ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

コンデジ奮戦記(2)

先月に引き続きコンパクトデジカメで頑張っています。

私がお借りしているのはNIKON Coolpix7900。設定はISO感度100、ストロボは「強制発光」、ホワイトバランスは「スピードライト」。撮影モードはプログラムオート、ものすごく近寄れる場合にだけ「マクロモード」をON、ピント合わせもオートです。このほか、輪郭の強さやコントラストの強弱を選べるようになっているのですが、ある程度は撮影後にフォトショップで調整できますから、全て「標準」。

この状態で、今月はスズメダイに挑戦することにしました。

スズメダイはちょこまかと動き回るので撮れない、あるいは警戒心が強くてすぐに穴の中に入ってしまって出てきてくれない…という方が少なくありません。

でも、一口にスズメダイと言ってもいろんなタイプがいます。

これは確かに撮れないわねえ…と思うのは、広範囲に泳ぎ回るタイプ。

人気種が少ないので無視しても良いかなと思ったのですが、もし撮りたかったらお食事中や産卵中を狙うのが良いと思います。シマスズメの幼魚は好き勝手に泳ぎ回っているように見えますが、お食事中はとても無防備だったりします。

シマスズメは幼魚から成魚まで、とても浅い場所を好むスズメダイです。特に幼魚は浅く、この子の撮影場所は1mよりも浅いところです。そういう場所には、当然太陽の光りが届いて、水中でも明るい状態になります。このシマスズメだけでなく、いろいろと明るい場所で撮っていて気が付いたのですが、このカメラ、どうも明るい場所ではストロボの光りを減光してしまうようです。そのため、どうしても青かぶりした写真になりがちです。また、シャッタースピードがあまり速くないらしく、被写体の動きが映りこんでしまって、ピントが合っているのにぶれた写真(日中シンクロしてしまう)になってしまうんですねえ。周りが明るくてもストロボは減光せず、シャッタースピードを速くして光量調節してくれれば、こんなことにはならないのに。プログラムオートでしか撮れないので、どうしようもありません。何か解決策はあるのかしら? 外部ストロボを使えば良いの??

さて、スズメダイのお勧めは、テリトリー意識が強く、自分の隠れ家を持っているタイプ。

穴の中に入ってしまって撮れない…と言いますが、それはおどかしすぎているせい。元々穴の中から出たり入ったりするタイプですから、穴の中に入ってしまったからと言って、穴の中を覗き込んだり、穴から無理矢理出そうとすると、かえって撮れません。出たり入ったりしている状態を見守りながら少しずつ近づいていくと、だんだん穴の近くでしか動き回らなくなります。これ以上近づいたら穴の中に入ったまま出てこなくなっちゃうという直前で撮ることがポイント。もし穴に逃げ込まれたら、あわてず少し後ろへ下がりましょう。とにかく安心させてあげないと。

そして、相手の動きが速い時は、ピントを合わせて(シャッターを半押し)から、すぐにシャッターを押してしまわないこと。ほんの少しの間ですが、ピントが合ってからシャッターを押すまでの時間に、魚が向きを変えたり、どこかへ移動してしまう場合があります。ピントを合わせたあとに、魚がどっかへ行ってしまった!と感じた時は、シャッターを半押ししたまま、もう1度その場所に戻ってきてくれるのを待ってみてください。いわゆる「置きピン」です。

スズメダイって、同じ場所を行ったり来たり、かなり行動パターンが限定されてるので有効だと思います。

ヒレグロスズメの時は、何枚か撮ったあと、最後に穴から追い出してみました。

すると、かなりの慌てぶりで、どんどん泳いで逃げて行ってしまうので撮れなくなってしまいました。やはり、自分の隠れ家が近くにある、いざとなれば逃げ込める、という状態にしておいてあげた方が落ち着くようです。

ルリホシスズメは厄介なことに隠れる家をいくつも持って、それを巡回して泳ぎ回ります。隠れ家の近くで粘っても、別の隠れ家の近くへも遊びに行ってしまうので、ちょっとした忍耐力が必要でした。でも他のスズメダイ同様、好きな滞在場所が決まっているので、その場所を早く見つけて、ピントを合わせる場所にして待つしかないですね。半押しの状態のまま待つ時間が長かったので、指が腱鞘炎になりそうでした。

最近では「半押し」ではなく、シャッターボタンとは別のボタンをピント合わせに使えるコンデジが出ているようですが、こういう被写体には利用できるかも知れません。

最後に、今までコンデジ・ユーザーのゲストには「ズームは使わないで!」とお願いしていたのですが、ちょっとは使った方が良い場合もあるんだなあと感じました。

ズームを使うと手ぶれが大きくなり、ほとんどの方がピントボケ写真を大量生産します。ちょっと動いただけでも液晶画面から外れてしまうので、被写体も見失いがちです。ですから、できるだけズームは使わない方が良い、と今でも思います。

ただ、あまりにも被写体が小さいと、カメラが被写体を認識してくれない。できるだけ近寄って、それでも画面の中のどこに被写体があるのかわからないような場合には、ほんの少しだけズームを使うと良いようです。あくまでも少しだけ。ピントさえ合っていれば、あとでトリミングできます。 ちなみに、前出のイチモンスズメの画像は、編集前はこんな感じ。

さあ、来月は何に挑戦しようかな。
コンデジ奮戦記はまだまだ続きまーす(予定。。。)。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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