ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

スベマンお着替え中

皆さんお元気ですか。今年の秋の伊豆は面白くなりそうですよー、もう潜り納めなんて言わないでこれからが海はよくなるし空いてくるしいいシーズンなんですから・・・。

さて今月の写真ですが、スベスベマンジュウガニ(面白い名前でしょう略してスベマンなんだけどちょっとエッチですね)というカニがオオパンカイメンというカイメンに空いた空洞の中で脱皮しているところの激写です。そもそもエビカニの脱皮中っていうのはほとんど目にする機会の無いモンで、何故なら脱皮直後のエビカニって、そうでない時と比べると信じられないぐらいフワフワのグニャグニャで、そんな時に敵に襲われたらひとたまりも無いですから、「お着替え」は更衣室の奥〜の方の個室で人目につかない様に粛々と行なわれなければならないのです。さてここから先は状況証拠のみですので、あくまでも想像の域を出ないことを念頭に置いて話を聞いてくださいね。先ほど「カイメンの空洞の中」と言いましたが、なんとこのカニさらに見つかりにくくする為に驚くべき工夫をしていたようなのです。カイメンには直径3センチほどの穴が2箇所空いていたのですが、一方(Aの穴としましょう)には巻貝の殻が、一方(こちらはBの穴)には別のカイメンの切れ端がまるで蓋をするように挟まっていたのです。これはどう見てもカニが穴に入ってから内側から引っ張り込んで蓋をしたとしか思えません。あるいは先に貝をAに外側から押し込んでからカイメンの切れ端を掴んでBに入り中から引っ張り込んだと考えるのが妥当でしょうか。いずれにしても凄いです。

そしてゴメンナサイ、最初脱皮中だと気付かず穴から引っ張り出そうとして脱ぎ終わる前の殻をバリバリ割ってしまいました。オマケに穴を塞ぐのも忘れてしまいました。あとはただ無事に脱皮を完了して元気に大きくなってくれていることを祈るのみです。


脱皮中のスベスベマンジュウガニ

P.S. あとでこのカニがNHKみんなのうた「恋のスベスベマンジュウガニ」で話題沸騰中であることを編集長のご指摘で知ったのでした。


横田
横田 雅臣

1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身

ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。

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