ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

第十話 3度目のカリブ(前編)

コズメル、プエルトリコに続いて、訪れたのが「ボネール」だった。ABCアイランドと呼ばれる3つの島の真ん中の、大変ダイビングが盛んな島と言う触込みにつられて行ってみました。ABCアイランズは、アルーバ、ボネール、キュラソーの頭文字を並べた名称で、ほとんど南米近くに位置しています。帰りの飛行機はキュラソー経由だったので、南米大陸のカラカス辺りが見えて、何だかやたらとハシャイだ記憶だけが残ってます。

で、この島に行った目的は、毎年11月に開催されているダイビングフェスティバルを見学するためでした。オリンピックで巨大な都市に成長したアトランタを経由して、行きはトランジットステイ無しで現地まで入れました。そのフェスティバルですが、日本のダイビングトレーディングショウのイメージとは、対局に位置するような内容で、世界各地から選りすぐりのプレゼンターが集結し、それを見るために目と体の肥えた欧米系のダイバーが群がってくる、アットホームでいながらも素晴らしいイベントでした。

11月の初旬は、まだハロウィーンの余韻が残り、それでいてクリスマスの準備は万端と言った雰囲気で、訪れるダイバーや観光客の目を飽きさせません。それにも増して、海から戻ると、ダイビングのサービスがあるホテルやコンドミニアムでは、日替わりでスライドショウやムービーの上映、シンポジュームなどが日暮れを合図に開催されているのです。潮風を感じながら、バタバタするスクリーンに映し出される、カリブとまったく関係のないシパダンのマンタやバラクーダには失笑してしまいましたが、この画像や生物、それを取り巻く海洋環境が如何に素晴らしいかを力説するプレゼンターの意気込みは、いかにも欧米か!って感じで、日本人のアイデンティティとそぐわないなぁと思いながらも、その毒を中和するかの如く、夜の帳とカリブ特有のラム酒のような、トロっとした時間の経過が包み込んでしまっていた。


鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保

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