デジタル談義 その7 豪海倶楽部  

【こ】

今月は雄輔さんとのスケジュールが合わなかったので、私、こーすけがひとりでお送りします。なんかチビダンゴにはまっているみたいです。

雄輔さんのデジタル導入が当初の予定よりスローペースで、思ったほど進んでいません。いろいろと余計なことを吹き込みすぎたかなぁ(笑)。 というわけで、今回も前回に引き続き、新しく発表されたものや、ちょっとした小物のの解説をしたいと思います。

【こ】

デジタルカメラ

先月触れなかったもので一番目に付くのがオリンパスの「E-330」でしょうか。ファインダーを覗かない一眼。

ただ詳しい解説をするとものすごく長くなるので避けますが、この「液晶ビュー」、まだまだ発展途上です。デジタル一眼はいずれはこのような「液晶でも」撮影できるスタイルに近い将来なっていくんでしょうが、現時点では---特に水中での一般的な撮影を考えると---全くの力不足です。まだ「ギミック」の域を抜けてないですね。

キヤノンからは30Dが発売になっています。結果的には20Dのマイナーチェンジ。一部で話題になっていた「イノンの20D用ハウジング」とどちらが先に発売されるか」は、キヤノンの勝ちとなりました(笑)。

20Dと比べて外観的には、液晶が大きくなりボタンの位置などが少しずつ変わっている程度なんで、ハウジングは小変更でできるかと思いますが、イノンは作りますかねぇ? イノンのハウジングに関しては出荷が間に合えばGWに試用できそうなんで・・・再来月にリポートできるかもしれません。

【こ】

レンズ

ようやくニコンの105マクロ(・・・マイクロか)がモデルチェンジしました。「-S」化(オートフォーカスにレンズ内超音波モーターを使用)は予想通りですけど、「VR」までついてきました。

「-S」に関しては、マニュアルフォーカスとオートフォーカスがシームレスになるので使い方によってはものすごく便利になります。ようやくキヤノンに追いつきました。特にネクサス系のフォーカシングに減速されたギアを使っているハウジングでは、ピント合わせに「ギアを何回転もさせる」ことから解放されます。アバウトにはAFで、シビアにはMFで。

一方「VR」・・・手ぶれ補正ですが、ニコン自身も言っているようにマクロ域では補正の効きが低下するのと、補正は原理的に「上下左右」しか効かなく、マクロ域では結構な問題になる「前後」の動きには効果がないことなどから、水中利用ではあまり意味がないかもです。

またインナーフォーカスになったことで、フォーカシングで全長の変化がなくなりました。これによってポートの長さを押さえられるので、水中では有利ですね。ただ「VR」がついたことで、かなり太くなっています。ポートの流用などはできない模様。

また定価で約125,000円と結構高価なレンズになっています。

【こ】

ハウジング

先月から新たに発表されたものはないのですが・・・。

デジタル一眼の(現時点での)一番のウィークポイントのひとつは「ファインダー」ということに各社お気づきのようです(フルサイズ機にすればかなり解決しますが)。先月も触れましたが、イノンの「角度付き」はすばらしく良く見えますが、いかんせんあの大きさと重さ、そして「角度付き」・・・用途が結構限定されてしまいますね。

ネクサスは「ピックアップファインダー」と「マグニファイアー」の選択となっていますが、結局「小さくなってピントの確認が更に困難になる」「フレーミングができなくなる」という大きな欠点も同時に抱え込みますので、根本的な解決にはなってません。むしろ「素通しが一番いい」なんて声もありますし。

で、ネクサスのホームページを見ていると「Nexusファインダー ファインダー像をほぼ等倍でケラレなく確認できます 準備中」なんてことが掲載されています。 理論的にはコンパクトにこういうものを作ることは「ほぼ無理」なんですが、どんなものが出てくるんでしょう・・・。

S&Sは・・・比較的安価でラインアップも豊富なのはいいんですが、露出決定のための2つのダイアルはどうやっても「グリップを握って、ファインダーを覗いたまま」操作できるものではありません。モデルによっては片方のダイアルならなんとかできそうなものもありますが。

ダイアルを大きくして形状を考えればなんとかなりそうなモデルもありますし、なんというか本当に簡単なことなんで、一考をしてもらいたいものです。

【こ】

ストロボ

イノンの最上級モデル、「Z-240」が発表(発売)になっています。

機能はてんこもり、ガイドナンバーも少し上がって(イノンによると実効値ではものすごく上がっているようですが)、リサイクルタイムも大幅短縮(これに関してはかつて雄輔さんが「まやかし」に関して書かれていますが)されているという、立派なスペックです。値段も上がっていますが、それなりに長く使えるものになるようです。

一方、S&Sの「YS-110」は製品化が遅れているようです。スペック的にもZ-240にかなわないですし・・・。

【こ】

水中撮影関係の小物

コンパクトデジカメを使っていて、水中で取り外しのできるアタッチメントレンズの便利さにお気づきの方も多いかと思います。イノンからは100mm用ポート専用のねじ込みのクローズアップレンズが出でいますし(自分も常にBCのポケットに入れています)、以前はネクサスからも出ていましたね。イノンのものはレンズが2群2枚のアクロマート、ネクサスのものは「虫眼鏡」程度だったんで、画質には大きな違いがあったようですが。

テレコンなどと違い水中で取り外しができますし、露出倍数がかからないという利点もあります。

で、いつ出たのか自分は知らなかったのですが、アテナから一般的な一眼用ポートと、コンデジでは一番流通している「M67」(直径67mmネジ)のクローズアップレンズとのアダプターが出ています(このページの下のほうにある「M67アダプター」です)。このレンズは持っている方も多いので、結構な便利グッズではないでしょうか。

ただ、クローズアップレンズは、「像そのものが大きく見えるようになる」作用はごくわずかで、「最短撮影距離を縮めて、結果的に大きく写る」というものですので、もともとワーキングディスタンスの短い50〜60mmクラスのマクロレンズではほとんど効果がないですし、寄れる被写体でないと意味がない、ということには注意してください。決して完全にテレコンの代わりになるものではありません。水中で思わず見つけた小さい(かつ動きがあまりない、逃げない)もの用です。

【こ】

パソコン関係(ハード・ソフト)

モニターのキャリブレーションの重要性に関しては、今までも述べてきましたが、機器の値段がどうしてもネックになっていました。しかし、ずいぶんと安いものがでてきました。(参考サイト:impress Direct

まだ詳細はわからないですが、15000円程度で買えるようになるようです。機能的には「簡易」の域を出ないとは思いますし、「これがあれば安い(古い)モニターでも綺麗に見える」というものでもないですが、かなり敷居が下がってきています。

カラーマネージメントに対して大幅にフレンドリーになるといわれているウインドウズの次期OS「ビスタ」の発売は来年に延びるようですが、来年の今頃はこのあたりの概念はかなり変わってくるでしょう。

ニコンから現像ソフト「ニコンキャプチャー(4)」の後継「キャプチャーNX」が出るようです。

「4」の「フォトショップ要らず」が更に進化しているようなんですが、どうやら前ののモデルからの「アップグレードバージョン」ではなく「新規購入」が必要なようです。なんだかなぁ・・・。

【こ】

さて、少しお勉強です(笑)。

フィルムでもコマ間にデータを記録できるものがありましたが、デジタルデータの場合、画像の中にもっと細かくデータが埋め込まれています。それを見てみましょう。

まず汎用としてのフォトショップですが、基本的な事項・・・撮影日時、シャッタースピード、露出モード、絞り、ISO感度、レンズの情報などが読み取れますね。


(クリックすると拡大)

ストロボ関係は純正のストロボがついていないと、正確なのは出てこないです。レンズやストロボとのデータのやりとりをしているわけです。 「ファイル(F)」→「ファイル情報」でこれを見ることができます。

次にカメラメーカー製のビューワーソフト・・・この場合はRAW現像ソフトであるデジタルフォトプロフェッショナルでRAWデータを見たものです。


(クリックすると拡大)

メーカー固有の設定値(メーカーノート)・・・現像パラメーターやら(この場合は未現像なんで、カメラ内部の数値です)、「ピクチャースタイル」(未現像なんでブランク)まで見ることができますね。

水中写真の場合、外部ストロボというここには現れてこないパラメーターがありますので、どこまで役に立つか、というと若干?ですけど、「データ取り」をする方にはかなり役に立つでしょうね。

あと、つけたしですが、フォトショップでのRAW現像に関してはこんな本も出ています。

現像段階でいじるところって、フォトショップによるレタッチの基本となるデータの部分なんで、このへんをまず理解しておくといいかと思います。決して安くはないですがフォトショップCS以降、フォトショップエレメンツ3.0以降をお使いで、RAW現像に悩んでいる方は是非。

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