南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

丑年なので・・・

前々号でも少し触れましたブルシャークです。少し触れたというより今原稿書き終えて見直してみると結構ネタがかぶっているのですがまあ、その辺はご容赦を・・・

このブルシャーク、標準和名はウシザメですが、オオメジロザメと言ったほうが通りはいいですね。人喰いザメのトップ3にランクインされる正真正銘の人喰いザメなのですが、ペリリューでは通年行われる満月時のバラフエダイの産卵時と春と秋の新月前に行われるイレズミフエダイの産卵時には必ずと言っていいほど現れ、その数は通常2、3匹、多い時には10匹近くにもなります。しかもこの産卵狙いのダイビングはデイドリームしか行っていないという僕らにとってはかなりありがたい完全独占超大物ネタなのです。

サイズは通常で3.5m、大きいものでは5m近くになるのですが、傍から見ている分にはでっぷり太った体でまさしくのそりのそりとウシのように徘徊している、取り立てて危険には思えないただのメタボなサメです。

とは言ってもそこは『御三家』の一員、近づくと逃げる他のサメ達と違い、最初は距離を保とうとするもののある程度まで距離を詰めると逆に近寄ってくるそぶりを見せたりします。また、近づいてくるにしても例えばグレイリーフシャークが興奮して突っ込んできたとした場合、目の前1.5mくらいで反転するもののこのブルシャークは触れるような距離まで近寄ってくることがあります。いや〜 心臓止まりそうになりますね、そんな時は・・・

あ、でもご安心を、こちらから近づく気がない限り向こうがそこまで距離を詰めてくることはありません。基本的には僕らダイバーの存在はほとんど無視しています。まあ、考えてみれば目の前にバラフエダイやイレズミフエダイと言うエサが数千匹の単位で群れているわけですからね。わざわざゴボゴボ空気吐いている食えるか食えないか訳の分からない生き物を味見する必要もないのでしょう。

おすすめの狙い時は満月の頃のバラフエダイの産卵時に着いているもので、イレズミフエダイの産卵時よりも浅い水深で見ることができます。年中満月の頃に産卵していますが特に数が多くなる冬場から初夏にかけてがお勧めですよ。1回の満月で4〜5日産卵するのですが真っ暗なうちに産卵を終えてしまう時と比較的明るくなっても産卵を続けている時があるのですがその辺りのデータは内緒です♪

どちらにしても昼間に比べると光量が落ちるので撮影機材もそれを見越したものでいらしてくださいね〜


遠藤
遠藤 学

1973年生まれの東京人

学生時代に所属していたダイビング部のOBである現オーナーにサラリーマン時代の1/8の年俸でヘッドハンティングされ、パラオに移り住んで早9年目。

七色の技を繰り出す怪しいガイドで独自の地位を築くも、年々ハードルが高くなるお客様のリクエストに応えるため日々技の開発にいそしんでいる。

次の目標はバショウカジキ。うまく魚が技に反応すると「来た〜」と、言うより「食ったぁ〜」と叫んでしまう釣りバカでもある。

ミクロネシア・パラオ

DayDream PELELIU

Tel:680-345-3551

www.daydream.to/peleliu
endo@daydream.to