ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

巻貝の眼、二枚貝の眼

皆さんこんにちは、あんなに暑かった夏は何処へやら、最近めっきり秋らしくなりましたね。でも海の中の夏はまだこれから、ようやく暖かい潮が入ってきて水温が安定してきました。今年は水温の上がりが遅かったぶん下がるのも遅くなってくれ・・・ればいいなぁ〜と思っています(だんだん弱気になってきました)。というか頼むからこの状態がもうしばらく続いてくれ〜(最後は泣いてお願い)。

さて今月は先々月に続いてお隣の富戸の話題、テーマは「貝の眼」です。このコーナーで以前何度かヤドカリのお話をしましたが、彼らはもちろん巻貝に入っていますから、探す時には貝殻を拾いまくり観察するようになります。この作業を繰り返す内に今まで何気なく見ていた貝にも色んな色や形や模様があり、中には凄く綺麗なものもいて「こんな貝居るんだぁ〜」と新しい発見をすることもしばしば、そんな訳で最近貝の魅力にちょっとづつ興味を惹かれつつあるのですが・・・。しかしもう一人のボクから忠告されました。「オマエ止めとけよー、貝はヤバイぞ!とてもオマエの歯の立つ相手じゃない。気難しいしプライド高いから、どんなに気合入れてコクったって一発でフラれるのは目に見えてる。フラれると逆に入れ込むのがオマエの悪い癖だろ。それにヤドカリはどうすんだよ、可哀相じゃないか。紹介した相棒の貝に気移りされたんじゃあ泣くに泣けないぜ。そういえばイザリともまだ続いてんだろう、こないだ柱の影で泣いてたぞ。まったくあんな可愛い娘達2人も泣かすなんてしんじらんねえよ」。

失礼しました。どうも話がヘンな方向に進みそうなので戻します、「貝の眼」でした。では早速画像を見ていただきましょう。

まずは巻貝の仲間のマガキガイの眼です。一見イモガイのような形をしていますが仲間は違うようです。貝殻の端っこが波打っていて丁度そこから二つの立派な眼がニョキっと飛び出していますね。そして剣玉の玉のようなこの眼、人によっては感じ方は様々でしょうが、正直に言いますと最初ボクはちょっと恐いと感じました。でもよく見ると何処と無くコミカルでそんなに悪いヤツではないかも・・・とだんだん思えてきました。

続いて二枚貝の仲間のツキヒガイ、漢字だと「月日貝」と書きます。ほぼ円形の貝殻の表が赤茶色、裏が黄色っぽい白であることから表を「日」裏を「月」に見た立ててこの名前が付いたようです。実はこの貝、時に物凄いスピードで砂場の海底を泳ぎ回る事があります。泳いでいる姿を見ればあなたも二枚貝のイメージ変わります。・・で眼ですが上のマガキガイとは随分様子が違いますね。貝殻の縁の上の方に等間隔にいくつも並んでいる、真珠のような仁丹のようなベアリングのような銀玉鉄砲の玉のようなものが眼で、なんと全部で90個ほどあるそうです。これならどこから敵が近づいてもわかりますね、道理で逃げ足早はずだ。

貝とのお付き合いは深入りしすぎないようにホドホドにしておこうっと。


横田
横田 雅臣

1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身

ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。

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