ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

白化

水温31°C、水面は33°Cまで上昇した8月。

珊瑚の白化現象が出てきたなと感じ始めたら瞬く間にその範囲は広がり水深10m内は異様な光景が目に入ってきます。

特にハナヤサイサンゴ科・ミドリイシ科といった色付きでダイバーの目に一番入るの珊瑚の被害がひどく、そこを住家にする魚達までも色彩を変え始めています。

またセンジュイソギンチャクやシライトイソギンチャクといったイソギンチャク類も色彩が抜け白い母屋にオレンジのクマノミが浮き出ているような感じパッと見た目は綺麗なんだけど・・・・

いやいや深刻な問題です。

そもそも西表島は大小合わせ40近い川の水が海へ流れ込むため、他の島のようなイノー(リーフ内の溜り)形成区域は少なく水温上昇しにくい為、白化現象になりにくのですが、今年は雨が少なく川の水量も減少した事も大きな要因になっています。

10数年前にも大規模な白化現象がありましたが、その時は外洋の潮通りの良い珊瑚までが白化になりました。珊瑚の上にはコケが生え、水温が下がればまだ生き返りそうな珊瑚も大きな台風が発生しては根こそぎ折られ数箇所のポイントを休ませなければなりませんでした。

今年も8月には3つの台風が八重山地方をかすめ、内2つは沖縄近海で発生した台風でありました。幸いにも直撃コースは免れ大きな被害もなく期待していた水温も3〜4°C下がり一時的な白化の促進もこれで落ち着きました。

「水温が上がれば台風が発生し台風がくれば水温も下がる」

沖縄県民の全家にある冷凍庫の氷を全部海に入れたところで1°Cも下がらんでしょうから台風という自然のサイクルはなくてはならないもの、でも大きすぎるのも困っちゃうわけですが、「暴風域に入らない進路で水温を下げてくれて定期船や飛行機も欠航せずにダイビングにも行ける」が理想だけど・・・

今年は白化も台風も9月までは心配が続きそう。

世界に誇る沖縄の珊瑚礁がホント心配な今日この頃です。


佐々木
佐々木 要

1970年4月9日生まれ
横浜市出身

ガイド会所属

自然が残る島を求めて西表島に移住。西表の魚達にどっぷりはまっている毎日を過ごしている。
ダイビングは小物、大物、地形、サンゴとマルチでとにかくゲストが喜んでくれる事が大好き。

趣味は釣り。
昨年から本格的に始めた「カツオ釣り」の仕掛けは貝を削って作ったお手製で遠出した帰りは鳥山探しに神経を集中させる。

数少ない自慢は60億円男「松坂大輔」を後輩に持つ事。

沖縄・西表島

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