ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

トランスフォーマー

最初に乗り物に乗ったのは、何歳の時だったろう?

人に動かしてもらうのを入れると乳母車が入ってしまうので抜きにする。すると、三輪車だろうか? 三輪車をこいでいた記憶がない。写真も無かったような気がする。その代わり、ペダルでこいで動かすオモチャの自動車に乗った写真が残っている。誰かに貸してもらって遊んでいたのかな?

高校の頃、暴走族が諸悪の根源かと思われるような話題を振りまいていたため、学校で「乗らない、買わない、免許を取らない」の3無い運動みたいなのをやっていた。当時、親も古風な考え方だったため、女が車の運転なんて危ないと信じていた。だから、会社に勤めて、一人暮らし始めてから、やっと本物の自動車の免許を取りに行った。しかし会社では残業もあれば飲み会も多く(飲み会の方が多く)、なかなか教習所に思うように通えない。長期間通うのは面倒だけど、学生と違って合宿に参加するわけにもいかない。そんな私にピッタリの「土・日合宿コース」というのを見つけ、毎週末宇都宮に通うことに。

土曜日の夜は、教習所の近くにあるマンションに泊まる。これが、なかなかエキサイティングな体験だった。3LDKくらいの1室に2段ベッドがぎっしりと入っていて、教習所でシーツや枕カバーのセットをもらったら、まずマンションへ行って空いているベッドを確保する。同じ1室には女性ばかりだけど、実にいろんな人たちが集まっていた。なかなかハンコがもらえず長期戦に入っている専業主婦のオバちゃん、自称タレントでテレビに出てると自慢話が止まらないギャルギャル、必ず男部屋へナンパしに行き飲み屋へ繰り出してしまうお姉ちゃん…。教習所へ通うのは免許を初めて取りにくる人だけだと思っていた私には、免許取り消しになったツッパリ姐さんたちとの出会いも刺激的だった。

通い始めて3週目、4週目ともなってくると、顔見知りも増え、夜は教官の悪口やゴシップ・ネタで大宴会。遠方から来ている私たちにとっては、教官の栃木弁がなかなか聞き取れず、そのせいで運転が上手くできないことがなくもなかった。当然、方言がきつい教官は敬遠され、酒の肴にされ、皆の物真似の餌食となる(栃木出身の方、ごめんなさい)。そして、仮免試験の前夜は、皆でイメトレ。不愉快なことも多かったけど、かなり楽しかった。そして、とにかく免許取っておいて良かった。

今では、車の免許は必要不可欠だけど、必要なくても、乗り物を自分で操縦して乗るのは基本的に楽しい。ちょっと違うけど、乗馬にも挑戦したことがある。お金と時間さえあれば、大型車とか大型特殊とか、ヘリコプターとかの免許も取りたい。あ、もちろん船舶免許は取得済み。潜水艦とか宇宙船とか、チーム組んで手分けして操縦するのはダメ。一人で機械動かして自由に動き回れるのが良い。できることならマジンガーZにも乗ってみたい。

こんなことで楽しんでるのって、人間くらいかな、と思ってたらそうでもなかった。

乗り物、操縦してる魚。
本人が楽しんでるかどうかは、微妙。

大変そうだけど、操縦してましたよ。
ちゃんと方向とか一生懸命調整してたもん。

岩の隙間に入りそうになったら持ち上げて、沖合いの潮通しの良さそうな方へ、鼻先でつっついて向きを変えさせてました。逆に流れに乗って暴走しちゃった時にブレーキがかけられるかどうかは、不明。

乗り物としては、かなり立派よね。
だいぶ余裕がありそうなのに、同乗者なし。
一人で今頃どの辺にいるのかな。
あたしもツーリングに行きたくなっちゃった〜。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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