ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

あなたの特技は?

よく自己紹介とかで特技は?と聞かれることが多いです。僕の場合は野球とか料理とかいろいろあるのですが、昔から「逃げ足の速さ」という表立ったところでは言えない特技があります。今でも飲むと放浪癖が出るらしく、川奈のガイド仲間や漁師さんからも「バックレ王」と呼ばれるくらい(笑)。

魚たちはもっと大変で、生き抜くためにそれぞれ特技を持っています。たとえば、アジのように群れになったり、動きの鈍いカサゴやオコゼなどは鰭に毒を持っていたり。逆に毒は持ってないけど、早く泳げるベラやスズメダイなど。イザリウオやミミックオクトパスのように周りの環境に擬態できるものもいるんです。これらすべて弱肉強食の食物連鎖の中で生きなければいけない魚ならではの技なんですよね。

今回は、そんな特技がすばらしすぎて災い?となったお話です。

とある日、いつものように岩に着くカイメンにすっかり成りすまして揚々としているベニイザリウオがいました。「えっへへぇ〜ヘビメタが何ぼのもんじゃい!俺ってロック(岩)だぜぇ〜!?」とオヤジギャグ炸裂(笑)。

そこへよちよち歩きが出来るようになったアオウミウシの赤ちゃんがやってきました。いつものようにカイメンの上を通ろうとするのですが、なんかいつもと感触が違うじょ?

恐る恐る手探りで乗っかろうとしています。「渡りたいけどなにか怖いでちゅ〜」

「でもココを渡らないとご飯にありちゅけないちぃ〜」と5分くらいこの状態で考えた結果、、

「え〜い渡ってしまえ〜〜!」と、勇気を振り絞って上陸してみたら、、意外にも気持ちよくって、ホッと一息。ココでしばらく休むことにちまちた〜。

「オイオイ、俺、カイメンじゃーないんだからさぁーどいてくれよ!!」と怒りのイザリウオ。

だってそうやって相手を欺くの君の特技でしょ〜!!(笑)


八木
八木 克憲

1970年3月生まれ
川奈在住

むか〜し昔のことじゃった。岐阜の山奥に一人の若者がおったとさ。小さい頃は山や川で朝から晩まで駆けずりまわりよった。その若者は、都会さあこがれ名古屋へ出稼ぎに行き公務員になったとさ。何不自由なく暮らしていた中、どこで頭を打ったのか?若気の至りというものか?公務員をきっぱり辞めダイビングの世界さ飛び込んじまった。サイパンに渡りMOCダイブセンターヒロの元、丁稚奉公をしたとさ。帰国後、縁あって川奈という海に出会い、腰を据え一生そこで潜り続けるのじゃそうだ。自然と戯れるのがそれはそれは楽しいのだそうじゃ。あ〜めでたしめでたし!

伊豆半島・川奈
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