ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(12)

Merry Christmas and A Happy New Year !!
Wishing you all the peace, joy, and love of the season.

[一番思い入れのあるヘビギンポ?]

この「ヘビギンポ偏愛」の連載を始めてから早くも1年が経った。2007年の第1発目にはやはりそれなりに思い入れのあるヘビギンポを紹介したいと思う。

とは言っても一番好きなヘビギンポがいるわけではない。。。どいつを今回のネタにしようか迷うところなのだが、やはり自分で見つけたヘビギンポはそれなりに思い入れはあるかもしれない。。。

基本的に僕自身は「見つける」という探す行為よりも、その生き物を「見続ける」という行動観察に楽しさを感じる方なのだが、それでも未知の種類との遭遇にはそれなりの興奮を覚える。

【お洒落ヘビ(ヘビギンポ属の一種1)】

のちのちこのコーナーでも紹介する予定なのだが、伊豆半島や伊豆大島、紀伊半島などで見られる「赤ヘビ」と呼ばれる未記載種(ただし決して珍しい種類ではないらしい)がいる。

このヘビギンポはかなり赤味の強い種類で、オスはミヤケヘビギンポとよく似た婚姻色(体はオレンジ色、頭部のみ濃紺色)を呈する、伊豆のフィッシュウォッチャーの間では有名な温帯系のヘビギンポだ。

しかし温帯の海を知らない僕自身はまだ実物を見た事がない。屋久島でも散々探しまくり、とうとう「赤ヘビ」にかなり近い婚姻色のヘビギンポを見つけた!

それがこれ。。。

早速、伊豆のダイバーたちに聞いてみると、口を揃えて「何か赤ヘビと違う。。。」との答え。確かに体の赤味の色合いがやや暗く、尾柄部の黒い帯は赤ヘビにはない特徴だった。そして決定的に違う点は、どの婚姻色オスもまるで口紅を塗ったかのように唇が赤い事だった。

これはオスの通常時の体色。通常体色でもよく見ると口紅の跡(吻部の色素が抜けた部分)が見られる。

このヘビギンポも多分、未記載種ではないかと思われるのだが、口紅を塗ったお洒落なヘビギンポという事で、ひとまず「お洒落ヘビ」と呼んでいる。

しかし、その口紅は明らかに唇からはみ出ていてお化粧が下手!(笑)

お洒落なヘビギンポである事に疑問の声も。。。(-_-;)

ヘビベース! - Triple-Fins Photo DataBase


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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