ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

第十話 こっちのド〜ロは、に〜がいぞ〜!

マブールの泥は甘く無かった・・・。それが、超マッドポイント『YKK』を潜った感想だった。

このポイントは、別にファスナーメーカーの社長さんが潜ったからついた名前では無いようです。Yoshiさん(現P'com Dream Sebuのボス)とコザワさん(アンティスのボス)、Kuiter(知っている人も多い海洋写真家?)の頭文字をとって並べたと言う・・・。あのね〜あたしゃ、“ドロ社会への窓”な〜んて言う、思惑でもあるのかと思ったよ(笑)。

事の発端は前日の夜、バーで飲んでいて(前日に限らず)、カウンターに飾ってある魚の絵を見ていて、分布や生息環境を考慮していないケシカラン!絵だ。ワヌケヤッコと何処かの固有種が混在して描かれている絵画をサカナに、酔っ払いの戯言を学術的に話していた。「そう言えばYoshiさん、僕はワヌケヤッコを見た事が無いんです」と言ったら、「んんじゃ〜!明日見に行こう!」となり、このポイントに決定したのでした。

ワヌケヤッコは、比較的内湾域の濁った場所を好む為、一般的にダイバーの好む環境と異なるので、目にする機会が少ない魚だ。そこには、ワヌケヤッコだけでなく、アヤトリカクレエビのカラーバリエーションやヘンテコリンなハゼのオンパレードなど、かなり触手を揺さぶるお宝捜しダイブが楽しめると言うことなので、即!同意!しかし、この時の「Yoshiと潜ろうカメラチーム」に参加した他のゲストは、こんなコアな状況に連れていかれて、はたして楽しめたのだろうか?今でも疑問に思う(笑)。

浅い水深には、サンゴもあり幼魚や小物を中心に、それなりに楽しめるのだが、一旦底に降りてしまうと“視界1m程度の白濁の世界”が待っている。いろんな意味でドキドキする場所だった。目からの情報に頼らないダイビングに慣れているハズの僕でさえ、前頭葉がヒリヒリするのを感じた(笑)。カスリハゼのSP.やヤツシハゼSP.など、いろいろな生物を目にしたが、フイルムにおさまっていて、かつマトモなカットは、見た生物の1/3にも満たない。あと、居ると言われていたリボンゴビーは巣穴だけを確認!(トホホ)もちろん、ワヌケヤッコもペアーで見れて大満足!フイルムには記録されなかったが、憧れの生物と同じ環境に居れた事の方が、喜びが深かった。負け惜しみに聞こえますか?うっう〜。負け惜しみです。(苦笑)

☆☆☆☆& (^-^)(^-^)(^-^)(^-^)


ミミックオクトパス

トガリモエビSP.

鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保

ダイバーズ・プロ
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