ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(31)

ヘビギンポを難しくしている原因のひとつは、その生時の状態がどんな感じなのか僕ら素人には知るすべがない事だ。

和名がついているものは30種近くあるのだが、それがどんなヘビギンポなのか想像もつかないのだ。(-_-;)

今まで見たことがないようなヘビギンポを見つけて、既存のヘビギンポ(既知種)のどれかだろうとは思っていても、図鑑にも載っていないし、ネットで検索してもそれらしい写真は出てこないし。。。

【スジ雄(ヘビギンポ属の一種11)】

既存の種類に「スジオヘビギンポ」という和名のヘビギンポがいる。

尾柄部に1本の黒色横帯を持つ事などが特徴とされるのだが、具体的にはどんなヘビギンポなのかよく分からない。わずかな手がかりが、「魚類写真資料データベース」にある生態写真やFishBase内の標本写真だけ。。。

この「スジオヘビギンポ」らしきヘビギンポは、過去に屋久島では3個体ほど見ているのだが、一番最初に見つけた子がこれ。

その近くにいた赤いヘビギンポも今まで見たことのないヘビギンポで、尾柄部に黒色横帯はないけど、そのときの状況から同じ種類ではないかと思っている。

上記の2匹は普段はあまり潜らないポイントでの発見だったため、その後の継続観察はできなかったのだが、その後、いつも潜っているホームグラウンドで、屋久島では初記録の「赤ヘビ」らしきヘビギンポを見つけた。

これを継続観察していたら、ある日見てみるとこんな婚姻色が褪めたような体色になっていた。

これを見ると「赤ヘビ」というよりは「スジオヘビギンポ」???

その後、このオスはバリバリの婚姻色を見せてくれる事なく、いつの間にかいなくなってしまったので、種類は特定できないまま終わってしまったのだが、今ではこの子もスジオヘビギンポだったのでは?と思っている。

こんな感じで未だに「スジオヘビギンポ」がどんなヘビギンポなのか、認識できずにいるので、このグループは暫定的に「スジ雄」とニックネームで呼んでいる。

「スジオヘビギンポ」に限りなく近いけど、まだ断定はできないでいるヘビギンポ、それが「スジ雄」だ。

ネーミングのセンスはともかく(笑)、こいつらは現状では僕の中では「スジオヘビギンポ」ではなく、「スジ雄」なのだ。

ヘビギンポのデータベース ヘビベース!


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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