ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

産卵祭り

皆様、明けましておめでとうございます。

この豪海倶楽部に参加するようになってからと言うもの、月日が経つのを本当に早く感じるようになりました。前回「今年も宜しく」と申し上げたのが、つい先日のことのような。こわいですね〜。あっと言う間に婆さんになってしまいそうです。さあ、もう去年のことなんて思い出せないわ〜と言う前に、昨年のトピックスをご紹介しておきましょう。

あれは7月下旬のことでした。沖合いの砂地に赤い色が綺麗なテンスモドキの若魚がいて、おとなしくて撮りやすい良い子なので、フォト派のゲストを誘って見に行ったのです。特にアシストも必要なさそうだったので、私はそばで次の被写体を探していました。その時、砂の上をヒョイと動いたダークグレーの魚。よく見るとネズッポであることは間違いないものの、見たことのない魚でした。慌ててゲストを呼んで頼んで撮ってもらったところ、これが八丈初記録となったイズヌメリ。

そしてこのイズヌメリのオスから、八丈ネズッポ産卵祭りが始まったのです。

イズヌメリが初記録だったものですから、その後何度も見に行くことになりました。そのうち、オスがメスにディスプレイするところが目撃され、「これなら産卵も見れるかも!」と直感した親方がいきなりその日の夕方に出かけ、見事産卵にも立ち会えたのです。残念ながら私は同行できなかったのですが、今度はその近くにいるサンゴハナビヌメリも怪しいと言う話が持ち上がり、そちらはビンゴ! わずか3cm程度の魚がメスを誘うために全身を広げている様子は、感動ものです。

その後もまだまだネズッポの産卵は続きます。

大ブレイクしたのがミヤケテグリの産卵、初めて見たのがセソコテグリの産卵。

ミヤケテグリはオスもメスも、とにかく数が多すぎて、まともな産卵が困難なほど。メスそっちのけで繰り広げられるオス同士の勢力争い、順番待ちしているメスに誘いをかける小さくてずる賢いオス、産卵のために飛び立ったペアの後ろから飛び上がって引きずりおろそうとするオス、結局産卵できずにオロオロと歩き回るメス…。

写真は、1匹のメスの両側から求愛している2匹のオス。こうなると、時間ばかりかかって、なかなか産卵成就できません。しかし、メスが羨ましい…。

大きな岩の隙間の小さなスペースで、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、毎晩大騒ぎ。見ている私たちも、彼らの邪魔をしないよう、かつ見逃さないようにするため、ばたばたと動き回ります。

「今、こっちのが上がる上がるっ!!!」と、大声を出して他の人に知らせたりして。

案外、海の中で、皆が何を言っているか聞こえるし、わかります。そして、産卵へ飛び立ったペアは、皆に囲まれてストロボの嵐に見舞われます。

それに比べて、セソコテグリはかなり情けない状態でした。オス1匹にメスが4匹という恵まれた環境にあるのに、毎晩メスに振られまくり。だいたい、2匹と産卵できれば良い方かなという感じ。それも、求愛にずいぶんと時間がかかり、いつもヤキモキ。

やっと飛び立った姿も、何だかメスに引っ張り上げられているようで、やっぱり情けない。

生まれてくるベイビーは、こんな感じ。

この後、季節が移り変わると、今度はコウワンテグリの産卵が11月下旬くらいまで見ることができました。

これで、八丈にいるのに見なかったのは、ヒメテグリ、コブヌメリ、ミナミコブヌメリ。このうちヒメテグリは例年は見ているので、コブヌメリかミナミコブヌメリの産卵に挑戦!

これが今年のお楽しみですね。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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