南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

初心

こんにちは。今月もペリリューからお送りします。

と、言いたい所なのですが実は今グアムに手伝いにきています。そんなわけで「ペリリューの海から」というタイトルを見ないフリして今回はグアムにて思う事でも。

僕の住んでいるペリリュー島は公称人口400人(実際はその半分くらいのようですが)。それに対してグアムの人口は約16万人。ペリリューで生まれ育った人がグアムに初めて来たら相当ビックリするんでしょうね。

コロールですら都会に感じ始めていた自分にとっても、この混雑度合いはかなりクラクラきます。そしてペリリューとのギャップは、ダイビングでもひしひしと感じますよ。ご存知のようにペリリューは上級者向けの海。対して日本からお手軽に訪れる事のできるグアムはビギナーさんや体験ダイバーさんの比率が高い。自然と自分が接するお客様もそうしたエントリーレベルのお客様が多くなるのですが、いろいろと気づかされると言うか、考えさせられますね。

普段僕がペリリューで接しているお客様と比べて何が違うって、そりゃ挙げだしたらきりがないけど、一番違うのは感動の度合い。船の上から見る水の青さに目を見張り、水底から見上げた太陽や雲に陶然として、魚たちを見て大興奮。彼らの素直な感動を目の当たりにすると何だか自分がスレてきてしまったのだなと反省すると言うか考えさせられます。

もちろん今でもちょっとしたことに感動する事は多いのですが、それでも心のどこかでは冷静な自分が常に付きまとって、よほどのシーンでないと心の底から感動する事ってなくなっていっている気がするんです。それって人生楽しんでないんじゃないの? なんて思っちゃいますよね。

もちろんペリリューはガイドの際は常に緊張していなければならない海なので、いちいち感動していて我を忘れてたらそれこそシャレになりません。だから意識して平静を努めようとしている部分ももちろんあるのですが・・・

でもね、やっぱり自分が楽しんでなければお客様を楽しませる事ってできないでしょ?

もちろん海もガイドも今でも楽しんでいますが、きっともっとピュアな部分で楽しんでお客様もっともっと楽しくさせてあげなければプロとは言えないのだろうなとグアムのお客様を見て改めて思った次第です。

初心忘るるべからず、ですね。


遠藤
遠藤 学

1973年生まれの東京人

学生時代に所属していたダイビング部のOBである現オーナーにサラリーマン時代の1/8の年俸でヘッドハンティングされ、パラオに移り住んで早9年目。

七色の技を繰り出す怪しいガイドで独自の地位を築くも、年々ハードルが高くなるお客様のリクエストに応えるため日々技の開発にいそしんでいる。

次の目標はバショウカジキ。うまく魚が技に反応すると「来た〜」と、言うより「食ったぁ〜」と叫んでしまう釣りバカでもある。

ミクロネシア・パラオ

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