ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

今、健在

初めて西表で潜った方が必ず言ってくれる言葉。

「サンゴが綺麗ですね」

悲しいかな、西表=サンゴというイメージがあまりないのが一般的で、
慶良間=サンゴが浸透しすぎているからだろう。

西表島のサンゴを侮るではない!!

昨年の大型台風でもかなりやられた印象だったが西表全体を見ると一部のエリアに留まっていたし、回復力も早く成長過程が他の島より遥かに早い。

サンゴは必ず褐虫藻と共生しているが褐虫藻の光合成がサンゴの栄養源になっているが、主食はプランクトンなど微小な動物を触手で捕まえて食べるわけで、ジャングルの尾根が連なり多くの川から流れてくる栄養価の高い水がサンゴ達を「骨太」に成長させるのです。

ここ数年、台風被害だけでなく海水温の上昇による白化現象の被害が多く全盛期のバージンリーフではないものの西表のサンゴは「健在」なのである。

ただ・・・

昨年から西表島を始め八重山地方では「オニヒトデ」の数が激増しており、サンゴに精通している先生方からを招いての講習会や組合での駆除作業など20年前に「オニヒトデ」で全滅した西表島のサンゴ礁と同じ光景にしてはならないと日々対策に追われているのも現実なのである。

健在なサンゴ礁を次の世代まで残したいと思うが、「台風」「白化現象」「オニヒトデ」も元はといえば人間が作った自然現象。

オニヒトデ退治しながら「これも俺達のせいか」と寂しくなるが自然と関われる仕事でなければこんな事感じなかっただろうぁ。


佐々木
佐々木 要

1970年4月9日生まれ
横浜市出身

ガイド会所属

自然が残る島を求めて西表島に移住。西表の魚達にどっぷりはまっている毎日を過ごしている。
ダイビングは小物、大物、地形、サンゴとマルチでとにかくゲストが喜んでくれる事が大好き。

趣味は釣り。
昨年から本格的に始めた「カツオ釣り」の仕掛けは貝を削って作ったお手製で遠出した帰りは鳥山探しに神経を集中させる。

数少ない自慢は60億円男「松坂大輔」を後輩に持つ事。

沖縄・西表島

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