続いてくれると良いのですが、天気予報ほど当たりません。

また、たまには正直に書いてみたいと思います。乞うご期待。

スマホでワイド

今年のオフの時期に台湾へ行った時のことです。

台北市内で有名な夜市の中で、いくつかの店が店頭でスマホ用のワイドレンズを売っていました。

もちろん、日本でも売っています。ネットで検索すれば、それはもうピンからキリまで。多くはだいたい1,500円前後のようです。

今までにもほしいなあと思ったことはあるのですが、そんなに使う機会はないだろうしと思って、なんとなく控えていました。

しかし、台北の夜市で売っていたのは、たった100円。しかも、店員さんが、ものすごい情熱で売り込んでくるのです。100円なら、すぐに壊れてもいっか? と、つい買ってみました。

100円のワイドレンズ
装着したスマホ

店員さんの説明を聞いてわかったのですが、これってセルカ棒の代わりなんですね。自分で自分を撮るための長い棒。最近、人が多い場所や神社仏閣などの歴史的建造物の中などでは使用が禁止されています。

でも、このワイドレンズをつければ、セルカ棒なんてなくても自分の腕を伸ばせばOK。ちゃんと自分と、その背景が写ります。私もいろんな場所で自撮りして遊びました。

そして先月、スマホでも意外と良いマクロ写真が撮れるんじゃんと思った私は、今度は真面目に(?)ワイド写真を撮ってみようと思ったのです。まず、ワイドレンズを付けると、一体どの程度撮影できる範囲が広がるんでしょう?

試しに、招き猫をパチリ。

招き猫1

撮ってみてびっくり。何も付けてない状態でも相当近寄れるのですが、ワイドレンズを付けるとさらに寄れます。手前の招き猫にレンズがぶつかりそうです。

このスマホの位置を全く変えずに、ワイドレンズだけはずすと、こんな風になっちゃいます。

招き猫2

手前の招き猫にはピントが合わなくなってしまいました。

これってけっこう面白いかも! と、そばにいたシャルルをパチリ。

シャルル

海岸の散歩にも持って出かけてみました。今、海辺では「ハマゴウ」という海浜植物が、小さくて薄紫色の花をたくさん咲かせています。

ハマゴウもシャルルも、どっちも撮りたい! と思いつつ、1人で汗だく。

ハマゴウ

100円で、こんなに遊べるなんて、すごいコストパフォーマンス。ますますコンデジを持ち歩かなくなりそうなのですが、こんなことで良いのかなあ?

工夫すれば、もっと面白い写真が撮れそうで、ちょっとワクワクしています。

ベラ街道を行く

加藤昌一の「ベラ・ブダイ図鑑」が、そろそろ佳境に入ってきました。

掲載予定の写真はだいたい揃い、今は識別ポイントを表したイラストを描き、説明文と写真のキャプションを書いているところです。

約190種のベラとブダイ。

パソコンの中には、その種数と同じフォルダーがあって、その中に写真データー、イラスト、説明&キャプションのテキストファイルが入っています。

フォルダー名は、通し番号と種名。例えば「009_スジキツネベラ」という名前が付いています。

001番から始めて、今隣で加藤が描いているイラストが147番。私は後から追って、それらを全部見直していて、その作業が069番。まだまだ遠い道のりです。

例えば、ツユベラやカンムリベラなら簡単なのです。

幼魚は、伊豆の季節来遊魚として、頻繁にダイビング雑誌に掲載されています。一度見たら忘れられないような特徴があり、ガイドさんがその場で名前を教えてくれて、ログ付けの時にも図鑑の写真を見ただけで「あ、これこれ!」と、すぐにわかる。何の説明も必要ありません。

困ったのは、例えば、こんな写真を撮った時。

コガシラベラたち

「キンギョハナダイを撮ったんですけど、一緒に写ってるサカナって何ですか〜?」

きっと、こういう質問一番困る…と思っているガイドさんたち、少なくないと思うんです。

心の中で、

「こんな地味なサカナ、なんでもいいじゃん…」

と思いながら、

「じゃあ、一緒に図鑑で調べてみましょう!」

と、図鑑を開いてみても、似ているのがいっぱいあって、よくわからない。

「きっと、これか、これか、これの、どれかでしょうね!!」

なんて、言ってみたりして。

こんなお客さん、そんなに多くないかも知れませんが、やっかいなことに、このよく似たサカナたち、やたらと数が多いのです。特にコンデジでパチパチ撮っていると、こっそり入りこんで写ってしまう。

「これも、さっきのと同じですか〜?」

コガシラベラたち
ニシキベラたち
ヤンセンとニシキベラ

「うーん、なんだか違うみたいだけど、さっきの中のどれかだよね〜」

全く、困っちゃいますね。

一昔前のコンデジなら、こんなサカナたち、写真撮ってもピントなんか合わなくて、

「これじゃ、わかんないよね」

と諦めがついたのですが、今のコンデジだと撮れてしまうから、かえって厄介?

いったんわかってしまえば、ぱっと見ただけでわかるようになるサカナも多いのですが、何度見直しても?マークが飛ぶサカナが多いのも確か。

さらに、こんなのわかるようになったところで、何かの役に立つのか??と思えばなおさら…。

しかし図鑑を作るとなると、この難関を超えていかなくてはなりません。

これとこれは似てるけど、ここが違う。これとこれは違って見えるけど同じ種類。これとこれは…

1つ1つ見て行くと、似ているのがどんどん増えていって、頭がぐちゃぐちゃになってきます。覚えきれないので、その辺にある裏紙に書き込んでいったら、こんな風になりました。

ベラ・リスト

この苦労、いつかどこかで報われるのかしら?

日本のダイバー人口って何人いるのか知らないけど、ここんとこ一生懸命読んでくれる人って、ほんの数人なんだろうなあ。

でも、頑張ろうっと♪

スマホでマクロ

レグルスの店内でちょっと記念撮影。ぱちっ。

あ、白いわんこ、可愛い。ぱちっ。

赤いハイビスカス、南国っぽいね。ぱちっ。

こんな時、取りだすカメラは、ほぼ100%コンデジではなくスマホになりました。

たまに一眼レフを取りだす方もいらっしゃいますが、短い時間でちょちょっと撮るならスマホが便利。

実は私もつい最近、訳あってガラケーからスマホに乗り換えました。

ガラケー時代、最初はその写真の画質に驚き、なんだ、これで良いじゃん!と思っていました。

しかしTG-3を買って、やっぱりガラケーの写真はたいしたことないなと思い、ちょっと重いなあと思いつつも持ち歩くようになりました。

TG-3はすごいです。でも、ダイビングをする予定のない観光旅行に持って行くのは、一眼レフより軽いとはいえ、ハンドバックの中では重いです。

周りを見渡せば、記念撮影に使っているのはスマホか一眼レフ。コンデジを持ち歩いている人は、だんだん珍しい存在になっているではないですか。

みんな、そんなんで良いのか?

ほんとにスマホの写真で満足できるのか?

スナップ写真くらいなら撮れるだろうけど、例えば旅先で見つけた花とか、きれいに撮れるのか?

あ、試しに撮ってみよう。。。

最初からスマホはスナップ写真とか風景くらいしか撮れないだろうと思い込んでいて、そもそもどれくらい接写できるのか知りませんでした。

ものは試し。朝の散歩がてら、目に付いた花を片っぱしから。梅雨入り目前に一斉に咲き始めるアガパンサス。梅雨空に似合う、紫陽花のような淡い紫色の花。

どういうわけか、八丈島の周回道路の路肩にずらりと植えられています。島の気候に合っているのか、放っておいても株が増えて、年々花の数が増えていきます。

意外と…寄れますね。5cmくらいまで近寄ってもピントが合うようです。花びらや雌しべの質感もまぁまぁ。

アガパンサス

定番のハイビスカスは、TG-3だと赤や黄色がぶっ飛びがちなのですが、スマホの方が上手くホワイトバランスを調整してくれているみたい。

TG-3の顕微鏡モードには負けますが、背景がほどよくボケて悪くない気がします。

ハイビスカス

でも、小さい花だとピント合わせが無理なんじゃないかな。と、海岸に咲くハマボッスに挑戦。一個一個の花がとても小さいんです。

しかも白い花なので、ピントが合いにくいだろうと思っていたのですが、簡単に撮れました。

ハマボッス

念のため言っておくと、画像は何もいじっていません。

ただいつも通りスマホのカメラを起動して、モードはいつも通り全部オートのままでシャッターを切り、パソコンに取り込んで解像度を小さくしただけです。色調整とかトリミングとか、なーんにもしていません。

あぁ、ホントにスマホで良いじゃん。。。

実は先日、スマホのレンズに付けるワイドレンズも買いました。たった100円。

来月は、ワイド写真に挑戦です♪

バカンスは久米島で

八丈島に来たことのないダイバーに「八丈島って、どんなところなんですか?」と聞かれた時の一般的な答えが「沖縄と伊豆を少しずつ混ぜたような感じです」。

そして潜り終えた時の感想が「ほんとですね、沖縄で見られるサカナもいるし、伊豆で見られるサカナもいました!」。

それを聞いて、間違ってなかったんだな…と思って15年。偉そうなことを言っておきながら、実は私、沖縄で潜ったこと、ほとんど無いのです。

初めて沖縄に行ったのは、まだ経験本数が20本くらいだった頃。友達に誘われてマンタを見に行ったのです。マンタしか覚えていません。

2回目は数年前に行った西表の矢野さんのところ。連日内湾のポイントを攻め続け、見た生き物の中で一番大きかったのはコブシメか?? もちろん、ものすごく楽しかったのですが、それで「沖縄の海、行ったことあるから知ってる〜♪」とは言いにくい。

普段から引き合いに出している以上、一度は大多数のダイバーが思い浮かべる「これぞ沖縄!」を見に行ってみないと。

ってことで、行ってきました。豪海倶楽部でお世話になっているエスティバン。池袋のマリンダイビングフェアーが終わった翌朝の飛行機でひとっ飛び。いいなあ、沖縄。飛行機安いし、物価も安い。同じ離島で、どうしてこうも違うのか。

それはさておき、肝心の海です。

エスティバンでは、ちょうどオーナーの川本さんがお留守でした。ここだけの話ですが、それを知った時には心の中で「ラッキ〜♪」。だって川本さんがいたら緊張しちゃうもん。「15年も八丈島で現地ガイドして、この程度か?」なんて思われたらどうしよう!?とか。

そして行ってみてビックリ。どうしてエスティバンのスタッフはたくさんいるのに、揃いも揃ってイケメン&可愛いのか!? 噂には聞いていたけど、レベルが高すぎるだろ…。いやあ、これだけでも楽しいなあ。

ごめんなさい。全然海の話になってないですね。今度こそ、海。

ちょうど久米島に到着した日も帰る日も一緒の女性の方が、とってもダイビングが上手な方で、しかもご自身は一応カメラは持ってるのにそれほど写真撮影には興味がないとのこと。

「だったらモデルになってくれませんか!?」と、厚かましくお願いして、ちょっとでもチャンスがあれば即パチパチ!

いや〜、おかげで楽しかった〜。いつも宝探しばかりしていたから、こんなアクティブなダイビングするの初めてだ〜。

イソマグロと泳ぐ彼女。

イソマグロと泳ぐ彼女

ギンガメを追う彼女。

ギンガメを追う彼女

安全停止中の鯉のぼり。

安全停止中の鯉のぼり

もちろん、ガイドさんもモデルになって頂きます。

ノコギリダイとガイドさん

海が良いから、どこにカメラを向けても絵になりますね。モデルさん、どうもありがとうございました。

そう言えば「八丈島の海は沖縄と伊豆を少しずつ混ぜたような感じ」が本当かどうかって話はどうなったんだろう?

その話は、始めると長くなりそうなんで、そのうちブログで紹介しま〜す。

夜遊び

ダイビングの話じゃなくて、食べる方の話。

何種類くらい、イカ、知ってます? 普段スーパーで見かけるイカ、タコと比べると種類が多いですよね。

私がよく行くスーパーで通年見かけるのは、紋甲イカ。もちろん冷凍もの。フライにすると美味しいです。北海道からスルメイカもやってきます。するめもいいけどイカそうめん大好き。今の時期はホタルイカ。茹でたのを酢味噌に付けて食べても美味しいけど、できたら生で頂きたい。八丈島ならではのアオリイカ、高級品です。久米島では居酒屋で巨大なソデイカを捌いているのを見かけましたが、八丈島では見たことないなぁ。イカってどれもこれも美味しい!!

そんな美味しいイカが最近釣れているらしいよ! というウワサが同業者の間を駆け巡りました。

黒潮が離れて八丈島周辺の水温が下ると、島の人達にヤリケンと呼ばれるイカが釣れるようになるのです。ヤリケンとは、ヤリイカのこと。20〜30センチ程度の大きさで、スーパーでは1ハイ約1,000円で売っています。

なぜか元々同業者には釣り好きが多く、そこへにわか釣り好きも集まって、夜中に堤防に集合するようになってしまいました。

かく言う私も、レグルスに置きっぱなしになっていた釣り竿を引っ張り出し、普段お世話になっている釣り宿のお父さんに仕掛けを作ってもらい、冷凍庫の中のサカナをエサに、いそいそと出かけました。

しかし…釣れているという噂は本当なのか? ちょっと潜って見に行ってみれば〜?

待てど暮らせどイカはかからず、ただ同業者との夜のおしゃべりタイム。

仕掛けの準備

マジメに釣っているのは、ほんの小1時間くらいか?

2時間も経つと、そろそろ帰ろっか〜?

夜中の堤防

1ハイも釣れないのは、きっとその日にヤリイカがいなかったから。そう言い訳していたら、別の場所で釣っていた知り合いが「大漁♪」の写真をFBにアップしていて、一同ガーン…。

幸か不幸か、ヤリイカが釣れるのは黒潮が離れている間だけで、予報では割とすぐに戻ってきてくれるはず。水温が高くなれば釣れなくなります。あと少しのチャンスで、1ハイでも釣れる日は来るのでしょうか?

仕掛けに3,000円くらい費やしたので、3ハイは釣らないと元が取れない計算。本当ならここに釣れたヤリイカの写真を載せるはずだったのになあ。釣れたら報告しますね〜。

せかされた産卵ショウ(床)の準備

今年は年が明けてから黒潮が八丈島にぶち当たり、例年よりも高い水温、20℃をキープしています。水温が高いと成長が早まるのでしょうか?

3月に入ってから、もうそこそこのサイズのアオリイカが現れ始めました。いつもなら3月中旬〜下旬に事業者が集まって設置している産卵床、今年は慌ててスケジュールを早め、3月9日に実施しました。

作業は使用する木の伐採から始まります。この2〜3年はレグルスの敷地内で勝手に成長していたサカキを使っていました。これをトラックに積み込んで八重根のエントリー口付近に運び、そこで何本かの枝を組み合わせて産卵床を作ります。

サカキの伐採

根本付近には、組み上げた木の束を海底に結び付けるためのロープを取り付けておきます。

海底に結び付けるためのロープを取り付けておきます

できあがった産卵床を堤防の先端に運び、海へどぼん。

産卵床を堤防の先端に運び、海へどぼん

待ち構えていたダイバーがそれを引きずりこみます。最初は浮力があって、なかなか沈んでくれません。

待ち構えていたダイバーがそれを引きずりこみます

その様子をのんびり眺めるアオウミガメ。

のんびり眺めるアオウミガメ

沈めた産卵床を、設置場所へ移動。この作業中、エアの消費が普段の倍! 皆さん、息切れ状態です。

沈めた産卵床を、設置場所へ移動

設置完了。サカキの木は、海底に沈んだ状態でも葉っぱが青々としたままで、落ちることがありません。アオリイカは、この葉っぱの間を潜りこむようにして卵を奥の方へ産み付けます。

海底に沈んだ状態でも葉っぱが青々としたまま

今年は14名の事業者が集まりました。

この後、みんなでランチして、盛大な産卵ショーに期待を高めていたのでした。

14名の事業者

さて、今年最初の産卵を目にするのは、誰でしょうか?

アオリイカがいっぱい集まってくれますように。

ブダイの旅

今月の「八ック謎ナゾ生命体」は、代打、、背番号44、、、、加藤がお送りいたします。

知っている方はいると思いますが、知らない方は知らない。そう私、また凝りもせず図鑑を出版いたします。今回のお題目は「ベラ・ブタイ」に絞った限定図鑑となります。なのでハナダイが載ってないだの、ハゼが載っていないなど言わないでください。

その代わりベラは、分類上混乱している3種を除き、あとは日本産のものすべて載せる予定です。ブダイは日本産全種で、しかも不明だった雌や幼魚も大分載せる予定にしています。

そのブダイなんですが、八丈島で見られる種類は限られていて、というよりも、沖縄へ行かないと写真が揃わないのです。写真借りちゃえば簡単なんですが、ブダイ撮っている方ってあまりいないんですよね。ましてやよくわからない雌の写真を撮っている方は皆無です。

そこで行動を起こしました。沖縄本島と石垣島の一人旅。。

ANAのマイルを使いまくり、一人旅なんてしない、いやしたくない、いやできない私が、ブダイのために一大決心です。

計画では石垣島から西表島に行って、その帰りに屋久島に寄って帰ろうと思ったんですが、よかったぁ〜、2島だけにして。私にとって、1人旅は8日間が限界でした。やっぱり、八丈島でのんびりしているのがよいみたいです。

シロオビブダイの雄

写真はシロオビブタイの雄です。

山渓の日本の海水魚に載っていますが、撮影地はインドネシアで雄輔さんが撮った写真。それとハンディ図鑑に、こちらも雄輔さんが伊江島で撮った写真が載っています。

でもそれ以外では見たことのないような。。解説文にも分布域でも少ないと書いてあるし、ネットで検索してもそんなに出てこないし・・・。

沖縄行っても難航しそうなブダイだなぁと思っていたのですが、石垣島のファーストダイブで、「なんだ普通種じゃん!」って思ったほどいました。雌も解明されてないけど、たくさんいるのですぐに雌も解明し、今回一番拍子抜けをしたブダイでした。

タイワンブダイの雄(婚姻色)

タイワンブダイのギンギンの婚姻色となった雄です。

真っ黒で体側に白い斑点があり、尾びれをくいって上げて滑るように中層を泳いでます。最初何のブダイなのか分かりませんでしたが、すぐにタイワンブダイの雄の婚姻色であることが判明しました。

こちらも図鑑には載っているものの地味、ネットにもかろうじて何点か出てくるものの地味、陸に上げられて死んだ奴ばかりだし。。

こんに婚姻色になるなんて。やっぱり現地で観察しないとダメですねぇと痛感したブダイです。もしかして沖縄一人旅で、一番気に入ったブダイかも知れません。

シジュウカラ

沖縄本島で10ダイブ、石垣島に移動して12ダイブで、もちろんベラも撮りましたが、主にブダイたちの撮影に没頭していました。

ブダイの撮影はとにかく泳ぎます。10m先のブダイを見つけると、水底近くを泳いで隠れなら回り込んで近づきます。ブダイが私に気が付いたときは、頭を押さえられ、仕方なく私の目の前を通らなければならない状態にするのです。

なので「見つける、ダッシュで隠れながら回り込み撮影」というダイビングを繰り返すわけです。

どれだけ泳いだでしょうか。気が付くと足の指の親指を以外、すべての関節部分に水ぶくれが出来てしまっていて、石垣島の後半戦頃には痛くて歩くのが辛かった。でも、泳ぐとその痛みも忘れるんですよね。なんか不思議。。

そして最終日、シジュウカラの撮影に挑んだとき、すべての豆が潰れたのでした。

シジュウカラ、サーフゾーンの中を勇ましく泳ぐ素敵なブダイです。指は痛かったけど、ロールする波を見上げながらシジュウカラとの楽しいひと時を過ごしたのでした。

イロブダイの雄

沖縄本島と石垣島の一人旅は、ちょっと寂しかったけど、撮影は9割の成果があり、ほぼ目的を達することが出来ました。

でもどうしても満足できる写真が撮れなかったのがイロブダイです。

沖縄本島では、ダッシュの回り込みで近づくと、すぐに根の下に隠れてしまうので勝負できず。石垣島では何とか近づいて撮るも、やっぱりすぐに根の下に隠れてしまうので、ほとんど証拠写真程度で終わったのでした。他のブダイは高速で泳ぎ回るだけなんですが、イロブダイって隠れるタイプだったんですね。

そしてレグルスの今年の海外ツアーはパラオです。参加ゲストのキャンセルが相次ぎ、二人のガイドはいらないということとなり、だったら私、自腹で行ってパラオのブダイを撮ろう!ってことになりました。

パラオ、蓋を開けたらびっくりポンのブタイの宝庫でした。

イロブダイなんて普通種。やっぱりたくさんいると警戒心が薄れるのか寄りやすくなるんですね。ベストショット、頂きました。

イエローフィンパロットフィッシュ

パラオでは他にもいろいろ撮れました。これで今回の目的をほぼ達成し、鼻歌交じりの余裕のダイビングをしていると、目の前に見知らぬブダイが現れました。

「なんだ、キミ外国のお方ね」

普通だったらそのまま見過ごすんですが、ブダイばかり撮っていると、癖で撮っておこうと大脳にインプットされているようで。雄を撮ったら、近くに雌がいないかなぁ〜と、やっぱり大脳にインプットされているようで。雌らしきブダイも撮って終了です。

もちろん外国のお方なので、今回の図鑑には出すことは出来ません。

ところがこの外国のお方、日本でも撮影されてました。場所は西表島です。西表島でブダイの撮影しているとなれば、あのお方しかいません。さっそく聞いてみると即答で撮っているよだって。。やっぱり凄いお方ですわ。

ということで、この種類も載せられることになりました。

何気なく撮った外国のお方の写真。私の大脳と凄いお方に感謝です。

3度目のパラオ

「パラオ、ダイビング」で画像検索すると、サメ、マンタ、ナポレオン、何かのサカナの大群、地形、そしてダイバーの写真が大量に並びます。いくら「もっと表示する」ボタンを押しても、他には何もいないのか?と思うほど、そればかり。

初めてパラオへ行った時、そんな予備知識のなかった私は、自分に向かってきたサメに驚いて思わず根の陰に隠れました。そのサメの後ろからダイバーの大群が押し寄せてきたのには、さらに驚きました。

マンタが出るポイントでは他の人と別行動でイトヒキベラやフラッシャーを追いかけ、ホールやトンネルの中は苦手ですぐに出てきてしまっていました。

マクロレンズしか持たず、狭くて暗い場所が苦手な私にとって、パラオと言えば、ハナダイ、ハゼ、キンチャクダイ。

ハナダイはいつかカマジを見たい…と願っているのですが、まだ名前の由来となったカマジさんとしか会ったことがありません。外見は地味ですが、穏やかで楽しいステキな方です。パラオではなく、なぜか青ヶ島でお目にかかりました。でも、次はハナダイの方に会いたい。

そしてハゼ。こちらは今回初めて見せて頂いたのが2種。こんなハゼがパラオで見られるとは。どちらも白い砂泥がふかふかのポイント。

1つ目は、ナカモトイロワケハゼの近似種。

私はナカモトイロワケハゼも見たことがなくて、いつか沖縄へ見に行かなくっちゃ!と思っていたので、嬉しいサプライズ。

別種とは言え、沖縄へ行く理由が1つ減ってしまったかも。

ナカモトイロワケハゼの近似種

2つ目は、ホムラハゼの近似種。

このタイプのハゼも全く見たことがなくて、いつか見たいと思っていたハゼでした。

でも、こちらはホムラハゼと比べると、かなり地味ですね。肉眼だと真っ白で何だかよくわかりませんでした。

ホムラハゼの近似種

パラオに、こんなドロドロの場所があったとは。水深はそれほど深くないので、もっと時間をかけて探し回ったら、他にも何か出そうな雰囲気満載。パラオらしくない雰囲気がワクワクします。

キンチャクダイも、念願叶って初めてコリンズ、アヤメヤッコを見ることができました。

何個体も見ることができて、今まで見られなかったのが不思議なくらい。しかもゆっくり写真を撮らせてくれる、とっても良い子でした。

アヤメヤッコ

最後はコチラ、名前を聞けば、八丈島でも見られるサカナと同じ。ですが、全然違うんです、パラオ・バージョン。

ルリヤッコ

なかなか、これと同じ写真を載せている図鑑が見つからなかったので謎のキンチャクダイだ!と思っていたのですが、デベリウス&クーター&田中先生共著の図鑑で見つけました。その名も、ルリヤッコ。所変われば色変わるんですね。

何度行っても新しい出会いのあるパラオ。

次回はいつ行けるのかなあ。

次はベラとブダイ

自身はエビカニだの、ウミウシだの、海水魚だのを著し、ヤドカリやヒラムシの出版にも協力してきましたが、今度は「ベラとブダイ」に取りかかっています。

誠文堂新光社のネイチャーウォッチングガイドブックのシリーズで出して頂いている、加藤さんの図鑑。もうずいぶんとたくさん出して頂いたので、そろそろ図鑑出版の仕事はこれが最後でしょうか。

それにしても、初めて誠文堂新光社から仕事を頂いた7年前と比べると、ずいぶんと作業効率が上がりました。

膨大な写真のデーター、キャプション、説明文、その他の原稿をどうやって渡すか、そして返ってくる校正、色校正の原稿をどうやって短時間で戻すのか、たった7年前のことなのに、当時は「クラウド」という言葉も聞いたことがなく、まとまったデーターをポータブルHDDに入れて宅配便で送り、その後の追加・変更はメールやファイル転送サービスで送っていました。

校正用の原稿も、郵パックで送ってもらい、訂正個所は全て電話で連絡。それこそ、お互い徹夜の作業。相手が出版社の方1人ならまだしも、連絡を取り合う相手が、編集、協力者、デザイナー、と増えてくると大変でした。

それが、今ではFaceBookとクラウドサービスを活用して、お互いのスケジュールに配慮することなく、空いた時間にどんどん作業を進めることができます。今進めているのは、加藤さんが自分で写真を整理し、種類ごとにまとめ、その種のイラストを描き、説明文を書いているところ。出来上がったものから、私がチェックして、文字の間違いや、表現がわかりにくいところを訂正していきます。

加藤さんと私は、すぐ手の届くところに座っているのですが、それでも作業はFaceBookとクラウド経由。FaceBookに載っているものを見て、訂正個所がある場合には、その旨をコメントし、クラウドに入っているデーターを編集して上書き保存しておきます。

以前は、このデーターの全てをプリントアウトしてもらい、訂正個所を赤で記入して返していたのですから、ものすごい時間と紙の節約。

クラウドに入っているデーター

さらに、このクラウドに入っているフォルダーは出版社の方にも共有して頂いているので、最終的にはそこからダウンロードしてもらうことができるのです。以前のように、今日発送しますから、そちらには明後日届きます、なんていうことはありません。

こんなに効率よくスピーディーに仕事が進められるようになったのに、なぜか締め切りに追われる状態には変わりがありません。

予定では今年の初夏の頃??

形が見えてきたら、またご紹介させてくださいね。

その後のクジラ

昨年末から話題になっている八丈島周辺のザトウクジラ。12月にはNHKの取材班が来ていたのですが、その時一緒に鯨類学が専門の先生も一緒にいらっしゃっていたのだそうです。

その方が八丈町役場の大会議室で講演会をしてくださると言うので、行ってきました。

なぜザトウクジラは八丈島に来たのか?

大会議室と言っても、入れるのは60名程度。いつもはその人数さえ集まることが少ないそうですが、この日はぎゅうぎゅう詰めの満員御礼。町長を始めとした役場関係の方、学校関係、そしてダイビング事業者が中心に、大勢集まっていました。そしてその様子をNHKも取材をしていました。

八丈町役場の大会議室

この講演会の模様は翌朝の「おはよう日本」で放送されたそうです。私は見ていないのですが、放映時間は短くて、約1時間半の講演内容を伝えるものではなかったようです。

講師の加藤先生のお話は、ご自身の経歴などの紹介から始まり、クジラの祖先や進化の過程、現在の分類についての話しに続き、1時間くらい経ったところでようやくザトウクジラの話しになりました。

最初の鯨類、パキケトスの登場

若干前置きが長いように思えましたが、要はザトウクジラというのは、他のクジラとちょっと違う身体の特徴、生態があるんだよ〜ということをお話になりたかったようです。

ザトウクジラの回遊

私にとって最も興味深かった点は、ザトウクジラは、夏は北極や南極に近い高緯度帯、冬は赤道に近い低緯度帯を回遊しているのだけれど、どんなに赤道付近に近づこうとも、それを越えることはない。

つまり、北半球と南半球のクジラが行きかうことはないということ。

そして、かなり几帳面に同じ場所を回遊しているということ。今まで沖縄で越冬していたクジラが、ちょっと来年は小笠原に行ってみようかなあなんて気まぐれを起こすことはないのだそうです。

ですから、何かよほどの理由がない限り、初めての場所で越冬するというのは考えられない。八丈島で越冬するクジラが出現したということは、学者さんとしては「びっくりぽん!」(本当にそうおっしゃいました)。

さて、ここでようやく「なぜ?八丈に」というお話に入ります。

理由はきっと簡単なものではなく、複数の要因が考えられるのだろうと思うのですが、先生が一番大きな理由として考えているのはザトウクジラの増加でした。

将来予測

私たちが想像するより、はるかに急激に増加しているのだそうです。

このペースが続くと、単に喜んでいるわけにもいかず、各地での座礁、漁業や海運業への影響など、仕事や生活に支障をきたす人も現れるはず。

また、ホエールウォッチングをビジネスで考える人が増えることを予想するのであれば、自治体や事業者に任せているルール作りを、国が取り組まなければならないかもと。

今、八丈島で越冬しているクジラたちは、八丈島周辺だけではなく青ヶ島辺りにまで足を伸ばして、広い範囲の中で生活している模様。小笠原で越冬していたクジラたちの一部が、南側へ逃げ出すことはできない(赤道は越えない)ので、北側の八丈島へ越冬場所を移したのかも知れないとのことでした。

そして、来冬も八丈島にクジラがやってくる可能性は、とても高いのだそうです。

たくさんの人達の思惑をよそに、黒潮の中で遊ぶザトウクジラたち。まだしばらく目が離せそうにありません。

いまどきの水族館

先月お伝えした「八丈島みんなの写真展」、そのオープニングパーティーが1月23日に無事終わりました。

その上京ついでに、よく遊びに行くのが水族館。池袋サンシャインに行くことが多いのですが、今回は久しぶりに品川エプソンに行ってみました。

あとで調べてわかったのですが、ここはそもそも水族館と呼べるような場所ではありませんでした。

名前も水族館ではなく、アクアパーク。「音・光・映像、生きものたちが融合するエンタメ施設」ですって。

確か、昔はもっと普通の水族館だったような。今では、まず入り口を入って最初に現れるのが、生き物ではなく、ポート・オブ・パイレーツとドルフィンパーティーと呼ばれるアトラクション。

昔のように、お勉強する雰囲気は一切なし。水槽に入っているのは、きれいで華やいだ雰囲気のサカナたちばかり。それが何と言う名前なのか、どんな環境に生息しているのか、などの説明はありません。

途中にはバーが現れ、サカナたちが泳ぐガラスのテーブルでお酒を楽しむことができるようになっていました。気になったのが、3種類のジョーフィッシュが入ったテーブル。ゴールドスペックルドジョーフィッシュ以外の2種類は知らないジョーフィッシュだったのですが、何でしょう?

ジョーフィッシュ
ジョーフィッシュ

クラゲ・ルームは怪しい雰囲気が満載です。

クラゲ・ルーム

親子連れよりも、友達と一緒に来ているグループやカップルの方が多かったかも。

個人的には、目の前にいるサカナの名前も何もわからないまま眺めているのは、なんだか欲求不満が溜まりそうなのですが、訪れている大勢の人達は全く気に留めていない様子。

魚たちが可愛かったり、動きが面白かったり、迫力のある大きさであれば、それで十分楽しいのでしょう。

ダイビングの楽しみ方も、この先どんどん変わっていくのでしょうか?

将来、ディズニーランドやUSJの中でダイビングができるようになっているかも知れませんね。

年末ジャンボの当たりはクジラ!

それは12月2日、私がナズマドでジャパピグ、つまり米粒くらいの大きさしかない日本版ピグミーシーホースをTG-3の顕微鏡モードで必死に撮影している時でした。

その瞬間から、八丈島のクジラ祭りが始まったのです。

写真がぶれないように、必死で壁に張り付いて、息を止めてジャパピグを目で追っていた時、背後からものすごい排気音と殺気を感じ、振り向かずにはいられませんでした。

見ると、目玉が飛び出そうになった、ものすごい形相の梅ちゃんが私にすぐ目の前にいて、スレートに何かを書こうとジタバタしているではありませんか。

何か事故でもあったのかと、こっちまでパニックになりそうになりましたが、ぐっとこらえて彼がスレートに何かを書くのを待っていると、2回くらい書き直ししたあと、「クジラ」の3文字。それこそ、こいつ口から泡を吹いてそのまま気を失うのではないか?と心配しながら、OKサインを出して見せると、次に「通った」と書いて見せ、ダッシュでエントリー口へと帰っていったのです。

さて、どうしたものか?

梅ちゃん、兄弟子の店で働いているスタッフですが、沖でクジラに遭遇したのはわかったけど、今から自分がその方向へ出向いたところで、会えるものなのか? 通ったってことは、行っちゃったってことで、同じ場所には戻ってこないでしょ? 特に今は「行っちゃったばっかり」なんだから。

でも、なんだかお尻のあたりがムズムズしてきたので、後悔しないよう、とりあえず沖へ出てみました。20分くらい沖でふらふらしてみたけど、やっぱりクジラなんていませんでした。

しかし、この日から島内同業者の間にクジラ・フィーバーが巻き起こり、ナズマドが凪の日にはゲストがいなくとも3本クジラ待ちをするツワモノまで現れました。

私は…と言うと、その後用事があってしばらく上京。みんなとのお祭り騒ぎには参加できず。

しかも、八丈島から戻ってきたその日に、ご近所ショップのメグちゃんが、ナズマドでバッチリなザトウ写真をゲット!

さらにその写真がNHKのニュース9で紹介されたのです。

ナズマドにはさらに大勢のダイバーが集まるようになりました。

正直言って、本来なら「今日はみんな何してるんだろ??」と年賀状書きや事務仕事に邁進する冬の閑散期、そんな12月に大勢のダイバーと一緒になって海で盛り上がっている、その雰囲気だけで楽しい。

昨日、12月20日、やっと私もお祭り会場に出かけることができました。みんな、ちょっとでも当たりを外さないよう、エントリー口から見張ります。沖の方でブローが上がるのが見えたらすぐにエントリーできるよう、器材をセッティングして待っているのです。

エントリー口から見張るダイバー

そして水中で待つ場所は必ず三角根。それほど大きくない根の頂上に、ダイバーが鈴なり。この広い海の中で、そんなにうまくこの付近を通過してもらえるものなのかしら?

通過してくれたところで、ほんの一瞬の出来事だろうから気がつかなかったら終わりだし。

クジラ待ちのダイバー

みんなが必死で遠くを見つめている様子が面白くて、その様子を撮って遊んでいました。

その時です。

みんなの背後にある、何もないはずの海の向こうから、黒い大きな丸いものがどんどん大きくなってくるのが見えたのです。

まさかの「キター!!」でした。まさかの、待っているダイバーよりも岸側通過。沖を見つめるダイバーたちは誰も気づかず、だったのでした。

向かってきたクジラは最接近したところで頭上を通過。

ザトウクジラ

そのあと私のそばに下りてきました。

ザトウクジラ

一緒に泳いでいる時間が、とても長く感じられました。実際、この間に撮った写真が12枚。見ることができてもせいぜい1〜2秒だろうと思っていたのに。

もちろん最後には引き離されてしまいました。

ザトウクジラ

もう追いつけない…と思ったところで、後ろを振り返ると、必死で泳いでくるダイバーの群れ。こんなに追いかけてきちゃって、元の場所にちゃんと戻れるのか!?と少し心配になりましたが、みんなで元の三角根へ。

三角根

興奮冷めやらず、撮った写真を見直す人、すぐに次のチャンスを狙って見張りの体制に入る人、人それぞれ。もちろんエキジットした後も大騒ぎ。

この感動をもう1度。このお祭りは年をまたいで、しばらく続きそうです。

新年は「みんなの写真展」

皆さん、明けましておめでとうございます。

昨年は黒潮が蛇行して、水温が乱高下。まるで日本の株価のような1年でした。そのせいか、例年見られるサカナやウミウシの出る時期がずれたり、全く見られなかったものもあれば、ビックリするようなものが登場したり。

そんな1年を自分が撮った写真を見て振り返ってみても、好みが偏っているせいかイマイチ例年との違いが感じられないのですが、ゲストに撮って頂いた写真を見直してみると、なんとなく傾向が表れているような気がします。

そんなゲストの撮った写真を集めた写真展を、今年の1月5日から、溝の口にある居酒屋の店内で開催することにしました。

八丈島 みんなの写真展

きっかけは昨年の2月。

改訂版の「海水魚1000」の出版記念パーティーを開催させてもらった時のことでした。店のオーナーもダイバーで、店内にはステキな水中写真がたくさん飾られていました。条件が合えば、アマチュアのフォト派ダイバーだって、ここで個展が開催できちゃうのです。

ここに1枚でも八丈島で撮影された写真が飾られていたら良いのに。

そう思って、昨年の1年間、フォト派のゲストの方にご協力頂いて素敵な写真をいっぱい撮って頂いたのです。いわば、1年間の活動報告会のような写真展。

是非皆さん、溝の口のFU-KUに飲みにおいでください。

美味しい沖縄創作料理を食べながら、今年のダイビング計画を立ててくださいね。もちろん八丈島を入れてください!

釣り師か?サカナか?

2つの火山の溶岩が流れ出て、つながって8の字形になった八丈島。島の周囲のほとんどが岸壁で、周回道路から徒歩で波打ち際まで下りられるところは限られています。

そのため、島の沿岸全てがダイビングポイントになり得ても、ビーチエントリーできるのはごく一部。

それと同じように、釣りをする人達も、磯釣りができる場所は限られてしまいます。その中で、足場の良いところや、サカナが集まる場所に、人が集中するのは当然のこと。

ドライブをしていて、最も釣り人が集まっているのを見かけるのは、八重根の堤防の先端。

本来なら立ち入り禁止の場所ですが、凪で天気が良ければ、それこそ黒山の人だかり。

普段、私たちも潜っている八重根。堤防の先端周辺は、堤防の基礎となるコンクリートブロックが整然と並び、その水底や沖合には白い砂地が延々と続いています。釣り人とトラブルになりたくないのはもちろんですが、あまりにも人工的な風景なので、あまり近寄ることがありません。

そんな場所に、島内のガイド11人が集まり2はいのボートに分乗して潜ってきました。年に一度の海中清掃。いつも冬の閑散期に実施するので、寒さに凍えながら作業しているのですが、今年は黒潮のおかげでホカホカ!

予報が外れて陸上も良い天気、ウェットスーツの濡れた身体でも船上で寒い思いをすることがありませんでした。

しかも、透明度抜群。ゴミ拾いの作業ダイビングなのに、なんだかみんな楽しそう。

海中清掃
海中清掃
海中清掃

ところで、この場所、以前から知り合いの釣り人に「今はシマアジがよく釣れてるけど、カンパチとかヒラマサも釣れてるよ」と聞いていました。

でも普段のダイビングでシマアジなんて見かけないんだけどな。」と思っていたのです。

ところが、ちょっといつものコースから外れているだけで、シマアジの大群ぐるぐる!

シマアジの大群

それを追ってヒラマサ、ツムブリもやってきます。同業者はハンマーも目撃! 水底では巨大なマダラエイがうろうろ。

マダラエイ

ブリーフィングの時、いつも「八重根はマクロポイントです」って言っていたのに。大物+群れいっぱい。

どうやら、毎日釣り人たちがエサを捲き、そのエサにサカナたちが集まり、そのサカナを狙って大物がやってきているのだとか。

あれ? それって逆じゃないんだっけ?

サカナが集まっているところだから、釣り人が集まっているんだと思っていたのに。サカナが先か?

釣り人に迷惑かけない程度に、また行ってみたいな。

八丈富士の山男

ダイバーでもなく、釣り人でもなく、サーファーでもない観光客が、とりあえず行ってみるスポットのベスト3に入るだろうと思われる八丈富士。

伊豆諸島の山々の中で最も標高が高く854m。中腹まで車で登ることができ、そこの周回道路を周れば八丈島の北側半分全てを見渡すことができます。そして、そこにある「ふれあい牧場」からは、まるでおもちゃのような飛行機が八丈空港に離発着する様子を見下ろすことができます。

その周回道路の路肩に、なんとなく車が5〜6台停められそうなスペースがあるなあと思えば、そこが頂上へ続く登山道の入り口。

ここから山頂の周回道路まで、石畳の階段を上ること約40〜50分。頂上に着いたか!?と思うと、そうではなく、人が1人やっと通れるほど細い、時折ヤブに覆われた道の分岐点に到達します。1つはカルデラの周りを囲む「お鉢周り」の道。この道が山頂へと続いています。もう1つはカルデラの中へ下りて行く道。うっそうとしたジャングルの中に、湖や神社がありますが、迷子になりそうで怖くて行ったことがありません。

しかし、登山ブームのあおりか、八丈富士に登る観光客が増え、この道が踏み崩されるのを防ぐために修復工事が始まったと聞きました。

もともと、この登山道の石畳の階段はどうやって作り上げたものなのだろう?と興味を持っていたので、早速見に行ってみることにしました。

この石畳の石、だいたい20cm四方に切られた岩ですが、1つ持っただけでも10〜20キロくらいありそうです。一体、どうやってこんな岩を運びあげているのか?

登山道に入って、すぐにそのナゾが解けました。

なんと! モノレールが敷かれていたのです。工事に必要な道具や岩は、このモノレールで運ばれていたのです。

登山道に沿って続くレール

このレール、登山道に沿って延々と続き、ついに山頂の周回道路に到着。働いている人達の人影が見えてきました。

山頂の周回道路に到着
働いている人達の人影

お仕事中申し訳ないと思いつつ、ちょっとだけお話を伺うと、資材はモノレールで運んでいるけど、働いている皆さんは毎日自力で登ってきているのだそうです。私なんて1回登ったら3〜4日は筋肉痛が治らないのに、それを毎日だなんて…。

しかもモノレールはここで終点なので、ここからカルデラの中や山頂へは、人力で運びあげているのだそうです。まさに究極の肉体労働。工事はまだ始まったばかりで、登山道の脇に点々と岩や土嚢が積み上げてあります。これからこれで道が崩れないように脇を固めていくのでしょう。

山頂までの道は藪に覆われたり、崖になっていたり、ところどころどちらへ進んだら良いのかわからなくなる場所があるので、整備されて登りやすくなると良いな。

藪に覆われた山頂までの道
山頂
山頂から見た八丈空港

工事は年明けまで続くそうです。

山頂まで行って、帰り路。遠くからコトコトコトコトという音が聞こえ始め、モノレールに載った荷物は私たちの横を通っていきました。

モノレールに載った荷物

工事が終わる頃にまた登って、登山道がどんな風になっているか見に行こうと思います。

カイメンの森

ただ気がつかなかっただけなのか、いや、確かに昔の八丈島には、こんなにたくさん見られなかったと思うのです。

いつの頃からか、妙に目に付くようになりました。

最初は茶色の海藻だと思っていました。岩盤の上に薄く砂や砂利を敷き詰めたような、一見何もない平坦な場所が好みのようです。過去に沈められた、古いコンクリートブロックの上にも、どんどん勢力を広げています。

魚影の薄い平らな場所でゆらゆらと揺れている風景は、どんなに透明度の高い黒潮ブルーの夏の海の中で見ても冬を思わせ寒々として見えます。

カイメンの仲間

この茶色の海藻のような生き物が、実はカイメンの仲間だと教えられたのですが、いまだに名前は知りません。

一番多く見られるのは八重根ですが、他のポイントでも増えてきているような気がします。

こんなにたくさん生えている(と言って良いのか?)のに、名前がわからないだなんて。そもそも、カイメンの名前なんて、どうやって調べれば良いのでしょう? どなたかご存知の方、教えてください。

どこからどう見ても、魚影のギョの字もなさそうなカイメン畑ですが、いざ膝を付いて眺めてみると、いろんなサカナたちがカイメンと一緒に揺らめいています。

最近では、本当にカイメンにそっくりさんのカミソリウオ。今日もペアで揺れていました。ライトを照らすと少し赤く見えますが、ただの肉眼だとカイメンそのもの。

カミソリウオ

他にもキスジキュウセンやカマスベラの幼魚にとって、ちょうど良い隠れ家になっています。どちらも、このカイメンの中に紛れていると、なかなかその存在に気が付きません。ちょっとした揺れ方の違いで、「あっ。こいつサカナだ。」とわかります。

キスジキュウセンの幼魚
カマスベラの幼魚

サカナだけでなくウミウシも。トウモンウミコチョウは、このカイメンが大好物のようです。

八丈島では、ほとんどのトウモンウミコチョウがこのカイメンの上で見つかります。と言うより、トウモンウミコチョウを探す時は、このカイメンの森で探します。

他の地域でもトウモンウミコチョウは見られていると思うのですが、このカイメンも同じように見られているのでしょうか?

トウモンウミコチョウ

枯れ果てた雑草が風に揺れている、そんな不毛地帯のような場所で、気がつけば1時間。いろんな生き物たちと遊べるカイメンの森。

皆さんが潜っている場所にも、ありますか?

石畳の遊び心

以前にも書いたかも知れませんが、八丈島は公共事業が産業(?)の要。

いつもどこかが工事中。特に歩道のなかった道路がどんどん拡幅し、両側に歩道、ハイビスカスと椰子の木のある並木道が広がっています。

そして、この歩道、場所によって材質や形が違うのですが、ほとんどが石畳。この石の形を眺めながら下を向いて歩いていると、あれ? もしやこの形は?? と気が付きます。

サカナとカメとハートマーク

サカナとカメとハートマークが見えませんか?

このカメの形、他でも2ヶ所くらいで見かけました。この近くで、イルカも2ヶ所くらい。

イルカ

八丈島で見られる海の生き物たちを紹介しているのかしら?

他にも、トビウオとか、ムロアジもあるんじゃないか?と、丹念に見て行くと、なぜか狐?

狐

これはキティちゃん? それとも、ただのネコ??

キティちゃん?

そしてなぜかアヒルの親子。

アヒルの親子

なぜかウサギも。

ウサギ

モチーフになっているものを見ると、必ずしも八丈島ならではのものではないので、観光客を意識して作られたわけではないようです。また見つかる場所が、学校周辺というわけでもなく、どちらかと言えば人通りの少ない道筋なので、子供を喜ばせようとしているわけでもなく…、単にここの石畳を作った人の遊び!?

明らかに何かを作ろうとしたように見えるのですが、なんだか全くわからない形のものも…。これは失敗作か、途中で止めてしまったのか。

なんだか全くわからない形

それとも、たまたまこういう形になっただけ…なのでしょうか?

まだまだ工事は続いています。今度出来上がる歩道には、どんなキャラクターが隠れているのでしょう?

どこへ行くにも工事中というのはうんざりしますが、ちょっと楽しみにしていたりもするのです。

魚たちの繁殖

少し前の話しになってしまいましたが今年の7月21日にイカ・タコガイドブックの著者である阿部さんが「魚たちの繁殖ウォッチング」を誠文堂新光社から出版されました。同社からは「海藻」に続くネイチャーウォッチングガイドブックの2冊目です。

誠文堂新光社の方とは別件でお話をする機会が何度もあったし、阿部さんとも疎遠なわけではないのに、この本については全く事前に知ることがなかったので、ちょっとした驚きでした。

一口に繁殖と言っても縄張り争いや求愛から始まり、産卵、そして育卵、ハッチアウトと続きます。

ダイビング中、行き当たりばったりで普通に観察できるものもあれば、普通に見られる種類なのに繁殖シーンにはお目にかかったことのないものもあり、その様子は千差万別。

あまりにも素早い産卵で見ることはできても写真に撮るのは困難なものもあれば、求愛ばかりしてなかなか産卵にたどりつかず、こちらがエア切れしてしまうほど時間のかかるものも。

例えば、八丈島でごく普通に見られるセダカスズメダイ。地味でタイヤキくらいの大きさで、全く誰にも興味を持ってもらえません。春から初夏にかけてあちこちで産卵していますが、その横をダイバーが素通りしていきます。これが見たい!というリクエストを受けることもないので苦労はしていないのですが、いざ見ようと思うと意外と大変だったりします。

セダカスズメダイ

セダカスズメの場合、どうも産卵の時間帯があまり決まっていないようなのです。午前中産んでいるのを見かけた翌日は午後に産んでいたり、その次の日はお休みだったり。産卵する場所は固定しているので、頻繁にそこを通っていれば間違いなく見られるのですが、1本のダイビングで狙おうとすると、これがなかなか。1本目に見られなかったから2本目に狙おう!と思っても、水面休息中に終わってしまっていたり。

ネズッポの仲間は、きれいどころが揃っているし、ディスプレイも派手で見ごたえがあります。最近ニシキテグリやヤマドリの産卵シーンは写真を見かけるようになりましたが、八丈島のミヤケテグリの産卵シーンも負けてはいません。もう少し知名度が上がっても良いのになあと思うのですが、これもいざ見ようと思うと意外と大変だったりするのが難点。

ミヤケテグリ

ミヤケテグリは、そもそも生息範囲が少し深め。個体数が多い年なら浅い場所でも産卵が見られるようになるのですが、そうでないと長時間は待っていられない深さになってしまいます。皆が安心して確実に見られるようになれば、人気急上昇すること間違いなしだと思うのですが、なかなかそうはいきません。

じゃあ、八丈島では何だったら手軽に見られるの!?と聞かれれば、キンギョハナダイを筆頭に、レンテンヤッコ、ヒメテグリなどでしょうか。

特にレンテンヤッコは数が多く、他の地域と比べて浅い場所で見られるのが特徴です。そんな八丈島の魚たちの繁殖も、是非阿部さんに紹介してもらいたかったなあ。

阿部 秀樹著「魚たちの繁殖ウォッチング」

皆さん、この阿部さんの本でしっかり予習して、八丈島の魚たちの繁殖をリアルに見に来てくださいね!

ユウゼン玉T

どこのダイビングショップでもTシャツの1枚や2枚は販売をしていて、それを買うゲストの方は、たいていどこかへダイビングに出かける時に着ていらっしゃるようです。大勢のゲストがいらっしゃる連休などは、まるでTシャツの見本市。いろんなデザインのTシャツを楽しく拝見させて頂いております。

前々から、従来のレグルスTシャツの在庫が少なくなっていたのが気になっていたのと、ご近所の同業者が良いTシャツ屋さんを紹介してくれたので、レグルスも新しいTシャツを作りたいなあと思っていました。そこで、台風の影響でゲストがいらっしゃらなくなり、ぽかんと空いた日に、一日で一気に作り上げてみました。

デザインは、ずっと前から自分がほしかったユウゼン玉。

ユウゼンは八丈島と小笠原の固有種で、たまに1匹だけとか、幼魚だけなら他の地域でも見られることがありますが、ユウゼン玉となると他では見られません。八丈島に行ったらユウゼン見ないと意味ないでしょ?と言っても良いくらいのものだと思うのですが、意外とユウゼンをモチーフにしたTシャツを見かけません。ユウゼンのイラストは元々親方が描いたものがデーターで残っていたので、これを利用して作ってみました。

ユウゼンのイラスト

Tシャツへのプリントはモノトーンになるので、ちょっとリメイクして、いっぱいコピペ。

こんな感じになりました。

モノトーンにリメイク

今回利用したTシャツ屋さん、生地の色を何色注文しても値段が変わりません。プリントするインクの色も選べます。そこで、かなりやりたい放題で数枚作ってみました。

自分の好みの色を選んだので、なんとなく全部アースカラーになってしまいましたが、実際にはパステルカラーや原色に近いビビッドなカラーも選べます。

そしてインクの色は、白、ピンク、黒で試してみました。いろいろ出来上がると、なんだか楽し〜!

早速親方と昇太君が試着。親方(写真右側)のはブラック地に白プリント、Lサイズ。昇太君(左側)はフォレスト地に白プリント、Mサイズです。

親方と昇太君が試着

他にも杢グレーやネイビーで作ってみました。

インクの色を変えると、同じ色のTシャツでも雰囲気がずいぶんと変わります。

ユウゼン玉T

このTシャツ、9月の連休中に届き、早速皆さんにも見て頂きました。レグルスのブログでも紹介したのですが、今までになく大好評♫ 2〜3日であっと言う間に30枚以上のご注文を頂いてしまいました。

何色のTシャツが人気なのかなあと興味を持っていたのですが、今のところブラックが1番人気。次に杢グレー、バーガンディ(あずき色)、デイジー(山吹色)、チョコレート(茶色)と続いていました。やはり皆さん、あまりビビッドな色合いよりも、落ち着いた色合いを好まれているようですね。

これから人気のあった色で各サイズ作成し、店頭でも販売できるようにする予定です。

このTシャツで八丈島のユウゼンの知名度がもっと上がると良いな〜♪

底土の体験サマー

今年の8月は私にとって記録的な一ヶ月でした。

体験ダイビングなんて忘れた頃にたまにやっている程度だった私が、8月は本日22日だと言うのに既に12日間もやっていたのです。レグルスの体験ダイビングは半日コースなので、午前1セット、午後1セットで計算すると、この12日間で18セット、のべ50人の皆さんに水中散歩を体験して頂きました。

そして今年の特徴は、ほとんど全て、ポイントが底土海岸だったこと。小さなお子さん(と言っても年齢は10歳以上ですが)を連れた親子の参加が多かったこと。

底土海岸は島内唯一の砂浜のある海岸です。ダイバーにとっては、島の東側唯一のビーチポイントでもあります。台風が連発しれくれたおかげで南西側には途絶えることなくウネリが到達、連日波の高い状態が続き、海水浴客もダイバーも底土海岸に大集合する日が多かったのです。南西側の高波と真っ白な海岸線を見たら、信じられないほど底土海岸はベタ凪でした。

底土海岸

器材を背負って、てくてく歩いて砂浜から海の中へ。水面が徐々に上がってきて胸のあたりまでくると、重たかった器材が急に気にならなくなります。そこでフィンを付け、マスクを付け、レギュレーターをくわえて、顔だけ水に漬けて呼吸の練習。

足の立つところだけど、そこで潜降。水深、たった1m。耳抜きさえ必要のない場所で、もうサカナたちが出迎えてくれます。緊張がとけて、初めての水中世界にちょっと慣れてきたところでゆっくりと前進すると、キビナゴ・シャワーの歓迎を受けます。

キビナゴ・シャワー

そこでふと水面に目を向けると、上空を海水浴客が通過。私たちと同じようにキビナゴの群れを追いかけていますが、水中から見るのと、水面から見るのとでは、同じサカナでもずいぶん印象が違うはず。

キビナゴの群れを追う海水浴客

さらに沖へ出ると、それまで砂地だった水底に、さまざまな珊瑚が現れ始めます。目にとまるサカナたちの種類が増え、色彩も鮮やか。個人差がありますが、この頃には水中世界にすっかり慣れ、自力で自由に泳げるようになっているゲストもいらっしゃいます。

さまざまな珊瑚

海水浴客やシュノーケルを楽しむ人達が遊べるのは、だいたいここまで。これより沖側には、水面でもインストラクターなどのガイドが引率する人達しか出られません。この周辺は、堤防やテトラポットの影響で、潮の流れが複雑で、沖に流されてしまうことがあるからです。

水面からでも、水中からでも、遊泳できる範囲が一目でわかるよう、ブイに付けた赤旗が並んでいます。

しかし、珊瑚の群生が美しいのは、ここからです。

珊瑚の群生

潮通しの良い場所なので、連れて行く方も大変ですが、参加者皆さんが感動してくださいます。

さらに頑張れば、こんな出会いも。

アオウミガメと大接近

けっして深く潜る必要はありません。

最大水深6m程度で、アオウミガメと大接近。潜水時間は20分程度ですが、忘れられない夏の思い出ができることは間違いなし。

たくさん写真を撮って、エキジットは堤防の先端にある階段から。

堤防の先端にある階段

水中ではあんなに身軽だったのに、階段を上がり始めたとたんに背中の重荷がずっしりと。

こんなに素敵な底土海岸だったのですが、唯一の難点が、歩く距離の長いこと。特に高齢の方や身体の小さなお子さんがタンクを背負って歩ける距離ではありません。

そこで今年から新兵器登場!!

Colemanのキャンプ用品運搬キャリア

Colemanのキャンプ用品運搬キャリアです。耐荷重100キロ!

この夏、大活躍でした。

まだまだ体験ダイビングのご予約は途切れていません。まだまだもう少し働かないと!

タブレットで花火

今年も8月11日に花火大会が開催されました。

毎年、曜日に関係なく8月11日に開催される花火大会。

八丈島に来たばかりの頃、持っていたのはフィルムの一眼レフ。36枚の枚数制限がある上に、撮れているのかどうかすぐに確認できないカメラで、うまく撮れるとは思いませんでした。

それがデジタル一眼レフに替わって、俄然やる気になり、三脚をかついで撮りに出かけるようになりました。

しかし数年後には重いのを運ぶのが面倒になってミラーレス一眼になり、それさえ面倒になって手持ちのコンデジになりました。

ところが、そのコンデジ、今年は来店中のゲストに無料で貸し出し中。だからと言って他のカメラを引っ張り出すのは、やっぱり面倒。ついにタブレットでいいや…ということに。撮影機種としては、どんどんランクダウンしていく一方で、このままいくと、この先どうなるのか?

周囲を見渡しても、花火をカメラで撮影している人など、ほとんど見かけません。ましてや三脚なんて…。

皆さん、スマホを持った両手を高く掲げて撮影中。特に「アイフォンはよく撮れる!」とのことですが、私のタブレット(ネクサス7)が、どこまで頑張ってくれるものなのか??

撮影モードとか、選べるものは何もありません。ただ、補正をプラス2にして撮りました。そして、ちょっとトリミングして、ちょっとシャープをかけて、こんな感じ。

タブレットで花火

一眼レフで撮っていた時にも、特に何も工夫していなかった私…。タブレットで良いじゃん?

プリントすれば画質の悪さが目に付くかも知れませんが、ネット上で見る分には大差ないかも〜。

こうして、私の心の隅で踊っていた「新しいデジイチほしい!」という欲望大魔王は、また一回り小さくなっていってしまったのでした。

来年の私、一体何で花火を撮っているのかなぁ?

黒潮さまさま

日記を振り返って見てみると6月15日に「水温が15℃まで下って、手が痛かった」と書いてありました。その1週間後には急上昇し、23℃まで上がって、これならウェットスーツでも寒くない♫と喜んでいました。

今年は黒潮が蛇行し、このまま水温低空飛行の一年になるのかな…と、心の中で悲しんでいたのです。

でも23℃で上がれば、そんなに辛くはありません。5ミリのワンピースでも、フードベストなど中に着込めば快適なダイビングが楽しめます。これなら良いや・・・と思っていたら。

ほんの1ヶ月の間に、黒潮の蛇行が完全になくなりました。

7月27日現在で、こんな感じ。

7月27日現在の黒潮

黒潮は八丈島を通り越してさらに北上、八丈島周辺の水温はなんと28〜29℃まで上がりました。

7月の時点で、こんなに上がるのは珍しいのでは? 

暑がりの私は、3ミリのツーピース。体験や講習の時にはジャケットも着ることができず、3ミリのシーガルだけ。

陸も海も30℃…、熱中症対策の方が大事です。

いくらなんでも熱すぎるー!! って、贅沢でしょうか?

そして水温だけでなく、海の中の様子もたった一ヶ月で劇的に変化しました。

元々いた生き物たちが活発になり、南方系の幼魚たちの種数が増えました。

特に島内のガイドたちがゲストよりも夢中になっていたのがこちら。なんと水深18mのマダラハナダイ。

見つけたのはウミウシ好き業界では有名なナターニさん。そのせいで、このマダラハナダイが仲間内でナターニと呼ばれています。

マダラハナダイ

もしかして何千匹、いや何万匹も八丈島に流れ着いたのではないか?と思うほど数多く見られたのがノコギリハギの幼魚。

例年もそれほど珍しいわけではなく、いろんな場所で見られるのですが、今年は尋常ではない個体数。それも、みんな赤いイソバナに寄り添って、とってもフォトジェニック。中には10匹近く、大小のノコギリハギが1つのイソバナに付いていたこともありました。

ノコギリハギの幼魚

マクロ派に限らず、青い海を楽しみに来たダイバーも大喜び。

カメと一緒に泳いだり。

カメと一緒に泳ぐダイバー

吐いた泡でムロアジの群れを集めたり。

ムロアジの群れ

まだ夏は始まったばかり。この調子が続いたら、8月の八丈島はどうなっちゃうの?

来月の豪海倶楽部もお楽しみに!!

夏のボート

もしかして、皆さん同じことを書かれているのでは???と思いながら書いているのですが、今年の7月の例年にないトピックスと言えば、台風でしょう。今まで、7月にこれほど台風に悩まされることがあったでしょうか。

八丈島は直撃こそ免れたものの、遠方から大きなウネリが送り込まれ、島の南西側は大しけとなりました。島の南西側には、一番人気のビーチポイント、ナズマドがあります。なんと7月に入ってから、一度も潜れませんでした。そして今もなお、大しけのまま。

しかし有り難いことに、島の北東側は、別の島に来ちゃったのかと思うほどベタ凪。ベッタリです。ただ、こちら側のビーチポイントは底土海岸のみ。一か所しかありません。

しかも島内唯一の砂浜のある海水浴場。つまり、ダイバーも海水浴客も、全てここに大集合してしまうことになるのです。

そんなわけで、ほとんどのダイビングショップは、ボートダイビングへ出かけていました。

八丈島は、島内全体を見渡せばビーチポイントがたくさんあるので、どちらかと言えばビーチダイビングが主流です。それがこの7月、ほぼ毎日のようにボートダイビング。OW取得講習の海洋実習にまでボートで出かけていました。

島の北東側、ビーチポイントは底土だけですが、ボートポイントは魅力的なポイントがいっぱいあるんです。初心者の方でも、ダイナミックな地形や、さまざまなサカナの群れが楽しめちゃう。

レグルスが主に乗っているボートは明丸という漁船です。

以前は船長のお嬢さん(元・ミス八丈♫)がガイドをしていらっしゃったのですが、お母さんとなって引退されたため、アルケロンというご近所ショップと一緒に乗り合いさせてもらっています。船長は、素潜り業界では有名な方。もちろんダイビングもしていらっしゃいます。

明丸

そして漁船ではありますが、ダイバーに乗りやすいよう配慮してくれてあります。

沖縄や海外のダイビング専用ボートの乗り心地には負けますが、八丈では一番快適な船です。

乗船時間は10〜15分程度。その間に、記念撮影、ぱちり。

船上で記念撮影

そして、どぼんと入ると八丈ブルーの青い世界。

果てしなく遠くまで見えるような気がします。

八丈ブルーの青い世界

いつまでも潜っていたい気分になりますが、1時間後にはお迎えがやってきます。

次は、どのポイントに行きましょうか?

エキジット

ウォーリー以外は誰だ?

何年か前、「ウォーリーを探せ!」という絵本が流行ったのを覚えていますか?

今なら絵本ではなく、ネット上で拡散したことでしょう。見開き2ページいっぱいに、大都会であったり、お祭りであったり、いろんなシチュエーションの中にうじゃうじゃーっと大勢の人達が描かれていて、その群集の中からウォーリーを見つけ出すという遊びの絵本です。

ウォーリーは、どのページにも同じ服装で、陽気なポーズを取っていて、とても目立つ男の子なのですが、あまりにもたくさんの人達が小さく描かれた中に紛れ込んでいるので、探し出すのは大変なのです。

数日前から黒潮が本格的に八丈島にやってきて、水温が一気に26℃まで上昇し、急激に幼魚の数が増えました。それこそ、あっちでウジャー、こっちでもウジャー、見ていて楽しくてたまりません。

この中からウォーリーを探し出すべく、お目当てのアイドルを見つけるのも良いのですが、その他大勢の魚たちを1つ1つ言い当てて行くのも面白いものです。

例えば、この写真。

今、最もあちこちでよく見られる光景です。ここに写っている皆さん、誰だかわかりますか〜??

幼魚の群れ

一番多いのがキンギョハナダイ。目の上の青いアイシャドーがチャームポイント。

次に目に付くだろうと思われるのが左下の方に写っている黄色いスズメダイ。成長するとキホシスズメダイそっくりになってしまうため長い間混同されていたのですが、幼魚は肉眼でも明らかにキホシスズメダイよりも黄色が鮮やかです。

私たちはキビレスズメダイと呼んでいますが、まだ正式には名前が付いていません。

この写真には2匹のキビレスズメダイが写っています。

キビレスズメダイの幼魚

そして左上の方に写っている細長い2匹はヤマシロベラの幼魚。

幼魚の、ほんの小さい時期の間でも、成長過程でどんどん色が変わっていくので、見ていて飽きません。

ヤマシロベラの幼魚

最後に、透明な、この子!

たまに1〜2匹混ざっていて、他のスズメダイよりも少しピンクがかって見えるのです。

伊豆では普通種なので、きっと伊豆ダイバーからは無視されているんだろうなあ…と思われるマツバスズメダイの幼魚。ここ数年、年を追うごとに増えてきているように思えます。

マツバスズメダイの幼魚

そして何より、こんな小さな幼魚たちが、コンデジで撮れるようになったというのが嬉しいんですよ〜。今月も全部TG-3で撮りました。

これからどんどん幼魚が増えてくるシーズンなので、楽しみです♪

光っているのは何だ?

今年も、なかなか梅雨が明けません。毎日毎日、八丈島は雨水に浸かっているようです。

器材や洗濯物にだけでなく、心や身体にもカビが生えてきそうです。

そんな、じとじとじめじめと鬱陶しい時期になると、ロベの森の中で、ぴかぴかとキノコが光り始めます。

カビと仲間のキノコたちは、蒸し暑いサウナのような環境が大好き。だから、八丈島の梅雨も大好き。光るキノコの見頃は、6月から8月いっぱいくらいまでの間。

最近ではテレビや新聞などで紹介され、見にいらっしゃる観光客が増えたため、スプリンクラーを使って常時キノコが見られるように管理しているところもあれば、有料でキノコ観賞ツアーを行っているところもあります。でも、条件さえ整えば、つまり連日雨が降り続いた蒸し暑い夜であれば、自分で探しに行って見つけることもできます。

先日、夜の散歩がてら、ちょっと探してみました。

まだ数は少ないようですが、ヤコウタケが光っていましたよ。

ヤコウタケ

明るいところだと、だたの柄の短いエノキ茸にしか見えません。

ヤコウタケ

光るキノコ、なぜ光るのか?はナゾですが、何が光っているのか?というナゾが、つい先日解明されたそうです。

解明したのは名古屋大学の大学院チーム。何が光っているのかという説明のところはよくわかりませんでしたが、発光物質を特定することによって、他の分野で活用できるかもしれないのだそうです。

光るキノコはヤコウタケだけではありませんが、このニュースで八丈島がさらに脚光を浴びることになるかも知れませんね。

どうしよう、世界中から大勢の人が集まってきたら? 今から英会話勉強しておかなくっちゃ?

黒潮さまさま

5月27日、ついに八丈島に黒潮がやってきました!

その一言が書きたくて、今月の豪海倶楽部の原稿の締め切りが守れませんでした。

振り返れば、今年のスタートは20℃でした。それがじりじりと下がり始め、1月末から冷水塊に入り一気に15℃へ降下。

それでも透明度は落ちていなかったのですが、3月末から本格的に冷水塊の海になり、5月中旬には12℃まで落ちました。

冷水塊に入り、水温が下ると、ダイビングしていて寒いというだけでなく、いろんなところに影響が出ます。例えば、冷水塊ならではの海岸の風景は、こんな感じ。

冷水塊ならではの海岸の風景

上を見上げると青空が広がっているのに、水面の上に厚い雲。これが山裾を這いあがっていく様子が見られます。八丈島に南西の風が吹き込むと、その暖かくて湿った空気が冷たい海に触れ、水蒸気が結露して霧や雲となるのです。この雲が島全体を覆い、視界は真っ白。おかげで飛行機は視界不良で欠航…。

悪いことばかりではありません。釣り客は、水温が低めの方が嬉しいそうです。釣れた魚も脂が乗っていて美味しい! それに、こういう時は台風が来てもへっちゃらです。八丈島付近に来た途端、冷たい海水にエネルギーを吸い取られ、低気圧に降格してしまうのです。

でも、ダイバーは、やっぱり黒潮が好き…。

黒潮が来た途端、水温も透明度も急上昇! 昨日から水温は24℃です。

透明度もばっちり、サカナ達も元気いっぱい。

キンギョハナダイ

潜っていても寒くないので、テンションもアゲアゲ。

ナズマドにエントリー、遠くまで見渡せてワクワクします。

ナズマド

そして八重根では、ついこの前までは「今年はダメなのかも。。。」と諦めていたアオリイカの産卵が盛んになってきました。なんだか例年とは違うタイミングでピークを迎えていますが、その迫力はいつもと同じ。

アオリイカ

まさに、黒潮さまさまです。

このままずーっと八丈島を通って、たくさんのサカナたちを送りこんでくれますように!!

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