南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

ミレニアム・ジャーマン・サイケ

コイツもそうである...

いきなり何の事かと言うと、先月に引き続きコイツ「センネンダイの幼魚」もオレにとって“撮影する際、つい冷静さを欠いてしまう系”被写体なのだ。先月の「ゼブラ・バットフィッシュ」に比べると、リロアン周辺地域においてはかなりの普通種なのだが...想像してほしい「何も無い広大な砂地に赤黒いガンガゼの仲間がおびただしい数で群生しており、その上を数十〜百数十匹からなるセンネンダイの幼魚たちが華麗にヒラヒラと舞う姿」を!?こんな状況に出くわしてしまうと突如冷静さの「タガ」が外れ、何かに憑り付かれたかのごとくシャッターを押し続けてしまうのであった。

さてそんな時、必ず頭の中に沸き起こってくる音楽がある。それがタイトルにもある“ジャーマン・サイケデリック・ロックの雄”とも言われる「アシュラ・テンペル」の1stアルバム一曲目(と言ってもアルバム全2曲なのだが)超スーパーサイケデリカル&パワフル&ブチ切れ系即興セッション「説教壇(AMBOSS)」である。この曲が何故か必ず頭の中で流れ始め、ついにはオレまでブチ切れてしまうのであった・・・。

「アシュラ・テンペル」とは?

1970年西ドイツ、後に「アシュラ」そのものとなるマニュエル・ゴッチング(Gr)を中心人物として、メンバーの出入りが非常に流動的なプロジェクトとも言えるバンド「アシュラ・テンペル」は結成させる。その衝撃のデビュー・アルバムは翌1971年発表、マニュエル・ゴッチング以外のメンバーはハルトムート・エンケ(B)とクラウス・シュルツェ(Dr)という「初期アシュラ・テンペル・ゴールデン・トライアングル」である(後にシンセサイザー奏者として有名になるクラウス・シュルツェは、この当時はまだドラマーであった!?)。

ジミ・ヘンからの影響を多大に感じさせるギターではあるが、エレクトロニクス処理に加えて、浮遊感のある閑寂とした空間からフリーフォームなギターへと移り変わっていくという彼独特のスタイルがみてとれる。「静/動をくっきりと分けた即興には、過剰なほどのエコーがかけられ、さながら混沌とした激情の前半と平静の後半といったふうだ(ライナーノーツより)」。

ちなみに、いつもにも増して今月は訳の判らなさ具合度満点な雰囲気になって来たので、ヤバイなぁ〜と感じた方はすぐさま豪海クラブ10月号の他の人の記事に移っていただいた方がよろしいかと・・・!?

そんな音楽が頭の中を支配した状態で撮影をしていればブチ切れてしまうのも当然のこととも言えるのだが・・・。ところで、不思議なことにこういった“何故か頭の中に沸き起こる系音楽”には数多い「ジャーマン・サイケおよびジャーマン・エクスペリメンタル」のバンド・楽曲でも一つの傾向があるようだ。同じような系統のバンドで例に挙げると、前出の「アシュラ・テンペル」はもとより、「アモンデュール」より「ポポルヴー」、「カン」より「グルグル」、「ヘルダーリン」より「ヴァレンシュタイン」、「タンジェリン・ドリーム」より「クラスター」、「ノイ!」より「ハルモニア」などなど・・・。

さらに詳しく突き詰めると、アシュラ・テンペルならば「1st」、ポポルヴーならば「Hosianna Mantra」、グルグルならば「UFO」、ヴァレンシュタインならば「Cosmic Century」、クラスターならば「Sowiesoso」、ハルモニアならば「DE LUXE」・・・となるわけだが、結局この傾向がいったい何を表しているのかと言うと・・・良く判らん・・・。ただひとつだけ確実に言える事は、オレがシャッターを押している時も、「アシュラ・テンペル」のマニュエル・ゴッチングがサウンド・クリエイトしている時も、常に「感覚最優先的アプローチ」でしかないと言う事かな!?だから何だっ!!ゴメン・・・。

ところで、こんなこと考えながら魚と付き合ってるのってオレだけ・・・?

ということでまた来月。


五十嵐
五十嵐“Garuda”一規

1968年11月29日生まれ
横浜市出身
射手座 申年 RH+O型

バンドマン、大道具、そしてダイバーへと転身した変わり種。昆虫・プロレス・甘い物が大好きな現役ハードコア・パンクスだが、バーボン片手にロックを聞きながら毎夜繰り広げられる魚談義はいたってマジメとの噂・・・。秘密結社「赤い魚団」代表。

フィリピン・セブ島 リロアン

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