ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(24)

[ここからは先は”見切り発車”連発!]

今回は「沖縄のヘビギンポ」シリーズをちょっとお休みして、まだ確信が持てないヘビギンポを1種ご紹介します。

つまり、見切り発車!

紹介するのをもう少し確信が持てるようになるまで延ばしに延ばしていたのだが、あまり確信的な証拠は掴めないまま今日まで来てしまった。。。(-_-;)

結局、僕のフィールドである屋久島ではあまり見られない魚は、継続観察ができないからいつまで経っても新しい事は分からないのだ。 自分の目でしっかり観察できていないから、自信もないし。。。(笑)

先月まで23種の日本産ヘビギンポを紹介してきたが、ここから先の数種はみんなそんな連中ばかりなので、テキトーに聞き流してくださ〜い♪(笑)

【ニセヘビギンポ】

以前、コクテンニセヘビギンポというヘビギンポを紹介した事があったが、同じニセヘビギンポ属にはもう1種国産のヘビギンポがいる。

”コクテン”が付かない普通の「ニセヘビギンポ」という種類なのだが、こいつがまたコクテンニセヘビギンポと良く似ているらしく、その実態がよく分からない。。。

Fish Baseという世界的な魚のデータベースでこの2種の標本写真を見ると、どこがどう違うのか素人にはさっぱり分からない。(笑) というか、本当にこの2種は別種なの?と言いたくなってくる。

【参考】
Fish Base: コクテンニセヘビギンポ: Pictures
Fish Base: ニセヘビギンポ: Pictures

日本の「魚類検索」を開いてみると、その違いとして挙げられているのが、眼上被弁(目の上のピラピラした小さな弁)の形だった。ギザギザだったらコクテンニセヘビギンポ、丸くヘラ状だったらニセヘビギンポだそうな。。。

でも、とてもじゃないけど肉眼でそれを見分けるのはムリ!(笑)

一応、写真に撮ればよく見えるのだが、今度はこの識別点が何か怪しく感じてしまった。だって被弁が破れていたりすればギザギザに見えてしまうし、個体差もあるような気がしたのだ。つまり似過ぎていて、この2種が別の種類だとは自分の中で何か納得がいかない!

こうなったら僕の識別センスだけを頼りに、似ているんだけど何となくコクテンニセヘビギンポには見えないヘビギンポを探しまくった。

それで見つけたのがこいつ。


通常体色? / 屋久島

まずは第一背ビレの棘の数は4本でニセヘビギンポの仲間である事は間違いない。次に目の上の被弁はヘラ状である事も確認。

でも、これだけでは識別点としては弱い!

で、僕がまず注目したのは尻ビレだ。この写真の子の尻ビレは透明で裾が白く縁取られている。基本的にヘビギンポ類でいつも同じ位置にいるのは産卵床(テリトリー)を守っているオスである可能性が強い。そうするとこいつはいつ見ても同じ場所で見られる事やその大きさからオスだと思われる。ちなみに、コクテンニセヘビギンポのオスの尻ビレは縞が入っているのだが(雌雄の差あり)、こうした裾の縁取りは見られないのだ。

他にも体側に沿って黄色く小さな斑点が見られるのもコクテンニセヘビギンポにはない特徴だと思っている。

また、体のフォルムもニセヘビギンポの方が細長くスマートに見え、吻部(口)もコクテンニセヘビギンポが寸詰まりなのに対し、ニセヘビギンポの吻部は長く尖っている気がする。

でもこれらは所詮、主観であって計測したわけではないから、メチャ怪しい見解だけど。


通常体色? / 屋久島

その後、他にも同じようなコクテンニセヘビギンポには見えない子を2匹見つけたりしているが、こいつらもこうした特長が当てはまっていた。

何となく2種の識別が分かった気がしているのだが、まだすっきりしない。これは多分、ヘビギンポは種類によって固有とされる婚姻色の観察がまだ出来ていないからだ。これができればすべてが解決されるのだが、絶対数が少な過ぎてなかなか観察できずにいた。

そんなとき、沖縄本島で撮影した見慣れないヘビギンポの写真が送られてきた。

あれ?これはもしや!!


婚姻色のオス? / 沖縄本島

赤いニセヘビギンポ属のヘビギンポ!

今までこんなニセヘビギンポの仲間を見たことがなかったから、すぐにニセヘビギンポの婚姻色だ!と感じた。コクテンニセヘビギンポはオスもメスもこんな色にはならないし、見たこともない。。。多分、ニセヘビギンポのオスの婚姻色はこんな感じで真っ赤になるのだと思うのだが、まだ自分の目で見ていないので何とも言えない。

ってな感じで今回は思い切り僕の推測に過ぎないのだが、こうして推理していくのがまた楽しいのだ♪

ニセヘビギンポ捜査はまだまだ続くのであった。。。

写真提供:
潜水案内 -okinawa- 津波古 健 氏

参考:ヘビベース! - Triple-Fins Photo DataBase


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

屋久島ダイビングサービス
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