ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

普通種ってなんじゃろ?

先月号で、八丈の水谷さんが普通種について書かれていましたが、よ〜く気持ちがわかりました。普通種でもそのものをじっくり観察しているといろんな発見があります。だいぶ前に久米の塩入さんが書いていたキンギョのおでこが出たやつなんて、ほんとしっかり見てないとわかんないし気づいたら面白いっすもんね〜いい例じゃないでしょうか?

さてその普通種ってなんじゃろ?と思うことがあります。先日うちの本店でもあるサイパンMOCのガイド、ネルソンが川奈に遊びに来ました。彼はフィルピン人。サイパンにどっぷり腰を据えているため、水温26℃以下の海に潜ったことがないそうです。我が川奈は、その時で水温22℃。僕はウエットですが、ネルソンは初体験ドライスーツでのダイビングとなりました。

いざ海に入ると、初体験ドライとかすっかり関係なく、寒さすら忘れて見るものすべて新鮮な温帯域の魚たちを前にキャッキャキャッキャと大はしゃぎ!中でも「グンズイ!グンズイ!コレミタカタノヨ!!」と無邪気にゴンズイを追い掛け回していました。

ゴンズイって、こちらではごくごく普通種でちょっと潜った人なんて「こんなの見せるなよ〜、もう腐るほど見たよ〜・・・・」とか、すっかりスルーパスグループにランクインされている魚です。ほんとは、形や生態なんて見てるととっても面白いし、ファンダイブでは「打ち上げ花火」なんて僕の芸もあり、貴重な魚なんですけどね、、、。

ようは、自分のエリアで普通種でも他ではそうでないことがあるということ。毎日会っている海中の友達たちでも、僕が個人的にかわいいな〜とか、気持ち悪いでしょ〜とか、なんじゃこりゃ〜とか、とにかく何でも感じたものをどんな人にでもあまねく公平に見ていただくことに決めています。そっぽ向かれたときには、僕が代わりにじっと見てあげることにしているんですよ〜。ナハハッ。


八木
八木 克憲

1970年3月生まれ
川奈在住

むか〜し昔のことじゃった。岐阜の山奥に一人の若者がおったとさ。小さい頃は山や川で朝から晩まで駆けずりまわりよった。その若者は、都会さあこがれ名古屋へ出稼ぎに行き公務員になったとさ。何不自由なく暮らしていた中、どこで頭を打ったのか?若気の至りというものか?公務員をきっぱり辞めダイビングの世界さ飛び込んじまった。サイパンに渡りMOCダイブセンターヒロの元、丁稚奉公をしたとさ。帰国後、縁あって川奈という海に出会い、腰を据え一生そこで潜り続けるのじゃそうだ。自然と戯れるのがそれはそれは楽しいのだそうじゃ。あ〜めでたしめでたし!

伊豆半島・川奈
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