南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

ワニは持久力が…


パラオにはワニが棲息しています。

ミクロネシアで唯一ワニがいるのがパラオなのですが、昔からいたという話もあるけど、実際は日本が統治していた時代に食料用として持ち込まれたものらしいです。

戦争を迎えて食糧難が予想されたために放たれたのでしょうが実際食べてみると鶏のササミに似た感じでまあまあおいしく食べられます。現在パラオでは捕獲が禁じられているので誰かがこっそり捕らえたものをご相伴に預かるしか食べる方法はないのですが、最近は数が増えすぎて問題になっているそうです。

ちなみに過去に人を襲った記録はあるのですが1965年以降は誰も襲われた人はいないそうです。

まあ、だからと言って安全ってことでもないでしょうけど・・・

このワニ、パラオイリエワニという名前なのですが大きいものでは3m以上になるそうで、マングローブエリアや小河川の周辺に生息していて夜になると活動するとのこと。エサは魚を始め、ネズミ、野鶏、犬、猫、トカゲなど動いているものなら何でも食べるようですよ。中には飼っている人もいるのですがその人の話だとエサをあげればあげるほど食べて、その分だけどんどん大きくなるからエサをあげる回数は週に一度くらいにコントロールしているとのこと。それでもその人の飼ってるワニは2m近くにまで成長してました。僕が住んでいるペリリューにもたくさん生息しているのですがなにせ相手は夜行性、昼間はなかなか見ることができない、って言うか見たくないでしょ、最大3mのワニなんて・・・

ローカルたちは昔は良くワニ狩りに出かけていたそうです。ライトで水面を照らすと目が赤く光るのでそれを頼りに船を近づけていってロープを持ってワニめがけて飛び込み、口にロープを掛けるとワニはグルグル回って抵抗するそうで、勝手に口が縛られるから楽に捕まえられるんだと、彼らは笑って話してくれましたが絶対真似したくないですね。捕まえるなんてとんでもないですよ、近づく事だっておっかないんですから。サメならともかくワニなんて普段動かない分何考えてるかわからないし・・・

と、思ってこれまでわざわざ見に行くことも無く過ごしていたワニですが先日ひょんなことからバッタリ出くわしてしまいました。場所は外洋に面したリーフ内。え?こんなとこに?? というくらいワニが住んでいるには似つかわしくない、きれいなサンゴがひしめき合う水のきれいな浅瀬でした。さすがに普段からこんなところに住んでいるわけは無いですからきっと流されて迷い込んでしまったのでしょう。

最初は近づいて行っていきなり噛み付かれたらどうしようとおっかなびっくりだったのですが、相手がまだ小型だったこととこちらが寄っていくと逃げ出したのでこれなら大丈夫そうかな?と、言うことで追跡開始!こんな条件で見れるチャンスは二度とない、と、言うことでワニには申し訳ないけどかなりしつこく追い回してしまいました。そこで分かったこと。「ワニは持久力がない」。

尻尾を振りながら泳ぎ、スピードはそれなりにあるもののちょっとダッシュしたらすぐ水面に浮かんで息継ぎがてら休憩。で、またパタパタと泳ぎ出したらすぐ休憩。ずっとこれの繰り返し。おかげで振り切って逃げられることもなくずっと追跡できたのですがこれってワニがまだ小型だからなのかな?それとも大型の個体でも同じなんでしょうかね?気になるけど、でも3m級のワニと一緒に泳ぎたくはないなぁ。


遠藤
遠藤 学

1973年生まれの東京人

学生時代に所属していたダイビング部のOBである現オーナーにサラリーマン時代の1/8の年俸でヘッドハンティングされ、パラオに移り住んで早9年目。

七色の技を繰り出す怪しいガイドで独自の地位を築くも、年々ハードルが高くなるお客様のリクエストに応えるため日々技の開発にいそしんでいる。

次の目標はバショウカジキ。うまく魚が技に反応すると「来た〜」と、言うより「食ったぁ〜」と叫んでしまう釣りバカでもある。

ミクロネシア・パラオ

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